2020/10/11 のログ
■タン・フィール > 「よしっ! あとは冷めるまで待てばー…」
鍋を火から移動させ、あとは予熱で冷まし、乾燥させればねり飴のようになり…
それを、求める客に商品として提供すれば、この仕事は完了となる。
薬師の香は、王都のそこかしこで愛欲の宴を彩ることだろう。
ご案内:「薬屋 ―妖しい薬を生成中―」からタン・フィールさんが去りました。
ご案内:「賑わう市場の裏通り」にタン・フィールさんが現れました。
■タン・フィール > 今晩の夕食や、安売りの生活用具、食べ歩きの出店を求めて王都から多くの市民や旅行客で賑わう平民地区の市場。
まるで祭りのように人々でごった返すその表通りを少し左右に入れば、
景色は途端にひと気の無い裏路地へと変貌して、浮浪者や娼婦が薄汚れた壁を背に、
人々の喧騒や客寄せの明かりを路地の間からぼんやり眺めている。
「ふふーっ!今日は、けっこう買ってもらえた…っ!
ちょっと近道、してこっと。
…でも、ここ、とおるのちょっと怖いんだよねー…」
そんな表通りの賑やかさに対して寂しい路地を、ご機嫌な足取りで通っていく幼い薬師の姿。
桃色のシャツ一枚の恰好でバスケットを下げ、ぷらぷらさせながら歩く。
その中には、栄養剤や媚薬、毒消し、幻惑効果のあるお香など、
冒険者や夜の街を楽しむ人々の助けとなる薬が、在庫少なめにおさまっていた。
薬師としての商売の帰り道、スリや、ヒトとぶつかって薬が漏出してしまうなどを避け、
なおかつ自宅まで近道となるこの裏通りを選んだのだが…
少し、だいぶ、暗く湿った空気と人気の無さがまだまだ続く細い道に、
不安げにきょろきょろ大きな目を周囲に向けつつ足早に歩く。