2019/05/02 のログ
ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」にリスさんが現れました。
リス > 平民地区と、富裕地区のちょうど狭間にある大通り、そこにレンガ造りの大きな建物がある。
 それは、トゥルネソル商会という名前の商店である。
 正確には王都、マグメール支店という名前があるのだが、まあ基本的には、トゥルネソル商会で通じるだろう。
 最近になり、シェンヤンの品物を大量に入荷もして、ラインナップも更に多くなってきている商店。
 モットーは、いい物を安くであり、基本的には高級品は少量、大量生産できるもの、何時でも手に入るもの、いつでも必要なものを置いている。
 武器防具、生活品、薬、衣服、酒。
 他にも、馬車や船での移動サービスに、竜を使った移動、宅配サービスなどもしている。
 そんな、大きな商店の店長である少女は。

「ん……。」

 一階の事務室で、書類を整理していたりする。
 店にはミレー族の奴隷が店員として働いており、彼女らの手に負えないことがあれば、すぐに呼び出しに来る。
 そんな状態で、少女は一人羽ペンと、紙を前に、悪戦苦闘していたりするのだ。

ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」にフリュネさんが現れました。
リス > 「……んー。」

 少女は売上の紙を見ながら呟く。
 別に売り上げが悪いわけでもないし、悪くなっているわけでもない。
 しかし、気になるのだ。此の儘で良いのだろうか、と。
 変化は良いものだけではないのもわかっているし、今好調だからしばらく様子を見たほうがいいのもわかっている。
 それでも、何か見落としがないだろうか、とか、そういうことを考えてしまうのは、少しばかり考えすぎなのだろうか。
 しばらくの間、にらめっこをしていたが、視線を外して時計を目にする。

「あぁ、もう、こんな時間なのね。」

 家に帰ろうかしら、と少女は考える。
 今、家の中には誰がいただろうか、はふ、と甘い吐息をこぼし、考える。
 今日は、九頭龍温泉によってからでもいいかしら、とか。
 それとも、直接向かおうか、とか。

 思考が、どんどん仕事から離れてしまう。
 集中力、切れちゃったなぁ、と自己分析して、椅子に寄りかかるように、大きく伸びをする。

フリュネ > ここ最近、品数を増やし勢いに乗っていると風の噂に聞くトゥルネソル商店。
そこに足を運んだ理由は、実際店内を見てみることで、自分の雑貨屋の品揃えを整理する時の参考にできればと考えたからだ。
入り口から入って、さっと店内を見渡す。店員はミレー族の子。なるほど、と無感動にそれらを観察する。
どうやら品物が並んでいる売り場は、他の階にあるようだ。店員にその辺の事情を聞き、ふぅむ、と考え込む。

「……それにしても……」

トゥルネソル。その名前は以前、一度耳にしたことがあった。
温泉での逢瀬を思い出し、柔らかく息を吐く。
結局彼女のことについて詳しく聞く機会はなかったが、此処は果たして関係のある場所なのかと。
そんな好奇心のようなものにも突き動かされ、本日こうして訪れた次第である。

「……ねぇ、貴女。ここの店長さん、…今日はいる?」

呼んでほしいな、と適当な店員を呼び止め、そっとお願いしてみた。
無理だというならば仕方ないと諦めるつもりで。

リス > トゥルネソル商会、一階はサービス受付になっている、鍛冶屋、馬車や船、ドラゴンの乗り物の受付、不用品の買取、マジックアイテム鑑定などの商品の売買ではない品物の受付フロアであった。
 そこで、働いている犬のミレーの店員は、お客様のお願いに『畏まりました。少々お待ち頂けますか?』と即答をし、フリュネに、待機用の椅子を差し出すのだ。
 それから、ひとつお辞儀をしてから店の奥、事務室の方へと小走りで走っていく。

『店長、お客様が店長にお会いしたいと。』

「――――?」

 今日は、別に来客の用事等はなく、何かしら問題があったような様子でもない。
 しかし、呼び出されたのならば、行かなければなるまい。
 呼びに来たミレーの子に、案内を頼み、少女はフリュネの待つところまで走ってくる。

 そして、フリュネの前で一度止まり、ぺこり、と深くお辞儀をする。

「いらっしゃいませ、トゥルネソル商会へお越しいただき、毎度ありがとうございます。
 私が店長のリス・トゥルネソルと申します。
 何か、ご用との事でございますが、ご用向きをお伺いしてもよろしいでしょうか?」

 彼女が来店した理由が分からず、初めて見る顔である。
 なので、少女はにこやかに用向きを尋ねることにした。

フリュネ > 待機用として椅子を差し出されたが、大した用事でもないのに座って待っているのも少々気がひける。
その為、事務室に駆けていく店員の背を見送りながら立って待っていることにした。

やがて、店員が連れてくる少女。
品の良い衣服を身につけ、余所行きの態度を以て接してくる姿は、以前会った時とはガラリと雰囲気を変えている。
それはさておき、わざわざ呼びつけたのに大した用事もないのは申し訳ない。
少し考えてから、ゆっくりと口を開いた。

「お久しぶり、ね?リスさん。温泉で会って以来かしら」
「えっと……此処って、従業員の子達も買うことが出来るって話に聞いたのだけど…
今こうしてお店にいる子から選んでも良い、ってことなのよね?」

思えば我が店にも人手がほしいところだと最近思っていた。
そのことについて、おずおずと問うてみる。

リス > 思い出した、初めて見る、というのは失礼意外何者でもなかった。
 以前、温泉で出会い、彼女と体を重ねた相手である。
 たしか……ちょうど一か月前で、そこ少し後から公主の事などいろいろなことがあったので、忘却してしまっていたようだ。
 お久しぶり、と言われて、直ぐに思い出せたが、少しだけバツの悪そうに眉根を落とす少女であった。

「はい。ここの店員のミレー族は全員奴隷でございます。
 このお店でお気に召さないのであれば、別の支店から、連れてくることもできますわ。

 そして、気に入った子がいて適正な価格をお支払いいただければ、契約書とともに、フリュネ様のものと成ります。
 私共が扱う奴隷は、ちゃんと教育をされている奴隷でございますわ。

 と、その前に、どのような用向きでの奴隷をお望みでしょうか?
 荷物を運搬するためとか、店員として、ハウスキーパーとして。
 用向きにあった奴隷をおすすめさせてもらいます。」

 とはいえ、おすすめ、なだけであって、彼女がほしいと思う奴隷を細かく伝えてくれれば、それに見合った奴隷を手配をするのだ。
 

 問いかけに対して、少女は微笑みながら答えてみせて。

「それでは、こちらへどうぞ?」

 と、彼女に笑いかけて、地下へと案内する。
 奴隷売買などをするための場所へ。

 ―――べつに、拷問器具とかはないので悪しからず。

フリュネ > そこそこ間が空いてしまったので、忘れられているのは致し方無い。
今は一先ずビジネスタイムなので、一定の距離感をもってお互いに接する。
そのことについて語るのは商談後にでもゆっくりと。

「なるほど。……用向きは、店員。
とはいっても、荷物運搬も含めるから、ある程度力持ちの子がいいかしら」

条件としては、あまり難しいものを要求するつもりは無かった。
何せ雑貨屋は小さい。自分一人でもやっていけないことはないが、たまに自ら商品の採取に行く為、
その間お店を空けるのは少々よろしくないと思ったからだ。

「………それにしても、こんな大きなお店をやっているなんて、ね」

地下に案内されながら、ぽつりと溢れた言葉は少なからず尊敬の念を含んだもの。
あやかりたいものだ、とはこっそり思うだけに留め置いて。