2019/12/04 のログ
リス > 「―――……うふ。」

 少女は、給湯室でお湯を沸かし、粉のチョコレートにお湯を注ぎ、そのあとに砂糖を入れていく。
 チョコレートも、砂糖もそれなりの貴重品であるし、高級品であるからして、ばれたら怒られてしまいそうであるけれど―――でも、欲望にはかなわないのである。
 女の子の大半は甘いものでできていると、誰かが言っていた気がするし、甘いものを取るのは良い事なのである。
 だれにも内緒内緒、なんてひとり呟きながらココアの入ったカップを手に、椅子に座るのだ。
 ソファの上で、フーフー、と少し覚ましつつ、ちびりちびりと飲んで。
 流石に夜になり、人の少なくなっている店内を眺めるのだ、今の時間は冒険者とかが中心であり、冒険用の品物や食料を買うのだろうか、入ってくるのが見える。
 他にも受付で武器や防具の修理の依頼をしている人も見えるのだ。
 静かに少女はそんな様子を眺めながら、ココアをちびりちびりと啜る。

「もう少ししたら、戻ろうかしら。」

 仕事は大体片付いているし、大丈夫かしら、と、そんな風に考えながら。
 少女は店内と、店員を眺めていた。

リス > しばらくの間、ココアを啜りながら、様子を見ていたのだけれども、問題はなさそうに思える。
 それなら、今日はもう大丈夫ね、と、片づけた書類をもとの場所へと戻していく。
 すべてちゃんと元の場所に戻してしまえばあとは少女は、ココアを一気に飲み干して、甘い味を堪能するのだ。
 もう少し時間をかけて飲んでもよかったかしら、と思いながらもココアのカップを給湯室へ置いて、洗ってしまう。
 最後に、店内を軽く回って問題がない事をチェックしてから。
 店員たちに、後はよろしくね、と引継ぎをして見せる。

 そして、店内から出ていき、護衛を呼んでから。
 冨福地区にある自宅へと向かい、歩いて去っていくのだった―――

ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」からリスさんが去りました。