2020/06/30 のログ
アイル・コービン > こういう店は敷居が高いのだが商品はしっかりしているのでそこらの店で駄目な物を買うには良くて。貧民街の店では服がぴったりとはいかなかったので今日ここにいる。

「あの……これだけの予算で服を探しているのですが」

相場を知らないわけではないので、近くの店員にここで一着服を仕立てられる程度の金額を示した。
正直成人女性にしては商品知識がなさ過ぎると自分でも思うが、この間まで男でしたと言っても信じてもらえそうにないのでそれは言わずに済ませようと。

リス > 腕を組み、店員の格好に関して唸っていたところ、少女の視線の先に、お客様が見える。見たことのない人物で、恐らく初めてなのだろう。
 受付カウンターのミレーの店員は、まだ慣れていない子だったか、少しまごまごしている様子であった。
 少女は、思考をいったん止めることにする、店の店員の格好はまた今度考えればいい、と言う後回しに。
 そして、事務室の扉を開いて、新たな客―――アイルの方へと近づいていく。

「ご来店、ありがとうございます、私、この店―――トゥルネソル商会の店長をしております、リスと申します。
 私が対応いたしますので、どうぞよろしくお願いしますね?」

 ふわり、と柔らかな微笑みを見せる少女は、金色の髪の毛、空色の竜眼を持つ少女であり。
 少しばかり彼女と比べればぽっちゃり体系なのは、良い所のお嬢様、という雰囲気を見せてしまうだろうか。
 少女の格好は気軽い物であり、威圧感はない……と思いたい。

「改めて、どのような服をお求めでお考えですか?
 私にご予算を頂ければ、幾つか見繕いますが。」

 店員と話をしている相手故に、彼女の提示した金額を見ていなかった。
 なので、改めて、彼女の予算と、求めるものを確認するために、問いかけてみる。

アイル・コービン > 「あ……はい。このお金で……サイズの合う服を」

お金を見せてこれだけ。と示したまではいいがその後が酷い。サイズが合っているのは当然でどんな服と聞かれているのにそれが答えられない。
女物の服などほとんど知識が無いどころか用語すら怪しいレベルなので仕方が無い……のだが、そんな相手に物を売ってくれるかと不安げな眼差しで相手見つめてしまった。
このサイズの合っていない服ですごすのはいろいろと厳しいものがあるのだ。

店員さんの態度は満点だがアイルのほうが緊張してしまいぎこちない受け答えになってしまっていた。

リス > 「サイズの合う、服ですか。―――そうですわね。」

 彼女の資金を見れば、普通に服が買えるものである。どんな服がと言うのであれば、様々な服があるには、あるが。
 それだったら、服屋の方に行って、素直に自分の体格に合わせて作ってもらうのが一番ではないか、と言う気もするのだ。
 が、せっかく来ていただいたお客様だ、それならばまず、と。

 微笑み一つ浮かべて見せる。
 そして、彼女に向かってそっと手を差し出した。

「服飾関係は四階で取り扱っております。
 先ずは、其処でどんなものが良いか、を見てみるとよいでしょう。
 ただ、申し訳ありません、私共トゥルネソル商会は、様々なものを取り扱っておりますが。
 専門店には敵いません、お眼鏡にかなわない場合、専門店に行かれることをお勧めいたしますわ。
 その時には、紹介状もかきますので。」

 彼女がどのような服を欲しているかわからない、サイズが合うだけ、と言うなら様々あるだろう。
 だから、一度見てもらい、もし、不足ならば、専門店を案内したほうがいいと判断する。
 商人ギルドに所属してるのだし、こういう時は商人同士、ライバルでも助け合いだ。
 一番必要なのは、お客様の満足、なのだから。

「とりあえず、ご案内しますので、こちらへどうぞ?」

 さ、と、少女は彼女を先導するように、階段へと向かうことにする。

アイル・コービン > 「ああ……申し訳ありません」

客が謝るのも変なのだが、自分が必要なことを言わなかったのが悪いのでまず謝った。

「丈夫で動きやすい服が希望です、一応冒険者なので」

一応。と自分で言ってしまうぐらいには冒険者としての能力が落ちていた。今はどうということはない雑用ばかりこなしている日々である。元からそうだったので要領がわかっていることだけがせめてもの救い。

階段を歩きながらそのような事を話し。4階に着いたら自分ではほとんど物がわからないので相手の勧めるものを買ってしまおうと。

専門店を紹介というのは彼女の好意なのであろうが日雇いの冒険者という身分で仕立てに時間がかかるであろうオーダーメイドは金があっても避けたかったし出来合いのものを買うのならここで十分すぎる品揃えがあるはずであった。

リス > 「いいえ、いいえ。お気に為さらずに、私共も質問が足りませんでしたわ。
 冒険者用のという事ですね、畏まりました。
 其れであれば、服飾と言うよりも防具に近い服装の方が―――三階の方が宜しいですわね?」

 冒険者さんのようだ、こんなにきれいな人が冒険者をするものなのですねぇ、と目を瞬いて見せる。正直、冒険者は、護衛としていてもらう事が多いけれど、今一ピンとこないのだ。
 ただ、冒険者用の服装と言うのであれば、防具にもつながるので、三階に用意があるので、二階を過ぎて、三階へ。
 四階に到着する前に知れてよかったですわ、と笑って見せる。

 三階に到着する。
 三階は、フロア丸々冒険者が装備するような鎧や、剣、斧、短剣、弓、槍、棍棒、棒、ロッドなどが置いてある。
 全部既製品の数打ちだが、全て作成はドワーフのものであり、品質はどれも高い物である。
 防具に関しても、フィールドアーマー スーツアーマー コンポジットアーマー キュイラッサなど、様々な鎧のほかに。
 シーフなどが好んで切るようなレザーアーマーなども取り扱いがある。
 その中でも、クロースアーマー……頑丈な服に中に衝撃吸収用の綿を詰めたものがあり、そういった防具にもなる服を置いてあった。

「こういったもの、で宜しいでしょうか?」

 少女は、様々な鎧などが置いてある中、皮鎧や旅人の服の様な頑丈な服が取り扱っている区画へと案内する。
 
「後、お金さあえれば、の話ですが。」

 そっと、指さしてみるのは目玉商品として置いてある鎧。
 魔法の鎧であり、魔法の鎧は、身に着ければその人物の体格に合わせて変化する。
 ブレストプレートが三着ほど、ラックに置いてあった。風の魔法の力のある鎧。

アイル・コービン > 「はい。こういうので……」

にこっと微笑み礼を言った。男の頃微笑むなどということをあまりしなかったのでうまく微笑めているかどうかは自分ではわからないのだが。

旅人の服を見てこれを。とお願いしたが本題はこれからで。

「あの……下着は……4階ですか?」

手に入った下着では付け心地が悪くて。こういう店で上質なものを……いくつか買えるかどうかは物を見てみなければわからない。

元男の知識に女物の下着の値段などと言うものはなかったのだ。
アイルの知識で十分だと思える程度の予算を下着用として提示し、目玉商品に関しては眉を下げて微苦笑した。お金が足りないのだがこの仕草で伝わるだろうと。

リス > 「ああ。良かった。では、存分に、お選びくださいませ。
 見つからなければ言っていただければ、在庫確認いたしますので。」

 自分の考えは間違っていなかったようだ、なので、彼女の選択する服、そのサイズをいくつかと、其処まで思ったときに、あ、と小さく零した。
 そして、軽く彼女にすす、と近寄って見せる。

「言い忘れておりました、あちらの壁の方に、試着するための場所を設けておりますので、ちゃんとサイズがあっているかどうか、確認してくださいましね。

 ああ、冒険者さんは基本的に合理的な人が多くて、分けていると買いに行ってくださらないので冒険者さんようであれば、そちらの方に。」

 今、手にしている服の裏側の棚に、男女用の冒険者用に、強靭な繊維で安いタイプの下着が並べられている。
 丈夫さが先に来ているので、シンプルなものが多いけれども、少しばかりお洒落に気を使ったのもある。4階のそれとは流石にいろいろ違い過ぎるのだが。
 とは言っても、幾つかの種類があるので、柔らかなものも当然ある。なぜなら、人によって強靭よりも、柔らかい方がいいという冒険者もいるから。
 なので、大丈夫ですよ、と笑って見せて。彼女から一歩引いて、買い物の邪魔にならぬように見守る。

「その予算であれば、どれも十分に予備含めて買えますわ。
 と、そうですか。残念です。」

 彼女の提示してくれた代金であれば、冒険者用の下着なら十分に買いそろえることができる。
 ただ、魔法の鎧は確かに高いし、仕方がないと、うなづいて見せる。微苦笑に、申し訳ありません、と頭を下げる。

アイル・コービン > 「ありがとうございます」

いたせり付くせりの接客に礼の言葉が出て。

服を選んで、試着……という経験もあまりないのだが悪戦苦闘しながら服を着た。

「うわぁ……ぴったり」

思わず口に出てしまい。ひょこと顔を出すと今度は自然な笑顔で

「これ買います!これ着てしまって良いですか?」

と聞いた。問題が無いようであればにこにこしながら試着室から出て来るだろう。良い買い物をしたと満面の笑み浮かべていて。

リス > 「こちらこそ、ありがとうございます。」

 喜んでもらえるのはうれしい、お店とは、こういう物の事を云うのだ、と、何時も思える。
 お客様の嬉しい笑顔が、何よりの宝物と。

「はい、大丈夫ですよ、お支払いただければそのままお戻りいただいても結構です。
 他にも必要なもの在りましたら、どうぞお買い物をお楽しみくださいましな。
 冒険者さんにご入用の多い、ナイフとか、研石とか、バックパック。
 様々取り扱っておりますわ。」

 必要があれば、の話だし、必要がないならそれでいい。
 少女はうれしそうにしている彼女を眺めて、その服装に満足しているのかうなづいて見せる。
 試着室から出て来た彼女の服装。

「少しだけ、お待ちくださいね?お買い上げいただく前に、不備がないかを確認いたします。」

 服の糸の解れや、穴が開いていないか。
 そういった最後の確認をするために、クルリ、クルリ、少女の周りを歩き回り、確認して。
 まったく問題ないことを確認していく。

「大丈夫、ですわね。」

アイル・コービン > 「あ……それでは」

せっかくお金を用意してきたので女物というか今の筋力で使いやすいものを一通り揃えて。

帰りがけに笑顔で頭を下げながらこの店に来てよかったと帰路に着いた。

リス > 「ありがとうございました。
 また、ご利用くださいませ。」

 冒険者さんは、必要なものを買っていく。それを近くで、品物があるかどうかを確認しながら見守ることにする。
 頭を下げて帰っていく相手、少女もまた、頭を下げて、又お越しくださいませ、と挨拶をして。
 彼女が去っていくまで見送ることにした。
 見えなくなってから、少女は、店内の様子を確認する。

 店内の店員たちはみな、しっかりと仕事をしていて、問題はなさそうだ。
 それなら、自分もいい時間だし、そろそろ上がることにしようかしら。
 そう伝えて、売り上げを確認してちゃんとしまって。
 そして、少女は、ふと、最後に対応した客の事を思い出す。

「―――あの冒険者さん、かわいかったな。
 いっぱい、有名になってくれると良いのだけど。」

 凄く可愛らしく挨拶して買い物をしてくれた冒険者さん。
 また来てくれないかしらね、と呟きながら、少女も家路へと―――。

ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」からアイル・コービンさんが去りました。
ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」からリスさんが去りました。