2020/02/24 のログ
ご案内:「とある冒険者ギルド」にリムリアさんが現れました。
リムリア > 穏やかな日差しが降り注ぐ昼下がり。
いつもは忙しない冒険者ギルドの受付も、こんな時間ばかりはのんびりとしたもの。
朝と夕方は冒険者が列を成し、時に騒動にも発展するのだけれど、
こんな時間にやってくるのは依頼をお願いしに来る人くらい。

カウンターに座って、受理したばかりの依頼の内容を書類にまとめていく。
その内容も鉱石や薬草の採取が中心のいたって平和なものばかり。
偶に違うものが混じるとしても、それは毛皮や牙といった素材調達の依頼で。

「平和なのは良いんだけど、腕のいい冒険者さんが離れていっちゃわないか心配だなぁ……」

討伐依頼なんていうものは滅多にない。
そういうのがしたい冒険者は、自ら辺境のダンジョンに潜ったりするもので。
数少ない腕利きの冒険者が長旅に出ちゃうと大変だなー、と束になった依頼書を整理しながら、独り言ち――

ご案内:「とある冒険者ギルド」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > そんな彼女の前に、バサッと依頼達成の証明がなされた依頼書が放り出される。
受付カウンターには呆れ顔の冒険者。
フードをかぶってはいるものの、まぁ表情は見えるだろう。

「腕が悪くて悪かったな」

達成した依頼は多分にもれず薬草採取のもの。
ソロ冒険者であり、でたらめに強いというわけではないため
自分の分を見極めているというか、安全策をとりがちな冒険者の一人だ。

「他の連中はどうしたよ。腕利きがこねーってんでさぼりか?」

大手ギルドだというのに…まったく。

リムリア > 「わっ―――
 お疲れ様です。ブレイドさんの腕が悪いだなんて言ってないじゃないですか。
 むしろ、どこかに行かれちゃ困りますからね?」

突き出されたサイン済みの依頼書に、少し驚いたような顔を見せるけれど。
そこは受付嬢らしく、すぐに笑みを浮かべて対応する。
相手のぶっきらぼうな物言いにも、そろそろ慣れてきた。
臆することなくにこやかに返しながら、書かれた依頼内容と達成済みのサインを確認する。

「どうなんでしょうね?
 みなさん、まだ帰って来るには少し早い時間帯ですし―――
 はい、依頼完了確認しました。報酬はどうします?」

夕方になれば、他の採取組も帰ってくるだろう。
他に出ている依頼と言えば、護衛や調査だったりするから、こちらは数日かかるもの。
まぁ、実際にサボっている冒険者もいるにはいるけれど、それでも懐が寒くなればきちんと顔を出すだろうから、その点は心配してはいない。
冒険者にしては堅実な相手に、この場で報酬を受け取るかどうか確認しつつ。

「ほら、割の良い依頼がないと、みなさん離れちゃいますし。
 ブレイドさんだって、そうでしょう?」

と、世間話を振ってみる。

ブレイド > 「ま、オレぁ中堅くらいの零細冒険者でちょうどいいけどな。
この界隈ってな妙に戦闘方面で腕がいいやつが多いしよ」

営業スマイルには苦笑で返し、確認が終わるのを待つ。
まぁ、仕事に関してはしっかりこなしているので全く心配はないが。
少女もてきぱきと仕事をこなすあたり
ギルドの受付としては有能なのが伺える。

「報酬はもらっとくぜ。この様子じゃいつここも潰れるかわかんねーしな
もらいっぱぐれになっちゃかなわねーし…
つか、オレが今日は一番乗りかよ」

冗談めかしつつ、周囲をキョロキョロ。
こうしてみると、受付嬢をナンパにするためだけにいるようなおっさん冒険者もしっかり仕事してたんだなと関心する。
まぁ、楽でもうけられる仕事を求めて別のところに行ってるだけかもしれないが。

「どうだかな。オレは儲けがいいってのよりは確実なのを選んでるからな…
チリも積もればってやつだぜ。
まぁ、今日は今から依頼ってのもあれだし、早めの休みになるがよ」

どうせ相手も暇だろうし、自分も暇だ。
椅子を引きずってきてどかりと座る。

リムリア > 依頼完了の報告を受けたら、それで終わりというわけではない。
きちんと報酬の清算をしてギルドにある書類にもチェックを入れなければならない。
にこやかに対応しつつ、カウンターの陰では、数枚の書類を取り出して、順番に記入と確認を進めていく。

「畏まりました。
 それでは用意しますので、少しお待ちくださいね。
 ―――そうなんです、ここもいっつも火の車で……なんて冗談言わさないでください。
 そう簡単に潰れたりしませんよ。」

左団扇というわけではないけれど、赤字続きというわけでもない。
ボーナスを弾んでくれてもいいのにと思ったりはするものの、業績としては悪くないだろう。
相手の冗談に付き合いつつ、奥の会計担当に書類を回し。

「この時間に報告に来られる方は稀ですしね。
 今からでも、夜限定の依頼とかもありますよ?
 これならサボらない限りは、確実ですし。」

一番乗りという相手には頷きを返して。
確実な儲けを得られる依頼をひとつ示してみる。
いわく、夜間警備というもの。どこのとかと言えば、夜に開いているお店など言わずと知れた場所になるけれど。

ブレイド > 効率化している仕事というものは耳に心地いい。
紙のめくれる音、ペンの走る音、判を押す音、書類を整える音。
音に敏感である自分は、声や音にこだわってしまう。

「ま、ギルドだしな。
一つトチったら死活問題のオレらからしちゃ羨ましいもんだ」

他の職員もいるようだ。
あまり話し込むのも良くはないだろうか?
だが、まだ他の冒険者が来る様子が見られない。
双方暇だろうし問題はない…?か?

「採取だったしな。向こうで泊まり込みで早くに来たってわけだ。
…夜限定ね。何が悲しくておエラがたの趣味のわりぃお遊びに付き合わなきゃいけねぇんだよ
っと、そうだ」

そういう店での仕事は、用心棒や見張りなのだろうが…
まぁ、音が漏れたり目の前で色々あったりと、かなり精神的にげんなりする仕事だ。
たまに報酬が良かったりもするが…そうでもない限りうけたくはない。
やんわり断りつつも何かを思い出したように袋を漁る。

「依頼先で貰ってきたもんがあってよ。
暇だってならアンタもどうだ?」

取り出したのは酒瓶。

リムリア > 冒険者のみなさんを支えるのがお仕事
だとしたら情報の漏れや間違いは許されない。
世間話をしつつも、それは情報収集を兼ねていたりもする。
そんなわけだから忙しくない時間には、世間話をしていようとも目くじらを立てられることはなく。

「泊まり込みですか。
 この時期だとちょっと寒さが厳しそうですけれど、大丈夫でした?
 あの辺りなら、危険な獣とかもいなかったはずですけど、そういう意味ではこっちの方が安全ですよ。」

いくら安全でも、健全とは言えないあたりが、この街の実情ではある。
偉い人たちがやっている政治のことはよく分からないけれども、きちんと街が機能しているなら問題はないのだろう。
こちらとしても推したいわけではないので、示した依頼はさっさと引っ込める。
こういうのは、もっと適任の人がいるのだし。

何やら荷物を漁り出した相手に、首を傾げていると。
袋の中から色のついた瓶が覗き。

「わっ、良さそうなお酒じゃないですか!
 ―――お仕事中じゃなきゃ、喜んでお付き合いするんですけど…っ!」

薬草採取の依頼と言っていたら、リキュールだろうか。
それとも蒸留酒。どちらにしても安酒ではなさそうな雰囲気に、営業用ではない素顔が出てしまう。
時間的にも一杯というには、少し早い時間帯。
後にも続く仕事のことを考えれば、さすがに味見をするというわけにも行かず。
後ろ髪を引かれつつ。