2018/12/29 のログ
ご案内:「冒険者の宿」にラファルさんが現れました。
■ラファル > 冒険者の宿は、冒険者にとって拠点と言って過言ではない。
基本的には提携しているギルドの近くに居を構えており、一階は食堂、二階以降は宿となっている場所である。
つまり、ギルドで冒険の報告をして、お金をもらったらすぐ近くにあるここに戻ってきて、酒や飯をかっくらって、上の宿で休む――――そんな流れができる場所なのである。
そして、冒険者の大半はアウトローであり、アウトローに多いのが乱暴者である。
酒が入り、気が大きくなるとよくある光景が、あるのだ。
怒号が響き渡り、酒瓶や皿が店の中を舞う。
戦士と戦士が、全力で殴り合って、吹っ飛ばしたり吹っ飛ばされたり。
そんな、喧嘩の真っ只中にあったりする。
始まりは些細なことであったのだろう、しかし、酒に寄っているのと、冒険者としてのプライドだかメンツだか。
そのへんが化学反応をした結果、冒険者同士の喧嘩として発展しているのだ。
そんな中、お客さんとしている少女は―――――。
「喧嘩、しようぜ喧嘩しようぜー♫」
お酒のジョッキ片手に、楽しそーにご飯をもぐもぐしながら煽ってました。
ちなみに、喧嘩してる冒険者たちのすぐ近く。
かぶりつきと言っていいレベルで近いところで煽っております。
が、不思議なことに少女の煽りに対して、誰も反応することがない。
むしろ、そこに少女がいることを誰も認識してないような―――そんな雰囲気もあったりする。
それはそう、だって巻き込まれたくないので、完全に溶け込んでいるのだ。
隠れているわけではなく、風景の一つとして、その場にいるのに、誰も気にしない状態、という器用なことをしていたりする。
■ラファル > 少女のテーブルにはこれでもか、これでもかと言わんばかりにたくさんの料理に酒が置かれてはいるが、他に座るメンバーはいない模様、というかおひとり様ぽいのである。
山盛りの食事をどうするのかといえば、少女はひとりでもしゃもしゃむしゃむしゃガツガツぱくもぐと、ものすごい勢いで食べていく。
実はドラゴンな彼女は、その見た目とは裏腹に大量のご飯が必要なのであるのだ。
本当の姿なら、一食牛一頭は軽くぺろりなのである。だからこその大量ご飯。
「おー。」
赤い鎧の戦士と、青い鎧の戦士が殴り合っていたが、青の戦士のアッパーが見事に決まった。
赤い色の戦士は、少し上方に飛んでから放物線を描いてどこかの席に倒れこんでいく。
そして、テーブルがぶっ倒されて酒や食料が飛び取り、そこに陣取っていた冒険者たちがブチギレる。
ザッケンナコラーとか、そんな言語を吐き出して、青い鎧の戦士に突っかかっていく。
宿のマスターはなれているのか平然としている。
というのも、多分ではなく今いる冒険者の中―――竜であるらファルを除けばマスターが一番強いと見える。
彼が動く時が、喧嘩の終了の時なのであろう。
よくあることで見逃されていても、多分終わったら食事とか更とか、壊したものは弁償するのだろう――――誰かが。
拡大していく喧嘩勢力をながめながら、うまうま、と食事する少女。
ケンカというBGMもいいもんだなぁ、なんて思ってみたりしてみたり。
■ラファル > 喧嘩の範囲はどんどん拡大していくのが分かる。
その内宿中になるのではないだろうかと思えるぐらいである。
そこかしこで怒号が響き渡り、殴られて吹っ飛んだ冒険者が別のテーブルに倒れこんで、そして、さらなる怒号。
うわぁ、収拾がつかないよなーとか思う少女。少女のところに吹っ飛んでこないのには理由がある。
こう見えて、少女は器用であった、殴られて吹っ飛んでくる男がいれば、テーブルごと避難するのだ。
こう、慌てて大きく動くのではなくて、ギリギリのラインで解るかどうかというところ。
しゅるり、とずれて近くで男が倒れるのを見る感じ。
起き上がるところに、はい、と空の酒瓶を渡して頑張ってねーと見送ってみたりも。
もしゃもしゃ食べていながら、火種を燃やしてそれを眺めて食事。
でもこう……喧嘩してるの見てたら、ウズウズするのは。
竜の習性なのだろうか。
自分が入ったらひどいことになるだろうから自重自重。
■ラファル > しばらくもしゃもしゃしていれば、テーブルの上の食事もどんどん減っていくし、お酒もなくなっていく。
最初は楽しかったけれどそろそろ面白くもなくなってきたし、どうしようかなーとか考え始める。
この喧騒に関しても、そろそろ終わりが近づいてきていることが分かる。
というか、ノックアウトされていく冒険者たちが死屍累々と倒れているのだ。
それを眺めて食事が終わる頃には決着もついているだろう。
勝者のいない戦闘というやつなのかもしれない。
それに、倒れているのが多くなると、上から徐々に下りてくる冒険者たち。
仲間を助けて上にあがったり、事態がおさまるのを待って食事に来たりしているのだろう。
魔法だのなんだの派遣ってないから、店自体は壊れてないし。
宿の主人も平然とごはんを作っている模様。
あふ、と軽くあくびをこぼしてみる少女。
■ラファル > 食事が終わる―――それと同時期に、完全に喧嘩も終わる。その辺には冒険者たちの亡骸……死んではいないけれど、気絶した彼らが転がっている。
とりあえず、もう、お腹もそれなりに膨れたし、もう、いっか、なんて考える。
ごちそーさま、とひとりごちてから、少女はお金を支払い立ち上がる。
宿で止まらないのか、と聞かれるけれど、自分はこの町にお家あるからいいんだよ、と、問いかけてきた冒険者に言っておく。
バックパックを担いで、たたた、と扉の方に走り。
じゃあ、またね。
少女は屈託なく笑って言って、そして、去っていくのだった。
ご案内:「冒険者の宿」からラファルさんが去りました。