2020/08/08 のログ
ご案内:「薬屋のテント」からタン・フィールさんが去りました。
ご案内:「王都の川沿い」にタン・フィールさんが現れました。
タン・フィール > 王都の外れの自然地帯の済んだ川。
その上流のせせらぎに、少女のように細い足を浸らせて涼んでいる少年薬師は、川辺の石に寝転んでくつろいでいた。

「…んーっ!涼しくて、つめたくって、きもちいいー…!」

川の水の冷たさや、冷やされた空気や石が適度に暑気を払い、
差し込む陽光も和らいで感じる、爽やかな暑さと涼しさの入り交じる自然空間。

川魚や藻などの川辺にしかない薬の素材を採取しにきた少年も、今はそんな時間は忘れて、
ときどき川魚が警戒心を解いて少年の素足をつんつんつつけば、くすぐったそうにきゃっきゃと笑っていた。

ご案内:「王都の川沿い」にソラムさんが現れました。
ご案内:「王都の川沿い」からソラムさんが去りました。
タン・フィール > 「!?…ふぁ…っ? あは、あ、っはは、あはは!ふふーっ…! くすぐった…!」

清らかな水の流れの中、足の甲や足の裏、足の指の間…と、
素足の少年の足の先に好き放題に群がり、つついては去っていくドクターフィッシュの一種。

けたけた笑いながらあまりのこそばゆさに足をぱたぱたさせれば、
人懐っこい魚たちもさすがに驚いて四散していく。

がばっと跳ね起きるように上体を起こし、水面でぱしゃぱしゃと足をばたつかせてみる。
常日頃から裸足の趾は、ひときわきれいなすべすべになって、
水面から引き上げてみれば少女のような脚線美が見て取れて。

「わーっ、すごい、キレイになった!
…っふふ、このおさかなさん、お薬屋さんとして何か手伝ってもらうことできないかな?」

と、なにかに利用できないか、共生するすべはないかと思案を巡らせて。

ご案内:「王都の川沿い」にジラさんが現れました。
ジラ > 川沿いにふらふらと姿を現す奴隷の少女。
主人に大したものを食べさせてもらっていないので、不足したタンパク質を補うため
魚を捕ることができないかと思いついてやってきたのだ。

「あ、タン……」

見知った少年が、水辺でなにかはしゃいだ様子を見せているのに近づき、
かがみ込んで水面を覗き込むだろう。

「水の中に何かいたの?」

上がる水しぶきと、水滴に輝く少年のすべやかな脚に思わず視線を持っていかれる。

タン・フィール > 近づき、すぐ背後まで迫っていた彼女に気づいたのは声をかけられてからで、
手のひらをひらひらさせながら、すっかりリラックスした口調で笑顔で返事をする。

「あっ、ジラ~! ひさしぶりぃ~っ!
んん? これこれ、みえるかな?…このへんにいる、おさかな。
カラダの汚れとかを食べてくれるんだよー。」

と、なめらかな脚線を折り曲げて水面下を足の指で指差し、
その透き通った水の中で、ちろちろと集合したり解散したりを繰り返して漂う小魚たちを指し示した。

「ジラは、どうしたの? キャンプ~?」

と、のんきに少女にたずねて。

ジラ > 「へえ……
 ちっちゃいなぁ……」

興味深そうな様子で、陶器人形のようにきれいな脚と、それに群がる小さな魚を見比べる。
もっとも、ジラは、タンの目の前でこの魚よりも小さくなったことがあるのだが。

「え、うん。そんなところかな……」

おなかがすいたのでなにか食べられるものを探していました、
なんて正直に言うのがなんとなく恥ずかしくて言葉を濁し……
た、次の瞬間にジラの腹部がくぅと音を立て、羞恥に赤面してしまう。

タン・フィール > 「あはは、この子達より、ジラは前にちっちゃくなっちゃてたよねー。
…ふふ、そういえば、ちっちゃな奥でこちょこちょされるの、ちょっぴりジラに似てたかも。」

などと、わざと記憶を呼び覚ますような意地悪めいた口調で語りながら、
こっちへおいで、とばかりに手招きをして…
わずかに、くう、と聞こえた気がした空腹の音と、赤面の理由…そして、
出会うたびに大抵はお腹をすかせていることを思い出して、ぽん!と手を打って

「じゃあじゃあ、キャンプがてら…いっしょにおさかな、とらない?
いくつかのお魚のウロコや内蔵は、お薬に使えるから…さがしていたんだよねー。

もしつれたら、ジラはおなかいっぱい、たべていーよっ!」

と、楽しそうに微笑んで釣りに誘って。

ジラ > 「あ、うっ、忘れかけてたのに」

きゅっと身を縮こまらせ、わなわなと唇を震わせる。
半ば正気を失い狂乱していたときのことを思い出させられるのは、とても恥ずかしい。

「え、ほんと? いいの……
 な、なんでも手伝うよ、私。魚取りじゃなくても」

うつむきがちに、ちらちらとタンを見る。まるきり大人の機嫌を伺う子供の仕草だ。
やがて、誘われるままに釣りへと参加するだろう。
もっとも、ジラは何も道具を手にしては居ない。手づかみで魚を捕るつもりだったのだろうか。

「タンって、脚きれいだよね……」

思ったことを、率直に漏らしてしまうし、視線は川を泳ぐ魚……ではなく、タンの素足に釘付けだ。
この子はいつも素足のはずなのに、不思議と表皮が固くなったり傷がついたりしている様子はない。
体質なのか、あるいはそういう薬があるのかもしれない。

(……ドクターフィッシュがうらやましいな)

だって、タンの素足に触れられて、しかもそれで腹を満たせるのだ。
そんな心の中でだけしたつもりのつぶやきは、ひょっとしたら口に出ていたかもしれない。

タン・フィール > 「ふふふーっ、だぁって…いやいやって、怖がっていたのに…
なんだかあのときのジラって、ちょっと生き生きしてたんだもん。
いじわるしちゃいたくなるの。」

と、身長はさておき、生きてきた時間で言えば年上といえるはずの女性の頭を、年下の自分が愛でるようにぽんぽんと撫でて。

「ふふーっ…またジラをちっちゃくしてぇ…
ひもできゅってしばって、お魚を捕るエサとして、がんばってもらっちゃおっかなぁ…?

…それとも、ふふ?この子達みたいに、なりたかった…?」

と、冗談か本気か、やりかねない子供のいたずらで残酷な所業をイイつつも、
しっとりとした目つきで自分の足と、ドクターフィッシュを見つめる視線に気づいて…
まごまごとしつつも口に出ていた言葉を、少年の鼓膜は聞き逃さなかった。

「―――♪…なってみるぅ?…ボクの、ボク専用の、どくたーふぃっしゅに。」

と、水しぶきを立てて川から片足をあげて、
赤ん坊のようになめらかで傷も汚れもない、そのきれいな足の裏を見せつけるように、すっと彼女の完全に持ってきた。

触れるのも、舐めるのも、ご自由にとばかりに。

ジラ > 「生き生きしてたってなによ……
 今は死に死にしてるっていうの?」

唇を尖らせて軽口を返せるのは、そこまでだった。
軽い思いつきのような残酷な提案に、息を呑む。
人の尊厳を無視したそのアイデアを、目の前の人物は実行できるし、したことがあるという
その事実が、ジラの呼吸を乱れさせる。
専用、という甘美な響き。
いつぞやのように虫のごとく容器の中で飼われ、少年の足指の垢や老廃物だけで命をつなぐ生活──
そんな冒涜的なものに昂ぶってしまうのが、ジラだった。

「っ……」

突き出される足裏にたじろぐが、視線を外せない。
まるでその足がタン自身であるとでもいうように。
先程まで水に浸かっていたそれは無臭のはずなのに、芳しく香り立つようにすら感じてしまう。
思わず口を半開きにし、飢えた犬さながらに舌をはみ出させる──が、そこから先に動けない。
先程まで雑談していた年端のゆかない少年の足を口に含むことができないぐらいには、
ジラという女は正気の中にいた。
けれども、開いた口になにかを突っ込まれたり、薬を垂らされたりといった行為は──
きっと受け入れてしまうだろう。

タン・フィール > 【継続予定】
ご案内:「王都の川沿い」からタン・フィールさんが去りました。
ご案内:「王都の川沿い」からジラさんが去りました。