2019/04/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 貴族邸宅」にエリヴィラさんが現れました。
■エリヴィラ > 短期間で仕える家を替える生活をしているメイド人形が本日呼ばれたのは、富裕地区の中心部にある貴族の屋敷。
気に入ってくれた貴族が何度か雇ってくれることはあるが、今回問い合わせがあった家は初めて向かう場所であった。
門衛に事情を話し、執事が呼ばれ、彼に案内されて屋敷に入っていく。
人形は仕える主と家を定められれば全身全霊で支えるだけで、血筋や主の容姿性格にはこだわらない。
ゆえに、屋敷の内装や置物に興味を示すこともなく淡々と進んでいた。
窃盗の心配がなくて良い、とは一部の評判。
『この部屋で面談を行います。当主人があなたを不適格とした場合も本日分の給与は支払われます。』
そう説明する執事に頷くと、女は扉を開ける。
「お初にお目にかかります。メイドのエリヴィラと申します。」
深々とお辞儀して、顔を上げた。
そこで初めて次の主候補、もしくはその側近となる者と顔を合わせる。
もちろんそれ以外の何某かという可能性も否めないのだが。
■エリヴィラ > 出迎えてくれたのは妙齢の女性。
どことなく影がある美しさは人形にも伝わり、魅せられるほどだが、日中だというのにカーテンを閉め、明かりを灯すこともない部屋が彼女が何かしらの闇を抱えていることを示している。
だが―――――
一時的な主人に尽くすことだけを目的にしている人形には、関係のないことだ。
そして、そんな存在だからこそここに招かれたのだろう。
扉が閉められた後のやり取りは、さていかなるものだったのか。
ご案内:「王都マグメール 貴族邸宅」からエリヴィラさんが去りました。