2019/12/30 のログ
ご案内:「焚き火前」からタン・フィールさんが去りました。
ご案内:「王都平民区」にタピオカさんが現れました。
タピオカ > 平民区の通りを歩けばいくつも目につくよな平凡な宿兼酒場に朝がやってきた。
酒場内には酔いつぶれたまま眠った客が数名ほど。
朝の日差しと、どこからかさえずる小鳥の鳴き声が入り交じる中、2階の宿泊スペースから階段を降りてくる小さな人影。

「ふあぁ……。おはよー、マスター……。
朝ごはんに白パンとハチミツ入りのホットミルク、くださいなー……」

寝床から起き上がって間もない様子の短い銀髪は跳ね気味で、それを片手で抑えながらもう片手で伸びをする。
この宿に宿泊している褐色肌の遊牧民は顔なじみの店主に寝ぼけ眼な挨拶をし、カウンターのスツールに腰かける。

一房だけ変な方向に跳ねた前髪に気づいておでこに押さえつける。……ひょん。手を離したとたん、また変な方向に跳ねた。数回それを繰り返し。……諦めて。両手で頬杖をついてぼーっと、朝食の準備をする厨房から漂う良い匂いに目元を緩め。

タピオカ > 頬杖視線のまま、奥の厨房でミルクに火がかけられるのを店主の小脇の隙間からちらりと覗きつつも。店内見回せば、テーブルに突っ伏したまま眠る大柄な魔術師の男性のヒゲをその使い魔らしき白いリスが両手でめいっぱい引っ張って起床を促していたり。

自分と似たような寝ぼけ眼で顔を上げた戦士らしき女の子は、瞼が開いたと思ったら眉をしかめて頭を押さえた。
頬の青白さは二日酔いを如実に語っていて、床掃除している店員に死んだ魚の目で水を持ってくるようにお願いしている。

かと思えば、一晩中どこかで張り込んでいました。というような衛視の二人組がぐったりとした顔色と擦り切れたマント姿で入ってきて、カウンターにどっかと座ると温かいスープを注文していた。

それぞれの朝の人間模様を眺めながらも、運ばれたミルクがあったかい。ひとくち飲むと、遊牧民の目元がうっすら、美味しそうに赤らんで――

ご案内:「王都平民区」からタピオカさんが去りました。