2018/11/21 のログ
ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」にリスさんが現れました。
リス > トゥルネソル商会マグ・メール支店の一階部分、入口から反対側にある事務室で少女は仕事をしている。
 本日の売上を纏め、それを帳簿に書き込みをしている。
 店の中からは、元気に接客をする声、掃除をしている音、お客様の相談事が聴こえてくる。
 今日も嬉しいことに繁盛してくれているようだ。
 何かが問題あれば、もしくは、特別なお客様がくれば奴隷の店員が直ぐにこの事務室に駆け込んできて教えてくれるだろう。
 今はそんな気配もなく、ただただ、静かな時間が過ぎている。

「んー……。」

 売上は問題なく、帳簿も在庫との付け合せにも問題はない。
 軌道に乗っていると言っていいだろう、満足そうに少女は羽ペンを走らせる。
 インクのツボにちょんと、インクをつけてさらりサラサラと文字を、数字を呪文のように書き連ねていく。
 これが終わったら、店内の見回りでもしようかしら、それともちょっと休憩しようかしら。
 そんなふうに考えつつ、作業は続く。

リス > 問題なく、帳簿の書き込みは終わり、間違いがないことを確認する。
 大丈夫ね、と満足そうにうなづいてから金庫に帳簿をしっかりと入れることにする。
 鍵をかけて、それを確認しながら鍵を仕舞う。
 これで、一応の仕事は全て終わったことになるので、最後に店の中を回ることにしようかしら、なんて考えるも。

「一息つきましょうか。」

 とりあえず、書類仕事で凝り固まった肩をコキコキと鳴らしながら、奥に移動する。
 給湯所が作ってあって、そこには水とお湯を作る為の道具が置いてある。
 魔道具に魔力を流してお湯を沸騰させつつ、お茶菓子と紅茶の葉を準備する。
 お湯が沸いたところで、お茶を作り、事務室へともどる。
 事務室でカップにお湯を注ぎ、茶菓子を並べることにする。
 紅茶の香りを楽しみながら、茶菓子をパリ、と頬張る。

 のんびりしながら、少女は事務室から見える窓、入口の方を見守る。

リス > しばしの間、紅茶の香りと味を堪能しつつ、お茶菓子をつまむ少女……しかし、流石に一人はさみしいもので、早々にお茶を終わらせることにする。
 お茶の道具やお茶菓子を仕舞ってから、少女は立ち上がる。
 最後にお店の中をくるりと回ってから帰りましょうか、と考えて、店内に移動する。
 まずは一階……は、サービスの受付は終わっており、店内案内と、掃除のための子だけが居る。
 なので、軽く挨拶だけしてすぐに二階へ。
 二階は、生活雑貨や冒険者の必要とする道具など、そういった一般的んものが揃えられている。
 こんな時間でも空いている店なのと、時間も時間だからだろう、冒険者のお客様が多くいるようだ。
 とはいえ、昼間に比べれば人は少ないのだけれども。
 店員の邪魔にならぬように、軽く眺めながら店を進む、掃除とかの状態とか、問題が起きていないかをくるりと回って確かめた後、少女は三階への階段へ向かう。

ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」にアシュリーさんが現れました。
アシュリー > 「ごめんくださぁい!」

入り口から三階まで響く朗々とした声。
夜分だと言うのにやたら元気よく、ともすればご近所のご迷惑になるかも知れないその声は、
無駄に自信と誇りに満ち溢れる堂々とした色を帯びていて――

「……ううー、たまたま近くを警邏したから寄ってみましたけれど、もう店仕舞の時間でしたかしら……」

懐に仕舞った手紙のかさりとした感触を確かめながら、一気に不安げにつぶやく。
そもそも、わざわざ手紙をしたためたのに直接渡しに来るという挙動がもしかしてとんでもなくお間抜けなのではないかしら……
…………ううー、どうしましょう……

リス > 階段を登っている間、聴こえてくる声に、少女が足を止める。
 おそらく一階では、パタパタと、店から、大声を上げる少女に奴隷のミレーの店員が対応するだろう。

『いらっしゃいませ、なにか御用でしょうか?お買い物ですか?剣の研ぎサービスは明日以降になりますが。
 お買い物でしたら、24時間対応しておりますので、どうぞ二階へ。
 武器や防具は3階へ、宝石とか貴重品、魔法のアイテムは4階へお願い致します。
 ご案内したほうがよろしいでしょうか?』

 にこやかに、制服を着た猫のミレーの店員は言葉を放ち、コトンと首をかしげて問いかける。

 その間、店長である少女は三階、武器防具のフロアを見回っている。
 とことことこ、と武器や防具の置き位置、状態等の確認をしていたりもする。

アシュリー > 「はひぃッ!!」

誰も居ないと思ったら、店員さんいらっしゃいましたのね……
思わず土下座するところでしたわ、びっくりさせないでくださいまし!
と鼻息荒く抗議――したい意図を込めつつの上擦った悲鳴。
店員さんの笑顔に対して、闖入者は半泣き顔で説明を聞いてこくこくと頷く。

「あの、ええっと……剣は研ぐほど使っていませんし……そうじゃなくって。
 あ、魔法の道具がございますの……ちょっと興味ありますわ……
 でもなくって」

次々繰り出される案内に目を白黒させながら、あうあうと要件を切り出すタイミングを伺う。
もう帰ってしまったのかしら。それとも今日はお休みの日?
ううー、店員さんに話しかけるのって苦手ですわ……

何度めかの「ううー」を繰り出しながら、日頃こういったお店の店員への応対を侍女に任せきりにしていた己のお貴族様ぶりを恨む。

リス > 迷子のワンコを見つけた猫のおまわりさんみたいな、いろいろ逆転しているような状況がそこに生まれる。

 凄く身なりの良いお嬢様のような騎士様が、入口で凄く唸っている。
 威嚇しているわけではなさそうではあるのだけれども、さりとてなにかを言ってくるわけでもない。
 クレーマーではないけれど、すごく面倒くさいと猫のミレーは思ったわけで。

『それでは、まずは店内へどうぞ、こちらで、少々お待ちくださいませ』

 入口で立ったまま唸られてもほかのお客様に対して邪魔になろう、なので、店の中へと案内して、事務所に案内し、椅子に座ってもらおう。
 そして、こういうお客様は、店長に対応してもらおうと決意。
 面倒だから丸投げではありませんよ?ほら、お貴族様ですから、一介の奴隷の店員よりも、店長が直々相手をするのが筋というものです。
 案内した事務室は大体8畳ぐらいの広さで、それなりに豪華なソファーと、しっかりとした木のテーブルが置いてありました。
 そして、ソファに座るように進め、お茶菓子と紅茶を用意して出しましょう。
 無論お貴族様なので、最高級のものを。
 ポットを蒸らしたり、カップを温めたりとそのへんもちゃんと教育済みなのがこのお店の店員の質なのです。
 お茶とお茶菓子を準備している間に、別の店員に店長を呼びに行かせている手際。

 ―――紅茶ができる頃、店員に呼び出された少女が降りてくる。

「大変お待たせいたしました、お客様。ご来店誠にありがとうございます
 私が、トゥルネソル商会、王都マグ・メール店店長、リス・トゥルネソルと申します。
 この度は、どのようなご用事でしょうか?」

 少女は、事務室の入口で深々と一礼を。

アシュリー > 「…………あう」

この少女、貴族としても騎士としてもどうしようもないポンコツの中のポンコツではあるが、己に向けられるマイナス感情には敏感であった。
店員さんにめんどくせー奴、と思われたことを敏感に察すると、肩を縮こまらせて俯いてしまう。

「は、はい……」

促されるまま店内へ。これはもしかして、お前のようなやつは客じゃねェ、桶に詰めてセレネル海に沈めてやる! とかそういう……
ひいぃ、怖いですわ……今からでも土下座したら許してもらえますかしら……
と戦々恐々。広々とした事務室の豪奢なソファーに腰掛け、じんわりとその隅っこに寄っていきながら、出していただいたお茶をちびちび。
末期の水がこんなに美味しいお茶だなんて、さすが一流商会ですわね、と死を前にして悟りを開いたように穏やかな心地でお茶を楽しみ、

「……………………!!」

盛大にむせた。
いや、そもそも彼女に会いに来たのだけれども。
屈強な処刑人が来ると思ったら、目的のひとがやってきたのだ。
さっきまでの泰然とした心境は一瞬で吹っ飛び、椅子の上でぴしりと姿勢を正す。

「わたくしはロンディニア家長女、フィリアルイゼ=アシュリー=ラ=ロンディニアと申しますわ!
 此度はこちらの店舗に籍を置いておられまするリスさまに私的なお手紙をしたためましてございますの……!」

どこの田舎貴族だ、といわんばかりに盛大に口調を間違えながらわたわたとソーサーにティーカップを戻し、テーブルに置いて深く一礼。

リス > 縮こまっている少女の突飛な発想は、とりあえずそれは違うと突っ込めるものはいない。
 にゃんこ店員は、良くも悪くも思ったことは口に出さなくとも態度に出てしまうのでしょう。
 後で、教育し直しが決定した瞬間であります、ええ。おそらく新人なのです。

 それはともかく。

 お辞儀をして、頭を上げた店長は、そこで固まっている人物に視線を向ける。
 そして、にこやかに対応いたします。

「あら、フィリア様、わざわざのお越しありがとうございます。
 私的なご用時ということでよろしいでしょうか?」

 はい、お店の中ですから飽くまで店長さんなのです。
 ただ、要件を聞けばお店のお買い物ではない模様で、お手紙というお話。
 店員達には仕事に戻るように。
 猫のミレーの店員には、研修し直しの指示を出して、扉を閉めることにします。

「店長としての対応の方がよろしいでしょうか?」

 それとも、普通のお友達との対応の方がよろしいでしょうか?
 少女は問いかけるのは、スイッチのオンオフのように、切り替えているからであります。
 仕事は仕事、プライベートはプライベートなので。
 彼女の許可があるまでは、お仕事モード。