2020/04/20 のログ
アルヴィン > 騎士の鎧は、鎖帷子の要所を板金が覆ったものだった。
いわゆる、全身をくまなく覆いつくすような、そんな鎧ではなかった。

騎士らしき装飾こそ、控えめながら随所に施されている。
が、しかし。その軍装の拵えはむしろ、傭兵の拵えに近い。
徒歩、騎乗の如何を問わず。
そして…対手が『人』があるか否かを、問わず。
敏速なる動きを以って剣を使う。
それを可能ならしめるための鎧であった。

その騎士が、盾を捨てるということは。
騎士が師から伝えられた、『雲耀』の剣の本領を発揮せんとしている、ということだった。

鈍重な鎧などいらぬ。
ただ瞬息のその一剣に全てを賭けよ。
騎士の意を、魔獣は読んだか、低い低い唸り声が増す。
そして、魔獣もまた、その身を低く、低く力を貯めるかのように、低く。

傲岸に弱者を見下ろす姿勢ではない。
それもまた、魔獣の本領を見せるための、そういう姿に他ならぬ…。

アルヴィン > 雲耀とは、天翔ける紫電の速さのことを言う…。

脈四回半の速さを秒と言い、秒の十分の一の速さを絲と言う。
絲の十分の一の速さを忽と言い、忽の十分の一の速さを毫と言う。
毫の十分の一の速さを厘と言い、雲耀とは厘の十分の一の速さを言い、天翔ける紫電の迅さをこそ、言うのである、と。

外連味もなく、愚直なほどにまっすぐと。
騎士は大きく剣を大上段に据えた。
魔獣もまた、地を噛むほどに身を低める。

そして。
轟と、魔獣が吠える。
騎士の唇もまた、高らかに雄叫びを放つ。

欠けた月のその下、蒼い月影だけが見守る中…魔獣の爪牙と雲耀の剣が交錯する…。

ご案内:「魔物の巣窟」からアルヴィンさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場/女湯」にサマベルさんが現れました。
サマベル > (今日は娼婦のお仕事もお休みして、身体を
休めに湯治場としても有名な九頭龍の水浴び場を訪れ、疲労回
復効果のあるお湯を今日は選び露天風呂へと向かう。
女性専用と書かれたのれんをくぐり、脱衣場へ入れば来ていた
衣服と下着を脱いで籠に入れて。
惜しげもなく一度裸身を晒してから身体にタオルを巻いて浴場
へ向かい、中へと入っていく)

「あら、何方もいらっしゃらないなんて珍しいですわね。
貸切ではありますけれど、少し寂しいですわ……まぁ、その
内誰かいらっしゃるかも知れないですわね」

(誰もいないことに残念そうにし、身体を洗う場所に腰掛けタ
オルを解いて。
それから湯に入る前に汗や汚れを落とそうと、スポンジに石鹸
水を染み込ませて泡立て、柔らかく洗い始めていく)

サマベル > (丁寧に肌をマッサージするように洗い
それが終わればお湯で泡を流して。
髪を纏めてからゆっくりと湯船に足元から浸かり、乳白色の
湯に肩まで入ってほうっと一息)

「いいお湯ですわね、なんだか疲れが身体の中から染み出して
流れていくみたいですわ。
お湯の色もなんだかお肌に良さそうに見えますし、飲んでもい
いお湯でしたかしら?」

(お湯の質次第では飲んでも身体にいいお湯もあり、このお湯
は飲んで大丈夫でしたかしらと首を傾げて。
取りあえず、駄目かどうかわからないので飲むのは控え、気持
ち良さそうに湯に身体を浸している)

サマベル > (湯に浸かることしばし、十分に身体を
暖めて疲れも何となくとれたような気がするくらいで湯から
立ち上がって)

「余り長湯しているとのぼせてしまいそうですし、そろそろ
部屋に戻りましょうか。
今日は良く眠れそうですわ」

(脱衣場へと戻りタオルで身体を拭いて、新しい服に着替え直
してから、取ってある宿の部屋へと帰っていく)

ご案内:「九頭龍の水浴び場/女湯」からサマベルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にランバルディアさんが現れました。
ランバルディア > 香ばしい焼き菓子やパンの匂いが鼻を擽る通り。
活気良く呼び込みする店も多い。
片腕にはもうパンパンの紙袋を抱えているのだが、その男はまだ買い足すつもりのようで。

「……んー、此方も美味そうだな」

口元に手を当て悩む姿と白衣を合わせ見ると深刻な病のカルテでも見ているようだが。
目の前にあるのは、菓子類のショーウィンドウである。