2020/09/15 のログ
ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」にリスさんが現れました。
リス > マグメールの平民地区、富裕地区の中間にある大きな商店、トゥルネソル商会と呼ばれる商会は、ダイラスに本店を置く商会である。
 マグメール、ダイラス、バフート、ヤルダバオートに支店を持つ店で、どれもそれぞれの特徴がある。
 そして、ドラゴン急便による空輸、船による海運、馬車による陸路で繋がっていて、商品のやり取りも早い店、品物の多さもあるが、一番の特色は、その荷運びの速さ。
 どのような場所でもすぐに運び届けることができる。それだけではなく、ドワーフなど提携をして高品質の武器防具を扱う事もしている。
 そんな、商店、マグメールにある支店の店長であるリスは、本日は店舗の中で接客をしている。
 入り口付近のインフォメーションのカウンターに腰を下ろして、入ってくる客にお辞儀をして迎え入れる。
 店員たちは、それぞれの部門で専門家として育っているけれど、それらをまとめて案内したりとするには未だ難しい所もある。
 少女は店の物や道具などを網羅しているし、サービスなどに関しては、矢張り店長である少女が一番わかっている。
 そうなると、お客様の質問などを受けて案内するにはリスが一番になってしまうのである。

「案内嬢とか、欲しいわね。」

 お客様が奥に行き、少女が残された、それを確認してから小さく息を吐き出して呟く。
 こういう風に接客するのは大好きだけれども、休みなどのシフトを考えるならば、やはりそういう教育もしなければならない。
 商店の寮での教育にしても、そういう教育も増やさないといけないわね、と。
 今は、特にお客様は少ないので、とりあえずはちょこんとカウンターに座りながら店内を眺めまわす。
 楽しそうに働いている店員たちを眺めて、次に、入り口の方に視線を向けた。
 お客様、来ないかな、と。

リス > 「いらっしゃいませ!」

 扉を開けて入ってくるお客様、今回は冒険者のようだ、食料とか、その辺りを求めてきているのかしら。武器防具に関しては、彼らは上級者になるほど、魔法の武器とかを手にしているものだ、初心者以外には、武器防具を買いに来る人がいない、だからか、今、店にある魔法の武器防具に手を出す人は居ない。
 もっぱら、ドワーフの鍛冶屋さんによる武器の修復や修理、改造の方が冒険者には人気迄ある。それはそれで、売り上げになるので大歓迎なのだけれど。
 そして、目的が決まっている人ほど、インフォメーションは使わない物で、少女の事を見向きもせずに上に上がっていく。
 他の人々も食料を買いに来た奥様方などそんな感じで、階段を上っていくのが見える。
 食料は基本的に誰でも必要なので、一番売れるから、何時でも新鮮な食料を一杯在庫して置くことにする。
 貴族様とか、宝石とか、マジックアイテム目的でこないかしら、とか考えるけれど、来るのだろうか。
 来てほしいな、とは思うのだけれど。

 入り口の方を見続けるのが、受付の状態だけれどさすがに、そんなのは無いだろう。
 そういえば、最近周辺の商店へ行ってないし、今度挨拶に行こうかしら、と考えて、ルートを考える。
 外に出るのは危険なので、護衛なども欲しく思うので、護衛のお値段も考えてしっかりとルートを構築しないといけない。
 どんなふうに回ろうかしら、とこの国のお店の場所と、商人ギルドの場所を思い出す。

リス > 「そうね、手土産とかも考えないといけないわ。」

 お客様が、案内所に来ないことを良い事に、少女はのんびりと思案する。
 何処には、何の手土産を持って、どんな順番に回るのか、そんなことを考えて、メモを取ってみる。
 思った以上に一寸いろいろ回らないといけないところがありそうだ、それに、食事処など食料を欲している店に定期的に運んだするような契約なども取りたい。
 うーん、と少女は腕を組む、店長としては、色々と考えることがある。
 まあ、今は其処迄忙しくないので、考えているだけの時間があるから、少女はうーんうーんと悩んで、決めていく。
 時折視線を向けて、入り口を確認する。
 お客様が来ていれば思考をすべて放棄して、接客に入るのだ。

 今はまだお客様は来ない模様、とりあえず、休憩を入って、軽く食事とかも良いかもしれないわね、と。
 帰りがけにはお風呂に入るのもいいかも、とか、思考が少しずつずれてくるのはご愛敬

ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」にアイル・コービンさんが現れました。
アイル・コービン > およそ店に入るにはふさわしくない乾いたとはいえ血塗れの格好で中に入ってくると「ごめんなさい」と小さく口にして。謝る時はちゃんと謝りなさいと教えられたからそれを実践したのだ。

「ちょっと……へましちゃいました。痛み止めとか……病院に行ったほうがいいですか?」

わかりきったことを口にして。出血で頭があまり働いてないのかもしれない

リス > 「―――。」

 思考をたっぷり行い、メモにどんな順番で行けるかなどを書き込んでいたが、その間、誰も来なかった模様。
 あらま、と少女は軽くつぶやいて、目を瞬いて周囲を眺める。
 この辺りは落ち着いているのだし、之ならば上がっても問題なさそうではある。
 少女はメモを作っておいて、後で調べようかな、と思ったときに、ふと視線を向ける。

 入り口を開けて入ってくる少女、それは、ボロボロになっていて、そこそここに、怪我をしている冒険者の少女。
 以前このお店に来てくれた少女だと思い出すのに時間は得に掛からなくて。

「はい、傷を回復のポーションですね?
 取り扱いは在りますけど……そうですね、教会などの治療院でおけがを治したほうが、と思いますわ。」

 とは言え、大怪我の彼女だ、少女は目を少しばかり細め、眉根をひそめて見せた。
 これは、自分の店で売っているポーションでは、効果があっても、全回復とは言えないだろう、なぜなら。
 店に有るのは基本的な火急のポーションであり、上級のポーションはほかの店―――薬屋などに委ねるから。
 冒険者用のアイテムとしては、低級のアイテムしかないのである。

「とはいえ、見過ごすわけには行かないですし―――。」

 店員を呼んで、緊急事態なので、この店で売っているポーションを幾つか、下級のそれだが、持ってこさせて。

「こちらへ。救護します。」

 彼女の手を引いて、少女のいつも居る、事務室へと移動させようか。

アイル・コービン > 「ありがとう……ございます。でも……おかね……あんまりないです」

アイルの告げた金額では下級ポーション一つも怪しいかもしれない。そのぐらいには困窮していたのだ。

「お金足りなかったら……自分で何とかしますから」

無理だとわかっているからここに助けを求めに来たというのにそのようなことを言い。
片足が使えなくなっていることもあって普通に誘導されればすぐに事務室に担ぎ込まれるだろう。

リス > 「……冒険者さんは、命が優先でしょ?生きていれば、お金を稼いでこのお店に堕とせますわ。」

 お金を持っていないと言うのは、ままある話しだ、只、それを見捨ててはお客様が一人減ることになるし、それはお客様が一人減る事を意味する。
 一人とは思うだろうが、その一人が何度も何度もお金を落としてくれるならば、後の事を考えれば、十分元が取れるのである。
 少女の提案に対して、少女は小さく笑みをこぼして首を横に振る、生きていれば、ずっとお金を貰えると言うのだ。
 ならば、彼女の金は、今は無かろう、其れで物を売るのは、問題があるのかもしれない。
 とは言え、彼女に恩を売ればこの店の常連になるとなり、それは、後々まで考えれば――――。

「どうぞ、此方へ。」

 少女はにこやかに笑いを零して彼女の手を引いて歩く。
 片足が動かないと言うのは十分な重症なのだ、此処を見捨てては、人としては問題が大きいだろう。
 なので、まずは持ってきた、彼女の足に振り掛けよう、その状態を確認してから、決めても良いと思うのだ。
 とりあえず、ポーションの瓶を開いて、彼女の眼を見る。

「少しだけ、沁みるのですが、気を付けてくださいまし。」

 少女は、そう言いながら、下級ポーションを彼女に振りかける。
 傷が多いので、全身にまんべんなくかけるために何回か掛けるだろうけれど。

アイル・コービン > 「でも……」

妊娠してるし、こんな様だけど子供は無事だったからもうそんなに動けないし……と言おうとしてそれは言わないほうがいいかなと思い口を閉ざして。

「はい。ありがとうございます。必ずお返ししますから」

と言うことにした。

脚に降り掛けられると流石は魔法のアイテム。下級のものとはいえずいぶん楽になってきつくなってしまっていた表情がいつもの穏やかな雰囲気に戻り。

「あの……後は渡していただければ自分で……」

目に見えるところではなかったので気づかれなかっただろうが乳房は血塗れだし秘所は爪でずたずたにされてしまったしで人にあまり見せられない場所にポーションが必要で。いくら相手が女性とはいえお願いしてしまうのは少し躊躇われた。

リス > 「それでいいわ。私は。」

 結局の話、自分の所にお金が沢山はいれば良いのである。
 彼女が恩を感じてくれて、沢山お金を落としてくれる、割引とか、割増しとかは関係がなくだ。
 それなら、最終的にプラスになるので。お金が足りなくても、今は問題はない。
 商人としては売り上げは優先だが、優先順位と云う物はある。
 そのうえで、その現状での物か、継続で売れ続けることを考えて、少女は後者を選んだ。

「……、でも、骨、折れてるのよね?」

 彼女のけがはとても大きく、下級のポーションでは無理だ。
 それこそ、教会などの治療施設や、上級のポーション、上位の回復魔法が必要だと思ったのだ。
 大丈夫と言うその言葉に、少女は眉根をひそめる。
 今は、彼女の命をつなぐための緊急治療だ。
 その後はどうするべきか、と。

アイル・コービン > 「はい。折れてます。でもこれ以上お世話になるのは……」

とは言ったもののどうしたらいいのか自分でもわからずに途方にくれてしまった。

死んでしまっては相手が赤字だろうが、現状女を売ることすらできそうになかった。とはいえこれ以上の治療を相手にさせるのはどう考えても赤字だろうと思ってしまい。大体稼ぎがいい冒険者ならこのぐらいの傷を治す金ぐらい持っているはずなのだ。

リス > 「……治療をしますわ。」

 骨が折れる、それは、冒険者としては致命的なはずだ、治るまでの期間が長いと言うのもあるがその間、収入が無くなる。
 たくわえが無くなる、それは、嫁の様に財力に余裕のあるような冒険者なら兎も角。無ければそれこそ、質かつ問題となる話、
 彼女は後者だと思う、理由は先ずこちらにやって来たのだ。
 お金があれば、仲間がいればそもそも仲間に治療してもらう、とか、教会や、治療院で治療してもらうと言うのがある。

 しかし、だ。彼女は此方に――ただの商人である少女の所に転がり込んできているのだ。
 先ほども言ったお金がないと言うのは、根切の手段などではないのだろうことが判る。

 お金がないと言う
 取引できないと切り捨てるべきか。
 成長を見越すべきか……。
 少女は、今回は後者を見越すことにした。

「良いわ、今回は、貸しにしておいてあげるわ。」

 だから、後で返しに、来なさい。
 言葉にはしないで、己の指をかむ、牙で指を傷つけて。
 己の血を垂らしたポーションを作る。
 竜の血だ、回復のポーションの効果を劇的に上げるだろう。
 それを、彼女の足に掛ける。