2019/07/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 庶民地区」にマコさんが現れました。
■マコ > 「んー………困った。」
テーブルで頬杖をついたまま、マコはうなっていた。
目の前にあるスープが冷めてしまったから困ったのか。
いや、この時期ならばむしろ冷スープのほうが飲みやすいし、美味しい。
少し塩味の利いた、さっぱりとしたスープはすっと喉に通るし。
じゃあ、武器が壊れて困ったのか。
元々、魔法を付与している槍を使っているマコが、そんなへまをするはずがない。
じゃあ、依頼がないから困っているのか。
それも違う、現に目の前には依頼書が3枚ほどある。
報酬も悪くないし、請け負ってもいいかもしれないとは思っている。
では、何に困っているのか。
その理由はただ一つ、この依頼が『パーティ専用』だということだ。
ご案内:「王都マグメール 庶民地区」にヒュルフェさんが現れました。
■ヒュルフェ > 槍を持った少女が悩んでいる施設に、新たな来客者。
動きやすい薄い鎧に、足止めの罠などを踏まないように造られた厚めの底を持つ靴。
「おっじさーん。つっかれたー…、飲み物と食べ物…。なんか元気出る奴…」
軽い調子で施設のマスターに注文しているのは、灰色のショートカットの女。
装備から斥候や偵察に重きを置いた冒険者だろうか
『おーう、また調査か?精が出るな。けどま、一人なんだし、無理すんなよ。』
酒と宿を提供するマスターらしく、その女の事も知っているようで。
「そーだったんだけどさー…、全然報酬貰えなくてー。あの依頼人外れだったよー
…はーあ…無駄足…。」
カウンターに肘をついてうなだれてから…元気出せよ、と言ったマスターから料理を受け取り。
何処に座ろうかと、きょろきょろしていたその女は…同じく唸っている姿と、その前に置かれた依頼書を見つけ。
「あ、ねー…。その依頼、見せてくれない?、いやー…ちょっと依頼選びで失敗しちゃってさ…」
軽い調子で快活に笑いながらそう言って。
調査の依頼の中には、これは間違った報告だと決めつけ、報酬を無理矢理に下げてくる輩もいる。
ただ、相手が持っている依頼書は、見る限り…大きく書かれた報酬は中々の額だ。
もちろん、自分が請け負った依頼だから、と見せることを断ることもできるだろう。
■マコ > 大規模な魔族の討伐作戦が行われる依頼が一つ。
これは受けるつもりはない、報酬は一桁違うけれども、命を無駄に散らすつもりはない。
そもそも、魔族の国に行くなんて仕事、絶対お断りだ。
もう一枚は、山脈にある盗賊団のアジトを襲撃するもの。
規模はそこそこ、報酬もそこそこだが、パーティ専用の依頼になっている。
あいにく、マコはソロ活動が主なのでこれも却下だ。
野良でパーティに入ることほど、危険なことはない。主に身内的な意味で。
もう一枚は、下級魔族の討伐依頼。
これが最も報酬は安いが、パーティ人数も少なくて済みそうだ。
規模的に、コボルトやそのあたりかなぁと、マコは予想していた。
そんな折だった。
「ほえ?………あ、うん…別にいいけど?」
マスターとのやり取り、片耳に聞いていたので親しい間柄。
もしくは、この宿を利用してる同業者かなと、マコは首をかしげる。
別に見せるくらいならばいやはないし、ほとんどがマコには受けにくい依頼ばかりだ。
それに、まだ請け負っているわけでもないので、何の遠慮もなしに、その3枚の依頼書を順番に見せていった。
■ヒュルフェ > 「ありがと。しっつれーい、えーっとー…」
承諾されれば、冷たくしたスープと、干し肉が乗った皿と共に対面に座る。
彼女としては、報酬を横取りする気はないのだが…複数で受けられるならおこぼれにあずかろうとし
あるいは自分に向いた依頼ならその依頼を貰おうか交渉しようと思っていたところ
ふむふむ、と干し肉をかじり、頷きながら3枚を見ていく。
どれもパーティー用かー、などと呟き。
「ねね…これと、これ…どっちか。…私はそんなに戦えないけど、1対1ならそこそこ。あと攪乱と…索敵、…もし何かお宝や罠があるなら見つけれると思う。
あなたが戦えればだけど…せっかくだし、…一時的に、パーティ組んでやってみない?、この依頼書、どれもパーティー用だからさ。」
日銭に困っているらしく、積極的に。
差し出したのは、盗賊団アジトの襲撃と、下級魔族の討伐依頼。
「まあ、信用できないっていうなら、仕方ないけど。…こんな職業だし。」
と言って、自分の服装を指す。典型的なレンジャー装備だが…一部のそういった職に報酬を独り占めするような輩がいるのも確かだ。
■マコ > 元々、マコはあまりいやを言わない性格だ。
というよりも、気楽で天真爛漫だからこそ、このように割と無警戒に見せる事のほうが多い。
勿論その後の行動次第では、はっきりとノーを突き付けるわけだが。
同じ冷スープに口を付けながら、マコは依頼を吟味している少女に目を向けていた。
灰色の髪に、肉付きは…あまりよろしくない体つき。
スレンダーな体形をしているから、動きやすい服なのかなと首をかしげていた。
冒険者のようには、雰囲気からしてあまり思えない。
探検家か何かかなーと、ぼんやり考えていた。
「ん……ボクと?」
ここで、少し考えた。
生活費、そしてもろもろのお金を考えると、盗賊のアジトならばうまみは超良好だ。
下級魔族の退治でも、盗賊アジトに比べればうまみは減るが、いつもの薬草採取などに比べれば値段は倍以上は違う。
二人ならば勿論、そのうまみも大きいわけで…。
「信用できる出来ないはその時に考えるよ、ボクは。
敵陣に乗り込んで、そのまま逃げちゃうんだったら一生呪ってやるけど。」
などと笑って見せた。
「レンジャーさんなんだね、ボクはマコ。
そっちの言い方で言えば…ボクはランサーってところかな?」
”もちろん、そこそこ異常には戦えるよ。”
そういって、右手を差し出した。
■ヒュルフェ > 「そ。キミと。まあ、命の方が大事だから、二人でも危なかったら逃げる補助はするよ。」
スープをごくりと飲みながら。
彼女もまた、パーティ経験というのは乏しいが、自分がしていることを相手に伝えればいいだけだ、と判断して。
実際持っている雑嚢には逃走用の簡単なアイテムなどなどが入っている
「私も、…ええと、マコの力は実際にはわからないから確かめながら、だね。
盗賊はどう?私は不意を突ければ有利、くらいかなあ。下級魔族なら正面からでも何とかなると思う。
…私…あ、ヒュルフェね。…私としては、こっちを受けたいかなあ」
軽く自己紹介しながら右手を差し出して握手を。
左手で盗賊アジトの襲撃依頼を前に出し。
多少の危険があっても実入りが大きい方を受けたいようだ。
「…ちょっとむしゃくしゃしてて、気力は十分だから、できるだけ早く出発したいんだけど、どう?」
握手を交わした後、にこりと笑って。襲撃と言う事は…街道を行く商人などが襲われないように早く動いた方がいいだろうという判断もあり。
■マコ > 「即席パーティだもん、仕方がないよ。
いきなり信用しろ、っていうのはなかなか難しいと思うよ?」
気が向いた時くらいにしか、マコはパーティを組まない。
その日の生活ができればいいやというような性格なので、あまり贅沢はしない。
ただ、大きなお金が手に入れば、宿代だけ支払ってあとは豪遊に使う、なんてこともざらだ。
命のほうが大事だというのには、全面的に同意する、
腕を組み、うんうんと頷いて見せてから、受けたいという依頼のほうを見た。
「盗賊胎児のほうかぁ…、もしかして、ちょっとピンチだったりするの?」
にししっ、といたずらっぽい笑みを浮かべながら、スープを飲み干し、お代わりを頼んだ。
危険な依頼には、危険がつきものだ。
もしつかまったりしたら、みずみずしい肌を持った乙女二人。
何も起きないはずがない…。たぶん。
「ふーん……、あんまり急ぎ過ぎるのもだけど…いいよ。
今から大急ぎで準備して、明日の早朝に出発、でどうかな?」
さすがに今すぐに、というのはなかなか難しい。
だから、今日一日は準備に費やして、明日の早朝出発を提案した。
■ヒュルフェ > 「お互いにねー。だから、道中いっぱい話そー。
全ては会話から、ってね」
にこにこと笑い。
即席で挑む場合に危険なのは、お互いの事を知らないが故の連係ミス。
それをある程度防ぐため、道中で世間話でもしようと提案。
「そ。ピンチなのー、最近マトモな依頼が無くってさ。
リスクは覚悟してるし…、盗賊の住処なら、『追加報酬』も望めそうだし。」
奪ってきた宝物や、何か魔道具があるかもしれない。
依頼を受ける事に失敗している彼女にとっては丁度いい。
それらについては、特に届けが出されていなければ依頼を受けたものが持ってもいいことになっているためだ。
「りょーかい。それじゃ、明日の朝に…えーとここなら、南門、に集合でどう?」
依頼書に書かれた大体の盗賊のアジトの場所を見て、出発地点を決めよう。
パーティを組むと言った以上、相手の都合も考えないといけないね、と頷いて。
■マコ > 「うん、それはいい案だと思うよ。
なんだったら、ボクの部屋に泊まってく?」
”ここに宿取ってるんだ。”
マコは、この店の二階で部屋をとっている冒険者だ。
あまりギルドに顔を出すわけではないが、こういう場所でならよく見かける。
追加報酬を期待するのもいいが、この依頼は確かに二人で受ければかなりの額になる。
宿代を払っても、しばらくは仕事をしなくて済むようになるし、1月は十分生活していける。
マコにとっても、うまみのある話だった。
「うん、ボクはそれでいいよ。
っていうか、一緒に行こうよ?」
大まかな場所は依頼書に書かれている。
後は細かいところを、依頼人に聞きに行けばいい話だ。
この依頼、騎士団が絡んでいるらしいので、信頼性は高いだろう。
■ヒュルフェ > 騎士団は悪魔が出現したとかで忙しく、そのため回ってきた依頼だったが
二人にはちょうど良かった。
「わ、いいの?やった。それなら、泊っていこうかな。
宿代もばかにならないし。
新しい服とか買っちゃおうかなー、この報酬が入ったらさー」
ふふん、と笑いながら…泊めてくれるという相手の言葉に喜ぶ。
「少しアイテムが減ったくらいだから、私は特に追加で用意するものはないし…
一緒に寝て、一緒に起きて行こ―。」
灰色の髪を揺らしながら…良く笑う女。
自分は食事も終わり、移動するのなら、スキップをしながらついていくだろう。
■マコ > 「服かぁ……、ボクは温泉かなぁ?
ゆっくりと疲れを取りたいしさ?」
服などには、マコは実はあまり興味がない。
それならば美味しいものを、という考えでもあるし、いろいろとお金のかかる職業だ。
そういう女の子らしいことは、あまりやっていない…。
でも、新しい服というのに、少し惹かれた。
「ん、りょーかい。
それじゃ、今日一晩ゆっくりお話ししよっか?」
部屋に誰かを誘うなんてこと、めったにあることじゃない。
冒険に行く前にいろいろと話し込んで、お互いに信頼できるかどうかを確かめよう。
明日、また忙しくなりそうだ…。
ご案内:「王都マグメール 庶民地区」からヒュルフェさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 庶民地区」からマコさんが去りました。
ご案内:「居酒屋“幽世”」にソウレンさんが現れました。
■ソウレン > 「これでよし。」
窓際に紐で括った青い楕円状のモノをつるす。
入口付近にも同じものがぶら下がっていた。
その周囲にはひんやりとした冷気がわずかに広がり、室内の気温を下げている。
常連には魔法の道具だよと説明はするが、その実自らの鱗である。気づく者はほぼいないだろうが。
折からの雨で客足は遠く、店内には自分のみ。
まぁ、それも仕方のない事かとカウンターで暇をつぶしていた。
気が乗れば細工切りの修練などもするが、今日はそんな気分でもなく、
カウンターにはお銚子とお猪口が一組。自分で酒をちびちびと飲んでいた、という所。
「……季節柄、という所かな……。」
ぼやくものの、客が入ってくる様子はない。通りにも人は少ないのだろう。
涼を求めてやってくる客も少数いるのだが…今日は猫も来ないな、と小さく笑ってまたお猪口を傾けた。
ご案内:「居酒屋“幽世”」にアクィラさんが現れました。
■アクィラ > 雨にもめげない黒白の縞々模様を持つもふもふな鳥が羽ばたき滑空滑るようにとあるお店の前に着地。
軽く羽ばたいてから翼を折り畳み、ぷるぷると頸を、体を動かして水滴を落とすと、
片足を動かしてチリンチリンと鈴の音を鳴らす。どこか入れそうな隙間は無いものかと
それは見上げて頭を擡げて右 左 上 下 扉の前でうろうろする翼を持った小さき影。
街中にも住んでいてもおかしくない ハヤブサという猛禽類にして鳥が居酒屋の前でうごうご怪しい動きをしている。
■ソウレン > ちりんちりん。
鋭敏な耳は鈴の音を明確に捉える。
んん?と入口を眺めて不思議そうな表情。呼び鈴なんぞ取り付けた覚えはないのだが…。
はて?と思いながら腰を上げる。
からりと引き戸を開ければしとしとという雨音が多きくなった。
目の前には人の姿はなく、一瞬「?」と思うもののすぐに下を見た。
「ほう、隼か。珍しいな……どうかしたかい?」
言葉を持たない動物でも、意志は感じ取れる。
かがみこんで薄い微笑を浮かべると話しかけてみる。
模様も美しく明確、体格もかなり良い。立派な猛禽の姿だ。
■アクィラ > すぐに分かるように足に鈴 そしてリボンという誰かに飼われている証付き。
ちりちりと鳴らして、中にいるだろう主人を呼び出すという頭のいい―言い方は他にもあるけど、
姑息なやり方で引き戸を開けて貰ったという小さき影―隼。
雨降りしきるそこにいるのは 若干濡れてはいるが、あまり濡れていなさそうな不思議な存在。
『きゅるるる』(お腹減った)
それは鳴き声を発す。意志は簡単明白、お腹減った。
人の言葉を喋る声帯がない為、鳥は鳥の鳴き声しか発していなかった。
雌の大きさを持つ隼は 誰かに手入れされているかのようで、痩せてはいない。
『きゅるるる』(何か食べたい)
お金は胴体のもふもふ羽毛の中に埋もれている小銭入れがあるので あとでこの店の主人に羽毛の中をずぼっとしてもらおう。
■ソウレン > 足に結ばれたリボンと鈴。
王都にも鷹匠がいるのか、と少し感心する。
鷹匠でもなければ猛禽類を飼育するという事はなかなかないだろう。
「ふむ?」
それがなかなか愛らしい声を発してお腹減ったアピールをしてきた。
なるほどとわずかに相好を崩すと立ち上がる。
「ほら、おいで。」
外よりひんやりとした店内には止まり木という便利なものは設置されていない。
仕方がないので止まりやすそうな椅子の背もたれに布を被せて対応。
このまま逆を向ければカウンターに向かえるだろう。
さて、何か食べるものか、と少し思案する。
魚も食べるだろうが、隼は海鳥ではない。で、あればやはり肉か。
魚が苦手な客に向けた肉も少しは置いてある。
そう思って食糧庫からもも肉を出してくると、塊のままではなぁと手ごろなサイズにカットしていく。
小皿にこんもり盛られたもも肉を、椅子の前に出してやった。反応が楽しみである。
■アクィラ > リボンというか布紐をリボン風に結わえただけのシンプルなもの。
鈴は野生じゃないんですよ、と知らしめるもの。どちらも面倒事を避ける意味合いでの目印。
この隼の飼い主は鷹匠スキルはあるが職業ではない。そしてこの隼はただの隼ではないが今は鳥になっている。
『きゅるる』(食べたい)
隼の鳴き声は可愛いと思う。甲高くて厳めしい類ではない。
中に招き入れられたので てこてこと敷居をまたぐ様に歩み中へと入ると、
少し羽搏いて椅子の背凭れに掛かった布の上にちゃんと姿勢正しく着地をした。爪の手入れもされている。
少し羽繕いをしたが 首を擡げて きゅるるる、と鳴いている。
中は何やらひんやりとしていて、湿気も少なく過ごしやすい。
さっと軽く見渡してから、出された小皿を見下ろす。こんもりもも肉。
サイズが小分けにされているので、止まっている椅子から片足を動かして一つ掴むと
すぐに嘴と足爪で啄み千切りながら食べ始める、まさに猛禽類の食べ方をその場でやり始めたのだ。
反応?普通だった、一寸冷たいけど食べれなくもない。もりもり千切り千切りもりもりむしゃむしゃ…。
きゅるるる、と鳴くのは意思無きただの独り言のような鳴き声。多分感じた所で 美味しいとか 冷たいけど とかそんなの。
■ソウレン > 会える機会があるのならその内飼い主と会ってみてもいいかもしれないな。
そんな風に感じながら調理場から出てくる。
隣の席に腰掛ければ、お猪口に手酌で注ぐと一口。
「なかなかに賢いな。飼い主がいいのか…。」
ただ、本物の隼とは少し違う気もする。
人型になる動物がいる事は知っているが、目の前の隼がそうとはまだ知らない故のこと。
ともあれきちんとした折り目正しい姿には感心する。
「む。そうか、普通食べるものは体温か。次は少し温めようか。」
可愛らしい鳴き声を上げてもりもりと食べる様子に微笑ましさを感じて笑顔を浮かべる。
少し伝わって来た意志にはちょっと冷たいというようなものも混じっていて。
それはそうか、と頭に入れておくことにした。
まぁ、なかなか猛禽のお客様というのはお目に掛かれないので、またの機会があれば、という事になるだろう。
あとはその量で足りるかどうか、という所だろう。
酒をちびちびと舐めながら、のんびりと食事を続ける様子を眺めているだろう。
■アクィラ > この隼 今現在 人の言葉を喋る声帯を持っていない 魔法は使いたがらないけど意思疎通が出来るのならば、
彼女の心の内を察して?飼い主というか相棒をこの店に呼ぶことも…いや、今はどうやって難しい。
『きゅるるるる』(水ない?)
水を所望し始めた。隣に腰かけて何かを飲んでいるのを視るのも近ければ思う。
この隼何かと人じみているかのような言動をしている。ついこないだまで野生児極まりない生活とは思えない、
とても綺麗な鳥生。折り目正しいかはともかく、食べているさまは猛禽類。ごりごりある程度千切っては丸のみ。
小皿にこんもりな量なので食べ終わるころには、まだとか催促もせずに、食べ終わると動いていた足が引っ込み。
満足げに きゅるるる♪と鳴くのだった。おいしかった、と言わんばかりに。
■ソウレン > むしゃむしゃと食べる様子を見ていれば、ひと段落したタイミングできゅるるという鳴き声。
独り言とは違う呼びかけのような声に、ん?、という表情で見ていれば、
なるほど水が欲しいという様子。
少し待つといい、と言うと調理場へ。中には森で汲んできた飲料用の清水がある。
別の小皿に水を注ぎ、それを前に出してやる。
調理場から出てくる頃には食べ終わっているだろうか。
満足気な様子にそうかと笑顔を浮かべる。
物足りないという事も無さそうだった。
「足りてよかったよ。肉ばかりあるわけでもないからね。」
そう言いながらゆっくりと手を伸ばす。
柔らかな羽毛を軽く撫でてあげる事くらいはできるだろうか。
■アクィラ > きゅるるる しか鳴かないのかと思われがちだが 標準な鳴き声がそれで他はあると言えばある。
でも9割きゅるるで1割が他の鳴き声だと思ってくれた方が楽。というか隼とか猛禽類ってあまり鳴くイメージではない。
水がややあって小皿に注がれたものとして出された。
すんすんと頸を伸ばして匂いを嗅ぐ、自然の香りがする。
湧き水か森の匂いがする、新鮮な模様だ。悪くはない。
肉を食べ終わったと入れ違いであったので 水はちろちろと舐めるように飲み始めた。
普通の猛禽類のような飲みっぷりだ。王都内でも獲物はたくさんあるので、
食べ物には困っていない。無論きちんと調理されもしくは処理のされた肉でも美味しく召し上がる。
ちろちろ飲んでいる間に羽毛を撫でられれば とたんにすぶずぶと
羽毛に手が吸込まれるくらいに天然羽毛布団のもふもふさを彼女に堪能してもらおう。
■ソウレン > ちろちろといい飲みっぷりで喉を潤す様子に、口に合ったようで何よりと思う。
自然の湧き水だったのがよかったかもしれないなぁ、と思う事少し。
「何というか懐っこいな君は。まぁ、またお腹が空いたらおいで。」
お肉があればご馳走しよう、と笑いかける。
愛らしい鳴き声に、お腹空いた、と人に要求する辺り人慣れしているのもそうだろうが、
有り体に言って可愛いと思えた。
もふもふというふかふかの羽毛。
それをゆっくりと撫でながらその心地よさを堪能する。
表情崩して抱き着くという事はないが、目を細めてあまり触れる事のできない感覚に笑みを深めた。
「……ん?」
と、羽毛の中に感触。
これは?という事で羽毛の外に出してみる。
がま口だろうか?革袋だろうか?隼が持っている小銭入れを探り当てた様子。
■アクィラ > 飲めない水はあると言えばある。汚いのとか臭いのとかそんなの。
人と同じの様な味覚かそれ以上かを持ち、好みも大体同じ。
人慣れしているというか足に紐と鈴をつけてここに来た時点で察してほしい。
『きゅる。きゅるるる』(うん? わかった。)
遊びに来てもイイらしい。その前にこの店には相棒たる飼い主が挨拶に来るだろう。
店の場所は覚えた、忘れない。此処は食事をするところだろうから、食べ物を所望した。
ずぶずぶと羽毛布団の罠の様に撫でられながらもソウレンの指は埋もれるように沈む。
ごわごわでもないが水を弾きそうな程よい硬さもあるけどその中はふわふわだった。
そのふわふわに埋もれる形で がま口の小銭入れが出てくる。中を開けば払えそうな硬貨が入っているだろう。
『きゅるる きゅるるるるる?』(ご飯代はそれで。足りる?)
中から小銭を徴収してほしい的な鳴き声を発する。あと、何かそわそわしだした。
■ソウレン > 理解力もあるらしい。
きちんと返事をしてくる辺り、ひょっとしなくても獣人系の子かもしれないな、と察してくる。
わかった、という様子に笑って頷く。
出て来たがま口に、なるほどこれで支払っているのか、と少し驚く。
がま口片手に食事してくる猛禽というのは初めて見るからだ。
いや、他にいないと思うが。
「はは。足りるさ。調理もしていないからね…これで構わないよ。」
その中から硬貨を1枚取り出して受け取る事にする。
追加料金代わりにもう一度もふもふと撫でてあげれば、そわそわとする様子に少し首をかしげる。
ひょっとしたら門限とかあるのかもしれないな、と感じながら。
「お腹いっぱいなら、そろそろ帰るかな?」
そう言って立ち上がれば、引き戸を開けてあげる。
そうすればいつでも飛んでいけるだろうと思っての事。
■アクィラ > 人になれるし鳥にもなれる。
どっちが本質かともし聞かれたら迷うことなく鳥と答えかねない。
獣人ではなく鳥人になるのだけど 鳥の時はツッコミも出来ない。
出かける時は 小銭程度の硬貨をがま口に入れてそれを引っ提げてお外散歩する隼。
猫でも犬でもがま口を持参しているのはあまりいないだろう。この鳥一寸変。
お金は無事に受け取って貰えたようだ。また撫でられたが撫でられた分気分が良くなるのは此方もそう。
そわそわしたが この体では引き戸に爪を宛がい引っかけて開ける事は難しい。
足の爪関節は曲がるけど動かすだけの力はない。精々鳩とかキジとかを掴んで引っ掴む程度。
『きゅるるるる きゅう きゅるるるるる』(帰る。 この店は覚えたまたくる』
三声鳴くと引き戸が開け放たれたので 翼を広げて 滑空するように闇夜に紛れるようにして
外に出てから羽ばたき上昇気流に乗って飛び去って行った。
ご案内:「居酒屋“幽世”」からアクィラさんが去りました。
■ソウレン > 「ふむ。」
開けた引き戸から、見事に飛び去って行った後姿を見送る。
それから、手に持った硬貨をしげしげと眺めれば袖の中へ。
「鳥も食べにくる居酒屋、か。」
珍しい店もあったものだ、と自分でくすっと笑って引き戸を閉める。
またちびちびと酒をやっていれば、そのすぐ後にお客さんがやってきて、
隼が運んできてくれたのかもなあ、と料理をしながら笑んでいた、とか。
ご案内:「居酒屋“幽世”」からソウレンさんが去りました。