2020/04/08 のログ
イディオ > 手伝う事に関しては吝かではないんだけれどね、大丈夫なの?

(主に守秘義務の件、そういうのはたいてい面倒くさい依頼主で面倒くさい事が付いて回る、後から人を増やすとかそういうのもまた面倒ごとの種になりそうだ。例えば、依頼人がケチであれば、報酬の出し渋りならともかく、守秘義務違反だと言って、報酬自体無くす可能性も考えられるから。
自分よりも、彼女の事を考えての、大丈夫という質問だ。)

向き不向きなら、恐らくは、単純な肉体労働者が一番向いてるんだろうなぁ。
とは言え、ね。ほら、冒険者の大半は。

(身分が無いのだ、他から流れてくるから、この国で住んでいて冒険者と言うのであれば市民権はあるだろうけれど、外から来ての冒険者はそうも行かない。
この国に住んでないのだから、適性があろうとも、冒険者を辞めると職に就けないというのが一番わかりやすいだろう。
住所不定無職が一人出来上がるんですよ?今現在は住所不定冒険者なのだし。)

それが、特技だから、ね。お姫様抱っこして、歩き回るのも軽くできますぜお姉さん。

(その馬鹿力が無ければ生きてもいないし、此処は割り切って寝たとか特技とかにしておくべき、それが男の考えでもあった。足のささくれを抜く姿、艶めかしい生足に視線が行きそうなのを全力で男は振り切る。
見たいけれど見たら変態のレッテルが、そう考える男の悲しい性の発症であった。)


依頼は大丈夫か、それなら、帰り道同道ぐらいは問題はなさそうだな。
怪我……は。

(怪我に関しては、男は考える、見ての通りに全身を鎧で身に固めて、左手には大盾、冒険者と言うよりも衛兵と言った方が良いような恰好の男、ダメージは嫌うタイプであり、彼女の言葉に自分のダメージを確認する。)

鎧の中に打ち身が幾つかあるかな、戻ってから癒してもらえると嬉しい。

(放っておいても大丈夫なレベルのダメージではある、一般的に考えるならば。それでも、癒してもらえるなら癒して欲しい。とは言え今すぐは、不意打ちとか警戒するので、安全な所に戻ってから、と男は願う。
魔力とかが勿体ないと思うなら、無理しなくても良いと、と笑って。)

ティアフェル > 「ああ、そーじゃなくって。わたしの方の依頼は完了したから、イディオさんの方をお手伝いしましょーかっていう」

 そっちの仕事の邪魔をした形になっている自分。だからまあ、借りを返そうかと。云い方分かりにくい女王。云いなおして小首を傾げた。

「流れ者でもある程度資金を貯めればそれを元手に…ってよくあるっしょ?
 ………ああ、ごめん。そうそう……貯まんない……よね……」
 
 宵越しの金は持たない、というより持てないパターンの多い稼業である。
 何もいうまい。でも、職業って向いてなかったり面倒くさいと思ったりイヤだったり……色々思ってもどうにか続けていかなければならぬものだ。
 特にこの国には奴隷制度があるのだから肉体労働など就いても稼げないこと山のごとし。肩を竦めて首を振った。

「特技怪力…か、いいな。うらやま。
 ……ァー。赤くなってる…けど、まあ……こんっくらいならほっとこ……」

 足が若干赤くなってしまっているが、やたらめったら小さい傷でもヒールかけまくっていたら自己治癒力が下がりそうでささくれたまま放置。
 多少捲れたところを見られた所で……何も気にしない雑さだったが、目線もこないので遠慮なく裾を捲っていた。ちなみにスカートの下はショートパンツという防御力。

「ギルドに戻るんでしょ? じゃ一緒しよ。
 ――りょーかい。全然いーよ。今日は魔力もほっとんど消費してないし余力ありまくり」

 に、と笑って。おっけい、と親指を立てて回復に関しては軽く応じた。
 ともかく、もうこの陰気な礼拝堂に用はない。出るか、と彼の背を軽く叩いて出口に歩き出しつつ。

「えー、と、で、アンデッド……だったよね? 大体倒したの? 残党狩り?」

 種類にも寄るがアンデッドモンスターには回復呪文が有効だったりもする。必要ならそこでも手伝いはできそうだと確認し。扉を軋ませつつ開けて外へ出て。

イディオ > ―――あぁ、こっち?こっちはもう終わって、帰るところだったから、大丈夫かな。

(その帰りがけに彼女の痕跡を聞きつけてきたので、気にすることではないよ、と笑って見せる。可愛い仕草だなぁ、と思う思考ズレる男。)

まあ、ね。ほら、それに関しては―――まずは家だのなんだの拠点とか、あとは、平民としての身分をこの国で買わないと成らんので。
先ずはそっちから、と。
ああ、そうそう溜まりはしないんだよ。

(冒険が終わり、次の冒険の為の準備には鎧の修繕や、武器の修復、消耗品の買い足しなどもある、それらは、それなりに高額で、それを行い、食事をしていれば、残るのは微々たる金額。
正直、エッチなお店なんぞ行こう物なら消えてしまうものなのだ、装備の修繕の代金なども含めて。
なので、彼女の理解にご理解頂ければ幸いです。なんて、言ってみせるのだ。)

其処は無い物ねだり、だよ。俺からしてみれば、ティアの魔法の技術とかも羨ましいから。
回復魔法なんて、最高のスキルじゃぁないですかお姉さん。

(魔力を使えない男からしてみれば、彼女の魔法は其れはもう素晴らしい技術、拝んでもいい位、だって、回復魔法ですよ!
そして、彼女の防御力に関しては知らないので、ええ、見ない方向にするのです。防御力知っていても、見るのは失礼でしょうし。)

それなら、帰りの安全は任せてくれ、前衛として、ちゃんと守らせてもらうから。
前衛に出るときはちゃんと言うだけ言ってね、その為の動きしないとだし。

(にっかり笑ってサムズアップ、爽やかな顔だなぁ、と男は思うのだった。出たがる彼女に、さ、出ようか、と軽くイザの時の為の連絡だけ。
彼女が前に出ること自体は問題は無い、連携を取るために声かけだけよろしくと言う物。)

アンデッドは、ゾンビに、スケルトン、グールかな……。もう残党も大丈夫な筈、その確認中だったから。

(剣とクレインクインで大体斃してるから、と。先ほども言ったが、怪力と体力には自信がある、一人でずっと狩り続けていたのだ。
残党とか残ってるかどうかも確認していたので、大丈夫だよ、と、彼女をかばうように盾で隠しつつ、歩く。
格子の入口の方まで、街に向かう道の方へ。)

ティアフェル > 「え? まだまだあるって……云わなかった?」

 思い込みの強いわたしの思い違いだったろうか?ときょとんとする。まあ、することがないならばそれで構わないのだけど……。

「んんー? じゃあ、さ。お金ができたら別の仕事を始めるの?」

 冒険者は一生できるものじゃないと、以前話していたと思う。現状は無理でもその内落ち着けば別の職業を考えるのだろうか、と。自分はまだ何も考えていない分際で。アホ毛をひょこひょこ無為に揺らしながら尋ねてみた。

「そーかもね。そもそもわたし、ムキムキバキバキになるのヤだし。
 ま……ティアの場合はバカに一芸って感じだけど……バカでも一芸あれば立派なもんだと信じてる」

 神官のように神聖魔法ではないので、回復に特化しているが、退魔も清浄化できたりもしないし、あまり多芸ではない。
 でも、あるだけありがたいもんだと。微苦笑気味に笑った。

「っはっは……街中だし帰るくらいはティアだって平気よ――や、そうでもないか……。
 あーのー。基本横並びでいんだけど……野良犬多い場所通る時は……その……よろしく、ね……?」
 
 ここら辺は外れではあるが富裕地区に近いのでそこまでの危険性はない。アンデットモンスターも怖くない。けれども、犬が出てきたら何の躊躇もなく前面に押し出し盾にする。少々気まずいような表情で少々上目遣いにして軽く両手を合わせ、ひとつお願い。

「ふーむ。そっち系なら大丈夫だわ。いざとなったら殴れるわ。ヒールも効くし」

 出てきやがったらカチ割るぜ。血の気の多い女は今は前衛後衛の必要性を感じず。普通に横並び歩きで行こうとしたが……用心のため庇う姿勢にいてくれはるので、斜め横くらいにしておいた。
 一応周囲を見渡しつつてくてく歩きながら教会の敷地を抜けていき。

「お腹空いたねー。戻ったらごはんするー?」

 本当にきれいに掃討してくれたようで周囲は平和、至って暢気な声を出した。

イディオ > 言ったよ?ティアを助けるって言う追加クエストが発生したって意味さ。あの状態のティアを置いて、帰るは、無いだろー?

(多分これは、男の言い方が悪かったのだろう、だから彼女が勘違いしてしまった、すまない、本当に、すまない。男はパタパタ軽く手を振って見せるのだ。)

そうだな、お金が貯まったなら、家と市民権が出来たなら、別の仕事も考えないと、だけれども。直ぐにとは言えないだろうな。だって、自分が何が出来るのか、冒険者を辞めて何をするべきなのかを考えないといけないからな。

(今から何かを習熟しておかないとだし、やはり狩人とかそっちの方面が良いのかもなぁ、と薬草の知識や弓の腕を考えての思考。
他に、遣りたいことが出来るかもしれないし、うむむ、と男は悩み考える。
簡単にはい辞めます、とは言えないのが、保守的な男であった。)

そうだな、ティアは可愛い方が似合ってる。
バカに一芸?そんな言い方しなさんな、必要を極めてるだけなんだから、ティアは色々できるじゃないか。

(料理だって、ウエイトレスだって、立派にできるし、一芸とは言い切れないと思うのだけれど。と、回復魔法に特化、良いじゃないか、出来る事がはっきりしている方が良いのだ、と。あれやこれやは、中途半端で終わりやすいし。)

野犬……?ん、判った。
そういうのが少ない道を選ぼう、少し遠回りになるけれどいいかな?

(街中ではあるけれど、野良犬程度はいるだろう、彼女の様子を見て、嫌な事があるのだろうと了承することにした、理由は言いたければ彼女は言うだろうしと、言う思考。
というか、彼女の上目遣いに両手併せてのお願いに頼られてうれしいオジサンは任せなさいと言うナマモノなのだ。
だから、受付嬢の嘘泣きにも落ちる、男はちょろい。)

ハハ、頼りにしますわ。ぶっちゃけて言えば、スケルトンなどは、本気で剣よりも殴る方が効果的だし。

(これは素直な感想、グールやゾンビは剣でも何とでもなるが、スケルトンは殴った方が早い、それに、ヒールが効果あるならそれも十分な手段。
あ、強力な助っ人だ!やったね!と男は本気で思うのだった。)

いいね、いいね、帰ったら、美味いもん食おうか!お酒も一緒に。

(男は彼女の提案に気軽く、笑って見せる。酒も飯も生きて帰っての楽しみのうち一つだしな。と
苦手でも仕事、引き受けた以上完璧にはこなす。残党確認の為もあり、教会の中に足を踏み入れる念を入れたのだ。聖水だってたくさん使ったので、大丈夫なはずである。)

ティアフェル > 「それか。仕事増やしちゃってすいませんねえ。
 まあ……イディオさんは優しいからそうなるだろーけど、場合に依っちゃ『お前も冒険者だろ、自力でなんとかせい』ってほっとかれる例もフツーよ」

 若干乾いた笑い声を零して頬を掻いた。勘違いすれ違い言葉の上ではようあることじゃ、とこっちはこっちで誤魔化し笑い。

「今から考えとけば? まだまだ先…と思ってたら案外時間があっという間に過ぎてて決断の時!ってこともよくあるよくある」

 きっと妙に堅実な彼の事だから、そんなこと云わなくてもいいタイミングで転職先を決めるだろうけど。一応云った。
 こっちは引退=嫁にいけばいんじゃねというお気楽身分。

「あはは。せんきゅう。ってか……ゴリラが外身もガチゴリになったら……さすがに笑えぬ。
 えー? 割と好きな言葉なんだけどね。じゃ、ヒーラーバカ一代で。色々ってほども………できてないよ」

 誰でもできるような雑事はできるが、それは特技とは云わない。
 もっとできる人になりたいねえーと贅沢を零しながら上を向きながら頭の後ろでてのひ掌を組み合わせた。

「遠回りヤダ。早く帰る。犬、イディオさんが対処。早く帰れる。嬉しい」

 シェンヤンの人みたいに単語を駆使して我が侭ほざいた。真顔で顔の横で手を振って遠回り拒否。
 お願いポーズで云うこと聞いてくれるなら何べんでもやってやる打算女。聞かない方がきっといい。

「スケ君はねー、コアを潰せば一発だから楽だしねー」

 余りに数が多いと押されてしまうが、大体片づけてくれたようなので、そこまでの危険性はなく、帰りがてらにこっちも一応気配を探りつつ。そして、残りはいないみたいだなーと思うと、彼の意見も伺ってから敷地を出よう。

「まーた飲み過ぎないー? あなたが貯金ない理由がよっく分かるよ。まー、いーけど。もし酒でフラれてたら笑ってやる」

 っへっへっへ、と根性の悪い笑いを浮かべてのたまうヤな女。こういう女こそフラれていくもんだ。
 さて、お互いの依頼が完了したら、帰りながらどこで何食べるか相談でもしよう。

イディオ > 仕事、と言う程の事じゃないと思ってるよ、それに、可愛い女の子を助けるのは男の本望ってやつさ、下心も満載ですぜ―――と、確かに冒険者ならば、か。確かになぁ……。
とは言え、助け合いは必要だと思うし、俺は、手助けする方に手を挙げるさ。

(彼女の、言わんとしたことも判る、それも冒険者だ、一人前の冒険者なら自分でと言うのも、何時でも助けてもらえるわけでは無いからという考えで、自分も自分の事はそれで良いと思う。ただ、助けを求めるなら、冒険者もそうでない人も同じではないか、と考えるのだ。)

そだな、考えておかないとな、そろそろ……。ありがとう、ティア。

(確かに、彼女の言うとおりになあなあにして居てはいけないだろう、其れなら、もう少し真剣に考えるべきだと男は彼女に礼を言う。
では、自分は何がという所から、もう一度分析しなおしだな、と、腕を組んで考えるのだ。
正直に言って、この時代に生きているが、男自身は古代の人間だから、乖離が激しいといえばそうなるのだろうし。)

ティアはガチゴリにならないと思うけれどな。
ああ、好きな言葉だったのか、知らずに否定して失礼した。俺から見れば、ティアは色々できて羨ましい、と思ってる。

(もっとできる人に成りたいという向上の言葉に、応援するし、手伝うぞ、と。前衛に出る訓練なら、任せといて、とも。
彼女は前衛に出たがっているなら、それにふさわしい技術を覚えるのは、良いんじゃないか、と。)

それでいいなら、良いけれど。

(犬の対処程度なら別に問題は無いし、遠回りが嫌だと言うなら普通に直行の道で良いだろう。ちょろあまである。)

スケルトンに限らず、どんなものも、コアを潰せば大体は一撃さ。

(生物で言うなら心臓、魔法生物で言うなら、核。いうは簡単だが、それが出来る彼女の実力は、やはりあるのだろうな、と思う。それに、一人でこのアンデッドの群れの中の教会に居るんだから。
彼女は一流、イディオ覚えた。)

「ヤサイ、タベル。オサケ、ヘラシテル。」

(今度は男の方がシェンヤン風に片言喋り。でも、お金が無いとは言ってない。元々、娼館などお金のかかることを我慢して、溜めているのだ、ベテランだし、それなりに貯めてるんです。ええ。
でも、たかられたくないから、言わないだけです。
そんな気の置けない軽い雑談しながら、男と、少女は去っていくのであろう、ギルドにそれぞれ報告し、食事と相成る―――。)

ご案内:「廃教会」からイディオさんが去りました。
ティアフェル >  優しいというか、おおらかと云うか、甘い、というか――。

 そんな冒険者男子は多いんだろうか。いや、そんなことはない……お人好しだなあ、と今日も抱く感想。きっと、自分が本気のゴリラ的見た目であっても――床に嵌ってたらお助け下さるのだろう。

 ――そうして、お互いの依頼も完了して、無事に帰還すると、改めて怪我には回復呪文を掛けて、お疲れ様の一杯を引っかけるのだ。
 菜食もしていることと酒量が減っていれば、えらーい、とめっちゃ誉める。自分の弟でもあるまいに。

 そんな冒険者たちの一日はなんだかんだありつつも、どうにか無事に終わっていく。今日も明日も変わらずに。

ご案内:「廃教会」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「平民街のとある宿、その中庭」にアルヴィンさんが現れました。
アルヴィン > 井戸が掘られた、宿の中庭。その一角を騎士が拝借し、日々の鍛錬を行うこと。それが、騎士だけでなく宿の者にも馴染みとなってきている日々。
今日の騎士は、その鍛錬を昼過ぎに始めることとなった。
常ならば、夜明けと同時にベッドを抜け出し、宿の者達が朝餉の支度をしているところを、挨拶と共に通り抜け、この中庭の一角へと赴くことが常だった。
が、今日はそれが随分と遅いよう。
それもその筈、騎士が宿へと戻ったのは、今朝の事であったのだから。
常になく、気もそぞろな騎士であったが、それでも剣を鞘から抜いたその時には、その意識は吸い込まれるように剣へと集中し、研ぎ澄まされてゆく。
上半身は、裸だ。
背や肩、腕。研ぎ澄まされたかのように絞り込まれ、鍛え抜かれた一見細身のその身体には、いつくものいくさ傷が刻まれている。
素肌を過ぎる冷たい風にもひるむことなく、騎士は手にした剣に、短く呪言を唱えてゆく。と、それだけでずっしりと、手の中の剣が重さを増す…。
こうして、重さを増した剣を、ただ愚直に振り続ける。それが、騎士が日々己に課した鍛錬だった。
頭上、構えた剣を斬り下ろす。そして、振りかぶる。
その動き一つ一つに、惰性というものが微塵もない。
力一杯に振りかぶり、斬り下ろす。太刀ゆきの迅さ、鋭さ、重さ。それをただ、愚直に求め続ける鍛錬だった。
鍛錬とは、一見地味に見えるものほど過酷である。そして、過酷な鍛錬程裏切らぬものなのだと、老いた師は騎士へと笑って告げたものだ。
空を断ち、空を裂き、いつしかその露わとなった上半身に、玉のような滲み、そして凄まじい剣風に乗って散ってゆく…。

アルヴィン > 回数にして、一万本。
ただただ愚直に、惰性など微塵もなく。騎士は重量を増した真剣を振り続けた。
日に焼けた健康的な騎士の肌身に朱が差してゆく。それがかえって、いくつも刻まれた騎士の肌身のいくさ傷を、仄かに白く浮かび上がらせることとなる。
額にも、胸板にも、玉の汗を散らしてそして…騎士は一万本の素振りを今日も全うした。
すっかりと、風が火照った身に心地よい。
まだ底に冷えをひそませた春の風。湯気すらたてた騎士の身体にその風は、なぶりゆくように火照りと熱とを鎮めるように過ぎてゆく…。

ご案内:「平民街のとある宿、その中庭」からアルヴィンさんが去りました。