2018/08/07 のログ
ご案内:「設定自由部屋」に影時さんが現れました。
ご案内:「設定自由部屋」から影時さんが去りました。
ご案内:「トゥルネソル家自宅」にリスさんが現れました。
■リス > [お約束です]
ご案内:「トゥルネソル家自宅」に影時さんが現れました。
■リス > 富裕層の一角にある、それなりに大きな邸宅。
トゥルネソル商会が土地を買い、建てた家はそこの娘であり、マグメール支店店長のリス・トゥルネソルが住まう家である。
最近は、そこにドラゴンが住み着いていて、ドラゴンの巣ともなっていたりするが、秘密なのである。
とはいえ、娘が半分ドラゴンのまま行ったり来たりしてるので公然の秘密というやつであったりもする。
そこの家は、大きくはあるが装飾は少なく、最高級の素材で質実剛健を絵にしたような家である。
あまり飾るのを好まない家主の意向であったりする。
今日は、そこに一人の客を呼んでいた。
応接間には、東洋で嗜まれる緑茶、湯呑とともに出され、東洋のまんじゅうとか、せんべい、とかそういった菓子類が出されていたりする。
ソファに座り、目の前の客を静かに見るのは以前に出会ったこともある商会の店長である少女。
呼んだ理由は、娘の育成について、彼が師事をしている事を知っているからのことである。
■影時 > ――招かれた、となれば少しばかりは身なりに気を遣う。
常の装いは何かと便利ではあるが、呼ばれて赴くとなれば幾らばかりか気が引けるというのがある。
故に少しはそれらしいものを纏い、足を向けるとしよう。
顎に生えた無精髭を剃り、白いシャツと茶染めの綿ズボンと磨いた靴となれば、薄汚れた装いよりも向くであろう。
何より、己が無頼の徒であることを弁えてるとしても、出先で放埓を通し続けてもいいということにはならない。
信頼を少しなりは得ているとしても、故にこそその培ったものに反する行いをすべきではない。
「おお、これはこれは。
わざわざ呼んでもらった上に此処まで用意してもらうたァ、ね」
この邸宅を訪れるのは初めてではない。
今、弟子として目をかける少女に確実に連絡をつけるための置手紙を預けるために、ちょくちょく訪れることがある。
しかし、ここまで饗応を貰えるというのは自分の記憶がある限り、初めてではないだろうか。
自分で薬草や自生するチャを見つけて、緑茶モドキを作ることがあるが、やはりちゃんとしたものは違う。
まずは御茶を一杯。喉を潤し、一息付けさせて貰うとしよう。
■リス > 「いいえ、いつも娘に良くして貰っているお礼と思っていただければ。
それに、今回は正式な依頼、でもあります。
商談にするのであれば、それなりのおもてなし、も必要かと思いますわ。」
手紙に関しては、何時も家のポストに入れてもらうか、若しくは家令等に渡して貰い、そこから娘に行くのだろう。
母としては、そのふみが何を書いているのかは気になるが見たことはない。
そのへんは最低限の礼儀として思っているから、である。
今日の服装は仕事用の服装ではなく生地も良く、人に会うために設えたものである。
薄く紅を引いた唇は、微笑みの形に釣り上げられていて。
「さあ、外は熱く喉が渇いたでしょう?
どうぞ一息ついてから、お話を始めましょう。」
彼のことは、娘たちから聞いている。
それに、一度店で出会ったことも覚えているから。
少女は彼に対し一定の信用は覚えていた。
■影時 > 「かたじけねぇ、と言わせてもらうかね。――ほほゥ、依頼か」
手紙となれば、両親や家令等から中身を見られることもある点は弁えてる。
特にそういうこともないというのは、きっと互いの礼儀や信頼に基づくものということになるだろう。
あるいは親としての教育方針、スタンスか。
弟子として目をかける立場に加えて、商店の一利用者の立場としては深く考える由縁は持たない。
今はこの地では、作ろうとしなければそうそう味わいようもないものに舌鼓を打つ。
「暑いのは何処も変わらんが、こうも後をひくような暑さはかなわんなア。
お陰様で少しは気が楽になった。それで、まずはどういう話か聞かせてくれると有難い」
そして、だ。どのような用件か。依頼と聞けば、興味深そうに暗赤色の眼を細めて湯呑みを置く。
座した己の太腿の上に両手を乗せ、手指を組みつつ相手の顔を見る。
■リス > 「ええ、依頼、です……お話をさせていただきますわ。
やって貰うことは、今までと同じことではあるのですけれど。
ラファルへの訓練?に関してなのですが。
防衛戦のノウハウというものを教えていただきたいのです。
近々、そういうものが必要になってくることが判りました。
しかし、私は荒事などさっぱりです、なので、もともと、ラファルにそういうことを教えている影時様なら、彼女のスタンスにあった物を教えていただけるのではないか、と思いまして。
急を要するものでしたので、依頼という形をとらさせていただきました。
ラファル自身にも、この件は伝えておりますので、影時様が同意してくださるなら、すぐにでもお願いしたく思っております。」
依頼の内容をかいつまんで話しておくことにする。
そういうことが必要な状況、に関しては、伝えることができないのが口惜しいところではある。
ずず、と緑茶をひとつすすり、彼の方を見る。
そして、と口を開く。
「依頼としますので、報酬もしっかり用意しております。
ただ、影時様の依頼の金額というものをまだ把握できておりませんので……
さしあたり、教育している間の衣食住は此方が持ちましょう。
その上で日に……400ゴルト。
ご不満でしたら、交渉は受け付けますわ。」
まずは、こちらから提示をする。
彼のことは為人は知っても、それ以外のものが判らないところが多い。
依頼するにしても、彼は一体いくらで動いているのか。
何時も娘は食料とか酒とか持って行っている。
酒は高いものだけど妻のアッシェは何も言わないし、それは十分な報酬ともなってるはずである。
だから、とりあえず、平均的な中流階級の一日生活費200を倍にした額で問いかけることにした。
■影時 > 「……なるほどねぇ。
そうなるたぁ、一口で訓練とは云えんなァ。寧ろ、諸々を含めた教導ということか」
今までの訓練は実技の反復により、体得、最終的な習熟を経て身に付かせる類のものだ。
だが、今回の場合は違う。
今回の依頼主は「防衛戦」と言った。これは明確な護衛、守備対象が存在する戦闘を想定している。
何を以て最終的な勝利とするのか。仮に敗北した場合、どのような流れで対処するのか。
忍者として、軍師という程ではないけれども、謂わばゲリラ戦に近いやり方の心得がある。多少は持ち合わせている。
今までの繋がり、信頼故に即諾、快諾といきたい。提示される報酬は成る程、自分も悪くないと思うものだ。
「俺のような流れ者、身の保証もないものに有難い話だなァ。
確かに現状、定宿はない以上、確実に連絡がつけられる場所も含めて用意してくれるたぁ、願ったり叶ったりだ。
だが、念のため俺は聞いておかなきゃならんコトがあるぞ。
防衛戦、と。そう言ってたなぁ。
つまりは守れなかった場合、あの娘の命に加えて、最終的にこの商会に害が及ぶ可能性もある。その認識で良いか?」
度々の訓練で貰っている酒は、よく考えなくとも高いものである。
今までの事で考えれば、おつりも出てしまう位だ。故に商品価値を思うに、日給として提示させるものに不満はない。
物件も用意してくれるとすれば、その点については幾つか調整したい頼みたい点はあるが、恐らく問題はないだろう。
最低でも、調合した火薬を安全に保管できる地下室等の冷暗所が都合できれば、それでいい。
何よりも確かめておきたい点とは、一つ。
仮想敵もそうだが、最終的に防衛戦に失敗した場合に想定されるリスク、回避すべき最悪のケースだ。
商店を動かすものとして、そして親として何を一番避けたい。その為に己が何をするべきか。出来るのか。それを見定めるために。
常のどこか気怠い様相は抑え、荒事に慣れた落ち着いた風情で相手の目を見つつ、問いを投げ掛ける。
■リス > 「はい……そう考えていただければと思いますわ。」
彼の言葉に少女はこくり、と一つ頷いた。
今までの実技だけではなく、もっと色々を含めた物となるのだろう。
いつ始まるか、判らないから優先的に教えて欲しいのだ、と。
「ふふ、冒険者と言うものは大体がそういう者でございましょう。
流石に女所帯のこの家に……とは言いませんが、しっかりとした宿を保証させていただきます。
……ええ、その通りです。
娘の命、彼女等が、守るべき場所、それらに害が及ぶ可能性が。
可能性、と言うのは正しくありませんね。
発生したというのなら、害が及びます。
―――仮想敵は、軍隊と思っていただければ。
ただ、ラファルだけではありません、長女の竜雪、次女の竜胆も防衛戦には併せて動きます。
ただ、毎回同じく動けるわけでもありませんし、彼女らはそれぞれの方法で防衛戦の支度をしています。
ラファルに関しては、影時様が適任と思われましたので、お願いしたいと思った所存です。」
娘は物理的には親の自分よりもはるかに強い。
しかし、親として、商店の主として、竜王の妃として、出来る手は打ちたいのだ。
娘が師事している師がいるなら、それが、本格的でないとしたならば。
本格的に鍛えてもらい、少しでも怪我をする可能性を減らしたいと思う。
雰囲気が変わったのは把握する。
しかし、少女は母として、居住まいを正し、しっかと、男の視線を受け止め、視線を投げ返した。
■影時 > 「だろうな。そりゃぁそうだ」
ただ、あれをして、こうすれば、勝てる。そういうものではない。
謂わば、戦いとは今まで積み重ねたものの総決算だ。
布陣も含む事前準備。それすら叶わない時の臨機応変な対応力。潰走時の対処力。
その全てを付け焼刃でも教え込むとなると、どれだけ時間を要するか分かったものではない。
「まァな。その通りだ。
出来たら重要物、危険物を収めておける冷暗所、或いはチェスト、だったか? 頑丈な箱がある宿だったら有難い。
……――軍、軍隊かァ。これもピンキリだぞ。
練度もまちまちな傭兵程度であれば、あの娘ならば寧ろ取って食っちまうだろう。
ご息女総出となれば、次第によってはこの国の騎士団――第ナンタラ師団等も相手取るようなこともあると見る。如何に?」
可能であれば、と。提案しておきたい用件を述べる。
ふかふかした寝台なぞという贅沢は落ち着かない。いわゆる冒険者向けの宿で、防音ともどもしっかりした物件があれば、十分と。
そう思いつつ、紡がれる言葉を脳内で勘案する。
挙がる名前から鑑みるに、いずれも竜の混血である。練度は兎も角として、力あるものである。
並の相手であれば、吹き飛ばすように片付けるだろう。
想定される仮想敵として、最上級となればこの国の騎士団だろう。
表沙汰にならない、出来ない不正規戦としてこれ以上の脅威はそうそうあるまい。
肚は半ば定まっているようなものだが、故に問う。確認しなければならない。如何に、と。
■リス > 「はい、そういう宿であれば、心当たりがあります。そこを手配しておきますね。
―――………。」
宿に対しては、少女はにこやかに応じよう。
護衛として雇っている冒険者の内一人が、そう言った宿に泊まっていたはず。
チェストなどの収納に防音もしっかりしているらしい所だ、大丈夫だと思う。
あとで下見をしておきましょう、と思考の中でメモを。
そして、最後の言葉に少女は視線を向けて口を閉ざして、しばし考える。
「―――はい、影時様のおっしゃる通り、事と次第によっては、正騎士団、王国師団と構えることもありましょう。
推定される状況は、一つの里を守るため、の防衛戦。
最大仮想敵は、王国師団。
勝利条件は、撃退、もしくは村人全員の撤退。
撤退には、専用の逃げ道がありますので、そこまでの時間稼ぎですね。」
彼の質問に、肯定で返答をする。
だからこそ、彼に頼みたいのだ。
知るべき状況を言える限りの言葉で伝える。
■影時 > 「頼む。でー……あー、そうか。そう来たか」
冒険者もまちまちだが、夜の世話というモノから、内緒話も含め、防音が効いている物件は需要がある。
己もそうだ。肉欲を抑えることを弁えている反動からか、事に及べば長い。
其れ以外にもこの一件の事を考えれば、やはり内緒話がしやすい部屋はあるんに越したことは無いだろう。
そして、だ。続く言葉を聞いては、座すソファの背凭れに背を預け、天井を仰ぐ。
「――心得た。この依頼、請け負わせてもらう。
手数が足りないとなりゃ、俺を駆り出してくれても構わんぞ。
教え子がそんな修羅場に臨むコトもあるなら、死なれるのは目覚めが悪い。
それに、利用者としても、この商会が壊滅されちまっては、さらにますます困っちまう。
さらに話を思うに、だ。
防衛戦を遣る場合、其方が関与しているという証拠を残しちゃァならん。その対策も必要になるだろう」
面白い、と。天井を仰ぐ己の口元が吊り上がる。だが、それも直ぐに緊の一文字に引き締まる。
自分が直接関与するものではない。実際に矢面に立つ前提が、誰になるかを忘れてはいけない。
必要なのは、死なせないコト、目的を果たすための教練、最悪時の対処の段取りだ。
実際に守る場所の地勢等も分かれば、其れに絞ってゆくことで一先ずの下地もできることだろう。
背筋を伸ばし、顔を戻して頷こう。この仕事、請け負おうと。
■リス > 「折角の御厚意、申し訳ないのですけれど。
お力を借りることができませんの、理由もお話できないのが心苦しいのですが。
どうか、娘の為に、ご理解とご教授をお願いします。」
娘の師だ、心強いことはこの上ないのだけれども、しかして、約束がある。
あの事を伝えるわけには行かない、部外者はなるたけ少ないほうがいいのだ。
だからこそ、彼に協力を素直に得るのではなくて、娘に教授を願うのだ。
「信用商売を行う商人としては、心苦しい限りですが。
お話できないのはご容赦ください。」
重ねて言葉にするのは、それだけ自分たちにとってそれを秘匿する必要があるということで。
請け負ってくれることに、感謝の意を。
「お昼の食事はご用意させていただきます。
これから、宿の手配も行いますので、どうぞ一緒に。」
仕事を請け負ってくれるとのことなので。
まずは最初の食事の面倒から。
少女はにこやかに、呼び鈴を鳴らし、家令に食卓の準備を整えさせよう。
■影時 > 「――分かった。
では、俺は俺の為すべきことに注力させてもらうとしようかね。
その具合だと、恐らくその里、だったか。
周囲の場所の下見もできない、できたとしても避けるべきコトだろうなぁ」
向こうの事情の裏の裏までは見通すのは難しい。
逆に言えば、商会としても秘匿すべき事項なのだろう。
そうなると、件の場所を見に行くということもできない、出来たとしても避けるべきだろう。
人の眼がどこにあるか、分かったものではない。
荒事ばかりではなく、諜報の心得も少なからずあれば、気取られるきっかけは可能な限り少ない方が良い。
故にこその教授、教導の依頼である。
「忝い。馳走になる。
先ほどの茶菓子等もあるから、出来たら軽めにして貰えると助かる」
ともあれ、食事も用意してくれるのならば、あり付かせてもらうとしよう。
普段から粗食に慣れている身となれば、一品、二品足す程度でも、十分にご馳走だ。
すまんが、と。照れ臭げに髪を掻きつつ、可能であればということで頼もう。
■リス > 「説明も上手く出来ない私をお許し下さい。
その上で、と。
娘であれば、きっと上手い伝え方もできましょうが、商売の事のみで生きてきた私では。」
彼と共通の話の持ち方もできない。
彼の知る言葉と、自分の知る言葉の乖離もあるからである。
そもそも、その里には普通の手段で行くことはできないのだろう。
それでも、言うことは憚られる。申し訳なさそうに、頭を下げる少女。
「ふふ、軽めですね。
わかりました、私と同じぐらいにと、伝えておきます。
……ラファルは、特別、ですからね?」
少なくして欲しいという言葉に少女は笑う。
普通の女の子と同じぐらいでいいでしょうか、と。
娘の食欲に関しては、あれは異次元といっていいだろう。
なので、彼の要求には笑ってうなずいてみせた。
■影時 > 「知るべきことをのみを知っていればいい、と。
そういうコトは大概よく在るもんだ。だから気にしなくていい。
まずはご息女に聞かせてもらうさ。その上で擦り合わせてもらうとするかね」
知るべきことのみ知っていればいい。余計な詮索は無用、と。
ただの冒険者として事を為す時も、そんなことが無いわけではない。
故にこそ気にする必要はない。
逆に言えば、肝心の当事者から詳しい話を聞くことが出来るとすれば、ある程度の方策は立てられる。
不足があれば、己が挙げる事柄を仔細に見て来い、と。課題として与えることもできるだろう。
後は――どれだけの時間を、得ることが出来るか。
仕上がりにかける時間は長ければ長い程良いというものではないが、一朝一夕に片付くものではない。
「手ェかけさせちまってすまんね。
特別も特別、だろう。……初めて見た時は、森を喰ってたぞ」
あれは驚いた、と。比べようもないなとばかりに肩を竦めながら、それ位で良いと頷く。
満腹になり過ぎると、逆に直ぐに動けなくなる。
心構えとしては腹八分位がいいが、逆に旨いものは少なくとも心が満たされるものだろう。
■リス > 「よろしくお願いしますわ。」
少女はもう一度頭を下げる、彼の心使いに感謝の意を。
冒険者を雇うことはあるが、こういう形での契約は初めてでもある。
基本的には、今までは護衛として雇うのがほとんどだったからである。
「あれは、あの子の竜としての力、だそうです。
娘はそれぞれ、母から、力を得ている模様で。
……私は、そういう力は持ってませんよ、伴侶の加護があるだけなので。」
あれだけ食べても満腹にはならないらしい。
でも、食事は自分たちと同じか、少し多いぐらいである。
生きるのに必要な食事とは別の食事のようであり、よくわからない。
伴侶の彼女であれば、わかるのだろうか、と思う。
しばらく歓談していれば、食事の用意ができるだろう。
なれば、と少女は彼とともに食事に向かおう。
新鮮な海の幸、山の幸で作られた食事が出されるのだろう――――
ご案内:「トゥルネソル家自宅」からリスさんが去りました。
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