2020/01/27 のログ
ご案内:「平民街の居酒屋」にインクさんが現れました。
インク > 【待機中】
ご案内:「平民街の居酒屋」にミストさんが現れました。
インク > 平民街の片隅、ごくごくありふれた酒場。
仕事を終えた冒険者達でいつも賑わっている。
その場には少々そぐわない、身なりの良い貴族の少年が。
彼はよく退屈しのぎにこの店に訪れて、酒を呑む事が多い。
……主に、好みの女性を物色しに。

今日は、その店で以前出会った女性と、もう一度会う約束をしていた。
前回会った時には、無礼かつ恰好のつかない事になってしまったが、
そのお詫びと共に、出来る事ならもっと親交を深めたいと彼は思っていた。

ミスト > 仕事の後に時折にくる酒場の一つ。
お酒が苦手な自分には酒場自体が足を運ぶことが早々ないがこの酒場だけは印象が強く。
それはある仕事の時に出会った少年が関係あるのだが…。

「えっと……どこだろ」

今日はその店で少年と会う約束をしてたりする。
前に会った時の事を思い出せば顔を赤らめるほど恥ずかしいのだが、お詫びと聞くと断れず。
こうして武具を持たない以外は普段の格好でやってきては少年を探して店内を見回す。

インク > 「あ、ミストさん。
 こちらです。」
酒場へと入ってきたミストを見つけると、
人懐っこい笑顔を浮かべて声をかけてきた。

少年がいるのは隅の方の席。
少し騒がしい酒場ではあるが、比較的落ち着いて食事がとれそうな場所だ。

「また来てくれましたね、ありがとうございます。
 ……まず何か飲みますか?」
店の壁に貼りだしてあるメニューを指さす。
麦酒からワイン、蒸留酒まで、一通り並んでいる様だ。

ミスト > 酒場の中には顔見知りの冒険者も居たりするが酔っぱらっているので声をかけることはせず。
それよりも待ち合わせた少年はと探し…声をかけられるとほっとする。

「そこだったんだ。今行くね」

人懐っこい笑顔を浮かべるインクを見つければそちらへと足を向け。

隅っこの席というのはある意味有り難く。
こういう席は目立たないので知り合いに見つからず、落ち着いて居られるからで。

「それはまあ……うん。お礼なんていいよ。
え、えっと……それじゃ……」

お礼を言われると困ったように視線をそらせてみせ。
少年の向かいの席に座ると指されたメニューに目を向けて。
そこに並ぶお酒の種類に完全に困ったと視線が泳ぐのだが飲まないのも不自然とアルコールの少なそうな麦酒をお願いをする。

インク > 「いえ、一応……
 ……前の、お詫びという事もありますし……」
礼はいい、というミストに、珍しく少し恥ずかし気に答える。
……前の出来事は、やはりインクがはやり過ぎた所が大きい。

「分りました、食べ物も何か頼んでおきますね。」
店員を呼び止め、
麦酒を2杯とつまみにベーコンとソーセージの盛り合わせ、ポテトサラダを注文。
ほどなくして、酒が2杯テーブルに置かれる。

「……じゃ、えーと、乾杯ですね。」
ジョッキを手にとり、ミストのジョッキにかちりと合わせて一口ぐいっと。

ミスト > 「あ、あのね……あの時はボクもわかってて行ったんだし…
ああなっちゃけどさ、だから謝らないで欲しいな」

インクの言葉にはっきりと思い出すと顔を真っ赤に染めて自分の唇に触れ。
そしてすぐに頭を振って忘れようとして。

「食べるのは何でも大丈夫だから。ボクは好き嫌いがないから」

お酒を普段から飲むことがないと言っていいほどなのでツマミに何が良いかわからずに任せ。
注文をする慣れた様子を眺めては店内に視線を向けたりと落ち着かず。
そうしていれば麦酒が二杯置かれて。

「う、うん。それじゃ乾杯」

ジョッキを手にすればインクのジョッキに軽く触れさせ。
両手でジョッキを持ち少しだけ戸惑い、女は度胸と口を付けて一口飲む。

インク > あの日を思い出しながら恥ずかしそうに唇に手を触れる姿に、
少年は思わず胸を高鳴らせてしまう。
美人が恥じらう姿というのは、かくも男子の心をそそるものである。

「うん、そうですか…そうですね……。
 じゃ、えーと……この前は、ありがとうございました。」
あまり謝らないで、という言葉に、
謝罪からありがとう、に切り替えた。

「そうなんですね、良かった。
 ……ちなみにミストさんの好きな食べ物は何かあるんですか?」
ビールを一口飲み、遅れてやってきた肉を皿にとりわけながら訊く。
……まだ、インクはミストが酒は苦手である事には気づいていない様子。

ミスト > 思い出せば思い出すほどに恥ずかしい事だったのに。
行けば判ってたのにと恥ずかしさがぶり返して顔を赤くしてしまう。

「それも違うと思うよ……って、お礼も言わないでよ!」

それはそれで恥ずかしくなりつい声を大きくしてしまい。
近くの席からの視線に小さくなってしまう。

「冒険者は身体が資本だからね。食べれる時に食べないとさ。
好きな食べ物……んー……しいて言うと魚かな」

麦酒の一口に苦いと思いながらも顔に出さないように喉に送り。
少年が肉を取り分けてくれた事に頭を軽く下げ、質問にはあまり食べる機会のない魚が浮かびそれに答え。
一口のお酒でもくらりと来るがまだ大丈夫と笑みを見せている。

インク > 「ふふ、わかりました。
 ひとまず、今日は好きなだけ食べて飲んで行って下さいね。」
ミストの恥ずかしがる様が面白く、
また魅力的であり、少年も思わず笑みを浮かべる。

「魚ですか、いいですね。
 マグメールは比較的新鮮な魚が手に入りますから、
 次は魚の美味しいお店に行きましょうか。」
などと言いながら、インクは一杯目を飲み終える。
まだ若いという事もあるが、
顔は仄かに赤く、酒は弱いわけでは無いが酒豪というほどでもない様だ。

「次はワインにしようかな。
 ……ミストさんは次は大丈夫ですか?」
次の一杯を注文しつつ、ミストのジョッキを見ると……
まだまだ麦酒は残っている様子。

ミスト > 「もう……今日はインクくんの財布を空にするからね」

恥ずかしさを誤魔化す様にそう告げてはベーコンを口にして。
冒険者と賞金稼ぎをやっているだけに同じ年の少女のように振舞えず。

「ずっと内陸の国に居たから魚って縁がなかったんだよ。
港町でしか食べた事がないけどおいしかったよ。
え、いいの?」

その誘いがデートになるとは思わずに喜んでしまい。
一口飲んだだけでも酔いは回っているが恥ずかしさの赤みと混じり今のところは見た目には出ていなく。
ただ確実に酔いは回っていて…。

「インク君…凄いね。
ボクはまだあるからさ……」

少年の視線に中身の入ったジョッキを見せて。
本当にちびちびと麦酒を口に運んで飲んでいる。

インク > 「ふふ、それではこの店の酒が空になってしまいますね。」
などと豪気な事を言う。
……実際、この軟派な少年は貴族の放蕩息子なのであった。

「あぁ、そうなんですか。
 むしろ海の近い国かと思いました、故郷の味みたいな。
 ……はい、今度是非行きましょう。」
いつか、ミストの故郷にも行ってみたいと思いながら話を続ける。

次の食事の誘いにも好感触な様だ。
……ただ、どことなく、ミストの様子がおかしい気もする。
あまり酒も減っていないのに、顔はかなり赤みが差して……

「あ……もしかして、ミストさんお酒ダメでした?
 ……お水とか、飲みます……?」

ミスト > 「え……お酒のほう…?
あ、あはは……そうだね。そうなるかもね」

少年の言葉にそっち!と突っ込みそうになるのを耐え。
下手がそれだけお酒を飲む、自分が飲んだらどうなるか直ぐに分かってしまう。
確実に酔いつぶれて再起不能になる未来が……。

「ボクの故郷は山に囲まれた所だよ。
だからどちらかって言うならお肉とかキノコかな。
魚のおいしい店って楽しみだね」

この国出身の少年ならおいしい店を知っていると考えれば楽しみ。
苦手なお酒をつい口に運んでしまい。

脂っこいベーコンで口の中を誤魔化して麦酒を飲み進めてようやく半分。
これは危ないかもと思い料理に手を伸ばすとインクの視線に気が付き。

「そんな事ある訳ないよ。苦手なら来てないからね。
ん…ンぐ………ぷは……お代わりはインク君と同じのでいいよ」

ここで苦手と言えればいいのだが強がってしまい残りを一気飲み。
空になったジョッキをテーブルに置き、自分ではわからない赤い顔で笑って。

インク > 「ふふ、冗談です。
 僕もそこまではちょっと飲めませんので……。」
よっぽどの酒豪でなければ、店の酒を全部開けるのは無理だろう。
この世界、そんな酒豪もごろごろいそうだが。

「良いですね、一度行ってみたいものです。
 僕はこの国で生まれ育ったので、他所の国にもいつか行ってみたいですね。」
山深いミストの故郷に思いを馳せ……

「わかりました、美味しい店を見繕っておきますよ」
次に会う予定も決まりそうで、
少年は一人心を躍らせるのであった。

「そ、そうですか?
 無理はなさらないでくださいね?」
……まぁ、本人が大丈夫と言っているし……
と、もう一杯同じワインを注文する。
しかしそれは、少年の考えが甘かったかもしれない。

ミスト > 「よかったよ。
ボクはどっちかって言うと食べる方がいいからね」

少年の言葉にほっとしたように胸を撫でおろし。
自分は兎も角、インクもそんな酒豪ではない事に心の底から安堵を見せて。

「ボクの故郷に?本当に何にもない所だよ?
山と畑しかないような所。行くなら他の国の方が見る所あるよ?」

これでもいくつかの国を跨いで旅をしてきた。
インクがどうせ行くならもっと賑やかな方が似合いそうと思ってしまう。

「うん、期待しておくね」

酒場の楽し気な空気にアルコール、そしておいしい魚料理の誘惑。
次もこうして会うと言う事に疑問が浮かばずに笑うのは酔いのせいもあるのかどうか…。

「ボクが嘘を言うって思う?
あの時だってダメって言ったんだからさ。
無理しないってインク君知ってるよね?」

無理をするなら今頃は初めては既に無いんだからと言い切り。
飲めるよと強がりを見せてしまい。
少年が注文したワインが二つ届くと片方のグラスを手して口を付けていく。

インク > 「何もない、のんびりした所で一夏ほど過ごすのも良いと思いますよ?
 ……ミストさんは、何処か行ってみたい場所はありますか?」
本当は、ミストの故郷を見てみたい、という心もあった。

「ええ、楽しみにしていてくださいね。」
魚料理の約束に、笑顔を見せるミスト。
……つい、インクも嬉しくなってしまう。

「……う、んー……。」
でも、あの時は結局ギリギリまで……
こっちがもう少し強引なら、最後まで行ってしまった様な……
と、インクは思うが口にはせず……

そうしているうちにミストは先ほどの麦酒の時より勢いよくワインを飲み始める。
まぁ、ミストの酔った姿も見てはみたい、という気持ちもある。

(酔わせて……そのまま……)
などと、邪な考えが全く浮かばなかった訳ではない。
しかしそれでは結局あの時引いた意味が無い、と首を振り……

ミスト > 「一夏も?直ぐに飽きちゃうと思うよ?
酒場とかもあるけどこの街みたいに沢山もないしね。
ボク?ボクは海かな。まだじっくりと見てないんだよ」

インクがきっと故郷に来れば直ぐに飽きてしまうほど何もない事を困った顔で告げて。
何処かと言えば海をゆっくりと見てみたいと答えて。

「インク君って色々なお店知ってるからね」

なんでも食べるがやはりおいしい物が一番。
楽しみだなと自然に無防備な笑みを見せて。

「どうかした?」

あの時は少年が自分の我儘を聞いて止めてくれた。
異性の扱いに慣れた自分より年下なのに大人に見えた少年。
だからこそ今日も誘いに乗ったというのは秘密の事。

麦酒は苦かったがワインはまだ苦みよりもブドウの味がする気がして飲みやすく。
勢いのままに飲んでしまえば酔いが回ったのか瞳は少し潤みインクに向けられて。

「これ………美味しいね」

アルコール交じりの息を吐いて笑いかけて、飲まないのと問うようにインクとグラスを交互にと見てしまう。

インク > 「そうですか。
 でも、ミストさんの育った国を見てみるというのは僕にとっては退屈しないと思います。」
「海、ですか。
 近場にはなりますが、ハイブゼラール辺りは海際ですし、退屈はしないと思いますよ。
 僕も数回程度しか行った事はありませんが……」
もし機会があれば、ミストと共に色々な場所を行ければきっと楽しいだろう。

「ん、いや、なんでもないですよ。
 ただ、酔いが回ったミストさんも綺麗だな、って。」
やっぱり、それほど酒は強くないのだろう。
すっかり酔いが回っている様だが、そんな笑顔が魅力的に思えるのは本心である。

「もう一杯、飲みますか……?」
そう言って、同じワインを瓶で注文。

……インクも調子に乗って飲んでいるが、
彼自身も決して強い訳ではない。
ふわふわと心地よい酔いが、少年自身をも包み込んでいく。

ミスト > 「そうなのかな……。でも当分は帰る予定はないし案内できないよ?」

少年を思わずに物好きと、そんな目で見てしまい。

「ハイブゼラールは一度だけ行ったんだけど直ぐに戻ってきちゃったんだ。
インク君もそうなんだ…」

退屈しない、その言葉に王都とは違ってまた色々とあるのかと考えるだけで楽しみで。

「そう?それならいいんだけど……。
ボクは酔ってないよ。お酒に強いんらから…」

素直に酔ったと言えればいいがそれが言えずつい強がって酔っていると言えず。
それより飲もうと空のグラスを揺らしてみせて。

「うん、飲むよ」

インクが同じワインを瓶で注文すると嬉しそうに笑い。

飲めないのに無理をして飲んだ結果すっかりと酔いが回ってしまう。
それでもさらに追加で二杯飲めたのは恐らく最高記録。
すっかりと酔いが回ってしまい瞳を潤ませて身体が揺れ、微笑を浮かべ同じく酔ったインクを見詰めていて。

インク > 「あの街は、一人でしかも女性だと色々物騒な所もありますしね。」
ハイブラゼールは賭け事も盛んな歓楽街である。
一人で遊びに行ったはずが、いつの間にか自分が賭け事の景品に、なんて話も良く聞く。
……もしよければ今度一緒に……と、いうのは、
次会う時にとっておくことにした。

(うーん、呂律が怪しくなってきた……。)
が、そんなミストが笑う姿もまた可愛い。
前会った時までは、こんな砕けた表情は見せていないので新鮮だった。

「それじゃ、乾杯です。」
二人のグラスに新しく酒を注ぎ、グラスを合わせ……
そうして、なんだかんだで瓶が空きそうになった頃。

(うぅ……僕もちょっとふらふらしてきた……)
ワイン一瓶くらいで、と情けなく思うが、
楽しく飲めたせいかペースがかなり早かった。

「み、ミストさん……大丈夫、です?」
さて、相手の様子は……

ミスト > 「……やっぱりそういう感じなんだ」

前に行ったときは仲間と一緒であったために安全だった記憶しかないが、
一人だと物騒と聞くとやっぱりと納得してしまう。

すっかりと酔いが回りこの街では比較的気を許せるインクとの食事は楽しく気が抜けてしまい。
無防備に笑って食事を楽しむ姿を見せていて。

「うん、乾杯」

グラスにお酒を注いではグラスを合わせ。
お互いのグラスが空になれば注ぎあったりとして飲み進めて。

もう酔っていた所に飲みやすいと更にお酒を飲んでしまった結果は一つ。
赤い顔で満面の笑みを浮かべてグラスを持ったまま少年を見詰めていて。

その問いかけに応えることも出来ず、笑みが見せているが完全に酔っていて。
少しでも動けばそのままテーブルに突っ伏しそうなほどに揺れていて…。

インク > 「………っ。」
ある種、妖艶なその笑みは少年には刺激が強かった。
普段どちらかと言えばクールな雰囲気のミストが、
無防備な笑みを浮かべて此方を見つめている……。

「……ああ、やっぱり飲みすぎだ……。」
と思えば、体がふらつき今にも倒れそうだ。
やはり無理せず止めておけばよかったか、と思っても後の祭り。

(なるほど、この前もだけど……
 なんとなく強がっちゃう所があるんだな。)
と、ミストの性格をまた一つ理解する少年。
そんな所も魅力的に思えるのだが。

ひとまず、一旦会計を済ませて席まで戻ってくる。

「ミストさーん……!
 大丈夫ですか?
 ……宿まで帰れそうですかー……?」
肩を揺らして、声をかけてみるが……

ミスト > 「どうかした……?」

酔いが完全に回り無防備に楽し気に笑っているとインクの気配が変わった気がし。
不思議そうに言葉をかけては首を傾げてみせて。

「ボク……酔ってないからね…まだいけるんだよ…」

そう強がってはいるがこれ以上飲めば撃沈は確実。
強がりもここまでいけば大したものであり。

自分よりも数倍大人びて見える少年の前では強がってしまうがその結果は今。
かえって情けないと言えるかもしれない無防備な姿を見せていて。

インクが席を離れるのを潤んだ瞳で見送り残り少ないツマミを口に運び。

「インク君が二人いるよ……ボクの宿……どこだっけ……?」

肩を揺らされると赤い顔で微笑んで二人いると楽しそうに笑い。
自分の宿の場所が思い出せいほどに酔ってしまっていて。