2019/03/17 のログ
ご案内:「王立植物園・硝子の大温室」にサウラさんが現れました。
■サウラ > 【王立植物園・硝子の大温室】
富裕地区にある植物園。
有用な薬草を通年育てている薬草園をはじめ、硝子の大温室や人工の湖沼、
バラのアーチや生垣、様々な樹木や季節の花々が園内の各所に植えられている。
魔術師や魔法学院生、教師などが庭師と共に園内の手入れを行っており、
市民は園内の植物を許可なく採取できないものの、昼夜問わず入園でき散策は自由。
身分問わず人気のある憩いの散策スポットで騎士の巡回も勿論行われているが、
死角も多くひとり歩きは要注意。
***
懇親のための定例夜会の帰り、ふらりと立ち寄ったのは硝子の大温室だ。
少し過ごしてしまったワインの所為で歩速は緩やかだが、ふらつく程ではない。
常なら背中が大きく露出するバックオープンドレスを着るけれど、
今夜は少々事情があって露出の低い詰襟ドレスを纏っている。
もう二、三日あとになれば痕も薄らいで目立たなくなるだろうが、今はまだ駄目だ。
ところどころ灯りの点された温室の順路を緩やかな足取りで進んでゆく。
■サウラ > 護衛たちも温室のなかに付いて来ようとしたけれど、
以前温室へ来たとき、可哀想に彼らはくしゃみが止まらなくなってしまったのだ。
笑って彼らのことを止めたから、今ごろ出入口近くで大きな彫像みたいにして待っているだろう。
「何がくしゃみの原因なのかしら。
獅子にだけくしゃみさせる植物なんてあるのかしら……おかしな話ね」
夜会で供されたのは上等なワインだった。だから機嫌は上々で、
歩きながらのひとりごとだって口をついて出て仕舞う。
緩やかな足取りで散策を楽しんでいたけれど、ふと気懸かりをひとつ思い出す。
放っておいても害はないが、片付けておかなければすっきりしない。
小さく溜息をついて、結局は踵を返す。
気紛れな散策を切り上げ、早々に帰途に着こう――
ご案内:「王立植物園・硝子の大温室」からサウラさんが去りました。
ご案内:「ダイラス~王都間の海上 定期船」にキルシュナさんが現れました。
■キルシュナ > 雲ひとつない空、丸みを帯びた水平線の彼方まで青一色の大海原。ザザッ、ザザァンッと寄せる波を舳先で切り裂く音と、ギッ、ギギギィ…ッと揺れ軋む船体の音。黒髪を弄ぶ風にも潮の香りが含まれていて、ちょっぴりベタついている。
この日の黒猫は船上の人だった。
ダイラスを出たのは昨日の昼前。王都に向かう大型帆船は、現在外洋の真っ只中。大樹の様なマストの根本に置かれた樽の上に腰掛けた姿が、ローライズの乗馬ズボンからふにゃんふにゃんとくねる猫尾だけでなく、Tバックショーツの赤紐が食い込むお尻の割れ目までも晒して船員の下卑た視線を誘っている。
さて、この娘、客として気ままな船旅を楽しんでいるのかと言えばそうでもない。鎧の一つも身につけぬ普段着姿ではあっても、丈の短い革ジャケットから覗く背筋には交差させる形で二本の短剣を佩いている。
鞘に包まれていてさえ禍々しさの伺える形状からは、一般人の護身用どころか取り回しの良さから盗賊達がメインウェポンとする物ですら無い、短い刀身からは想像も出来ぬ程の攻撃力を秘めた魔剣の類と察せられよう。
本日のキルシュナは、王都までの護衛の一人としてこの船に乗っているのである。
とは言えモンスターや海賊の襲撃でも無い限りはこれといってやることもなく、今現在は暇で暇で仕方のない待機状態。故に、周囲を警戒するかに泳ぐ金瞳も海上ではなく甲板状を行き来する乗客へと向けられていて、溢れる独り言も気の抜けた物。
「―――おほっ、ええおっぱいちゃん♪ って、あかん、めっちゃおばさんやった。 むっ、あっちの子は可愛らしなぁ❤ ちゅーても親子連れにあれこれするんは流石になぁ……」