2020/03/24 のログ
ご案内:「平民地区 雑貨屋」にフィルさんが現れました。
■フィル > 日が落ちても、大分日中の温かさが残って過ごしやすくなってきているのは、気のせいではないだろう。
昼だけではなく、深夜になっても活気は収まりにくく様々な商店にとっても、ちょうどいい気候のなのだが、それは天気が良ければである。
ここ最近温かさに合わせる様に、雨が降ったりやんだりと、いまいち天候が安定することはなく。
突然の土砂降りに見舞われてしまうことも多ければ、当てもなく出歩くというのは、少々躊躇われる人も少なくないようだ。
今日もまた、パラパラと降り始めた雨は深夜になっても降りやむこともまだないようであり。
人気のない路地を抜けた先にある、雑貨屋にはいつも以上に人気がないことが伺えるかもしれない。
「中々止まないですね…」
人気もない、静まり返った店内から少年は、軽く窓の外を覗けばそんなことをぽつりとこぼしていくようである。
元々人気のない場所にある雑貨屋であれば、さらに人気を遠ざけることになる雨というのは、悩みの種の一つになるのだろう。
もっとも、雑貨屋を真面目に取り扱っていない店主からすれば、そんな少年の悩みなど気にしてはいないようであり。
ちょっとした細工を盛り込んだ、雨傘ともいえる雨具を入荷したのも少年からの進言であれば、雑貨屋のことを考えているのは、どちらのほうかといった気もしてくるかもしれないが。
「天気を安定させるアイテム…なんてないですよね」
そんなお手軽な魔道具などがあったら、それこそ国宝級といえるかもしれないものだ。
既に店内でやることは粗方終わってしまっているようであり。
この雨の中を飛び出すような配達もなければ、少々暇な時間ともなってしまっているのだろう。
出入り口の横に、雨傘を立てかけて目立つように陳列しなおせれば、そのままカウンターの裏の椅子へと腰を下ろし。
改めて、店内から零れる光に照らされては、勢いよく降り注いでいく雨の降る路地へと、何をするでもなくゆったりと少年は視線を揺らめかせていくようであるが。