2019/10/30 のログ
■ティネ > 「やだ~、世にも珍しい茹で妖精になっちゃうぅ」
きゃあきゃあと高い声でさえずる。
カップの縁に顔を近づけて、立ち上る湯気の中、すんすんと香りを楽しんでいる。
「まあ、サービスのいいお茶屋さん。
ここは店主のおすすめブレンドでひとつ!」
笑顔を花のように咲かせて、そうオーダーする。
ようするに任せるということらしい。
「しばらくぶりだね~。少なくともボクにとっては。商売はかどってる?」
おそらくは、ティネの『分身』のことを言っているのだろう。
■タン・フィール > 「あははっ、きっと妖精のエキスがたっぷりにじみ出て、
欲しい人はノドから手が出るほど欲しい珍品になっちゃうかも?」
と、冗談半分に笑いつつ、少年の知識と技術…そして秘められた一面を思えば、
あながち冗談とも思えない軽口を飛ばしつつ。
一方ですんすん香りを楽しんでカップの縁に近づく妖精の頭を、
優しく指先で撫でる仕草に感じる慈愛も、偽り無い感情の一つで
「いーよっ、それじゃあ… ハーブティと、蜂蜜のブレンドで。」
と、人差し指で蜂蜜をすくい上げ、 熱すぎないハーブティの中に指を入れてかき混ぜ…
ハーブティの香ばしさと味・風味を纏ったトロトロの蜂蜜指を、そっとティネの前に差し出す。
舐めれば、口いっぱいに暖かな蜂蜜とお茶の味わいが広がり、リラックスできるだろう。
「ぅんっ、おかげさまで♪最近は鱗粉が人気で、
残って動き回れる『キミたち』は、たーっくさん増えてるから、ぜんぜん退屈しないよ♪」
と、その口調から、さぞ思うままに『分身』を愛で、可愛がり、「活用」しているのだろう。
「―――どう?あとで、見に来る?」
と、そこまで拠点のテントから遠くないので、指先を差し出しながら尋ねて
■ティネ > 「じゃ、タンにはそれを一番に味あわせてあげないとね。
わーい、いただきます」
小鳥に餌を与えるように、指が突き出される。
それに飛びついて、ちゅ、ちゅと舌を出しておいしそうに舐め、赤子のように吸い付く。
ほのかに倒錯的な光景。
「ふふ……。逃げ出したりしないように、
ちゃーんと閉じ込めないとだめだよ?」
曇りなき笑顔で、己を家畜のように扱っていることが伝えられて、胸が弾む。
「……ん。行く。見せて。
……『タンの』ハーブティも、いっぱい飲ませてほしいし」
タンの指を舐めながら応える。
身体がかすかに熱を帯びだしているのは、ハーブティのだけではないだろう。
■タン・フィール > 「ほんとっ?―――っふふ、嬉しい…♪
そう、「モノ」として売り買いもしてるんだけど、最近はちょっぴり…独り占めしたくなっちゃって」
と、「愛情を注ぐ相手」でもあり、「愛玩」扱いもし、「モノ」扱いもするなかで、
芽生えたのは一種の独占欲。
餌を与えるような、赤子に温もりを与えるような、様々な思いや意味の交錯するやりとり。
その一端を見せて、と言われれば、嬉しそうに頷いて
「―――ぅん、わかった。
それじゃ、お茶を飲んで、ちゃんと焚き火の後始末をして…
それから、テントの中に行こう…♪」
と、言葉通りに、そこを発つ準備を整えて出発し、ものの数分で少年のテントへとたどり着く。
指先に吸い付く妖精少女の、歓喜・享楽・悲鳴・狂気・快楽…
無数の声色の響く天幕が開いて、外界から遮断するように閉じた。
ご案内:「野原の焚き火」からタン・フィールさんが去りました。
ご案内:「野原の焚き火」からティネさんが去りました。