2020/10/18 のログ
ロブーム > 勿論、一見まともに見えた貞操帯が――などという事もなく。
見た目こそ薄いが普通に、しっかりとした作りのそれは、問題なく装着できるだろう。

「さて、それでは前と同じく、私の膝に座ってもらおうか
前と同じく、深いところにな」

そう言って、ソファに座る男。
貞操帯のお陰で、肉棒の感触が殆どないのは、少女にとって思わぬプラスと言った所か。
だが――

「さて。折角なので、少し趣向を変えようと思う。
前回は羽根だったが、今回は指主体――但し」

そう言うと、机の上に香炉が置かれる。
香炉は自発的に桃色の煙を周囲に撒き散らす。
勿論、シンディはモンク――呼吸法の達人。
その気になれば、息を吸い込まない事もできるだろうが。

「ほれ、息が吸いやすいように、手伝ってやろう。
こちょ、こちょこちょこちょ……」

脇腹をかき鳴らすようにコリコリと擽り、それを妨害する。
大きく笑ってしまえば、その分息を吸わざるを得なくなり――そして香の効果が現れるだろう。
全身が敏感になるのと同時に、胎の奥――子宮が、じゅくじゅくと疼くその効果が。

シンディ・オーネ > 「…同じ事だ。
 1時間で帰らせてもらうが、何時間あったって。
 その―― せ、生理現象に、逆らえなくても。
 逆にお前は、生き死にかけてでも誰かに奉仕を求めるほど追い詰められた事があるのか?」

セックスバトルをある程度受け入れる物言いになってしまうのは現状しょうがないところで。
どんなに追い詰められても発言は制御してみせると言って、
逆にこの男には、自分がそこまで追いつめられた経験はあるのかと首を傾げる。

それで堕とされた女がいるという話もにわかには信じられず、
もしこの男が勘違いしているのでなければ、私は本当に高潔なのではないかなんて自信すら。

――火照った身体で貞操帯した尻を男に押し付けて、そんな事を思ってしまう。

「――!」

が、香炉が焚かれいかにもな色の煙が立つと、いよいよ来たかと引きつった。
…幻覚作用などは無いという、男の言葉を信じる他にない。
いずれにせよ吸いたくないには違いなく、呼吸は整えるがお見通しのように――

「――っふ!?っふあははははははちょっ、まてちょっとそんなの深呼吸っ、しろと言えばあはははっ!」

脇をくすぐる指に緊張感無くひいひい言わされて――
その指にすらただのくすぐったさとは異質なものを感じ始めてしまっているが、
発言の制御くらいは貫いてみせられると思っている。
もうすでに、命令形の言葉は発しないというのを、先ほどのインターバルでうっかりしてしまっているのだが。

「――ッんんぐっ…!?」

――そして効果は劇的で。刺激に慣れ始めているはずなのに鋭敏化する感覚に、
真剣にあまり吸ったらまずいと慌てて息を詰まらせた。

ロブーム > 勿論、男に、その様な経験はない――悪魔は何時までも、追い詰める側、もしくはそれから救い出す側である。
むしろ、それ故に男は美しい心の持ち主を、一種過大評価してしまっている所があるが。
それはともかく。

「あまり、命令ばかりでも情緒と言うものがないではないかね」

と言いつつ、擽り続ける男。
勿論それだけが理由ではないのだが、敢えてそれは今は言わず。
肋骨の硬い感覚を楽しんでいたが、彼女が喉を閉めれば、

「ほう?意外と頑張るではないか。
では、こういうのはどうかね?」

と言うと、彼女の目の前に、男の手と全く同じ手が現れる。
手首から先がなく浮いているそれは、ふよふよと首筋に近づくと。こしょこしょと撫で擽ってくる。
更に、それを皮切りに、同じものが三つ程ぞろぞろと現れ、両足の裏と臍にまで現れ、それぞれ擽り始める。

右の足の裏はこちょこちょとばらばらの指の動きが撫で、左の足の裏は人差し指が土踏まずを爪でカリカリと集中攻撃。
お臍も同じく人差し指でくにくにこしょこしょと。
それぞれが堪らない擽ったさを生み、少女の我慢を突き崩そうとして――

「さて、そろそろかな」

そう言って、男は脇腹を擽る手を止めて、彼女の乳首を優しくくにくにと指で弄ぶ。
擽りに快楽を混ぜ込み、より一層我慢の効かぬものにするためと――そして、これから行う責めの為に、快楽の火を少しずつ大きくするために。

シンディ・オーネ > 「――んンっ… ンッ… っふぅッ…!」

何が情緒かと抗議したいが今は喉を締めて。
鼻を鳴らしてしまう声は、香炉の影響下でくすぐられる事に、甘い音を漏らしはじめている。
――きゅっと目を閉じ耐えていたが、こんなのはと不穏な言葉に目を空ければ宙に手が。
普通に気味の悪い光景にぎょっとするが、それがもたらす影響は深刻で――

「――ンァあンっ!? っちょ、ひゃっ!? ばかやりすぎ――」

加減ってものがあるでしょうと慌て翻弄され―― いっそコミカルに笑い声が止まらなくなった。

申し訳程度に膝には座っていて、その胸に背も預けてしまうが、
手足は暴れさせて襲い掛かる手をもう反射的に振り払おうとし、無駄であははははは。

やがて呼吸を我慢するどころではなくなり酸欠にひゅーひゅー喘ぎはじめたところで――

「――んんんぅううううううッ!?」

唐突にクニクニされてしまった乳首に、ガクンと身体が前に倒れた。
媚薬に侵された身体にはそれだけで達してしまえそうな刺激で、
しかしそこまで開発されてはおらず、もう少し、もう少しと全身で何かを求めるようにもじもじしてしまう。

絶頂へ導かれる事がそもそも嫌悪すべき事なのだが、勝負の条件に振りまわされて、
チャンスがあったらイってしまえた方が、後で追い詰められて済むみたいな感覚になってしまいつつあった。

ロブーム > 乳首責めの効果で、十分に媚薬が身体に浸透したと判断し、男は次のステップに出る。
まず、擽る手を、全て緩める――優しく、優しく、擽るのではなく、愛撫するように。
足の裏を責めていた手は、内ももの方に渡って、内ももを優しく撫で回す。
フェザータッチによる全身愛撫――と言い換えてもいいほどに、触るか触らないかの感覚で全身を柔らかい快楽で包んでいく。
当然、その中でも乳首は優しく弄ばれる。
痛いほど充血したその突起は撫で回され、時には優しく引っかかれ、掌で撫で回され――

「さて。そろそろ、本番と行こうかな。
この責めは、少々時間がかかる」

ある時、男は乳首責めをやめてしまう。
その代わりに、臍を優しくくにくにと擽っている手より下、下腹の方に両手を持っていく。
そして、親指で、"そこ"をやや力を入れて押し始める。

「さて――ある意味、普遍の一番の泣き所と言った所だが、君にはどうかな?」

最初の内は、変化は無いだろう。
だが、やがてそこを揉みほぐされる事に、じんわりとした切なさを感じ始めるだろうか。
何故なら、"そこ"は、薬のお陰で今たっぷりと活性化し、精を求めているのだから。
そんな所に、肌越しに指でぐにぐにと刺激を与えられているのだ。
そして、"そこ"とは――子宮だ。

「子宮マッサージ責め――と言った所かな。
媚薬で存分に子宮を活発にしていなければ効果はないが、その分、下手に膣をかき回されるよりも、辛いぞ――?」

本来、子宮口で感じるはずのじんわりとした、"気持ちいい"を、しかし直接的な事は何もせずに送り込む。
挿れられるよりも当然弱いそれは、少女が満たされぬ事を自覚させる為の、か弱すぎる篝火だ。

シンディ・オーネ > 「っは、っは、っはひぃっ、ぃいんっ…」

痺れるほどの快感に身を打ち震わせて、もっともっとと感じてしまうが、
しかし相手は野良犬のように不意の襲撃をかけてきた自称悪魔。

契約以前に何かを求められる相手ではなく、そこに契約もあればおねだりは選択肢に入らない。

何をされようと一時間だと念じて、刺激がやさしくなると焦燥感すら感じるもどかしさに襲われるが、
みっともないとろけ顔で限界っぽい息を熱く甘くつきながら、
自分で腿をすり合わせたり、うっかりお尻を誘うように押し付けてしまったりしても、
イかせてくださいなんて――

「――?」

反射として身をよじらされ、甘く鳴かされてしまいながら、
男本体の手?が下腹部を押してくると、他の部位に比べればマシではないかと安心するが――

「…っん――? え… ッ…!?」

…知っている快感が、貞操帯をしているありえない状況で送り込まれる。

ぞくっと警戒するが、危ぶんだほどの刺激は送り込まれず―― それがかえってもどかしく――

「――っこ、こんなもの、辛く、なんて…」

絶頂へ向かって追い立てられる刺激を辛さとして、全然足りないよと強がるけれど、
相手が積極的にそれをしてくれない状況では確かに辛い。
とはいえ、本来イかされたくもないので辛くなんかないぞ下手くそめと。

ロブーム > 「言っただろう?この責めには時間がかかるのだよ――」

そう言って、男はあくまでも同じところを、くにくにと押し続けるだけである。
くにくに、くにくに。
くにくに、くにくに。

むしろ、最初の内に辛いのは他の手の方かも知れない。
"手"達は、擽りから一旦離れ、胸の愛撫に集中してくる。
それも、乳首は触らずに、胸をぽよぽよと揺らしたり、乳腺を指でつぅ、と撫でたり、かと思えば思わせぶりに乳輪をくるくるとなぞったり――だが。

「そろそろ、怖くなってきたのではないかね?
――子宮の疼きが、どんどんと強くなってきたことに」

そう。生じずっとあるから、香炉の存在を忘れているかもしれないが、この香の効果は、嗅いでいる限り効果が上昇し続けるのだ。
子宮が、疼く。疼き続ける。それも、ゆっくりだけど、際限なく。
甘い、甘い波が、押し寄せるのに弱くて、イケない――

「焦る事はない。
二十分かけて、じっくり君の子宮を甘え上手の蕩けた場所にしてあげよう」

シンディ・オーネ > 「……。」

ふー―、ふー―、と長く押さえた堪える息をつき。
あらゆる刺激から努めて意識を逸らそうとするけれど、
一人の人間から与えられるにはありえない刺激量に、媚薬で鋭敏化された神経を無視なんて不可能で。

「――んァあンっ… そんなっ、こんなっ―― 言わないぞッ…! 一時間、一時間だっ、もう半分なんだから…!」

もう一度砂時計を返してから10分、合計30分は経っているだろうと期待して、一時間、三十分、と念じるように繰り返す。

媚薬の効果はある程度で天井と勝手に思ってしまっていたが、疼きは異常な昂りをみせて、
目をきつく瞑れば涙、喘いでしまうと粘つく唾液が零れてしまう。

貞操帯の下で秘所などはもう水たまりを作りそうな勢いで。

「――何時間だって言えばおしまいなのに言うものか。
 一時間ただ我慢すればいいものを、言葉だぞ、ただの言葉だ出すものか…っ!」

はひはひ苦し気に喘ぎながら、祈祷のように言葉を絞り出す。
便意や尿意や嘔吐でもない。言葉を発するかどうかは完全に意思だけの問題で、
痛みでもない快楽なんぞで屈するわけがあるかと言い聞かせるように繰り返す。

ロブーム > 「そうかそうか――そうだなあ。確かに、ただの言葉だ。
だから、次の命令も、きっと平気に違いないな?」

にやり、と笑って、男は言う。
既に、彼女の身体は快楽に浸っている。
それを言えないのは、あくまでも意思。意思の力だ。
だが――意思の力を挫く魔法の言葉があるのだ。
それは、男が言うのではない。

「命令しよう。次の言葉を復唱しろ。これは、堕落には数えない――『イキたい』」

そう。
言わないのなら、言わせるまで。勿論、これはノーカウントのもの。
だが、自分で言葉にするという事は、つまり自分の欲望を形にしてしまうということ。

「『イキたい』『オナニーしたい』『もっと強く乳首を抓って欲しい』――」

執拗な子宮マッサージ責めも、ある意味ではこれの布石。
緩やかな、じんわりとした快楽に浸らせつつ、自分の欲望を自覚させる。
悪魔の誘惑とは、かくも意地の悪いものである。

シンディ・オーネ > 「――いち、じかんっ… さんっ、さんじゅ、ぷんッ…」

イきたい、イきたい、もうちょっとほんのあとちょっとなのにどうしてと、
そんな風に感じてしまってはいけない男の膝の上で「それは許される事」として身を捩る。
バタバタ首を振りながら、まるで挿入されているみたいに膝の上でトントン跳ねてしまって。

「さんじゅ――ァ…? あ、ああ、イきたい……」

あんまり聞いていなかったが、命令と言われてようやく意識を向けて、
今まさに思っている事そのままだったので、とろけた意識で素直に口にしてしまう。

「――ッ…!」

自分の声で言ったその音を聞いて、ギクリとした。
ある意味我に返る事が出来て救われたのかもしれないが、
朦朧として逃げていた方がまだおねだりはせずに済んだのではないか。

「――ぃ… き、たいっ… ぉおっ、オナニー…ッ オナニーしたいっ、したいっ…
 もっと―― もっともうやめてさわさわつんつんっ…!」

中断されてしまったらそれはそれで辛いのかもしれないが、
媚薬で昂っているはずなのに与えられる刺激では一向に足りず、
いい加減にしろと声を荒げてしまうが、命令には従う姿勢で。

「――も、もっと、つよく… ちくび―― ちくびっ、つねっ、つねって、つねってほしいっ…!」

命令で言わされただけのものだが、本心だという自覚がどうしようもない敗北感を。
しかしそれが敗北であると改めて意識できて――

「――ぅうぅうううううう…」

敗北宣言のように泣き声のような声を漏らしてしまうが、切羽詰まったそこで ガリッ と不穏な音が口内で。

「――っっっ…!」

生き残るためにしているのに舌を噛み切ったりはしないが。
頬肉を内側でけっこうな大きさに噛み破り、喘ぎに合わせてコプッと鮮血が滴る。

「いちじかんっ…! さんじゅっぷん…!」

痛みの方が快楽に紛らわされそうな状態ではあるが、感覚にノイズを起こして歯を食いしばり虚空を睨む。

ロブーム > この責めの辛い所は、逃げ場がないという事。
全身を快楽で包まれているから、脚をじたばたさせようが、何をしようが、逃げられない。
ただただ、もどかしくい切なさが、少女に与えられるばかり。
だが――

「ほう。自傷とは――これは予想外だった」

と、本当に驚いた様に言う。
実際、予想外だった。まさか、自傷を――それも、かなりの痛みを伴う様な、頬の噛みちぎりをするとは。
そこまでして、恋人との貞操を守りたい。それが、美しき心でなくて何だろうか。

「――良いだろう。少し、本気で惚れてきたぞ、少女よ」

勿論、悪魔の『惚れる』は人間とは違う価値観ではあるが、しかし最大の褒め言葉だった。
とはいえ、勿論その程度の傷は、男が手で頬を撫でるだけで簡単に治療されてしまう。
更に、彼女がまた自傷を行うより早く、

「自傷を禁ずる」

と早口で言う。
そして、その上で男は囁く。

「良いだろう。そこまでして私のものになるのを拒むというのなら、こちらも本気で奪うまでだ」

その直後、少女の頭の中に声が聞こえる。
それは、聞き覚えのある声。
何せ、ついさっき聞いたばかりの声だ。

『イきたい……』

『オナニー……ッ オナニーしたいっ、したいっ……』

『ちくびっ、つねっ、つねって、つねってほしいっ…!』

「自分の声に焦らされるというのはどんな気分かな?
ああ、これは耳を塞いだりするのは無駄だ。魂に聞かせているからな――そして」

次に、少女の目の前に鏡を召喚する。
だが、そこに映し出されるのは、少女と男ではない。
貞操帯を付けていない少女が、思う様に自分の指を膣に埋めて、オナニーしている様だ。
勿論、目を瞑れば遮断できるが――そうすれば、頭の中の声と、体中の快楽だけを感じてしまう。

「勿論手の方も責め方を変えていくぞ……?」

責めている手の内一つが、胸を離れてこんこん、こんこんと貞操帯をノックする。
更に、もう一つの手が、刺さりっぱなしの鍵を、鍵穴に更に突き刺す様に軽く叩く。貞操帯が押し付けられる感覚と、かちゃりかちゃりと鍵が鳴る音が、少女を誘惑する。

胸を責める手は、乳首だけを丁寧にすりすりと親指で撫で擦る動きに変化する。
懇願していた抓るとは全く逆の動きは、いっそ悪意すら感じるかもしれない。

そして、少女に許されていた逃げ道もきちんと閉ざす。

「おっと、顔をそらしてはいけないぞ……?ちゃんと見るか、或いは目を閉じるか、二者択一だ」

シンディ・オーネ > ――口内の痛みと広がる鉄の味に一時平静を取り戻すけれど、それも後味を残してあっさりと消えてしまった。
そうか治してもらえるのならもう少し派手にいってもいいなと覚悟するが、自傷は早口に禁じられ。

「――何がお前のものだっ! 契約の強要と強奪で!」

怨嗟の声は悲鳴のように。
逃げ場のない空間に拉致し、結ぶしかない契約を提示して、それで魂とかをものにしても強奪だろうと。
言われるまでもなさそうだが、憎悪を怒りを口にして――
しかしその脳裏では、自分の切羽詰まった懇願がまるで聞こえるように響きだす。

「――ぁああああああっ…!」

違う違うと髪を振り乱し、いかなる細工か自分の痴態などを見せられると思わず喉を鳴らして唾を飲む。
しかしそれが自分だけの姿であれば、時間さえ経てば自分で慰められるのだと言い聞かせることができなくもない。

「…いちじかんっ―― いちじっ… じ、時間! 時間、ちゃんとしてるだろうな!?」

砂時計はあと1回返されなければ。
まさか誤魔化そうとしてないだろうなと時計に目をやって。

――責め方が少し具体的になってくれたが、それでも足りることはない。
絶妙な匙加減でもどかしいだけで、繰り返される寸止めにはもうやめてと懇願しそうになるが、
それが魂の喪失だかなんだか深刻な事態を招くとなれば、まだ我慢はできる。

自分を慰める自分をじっと見つめて、ただ待てばこれが手に入るのだと。

「――アニー… あああ、アニー… 助けて…っ」

恋人の愛称を呼んで、耐えなければ、帰らなければと。

ロブーム > 「その通り。悪魔とは、魂の強奪者だ――私のやり方は、他に比べて幾らか穏便だがね」

と平気で言う。
彼女が確認すると、砂時計の砂は後少しと言った所――まだ、後ほんの少しが、少女にとっては長いかも知れないが。
そして、

「そうだ、折角だから、私に堕とされればどういう結末を辿るか、見せてやろう――それ」

そう言うと、鏡の中の映像が変化する。
目の前で、裸の男が太く長いモノを、シンディの前に曝け出す。
そして、シンディは四つん這いになると、それに自ら尻を向けて――そして、そのまま男を受け容れる。
その顔は、とても満たされた顔で、見るだに嬌声まで聞こえてきそうだった。

「さあて、そろそろ時間だ――最後のターンと行こうじゃないか」

そう言うと、男は少女を、ベアバックの容量で密着させるように抱き抱えて立ち上がり、そして器用に片手で砂時計をひっくり返した。
砂が丁度落ちきったタイミング――恐らく、最初から焦らす時間を計算に入れていたのだろう。

「最後もソファと言うのも味気ないのでな――どうなるにせよ、最後ぐらいはじっくり、君の身体を堪能させてもらおうか」

そう言って、男が連れて行く先は、天蓋付きの豪華なベッド。
柔らかな寝台という闘技場で、最後の攻防が始まろうとしている。

シンディ・オーネ > 荒く息をついて快楽よりももどかしさに喘がされながら、
悪魔にしては穏便という言葉を聞いて、反感もあるがどこかではその通りかもしれないと思ってしまう。
異界だの何だのという話になると並の人類にはどうしようもない話。
多くは目を付けられればただ翻弄されるしかなく――

教会に通っておこうかなあ、と真剣に悩むのは後日。後日があればの話だが。

「――こんなっ、あっ、こんなっ、まがいものぉっ…!」

堕とされれば、として見せられたのは他人のサンプルでなく自分の姿。
反射的にどうとでもなる幻覚に価値などあるかと言うが、脳裏に繰り返される自分の声や、
幻覚にしても自慰に耽る自分は受け入れられてしまうもの。

否定しきれずに―― ただそれよりも、堕とされたと言っても地獄とかに直行でなく
人生が続くらしいという方が、与えられる影響が少し深刻である。

勘違いがあって、これで死んでしまうくらいのつもりで挑んでいたが、
ちょっと淫乱になったりしても生きて帰れるのであれば――

「…お前に、価値観とか、変えられてっ… 悪魔の使いみたいに、生きるならっ…!」

それは死んだようなものだと自分に言い聞かせるように言うけれど、
流されても死にはしないという誘惑は強く、強気な言葉の合間にあんあん押し出される声は少し頻繁になってしまう。

とはいえ、砂時計が返ればこれで最後。

「――にじゅっぷん… にじゅっぷん…!」

だから耐えろと祈祷を再開しながら、もう足腰立たずに抱えられるようにベッドへ。

ロブーム > 「……しかし、少し残念であるな。
最後のターンに、貞操帯を着けたままというのは――」

正直な話、男はこの戦い、負ける可能性もほんの僅かであるがあると思っている。
ロブームに"勝利"した者は、決していないではない。
勿論、だからといって負けを確信している訳でもないが。

ちなみに、砂時計はベッドのすぐ横のサイドボードに置かれている。
どうなるにせよ、あくまで最後までフェアに――というのが男の矜持。
勝てば解放、負ければ相応の扱いというのは、決して方便などではない。堕とせないなら、せめて自由であれ――男は本当にそう思っている。

「さて、それでは最後の戦いだ。準備はいいかね?」

そう言って、男は少女をベッドに降ろす。
香は、当然ベッドの方にも届いているので、相変わらずシンディの身体は疼き続けている。
だが、声は、既に止んでいる――もう用は済んだとばかりに。

そして、まずは、男は彼女の貞操帯に触れる。

「まさか、最後に残しておいた"保険"を使うことになるとはな――振動付与」

そう言うと、貞操帯自体が微弱に震え始める。
これは、ルールの範疇外である――何故なら、これは"直接"ではない。
あくまでも、魔術を付与された振動体が震えているだけなのだから。
微弱なので、絶頂には繋がらない――だが、今までとは違う、直接的な刺激。

「今回は、私の方も、楽しませてもらうぞ?」

ローブの留め具を外し裸になる。
少女の前に、肥えた全身と、まるで芋虫の様に太く、ごつごつとした肉棒と、まるまると太った様な睾丸が晒される。
膝立ちで少女の細い身体を跨ぐようにすると、少女の目の前まで肉棒を晒し、

「肉棒の匂いを嗅いで、口の中に苦しくない範囲で含めよ。
但し、歯を立てる事は禁じる」

まずは、男の味を思い出させる所から――といった所で。

シンディ・オーネ > ――貞操帯はこれさえなければ自分で脚をすり合わせるのももう少し気持ちが良かったかもしれないという邪魔さ加減だが、
男が残念とこぼせば、ざまあみろ自業自得だと少し価値を見直した。
隠すために外せないものを履いておくという、私の判断は間違っていなかったと――

「…っく――」

ベッドの上にはいよいよという感じがあるが、そのいよいよは決して訪れないはずだ。
もうほんの少しでも過剰な刺激を与えられれば達してしまえるだろう状態で、逆に男に何ができるというのか。
犯される心配もそれはそれで困るが、今だけはもはや犯してもらえれば救い。
であればその心配だけは無い。

あと20分、あと20分と狂おしい思いで砂時計を睨む。

「――言わない… 私は、言わなぃいぃんんぁあんっ」

あと20分、それで自分で自分のキモチイイ孔を思うさまほじくりまわせるのだと思えば、
こんな男に何を望む事もないと、すっかり出来上がってしまったトロけ顔で精一杯キリッと――
したつもりだったが、振動する貞操帯に声ごと全身を震わせた。

キタキタキタと喜んでしまうが、やはりイけない。
どうして、どうしてだと貞操帯を外すのではなくクイクイと押し付けてしまった。

「ああああああ… イけないっ… イけないぃ…っ」

狂おしく鳴いて、絶頂に至れない熱で神経とか焼き切れてしまったりしないかなんて妄想を抱き始める。
自分を守るために、生きて帰れるのであれば少しくらい悪魔に魂を侵されてもいいのでは――

そんなわけがあるかと自問自答し首を振り、男の言葉はだんだん聞こえなくなっていた。
気付けばおぞましい裸身が迫っていて、しかしそのおぞましさは、今回は昂りの減退というプラスに働いてくれる。

「――っは、ぅ…」

目の前にぶら下がる肉棒に顔を背けるけれど、命令は奉仕。
吐き気を覚えながら、かぷっと形ばかり口に含んだ。

「――っふー…っ ふぅー…っ」

広がるニオイに、不覚にもいやらしい気持ちが募る。誰のものでもいいのかと頭を床に叩きつけたくなるがやわらかいベッドで。
半ば錯乱した意識は、これがセックスバトルならば相手を絶頂させれば勝ちなのではないかとか、口の中でくちりと舌を亀頭に押し当てた。

ご案内:「ロブームの城」からシンディ・オーネさんが去りました。
ご案内:「ロブームの城」からロブームさんが去りました。
ご案内:「ロブームの城」にロブームさんが現れました。
ご案内:「ロブームの城」にシンディ・オーネさんが現れました。
ロブーム > 男は、勿論それなりに楽しむつもりではあったが、さりとて奉仕を望んでいる訳でもなかった。
あくまで、主題は堕とす事であり、その一環として肉棒への奉仕を命じたのだ。
だが、

「ほうっ……まさか、亀頭にとはいえ、自ら舌を絡めるとは……」

と、驚いた様に男は言った。
そう、少女は男が思う以上には堕ちていたのだ。
だが、此処で男は油断しない。
少女の心の動きを、冷静に見極める。
――そして、

「自分の乳輪を爪先ででゆっくり撫で回せ。但し、乳首に触れたり、絶頂することは許可しない。
また、肉棒を射精に導く様に奉仕しろ」

今度は、自ら敢えてもどかしい自慰をする事を強制しつつ、本格的な奉仕を命じる。
そして、男は、シンディに対して語りかける。
まるで、労をねぎらうような、優しい声で。

「なあ、シンディよ。君が言ったとおり、君は此処に強制的に拉致されたのだ――しかも、籠絡を得意とする、悪魔という存在に」

それは、逃げ道という名の甘い水。
茹だるような快楽に支配された精神に、そっと水場を提供してやるような、そんな言葉。

「此処で負けても、誰も君を責めたりはしない
だってそうだろう?君はこういう責めに慣れていないのに、私は悪魔の経験と能力を活かして、君を追い詰めたのだ。
だのに、どうして君が抗えよう?」

男は、シンディに咥えこまさせたまま、その頭を撫でてやる。
よく頑張ったと、そういうかのように。
勿論、それは彼女にとっては不快かもしれないが――しかし、それ故に続く言葉を、彼女は疑いにくくなるはずで。

「さあ、シンディ。今から君の口内に、精を吐き出す。
悪魔の精をほんの少しでも味わってしまったら、君はもう抗えない。自分の欲望に正直になってしまうからな――」

勿論、これは嘘である。
最初に言ったとおり、男は精神操作の類を一切するつもりはない。
だが、"そうすると言う事自体"は別に禁止されていない。

本来、こんな嘘はバレるもの――だが、今の少女の精神状態ならば。
自分の信じたい事を、うっかり信じてしまうかもしれず。

シンディ・オーネ > 「――んっ… んンっ…」

悪魔を自称するこの男に人間のような性欲があるのかは分からないけれど、肉棒を咥えろというのは奉仕の要求に聞こえた。
素面ならお話にならない断固拒否で、命令に従わなければならないとしても極限まで手を抜くところだが、
今自分が追い詰められようとしている状況では、男がこの奉仕に気を取られればまだ救われるのではないかとか。

たっぷりと媚薬に侵されもはや冷静な判断力は無く「おねだりしてはいけない」という一点を除いて、
他の抑制は反作用のように外れてしまっている。

驚かれると、びくりと口が止まるけど。
やはり奉仕を命じられるのであれば、ちゅうと吸い付き頭を浮かせて、肉棒を口の中へ招き入れようと。
しながら、しかし愛撫の許可には手が満足に動かない。
下手に触れてしまうと、揉みしだいて乳首を抓り上げたい欲求が凄まじく、ちょっと撫でては手が浮きを繰り返す。

頭を持ち上げてピストンしなければならないとなると疲れるが、体力はそれなりで。
誤魔化すようにぬぼぬぼと、自分から肉棒に口内を犯させる。
優しい言葉が聞こえているのかいないのか、快感を与えるというより、そこからさえも快感を得ようとするように。

――そう、悪魔との勝負に、聖職者でもなければそうそう勝てるものか。
だからしょうがないのだと、どこかでは既に諦めてしまっている部分もあるが…

しかし他の部分を一顧だにしなくなっている代わりに、ただ一つの事だけはすまいと決めている。

「…ひっ、ひひゅっふ―― ひひゅっふんン…」

ちゅぽちゅぽと唾液のたっぷり溜まった口で肉棒に吸い付き続けながら、
忘我の表情で、しかし口にする言葉は「20分」である。

見ようによってはそんな契約などどうでもよく堕ちてしまっているが、
では逆に契約の上ではどうなのか。

ロブーム > 「む……っ」

と、唸る男。だが、それは快楽ではなく、彼女の様にあった。
甘言に反応しない。つまり、完全に心を閉じてしまっている。

そうなると、話が少し変わってくる。
契約上、少女を堕ちたとみなせるのは、あくまで彼女が自分の意志で『おねだり』か『命令違反』のどちらかをした場合のみである。
例え、本音では堕ちていようが、それを言葉にしないのでは意味がない。

「(とはいえ――後ひと押しか)」

少なくとも、そこまで抵抗の意思があるとも思えない。
ならば、後は本音を引き出してやればいい――なので。

「出すぞ、シンディ。受け止めよ……!」

シンディの口内に強引に捩じ込んで、奥で精を吐き出す。
さて、男がさっき言った、嘘の効果はありや、なしや――

シンディ・オーネ > 身体の疼きは媚薬によってとうに限界。
意思によって選択できる発言内容を制御出来なくなる事などありえないと豪語したけれど、
行動ではとうに欲しがってしまっており、そんな有様でただ言語化しないだけというのは時間の問題だった。

これがもっと気軽なゲームならとうに堕ちている。
しかし相手は悪魔を自称しており、負ければどうなるのかはよく分からないけれど、
魂を奪われるとかそういう死に類する事が起きると考えていれば、必死。

堕ちた例として媚びた顔の自分が男に尻を振るところを見せられれば、死にはしないのかと逆に安心したが、
ただ死んでいないだけでそこに自我があるとも限らないとか、とにかく恐れて無様を晒しても契約上の一線を懸命に耐えて。

「――んっ んっ んっ… んっんぶぅっ!?」

機械的にぢゅっぽぢゅっぽ。
いつか乳房への愛撫はお留守になって、
男の太ももを抱えるようにして上下させていた顔が、ぐいと肉棒でベッドに押し付けられる。
無理な姿勢で吐き出される精に溺れてむせ込み、口から鼻から精液が零れ出た。

息苦しさに喘げばむせ返るようなニオイ。
ぎゅっとつぶった目から溜まった涙をぼろりと零して、
これでもうダメなのだろうかと生を諦めそうになるけれど――

「――ひひゅぅー… ひひゅっ… ぁにー…」

口の端を精液で泡立たせながら、ひゅーひゅーと息をついて、20分と念じる。
時が来れば終わるのだという希望に縋り、恋人の名を呼んで、頭を振るのは他の言葉が漏れるのを堪えてか。

「ぁにぃ… あにー、にじゅっぷん… にじゅう…」