2019/03/20 のログ
ご案内:「夜の公園」にタン・フィールさんが現れました。
タン・フィール > 平民地区のやや貧民街寄りの区画に、開発途中で工事を打ち切られた公園があった。
わずかに残る自然の名残が、王都の住宅地付近の自然公園ほど手入れされていない木々や雑草や花々からは見て取れる。

そのなかで、珍しい蛍光色に光る花を摘み取る、小さな人影、小さな手のひら。

人の手が入らなかったことが、逆にこの希少な花の育成条件を助けたのだろうか。
塗料、魔力回復役、延命薬、照明、錬金術…
様々な用途に使えるそれを、大きな瞳がじっと見据えて

「……ふふっ、すっごいキレイ…。 
すぐに使っちゃうの、もったいないや。」

光る花を振ると、同じく光る花粉がゆったりと滞留して散る。
その軌跡を僅かに残していく様子は、まるで花火のよう。
日頃、大人と交渉することも多い小さな薬師の子供心に火がついてしまった。

さながら消えないシャボン玉や消えない花火を与えられた子供のように、
その光の軌跡を自分の手遊びが生み出すことを喜ぶように、

大きく腕を回して円形の光を生み出したり、
駆け回って光の帯を長く長く作り出したり、
くるくるとその場でバレリーナのように回って光に巻き付かれたり、
縦横無尽な発想力で遊ぶ。

その様子は、その光景を市民にでも目撃されてしまうと、
翌朝、夜の公園に妖精が出て悪戯していた、などと噂されかねない光景で。

タン・フィール > その光の花の揺らめく様に釣られて、夜空のどこかから、花と同じ蛍光色に輝く蝶々が舞い降りてくる。

「わっ…なに?…こんなちょうちょ、知らない…?
 !
ついてくる…おもしろい!」

驚いた様子でその遭遇を目の当たりにしつつ、
自分が振り回す花の軌道をたどって、
一羽…二羽…と、追従する蝶が増えていく。

クスクス微笑しながら、光り輝く花を振り乱し、蝶を操るように見える人影の、
見ようによっては無邪気な子供、あるいは妖精めいた妖しさの度合いが増す。