2019/06/21 のログ
ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」にリスさんが現れました。
リス > トゥルネソル商会、首都マグメール店……そこは、平民地区と富裕地区の中間点の、大通りにある大きな建物。
 レンガ造りの建物は四階建て、地下一階もある。そして、一階一階が広大な売り場となっていて、様々なものが売られているのだ。
 そんなマグメール店の店長である少女は、今日は、倉庫に移動して在庫の確認をしているのだ。
 広大な敷地を持つその商店の倉庫は当然のごとく大きくて、ドラゴンがまるまる入ることもできるぐらいの場所。
 たまにドラゴンさん達、羽休めとか言って元の姿でそこにいたりするので、ちらりとサボリを確認することも必要なのである。
 少しぐらいのサボリは認めるけれど……閑話休題。

 そして、店長が相手するべきお客様が来れば、店員たちはダッシュで呼びに来るだろうし、そのへんは問題はない。

 ということで、少女は在庫を確認するのだ。
 いま現状、何が必要で、何が売れているのかも合わせて見ないとな、とか。
 こういう時、そういう仕事を任せられる店員が欲しくなる。
 いや、いるのだけれど絶対数が少ないのだ、だって、広いし在庫の数は数万超える。
 いくら竜で体力があっても、個体しかいなければ、そこそこ時間がかかるものなのだ。

「……シスカちゃんに……いやまだ早いよね……。」

 家にいる優秀な影のメイド長のことを思い出すが、彼女は人間の上でまだまだ1桁の年齢……。
 義理の妹だけれど、流石にその仕事を任せられない。
 もっと段階分で教育した上で、彼女が興味あればよねぇ、とため息。

 竜胆あたりが、手伝ってくれればなぁ。
 今頃家の中で魔術を研究しているだろうニートを思い出す。

ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」にロベリアさんが現れました。
ロベリア > 「むむむ……、やっぱり大きい……」

トゥルネソル商会の建物を見上げ小さく唸る女は、酒場を経営するロベリア。
この規模の商会が相手だと商人として格が違いすぎて張り合う気も起きない。
特に今回は商品を卸してもらう立場であるし。

「気圧されてる場合じゃないわよね……。
たのもー」

一瞬逡巡していたが、持ち前の能天気さを発揮し特に深く考え込む事なく扉をくぐる。
酒場に卸してもらうお酒の交渉が目的なので、通常の客とは違い責任者を相手にしないと話しにならないのだが。

「ええっと、ねえそこの人ー?
お酒扱ってる責任者とか店長さんっていない?
お商売の話しがしたいから取り次いでほしいんだけど」

店員らしき者を呼び止めいきなり責任者を出すように頼む。
かなり無作法ではあるが、駄目ならその時だ。
時間が取れないと言われれば次に改めて出直せばいいのだし。

リス > 両開き式の扉を開いて入れば、そこは広大な店であり、その中には、様々なカウンターとそこに座るミレー族がいる。

『『『『いらっしゃいませ!!』』』』

 様々なカウンターのミレー族の店員……接客していない者が一斉に来客に対して挨拶の言葉を放つ声が響く。
 入口から真正面にあるカウンターには店舗案内と書かれた看板があり、その脇に座る犬のミレー族がいるのだが。
 偶々、入口の扉の近くで清掃していたのだろう、箒を持った店員、お客様声をかけられてきょとんとする。

『はい、商売の話、でございますね。
 それは、個人売買のお話でしょうか?それとも、お店同士の提携などのお話でしょうか?』

 取次ぎますので、ご要件をいただければ、とにこやかに掃除の手を止めて、対応する牛のミレー。
 その脇で、猫のミレーが牛のミレーの引継ぎをして、掃除をし始めるのだ。

『まずは、こちらへお願いします。』

 流石に商談などを立ち話はまずいだろうしと、牛のミレーは事務室へと案内する。
 そして、紅茶とお茶菓子を準備するのだ。

ロベリア > 「えーっと、はい、お店、お店ですっ」

想像以上に対応の良い従業員達に軽く驚く。

「今より安く仕入れられるようなら、酒場にお酒を卸して貰うと思ったんだけどいいかしら?」

周りをきょろきょろと見ながら従業員に案内され、事務所でこちらの事情を説明する。
具体的な内容は担当者と話す事になるが、流石にどういった要件かぐらいは伝えておかなくては。
勢いで決めてきたので突然の訪問になってしまったが、果たしてこんな有様でまともに取り次いで貰えるのか。
とはいえ今更心配しても仕方ない。

リス > 『承りました、では、今店長をお呼びしますので、少々お待ちくださいませ。』

 ぺこり、とお辞儀をする牛のミレー。
 そして、軽く事務室から出て、手の空いている犬のミレーを呼ぶ事にする。
 牛のミレーは力は強いが足は遅いので、足が速く、そして匂いの追える犬のミレーが、店長を呼ぶ役割を担うのであった。
 その間、紅茶などのおもてなしを、牛のミレーがすることになる。


 すぐに、倉庫に駆け込んでくる犬のミレー。
 用件を聞いて少女は、品物の確認を中断して、戻る事にする。
 事務室の扉を軽く叩いてから、入る事にする。

「大変お待たせしました。
 私、マグメール店の店長をしております、リス・トゥルネソルと申します。
 以後、お見知りおきをお願いいたしますね。」

 入口でぺこり、とお辞儀をして見せてから。
 少女は彼女の対面へ東道して、腰を下ろすことにする。
 そしてにこやかに彼女を眺めるのだ。
 要件は聞いているけれど、彼女の名前などはまだ、だから。

ロベリア > 呼び出しを待っている間、出された紅茶とお菓子を遠慮なく頂く。

「……これ、結構高そうね」

少なくとも自分の店で扱っている商品よりは洗練されている。
基本が冒険者相手なので色々と雑で大味なので比べるべくもないのだが。
本来の目的を忘れじっくりと味わっていると、その本来の目的である店長がやってきたようで。

「んっ!?
ふっぐぐっ……!
ど、どうもお初お目にかかりますロベリアと申しますっ!」

お菓子を含んだ状態で声をかけられ、慌てて飲み込み立ち上がる。
何とか名前だけを名乗ると、一瞬考え込み。

「えぇっと、平民地区で酒場をやっております。
どうぞ、よろしく」

遅れて頭を下げ、最低限の目的を告げてロベリアも再び腰を下ろす。
お菓子に気を取られていて完全に油断していた。
折角の美人相手なのに恥ずかしい姿を見られてしまった。
そのせいか、少し頬が赤い。

リス > お菓子を食べていた、少し待たせてしまったのだろう。
 急いでは来たのだけれども、ちょっとばかりとろいのだ自分は。
 わかっているけれど、申し訳なく思ってしまう。

「大変お待たせしまして申し訳ありません、ロベリア様。
 平民地区で酒場でございますか……当店を選んでいただきありがとうございます。」

 頭を下げてくれる彼女に対してもう一度こちらも頭を下げる。
 そして、見上げてから、にこりと笑ってみせて。

「さて、ご用向きとなると……。
 酒場と言うなれば酒と、食料……あとは、必要な雑貨の仕入れというところでよろしいでしょうか?」

 少女は彼女の来店の理由を問いかける。
 最初にお酒と言っていたので、一番の目的がお酒なのだろうとわかっているけれど。
 一応確認は必要だ、と、少女は考えるのだ。
 ほかに、店員が欲しいから、と、ミレーを買いに来たというのも、あるだろう、し。

ロベリア > 無作法を咎められるような事もなく一安心。
大きな商会の責任者だしもっと厳しそうな人をイメージしていたけれど、これなら交渉も落ち着いて出来そうだ。

「あ、今回はお酒だけです。
食材などは今の伝手で十分なので。
ああ、でも少量からでも仕入れられるならお菓子類なんかあってもいいかも?」

お酒の仕入先を変える事しか頭になかったが、もしお菓子類も何とかなるならついでに頼んでしまってもいい。
勿論価格次第ではあるが。
まだ注文が不安定でそれほど大量に必要でもないため、仕入れすぎても赤字になってしまうので調整は少々難しいところもある。

「とりあえず、料理に使うワインとお客様に出すためにワイン他エールは大量に。
あとは度数の強い蒸留酒もちょっとあるといいかなあといったところです」

要望を伝えながら、荷物の中から包みを一つ取り出してテーブルに広げ。

「うちの料理の一部で、バゲットでサラダにも使う葉野菜とメインの豚肉を挟んでみたものです。
合いそうなお酒を探す参考になるかもと思って作ってきたので、どうぞ食べてみてください」

出したのはかなりダイナミックなサンドイッチ。
まずサイズが結構でかい。
特に肉は肉厚で、味付けもシンプルに塩味強めでコショウもぴりりと効いている。
基本冒険者や肉体労働者向けの調整のものを、そのまま持ってきたのだ。

リス > 「お酒だけ、と……お菓子類も?
 畏まりました、では……。」

 お酒だけというのであれば、食料は思考から外すことにした。
 お菓子類も、というのであれば、お菓子の方は考えておくことにする。
 彼女がどのようなお菓子を求めているかを聞かなくてはいけないが、先にメインを決めてからいいだろう、と。

「料理用のワインと、提供用のワインと、エールですわね。
 蒸留酒ともなると、そうですね……判りました。」

 なるほど、一般的なお酒が多いほうがいいらしい。
 そして、客層と、差し出された見本の食べ物を眺めると一つうなづいた。

「それでは、頂きます。
 ……この味付けはそうですね……やはり力仕事とか体を使う人が多いでしょうね。
 これに会うのは、まずは赤ワイン。
 ……あとは、ウイスキー……バーボンタイプもいいでしょうか。このタイプなら、赤みも多いですし。
 あとは、スコッチも候補、でしょうか。」

 もしゃりもしゃりと、豪快に咀嚼するのは竜だからか。
 食べてその味をしっかりと考えながら、蒸留酒に関しての判断。
 

ロベリア > 「んー、それじゃあお酒の選定はそちらにお任せでっ!
蒸留酒は捌け具合を見て補充する形で、ワインとエールは定期的に決まった量で契約をお願いしたいなぁ、って。
いいですか?」

お酒の目利きはそれほど自信がないので、専門家のおすすめに任せるとしよう。
あとはお菓子類だが。

「お菓子は出来れば見た目も可愛いのがいいんだけど、まだ注文してくれるお客さんも少ないから余らせるのが怖いのよねぇ……。
とりあえずは甘くてある程度日持ちするやつで、クッキーとかケーキ類かな?
あんまり高いのは困るから、まずは程々のもので……。
メニューが定着してきたら増やしていきたいから、その時は改めてお願いするので!」

女の子向けのメニューを増やそうという試みの一環だが、現状基本男ばかり。
別に彼らもお菓子類を注文しない訳ではないのだがメインにはならない。
なので、いきなり冒険をするよりもお菓子類を扱っている事を定着させていく事から地道にやっていくつもりだ。

「とりあえずこちらからの注文はこんなところかな?
それで、これは個人的な話しになっちゃんだけどぉ……。
ラファルちゃんってここの子よね?
もし会えそうなら、このバスケット渡しておいてくれないかな?
あと、この前はごめんねって伝言も……」

とりあえず思いつく範囲で仕入れたい商品の条件は出したつもりだ。
そしてどうしようか迷ってはいたが、もう一つの個人的な要件も切り出す。
出来れば直接会いに行った方がいいのだろうが、ラファルの具体的な住居を知らない。
ファミリーネームからここの縁者と類推して、バスケットにサンドイッチを入れて届けてもらい、後で改めて会えたらなあという期待を込めて。
結局この前はお店の料理をごちそう出来なかったせめてもの埋め合わせの意味も込めてだ。

リス > 「いえあの……お任せされると、むしろ困るのですわ。
 私、ある程度の知識しかありませんし、むしろ取り扱いはそちらが専門なのでは?
 ワインとエールの定期契約は承りました。」

 別に酒蔵とか、酒造ではないので一般的な知識は商品を扱うために学んで入るけれど。
 酒場とか、そっちの知識ほどではないのだ。
 だって、今言った二つ、バーボンもスコッチも同じくウイスキーであり、あとは、好みの問題。
 そうなると、彼女がどちらが好きかどうか、なのである。
 そこを投げられるととても困る。

「流石に、酒場にお菓子というのは取り合わせ的には。
 ウイスキーの摘みとしては最適なので、私もありだとは思いますが。
 基本的に、女性向け、になりますしね。
 クッキーでや、けーきでしたらそうですね……。

 では、届ける場所を頂きたいのですけれど。」

 冒険者には、女の人もいるし、酒場に女が全く寄らないわけではないだろう。
 彼女の意見に同意しつつ、それなら、とそんなに高くはないクッキーを提案しよう。
 というよりも……、どれもこれも、ほかの店に比べれば安いはずである。
 品物の数が揃っているのと、この紹介特有のルートが安全なので護衛の費用とかかかってないので、値段に反映しやすい。
 大体のことが決まってくるなら、仕入れる場所、彼女の店の場所を聞く必要が出てくる。
 契約書を作りながら、どちらに運べば?と首をかしいで。

「ラファル?ええ、妹ですが何か。

 ……そういうお話はお受けできませんわ?
 謝罪なら、本人にするのが筋、人づてにするものではありませんわ。
 あの子、そういうのは嫌いますよ?」

 商売の話は商売の話。
 そして、そこから切り出される、個人的なお話。
 少女はにこやかに首を横に振る。
 妹の性格は知り尽くしてるが、彼女と何があったのかは聞かないでおく。
 ただ、喧嘩だのなんだのして謝るのなら、本人から直接したほうがいいだろうと。

ロベリア > 「そうなの?
じゃあ具体的な銘柄は後で決めるって事で」

酒場を営んでいる割にお酒に関しては大して詳しくないロベリア。
まあこれまでの傾向から大きく外さなければ大丈夫だろう。
客層もそこまで高度な事は求めていないし、とりあえずは値段との兼ね合いが重要だ。

「あぅ……。
そういうのはやっぱり駄目かぁ……。
じゃ、じゃあどこにいるかだけでもっ!」

縁者とは思っていたが思った以上に近かった。
何があったかはお姉さんには色々と言いづらい。
流石に幼い妹さんとセックスしている最中に怒らせちゃったと言える程は図太くはないのだ。
そして伝言も断られてしまったのなら、せめて本人の居場所だけでも聞ければと食い下がり。

「お姉さんなら居場所も分かりますよね!?
お仕事の話しの途中でこういう事聴くのは良くないのは分かってるんですけど、もう一度あってお話ししたいの!」

自分でも分かっているが、これはずるい手だ。
とはいえ居場所を調べるにしても他にいい手も思いつかず。
それに幼女の身辺を探るというのも、色々と問題にされそうだという自覚もあって。

「無茶なお願いかもしれないけどっ、お仕事と関係ないし個人的な問題だけどっ、どうかお願い!」

ここまで来たらなりふり構わず只々頼み込み頭を下げる。

リス > 「そうですね、とはいえ、後にしては決まらないでしょう。
 それならフィーリングでどちらかがいいか決めればいいのではないでしょうか。
 少しお待ちくださいましね、試飲してもらえばいいのでしょうし。
 ああ、お酒のお値段はどちらも同じですから。」

 知らないのであれば後は……と、ミレーの店員を呼んで、スコッチと、バーボンを運ばせる。
 コップ半分に注がれたそれは、強い酒精のにおいがする。

 スコッチウイスキーの方はスモーキーフレーバーの香りが強く風味が強いものである。
 バーボンウイスキーはホワイトオークの匂いが……

 簡単に言えば、香りが違う程度の違いなのである。

「どこに?
 少し、お待ちくださいませ。

 ………。

 今、タナールで遊んでる、だそうです。」

 食い下がる彼女、少女は少し待つように言葉を放って妹へ向かい意識を向ける。
 妹と意識を繋げた会話を行い、位置を確認する。
 すると、今タナール砦で食事をしているらしいとわかった。

「……配送にラファルを向かわせますので。
 それ以上のことは当人同士でお願いしますわ。」

 はぁ、と少女は溜息を大きく吐くことにする。
 妹なのだから、家に来ればいいだけの話である。
 つまり、今目の前にいる少女に事情を説明し家の位置を聞いて、そこに来ればいいのである。
 何をそんなに必死になっているのだろうか。
 それだけの何かを行ったのだろうか。

 頭を下げる相手に、仕方ありませんわね、と提案するのだ。

ロベリア > 「へ?たなーる?
……タナール?」

割とあっさりと教えてくれて拍子抜けすると共に、冷静に考えれば妹の居場所を教えるのにそう渋るような事情が向こうにある訳でもないとようやく気づく。
勝手に深刻になりすぎて視野が狭くなっていただけのようだ。
そしてタナールといえばタナール砦だろうか。
何故そんなところに、という疑問はあるもののラファルの事は殆ど何も知らないのだし、そういう子なのだろうという事でこの場は納得しておいて。

「あ、えぇと……。
それじゃあとりあえず……、バーボンの方でいいかな?」

運ばれてきたウイスキーを試飲して、フィーリングでなんとなく香りが気に入った方を選ぶ。
客層に合っているかは、まあ売れ行きを見て判断すればいい。

「あの……。
ご、ごめんなさい何だか一人で熱くなっちゃって……。
それと……、ありがとう」

落ち着いてくると、なりふり構わず取り乱していた姿を見られたのが恥ずかしい。
申し訳無さもあり椅子に座って縮こまってしまっている。

「それじゃあ、お店の方は輝く白狼亭にで。
住所は……」

取引や配達に必要な情報という事で、とりあえず屋号と住所のメモを取り出して。
そういえば屋号もまともに名乗っていなかった気がする。
商売人としてかなり駄目駄目だが、優しく交渉してくれて本当に助かった。

リス > 「あの子の行動範囲は、この国全体、ですから。
 基本的に興味の向くところに行きますわ。」

 タナール砦で、何をしているのかはまあ……きっと、軍人達に混じって食事を分けてもらってるのだろう。
 若しくは、何かを食べているのか、あの子の悪食はなんでも、と言っていいレベルで食べるから。
 別にそれを言う必要はないし、聞かれないので言わないのであった。

「かしこまりました、バーボン、ですね。
 とりあえずは、一ダース程でよろしいでしょうか?」

 売れ行きで決めるとは言っても、まずはそこそこの数は置いておかないといけないだろう。
 なので、一ダースの準備で問いかける。

「ラファルと何があったのかは聞きませんので。
 どうか、よろしくお願いしますわ。

 輝く白狼亭……?
 ……ゼナの所ですか。
 いつも嫁がお世話になっておりますわ。」

 住所と屋号を聞いて、少女は目を瞬く。
 確か、嫁が働いていて、ラファルが遊びに行って食い散らかしたとか。
 その件かしら、と首をかしいだ。

ロベリア > 「そうそう、いつもゼナちゃんにはお世話になって助けられてて……。
……?
ちょっとまって、ちょっとまって」

首を傾げるリスを前にし、こちらはこちらで聞き捨てならない単語で混乱中で。

「ゼナって結婚してたの!?
え!?っていうか嫁って何!?」

従業員の婚姻関係等は別段調べない。
結婚していても本人が言い出さなければロベリアに発覚しないのも仕方のない事で。

「そ、そうよね……、あんないい子だし、可愛いし……。
それにすごいえっちだし……。
結婚しててもおかしくないわよね……」

興奮してリスに掴みかかりそうになったが、寸でのところで冷静になり腰を下ろす。
ぶつぶつと呟いて視線は宙を彷徨っていて結構なショックがあったようだが。

リス > 「………あら?
 ええ、もう二年前くらいからですけれど……。」

 結婚していたことは、言ってなかったのか、ちょっとやってしまったかもしれない。
 ゼナに怒られてしまうだろうか、それがちょっとばかり不安になるのだが。
 後で家に帰った時に謝ろう。

「……………。」

 当人は何やら視線をあっちこっちに回したりブツブツつぶやいたりしている。
 嫁がせわになっているお店だし。
 さてどうしたものだろうと、少女は眺めているのだ。
 何かを伝えるにも話すにも、彼女が戻ってくるまで待ったほうがいいだろうと思うのだった。
 とりあえず、ミレーに伝えて新しい紅茶を二人分運んでもらおうそうしよう。

ロベリア > ゼナとはセックスフレンドみたいになって本人もノリノリで、でも結婚しているとなるとこれも浮気?不倫?
などという考えが頭をよぎる。
顔を上げればリスの姿。
リスから見たら嫁の不倫相手が目の前にいるという事になるのだが……。

「…………」

気まずさから視線を逸らした。
なんだか胃が痛い。
ゼナとは肉体関係を結んでいるという事は素直に言うべきだろうか?
というかゼナから忌避感とか全然なくて結婚相手がいるとか全く想像だにしていなかった。

「エエト、ソノ……。
ゼナサントハデスネ……」

ラファルに連絡を取って貰った恩もあるし、黙っているのは色々と辛い。
とはいえ言い出そうとすると嫌な汗が吹き出てきて声も裏返ってしまい。

「ごっ、ごめんなさいっ!
私ゼナとはえっちしてました!」

意を決して土下座しながらの謝罪。