2018/07/25 のログ
■黒須 > 「あぁ、近付かない事だな…」
(目立ちやすい貧民地区のため、まず近づくことは無いだろう。)
「俺は…まぁ、そうだな?好きさな…。」
(首を掻きながら考えるように傾げる。
けれど、誰からでもでは無い。)
「あぁ…良かったさ…」
(ポツリと返答すれば、黙り、シャルレを見る。
口角を小さく上げ、腕を伸ばせば撫でる。)
■シャルレ > 「むー…そっかぁ…」
近づかないこと、となると相手の住処近くに遊びにいくこともできないということ、
ちょっとツマラナイとシュンとする。
「でしょー撫でられるの嫌いな人はいないもん」
撫でられるのが、好き、嬉しいことと自分と同じ感覚に自信満々で返す。
黙られたことに顔を向けると、視線が合った。
どうしたのかと見つめてると、撫でられたので、
嬉しいから目を閉じて、頭をその手のほうに軽く傾けナデナデを受けて。
■黒須 > 「なんだ?そんなに俺の家に来たいなら言えば良いだろ?
住処なら俺が1番上だから、誰も喧嘩を売ってきやしねぇよ」
(前職で顔が売れて、知らぬものは居ないとなった地区。
強さを知るため、連れと見られれば手は出せない。)
「そうだな…あんまり嫌うやつは居ねぇな?」
(スキンシップを好まない人間は居ることには居るが、率直に言ってもいい気を悪くしそうなので抑えておく)
「…ありがとな…」
(小声で聞こえない程度に礼を呟き、嬉しがるシャルレの姿を見て、自分も目を瞑って笑い撫で続ける)
■シャルレ > 「んーだって危ないとこに住まなくてもいいような…」
もっと安全だったり、普通なとこもあるはず、そこを選んで住んでるのなら、理由はるのだろうけど。
考えるそぶりをしたけど、答えは自分の中で出てこなかった。
「うんうん、優しく撫でられるのは好き。乱暴にする人もいるけど…ちょっと悲しくなる」
優しくされるのが嫌いな人はいないはず、昔を思い出し、そういう人もいるのは知ってるから、
余計優しくされるのが嬉しいと笑って返す。
小さい声で聞こえたけど聞き返すのではなく、にこにこの笑顔で返しながら、おとなしく撫でられてた。
「じゃあ次、ローにお返し」
自分もたくさん撫でてもらえたから、手を伸ばして隣の相手のこめかみのとこを指先でナデナデと…。
■黒須 > 「つっても…場所がねぇからよ…金もかかるし…。あ、いや…待てよ…?」
(口に手を当てて、考えるとニヤッと笑う)
「そうだな?お前の言う通りだ。んじゃ、明日にでも引っ越して、平民地区に移動するか」
(思いきって引越しをし、遊べる場所にしようと考える。)
「まぁ、全員同じって訳でもねぇから、そこは仕方がねぇよ。」
(過去に触れずとも優しくされるのが大好きなのはよくわかった。
ならば、今後の行動も決まるだろう。)
「あ?いや、返しは…ん…」
(いいっと言おうとしたが撫でられるとそうとも言えず撫でられる。
心の中で少し恥ずかしさを覚えながらも、くすぐったく撫でられる。)
■シャルレ > 「ん?…お引越し?」
なんだろう考えてるようなそぶりを不思議そうに見つめてた。
なにかを思いついたようだけど…小首をかしげながらいたけど。
「うん、よしよしー」
手の届くのがそこ、なので顔の横のとこを指先で撫でながら、にこにこしてた。
自分がされて嬉しいことは、相手もきっと、嬉しいはずという、
自己中な思い込みでもあるけど、おとなしく撫で撫でができてるのに満足。
「ぁー…ふ…」
つい欠伸が漏れたので、手を引っ込め、そのまま目元を擦る。
■黒須 > 「師団にちと相談して、場所と移動費を出してもらう。
ま、物はベットぐらいだがな?」
(王都にある師団の一員でもあるため、なんとかすればどうにかなるだろうと思った。)
「場所も、希望は出ている…。お前のよくいる、酒場通りだ」
(にぃっと片方の口角を上げて笑い、満足そうにする。)
「…ガキ扱いすんなよ…」
(苦笑いの様にしながら大人しく撫でられる。
確かに、こういうのも悪くない。)
「ん、もう寝みぃか?」
(欠伸をするシャルレを見れば、同様に自分にも欠伸が移り、大口開いて欠伸を漏らす)
■シャルレ > 「ん?そうなんだ…近くになるといいね」
一番は危なくないとこ、それに近いなら迷子にもならないだろうから。
文句っぽいことを言われても、おとなしく撫でさせてもらえてたので、嫌いじゃないはず。
座ってたまま、水から足をあげて、くるっと噴水に背中をむけて、脚をブンブンと振って水毛を取った。
靴を履きなおして、立ち上がるとかかとを鳴らして、片手を伸ばす。
もう片手は、2度目の欠伸と共に目を擦って。
「うん、眠くなった、かえろ?」
迷子と聞いてたから、いつもの大通りまで一緒に出ようというつもり
先ほどの口調より、少し小さくトロンとした目のまま。
■黒須 > 「そうだな?下が酒場ならもっと…良い事だ。」
(いつも話していたあの場所近くならわかりやすいため、新居による迷子もなくなるだろう)
「ああ、わかった…。帰るか。」
(同じ様に足を出して水気を払い靴を履く。
立ち上がれば軽く伸びをして、隣に並ぶ)
■シャルレ > 「そんなとこ、たくさんありそう」
猫散歩でも見てきた、酒場通りは自分のナワバリでもあり散歩コース。
相手の言うような長屋のようなとこも知ってる。
隣に並ぶと、手をつないで、ちょっとだけ早足になりながら大通りを目指し歩き始める。
時々欠伸を零したりするけど、なんとか眠る前には帰れたはずで
ご案内:「平民地区の公園」からシャルレさんが去りました。
ご案内:「平民地区の公園」から黒須さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城・回廊」にイヴリールさんが現れました。
■イヴリール >
「ええと…ですからっ、大丈夫…です、ので、ついてこないでくださいっ」
開け放たれたドア越しに少し大きな声をあげる少女
声を受け取った召使いは嫌味のような言葉を向けていたが、少女は珍しくそれが気にならなかった
先日のお散歩で、お友達ができたから
奔放で勇気と自信がある、お友達
少しだけ元気と色々なものをもらえた気がして、少女は鳥籠から一歩だけ踏み出す勇気をもらえた
眼の前に広がる光景は見慣れた王城の回廊
今日はもう少しだけ広く感じた
■イヴリール >
王城からは出ません、と約束をして、お散歩に出かけることを許可された
今日は、また中庭にいってみようか
それとも上階のテラスから、街の様子を眺めてみようか──
ほんの僅かだけ、広くなった自分の世界に小さく胸を踊らせながら廊下を歩いてゆく
途中、すれ違った王国貴族に丁寧に会釈をすると、まるで珍しいものを見るような視線を受けた
──こういうのにも、あまり慣れていないけれど…いずれ気にならなくなるのかもしれない
しばらく歩くと、外から大きな声が聞こえてくる
なんだろう、と窓から覗いてみると、王城の駐屯兵達が鍛錬をしている姿が目に入ってきた
──この国は戦争状態にある、と聞いた
「ああやって、私達を守る訓練をしてらっしゃるのですね…」
まるで自分とは縁の遠い話…だった
守られている当事者の代表のような自分が、それを意識することなどほとんどなかったのだ
「(ありがとうございます…)」
なんとなしに、窓からしばらくその光景を眺めていた
ご案内:「王都マグメール 王城・回廊」にフォーコさんが現れました。
■フォーコ > 「兵たちの様子が気になりますか。」
窓から練兵の様子を眺めている少女に声をかけた。
彼女は確か、王女の一人であったはずだ。
パーティー会場などでなんどか顔を見たことはあるものの直接会話をしたことはなかった。
供も連れずに出歩いているとは珍しいこともあるものだ。
■イヴリール >
「ひゃ…っ」
突然声をかけられて驚いたのか、ドレスから覗く細い肩が跳ねる
恐る恐る振り返ると…見知らぬ、女性の姿
良かった…召使いの気が変わってすぐさま連れ戻しにきたのかと思ってしまった
「…あ、いえ…普段、このような風景を目にすることがないもので…。
──皆、王国のためにその身を削ってくれているのですね…ありがたいことです……」
心から、そう思う
自分達や王国貴族…力をもたぬ者が安心して生きていけるのは、彼らのおかげなのだ
「……ええ、と……貴女、は…?」
おずおずと、その名を尋ねて
■フォーコ > 「申し訳ない。 驚かせてしまいましたか。」
小さな肩が飛び跳ねている。
私を誰か怖い相手と勘違いしているようだ。
とりあえず、驚かせたことに謝意を示して。
「仰る通りです。 皆王国の為に命をかける所存で励んでおります。
無論、私もですが。」
私は温かい言葉に思わず声が弾んでいた。
お偉方の中にはこのような光景を煩がる人も得てして多いのだが。
「私、フォーコ・アッサルトと申します。
以後宜しくお願い致します。」
私は両手を伸ばすと、深々と頭を下げた。
「貴女はイヴリール王女様でお間違いないでしょうか?」
頭をあげると、青い瞳を覗きながら問いかける。
怖がらせない様に、務めて柔和な表情を保ちつつ。
■イヴリール >
「い、いえ…大丈夫です…私が、臆病なだけですから…」
申し訳ないという彼女に、慌ててそう言葉を加えて
「フォーコ、さん…も、王国騎士団なのですね」
自分もそうだという言葉にきっとそうに違いないと
過去、同じ会食等に出席する機会こそあったのだろうが、
……ああいう場は苦手で、いつも俯いてただ時間が過ぎるのを待っていた記憶しかない
「はい、イヴリール・フォン・カルネテルと申します…よく、ご存知ですね…」
その柔和な表情に少しだけ緊張が解けて、よかった、悪い人ではなさそうだと
■フォーコ > 「慎重さもこのご時世大事なことですからな。
とはいえ、私相手には気をつかう必要はありませんよ。」
まだ警戒されているのだろうか?
私は彼女に笑みを向ける。
「恐れながら末席を汚させて頂いております。」
やはり彼女はこちらを認識していないようだ。
ならば今日覚えてもらうことにしよう。
「王家の方はよく存じ上げております。
中でもイヴリール様は以前おみかけした時にとてもお綺麗でしたので。」
これは世辞でもなく、本音だ。
やはり王家の方は私と違い気品が漂う。
■イヴリール >
「…あ、ありがとう、ございます……。
その……あまり、そういったことを言われることがないので、どう言葉を返して良いのか…」
綺麗だ、と言われればもじもじと恥ずかしげにその視線を外して
「…あ、あの……」
少し遠慮がち、視線をあげる
おどおどとした様子は、警戒しているというよりも生来の性格のようだった
「フォーコ、さんも…その…戦争に、ゆくのですか…?」
この国は、絶えずどこかで戦乱があると聞いた
その当事者かもしれない相手とこうして話す機会…少しでも見聞を広げたい
…何より、女性の身でありながら王国軍に身を置く…自分とはまるで違う世界に身を置く女性とは初めて出会った
■フォーコ > 「そうなのですか?
それは勿体無いですね。
本当にイヴリール様はお綺麗ですよ。」
視線を逸らす彼女をまじまじと見つめていた。
「なんでしょうか。」
彼女はこの調子が基本なのだろうか。
大人しい、と言うよりも怖がりな印象。
「ええ、よく出向いてますよ。
私の所属する組織は船を所有していますので遠い異国の地にでかけることもあります。
イヴリール様がご希望でしたら近くの海程度でしたらお連れ致しますが。」
彼女は城の中で生活が完結していると聞く。
相当退屈していることであろう。
彼女が希望するのなら上に掛け合って外の世界に連れて行くのも良いかもしれない。
■イヴリール >
再び綺麗だと言われ、見つめられればその視線から逃れるようにきょろきょろと落ち着きない様子を見せてしまう
どうやら本当にそういった言葉に対して不慣れのようで…
「船…?」
それでも、その続きの言葉に目をぱっちりと開く
船とは、川や海を渡るものらしい
川、そして海とは豊富な水が作る──以下略だったはずだ
「私、海は見たことがありません…。
海の向こうに、違う国があると聞いたことはありましたが……」
異国とは、どのようなものなのだろう
このお城の外のことすら知らない少女には、想像すらもつかない…そして
「…えっ…そ、それは……無理、です…。
公務以外では、その……このお城から出ることは、禁じられていて…」
本当は、お城どころか部屋から出ることすら良い顔はされないのだけれど
公務も名ばかりのヤルダバオートに赴いての礼拝くらいで、
少女はお城と、馬車の中と、神殿礼拝堂の中しか知ることがなかった
■フォーコ > 「船をご存じありませんか?
水の上を移動することが出来るものなのですが。」
なんてことだ。船を知らないようだ。
私は手振りを交えて説明してみるが通じているだろうが。
「海の向こうにもありますし、陸伝いでも他の国はありますよ。
そうですね。 このような品が異国にはございます。」
何か興味を惹くようなアイテムは無かったか…。
私は己の服を弄り、ポケットから簪を取り出しては王女の前に差し出した。
「それは困りましたね。 王女様がそのようなことではこの国にとっても大きな損失ですな。
上に掛け合って公務として査察が出来るように致しましょう。
私も含め、皆王女から激励の言葉が頂けるとなれば今以上に励みになりますよ。」
この王女の状況は部下から聴かされていた。
故に私は彼女の後ろ盾になることを提案することにした。
実際、彼女のような者に声をかけられるだけで部下たちの励みにもなるし、彼女自身も外の世界を知って良い刺激になればと思う。
無論、下心もないわけではないが。
■イヴリール >
「あ、いえ…聞いたことはあります、が…すごい…本当に水の上を走る乗り物があるのですね。
これは?…綺麗なもの、ですね。何に使うものなのでしょう…」
驚いたような、感嘆したような表情を浮かべる
人生の大半を部屋で過ごしている、という特殊な環境が人一倍の世間知らずを作り出していた
簪を見てもそれはかわらず、使用用途がわからず小さく首を傾げていて
「……う、え、ええと…その…」
困った、と言われれば僅かに萎縮したように、もじもじと俯いてしまう、そして…
「あの…きっと…無理です……私は、王女、ですが…その…そういう、立場で……」
不義の子、として扱われ、部屋に軟禁され自由を奪われ、
王位継承権をもつ者とは思えぬような扱いを受けている
彼女の言うような、民を鼓舞する、激励の言葉を振るえる"普通の王女"は…自分以外に、いるのだから
■フォーコ > 「船旅はなかなか面白いものですよ。
異国の高貴な方が髪を止めたりするのに使うそうです。
人から頂いたものなのですが私はこのような物を使う機会がありません。
宜しければ王女様のコレクションに入れて頂ければ。」
お洒落に関しては私も彼女に負けず劣らずと言った所だ。
王女が簪を着けてみたいと言われたなら悪戦苦闘を披露することになるだろう。
「私は貴女にお願いしているのです、イヴリール様。
他の者がどのような事を言って来ようと貴女は立派な王女だ。
貴女が一言望めば環境は幾らでも変えることができますし、私も出来る限り協力致しましょう。」
気が付けば、困惑気味の王女に畳みかけるように話していた。
だが彼女が多少なりとも自由な暮らしを望むのなら本人にその気になってもらう必要がある。
■イヴリール >
「…頂けるのですか?高価なものではないのでしょうか…ありがとうございます…」
使い方は…あとで召使いにでも聞くことにした
故に、悪戦苦闘を演じることはなく済むのだった
「…そんな、私は立派な王女などでは……」
自信、というものが抜け落ちている
生まれてきてからずっと不義の子、王位継承権を持ちつつもお飾りの王女として扱われてきた
突然、そんなことを言われても受け入れることは難しいのかもしれない──
「申し出は、嬉しいのですが……」
しゅん、と頭を垂れる
自分に自由を与えてくれようとする手があっても、その手をとる勇気ない
鳥籠の中に閉じ込められ続け、飛び方も自分が飛べることも知ることのない小鳥
そんな印象を与えるだろうか
■フォーコ > 「私にはこういった類の物は疎いのですが…。
王女様がおもちでも恥ずかしくはない程度の品だとは聞いております。
お気に召して頂ければいいのですが。
他に興味がある物はありませんか? 後日お持ち致しましょう。」
異国の品を目にすれば多少なりとも刺激になるだろうか。
「ああして兵士達に心を配って頂けることが出来るだけで下々の者にとっては
ありがたいことです。 貴女はこの国にとって必要な方ですよ。」
私はこの自信のない王女に興味が湧いてきた。
彼女をお飾りとして隅に置くなどもったいない話だ。
「何も難しいことはありませんよ。
王女として当たり前の要求をするだけです。
ご希望なら今面倒を見させてもらっている者を入れ替えさせますが。
正直、今の環境は貴女にとって宜しくないでしょう。」
項垂れる頭に手を載せ、金色の髪を触れようとしていた。
飛べないのなら飛ぶように仕向けても良いだろう。
■イヴリール >
「ほ、他に…ですか?…う、ええと…か、考えて、おきます……」
鳥籠の中とはいえ、欲しいものは不自由なく手に入るのかもしれない
本当に欲しい自由と勇気と、自信だけが、きっと少女には足りないのだろう
「…私が、必要な王女……」
きっと王座に座ることなどなく鳥籠の中で生涯を終えるのだと思っていたのに
目の前の彼女は次々と、少女が予想だにしないとんでもない言葉を続けてゆく
「あ、あの…貴女は一体、何者なのですか…?
もしかして、とっても偉い騎士様なのでは……」
王国騎士団、その末席の人間程度に、王女のお付きの人間を入れ替えるなどできる筈もない
ふわっとその手が髪に振れると上質の絹糸のような感触をその手へと返す
特に嫌がる様子は見せないが、なぜ撫ぜられたのかはよくわかっていなさそうな表情を浮かべていた
■フォーコ > 「こう見えて私はツテが豊富でして。
王女が欲しい者でしたらおおよそは手に入ると思いますよ。
ただし、お時間は頂くかも知れませんが。」
どうやら全く何も欲しくないわけでもないようだ。
年相応の好奇心はあるようで、私は少し安心する。
「少なくとも私にとっては必要ですよ。」
ブロンドの髪を摩り、撫でていた。
艶やかで乱れのない髪は触るだけで気持ちが良い。
時折、良い匂いが漂う。
「一応、第五師団の団長を務めさせて頂いております。
それと城のお偉方に多少の繫がりがありまして。
私を頼って頂ければ悪い様には致しませんよ。」
我が黒い手は髪から次第に頬、そして顎を掴もうとする。
困惑気味の王女が振り払わなければ、そのまま私の方へと顔を向けさせるだろう。
■イヴリール >
なぜ、必要なのだろう
王女は他にもいる、自分よりも血統に優れたものが
そちらのほうが、自分ほど面倒もかからないだろう
──故に、少女にはその必要という言葉が理解できないのだった
「第五師団……」
王国軍にはいくつもの師団があると聞いている
その特色などは流石に知る由もないのだが、師団の長となれば、
軍議などでも相応の発言力を持つ人物なのだということが伺い知れた
「…私のことを気にかけての申し出…嬉しく思います。
でも、私の召使い達は厭々ながらも私の面倒をよく見てくれます。
本当は嫌なことを頑張ってやっていてくれているんです。
そんな彼女達を追い払うようなことは、私には……… ──?」
くい、とその細い顎を引かれる
不思議そうな表情を浮かべている少女はその見た目よりも更に幼さを感じるだろうか
■フォーコ > 「第五師団は船を持っております。
我が師団への視察となれば船旅も自由に行うことが出来ますよ。」
彼女は引き寄せても良く分かっていない様子だ。
故に振り払われることもなかった。
これから私が何をしようとしているのかも想像がつかないのだろうか。
「王女の身辺をその気のない者達で固めると言うのは宜しくない気がしますが。
少なくとも私はそのような者に傍に居て欲しいとは思いません。
それと、何故私が貴女を必要としているですが…。」
不意に私は唇を重ねようとする。
彼女が身をよじるなりしなければ、数秒ほどの間互いの唇が合わさった状態で静寂が訪れるだろう。
■イヴリール >
船旅…まるで、想像がつかない未知の領域
一歩踏み出すのさえ、勇気がいる…
強い興味と、大きな恐怖が同居する、そんな感覚を覚えていた
「……ですが、そうなったら…また私は彼女達に疎ましく思われてしまいます……」
一度、王女の世話役として働き、それを外される…となれば
それは少なくとも彼女達の仕事の歴に何らかの傷をつけてしまう筈
待遇をとったとしても、他の王国貴族に仕えたとて今以上のお給金にはなり得ない
自分のことは置き去りに、まず他人のことから考えてしまうきらいが、この王女にはあるようだった
「───フォーコさん? ……っ」
彼女の顔が近づいて来る、それで何をしようというのかは漸く理解できてしまった
思わず身を捩り、その顔を背けてしまう
嫌だ、というよりは──こわい、といった表情を浮かべて
「な、何を……」
■フォーコ > 「しかしこのまま貴女が黙っていても状況はよくなりませんよ。
最悪、彼女達も今以上に増長することでしょう。」
他人のことを気に掛ける心優しい王女のようだが、
向こうはそんなことは何も思っていないだろう。
少なくとも私はそう感じていた。
「…と、こういう理由で私は貴女につくことにしようと思っている訳です。
他の王女ではなく貴女に。
御理解いただけましたか。」
彼女が拒絶の意思を示したのであれば、手も離すし唇は重ねずに終わる。
■イヴリール >
「…いえ、未来のことは…誰もわかりません、から──」
嘘をついた
このままでは今までとそう大きく変わらないことは知っている
でも、自分が王位に即位できるのかと考えれば…それはきっと、訪れない未来
だとすれば…何をしても自分の存在意義は見出だせない──
少女はずっと、そんな自問自答を繰り返していた
「う…そ、その…く、くちづけは、愛し合う男女が行う、こ、行為であって…。
その…そ、それが理由というのは、よよ、よくわかりません……」
視線を背けたまま、手を解放されるとよたよたと2、3歩後に歩き、その顔を真っ赤にさせていた
未遂とはいえ、こんな経験生まれて初めてなのだろうということがよくわかる
■フォーコ > 「確かにその通りです。
ですが今の窮屈な状況から飛び出すことは今すぐにでも可能ですよ。
それとも王女は今の状況で楽しいですか?」
王位を目指すまではいかなくとも現状をどうにかすることが先決と思っている。
それは恐らく彼女自身もどこか望んでいることであろうから。
「そうですな。
私も貴女のことを愛しておりますので。」
顔を赤くさせている少女に平然といいのけた。
怒りや嫌悪を示している様ではないようだ。
「王女はどなたか好きな方がおられるのですかな?」
僅かに空いた距離をまた詰めていく。
初々しい反応がまた愛らしい。
■イヴリール >
「──………」
答えに詰まる
否定に等しい、そんな表情を浮かべて
何をするにも多くの鎖に絡め取られている
不自由に慣れすぎた少女は、自由を求めつつもそれを恐れているのだった
「あい、して……えっ…?」
再び、困惑の表情が戻ってくる
出会ったばかり…そして、相手は女性である
自分の知っている愛し合うという行為と掛け離れたそれに面食らってしまっていた
それともお城の外ではこういった愛が普通なのだろうか──
頭の中をぐるぐるさせていると、再び彼女がその距離を詰めて
「い、いませんっ、いません、けど──」
別に正直答える必要などもないのに、いざというときは嘘がつけない性格のようであった
■フォーコ > 「別に大それたことを言っている訳ではありませんよ。
王女が当たり前の権利を望まれるだけです。
今の状況は誰が見ても異常です。」
私は未だ恐れを抱く少女に何らおかしなことではないと
粘り強く説いていた。
「私は貴女とこうして直接お話しする前から貴女のことを存じ上げておりました。
そうそう、ご存じないかも知れませんが外ではこのようなことは普通に行われておりますよ。
王女もそう難しく考えずとも部下に労を労う位のお気持ちで接して頂ければ。」
困惑状態の王女に私は己の思いを打ち明ける。
そして、腰へと手を回し抱き寄せようとしていた。
「ならば、そういった者が出来るまでの間で結構です。
私と愛を育んでもらえませんか。」
■イヴリール >
誰が見ても、異常
そうなのだろうか
少女は不義の子として生まれていて、他の王女とは毛並みが違う
だから他の王女たちと違う扱いを受けている
それは普通のことなのだと思っていたのに──
「ふ、普通にっ…!?」
自分の知っている本の中に描かれた外の世界との違いに頭がぐらぐらする
なんというか、ショックであった
抱きしめれば簡単に折れてしまそうな程に細い腰
少女の力などは実にか細く、腕をまわされ簡単に抱き寄せられてしまう
「ふぉ、フォーコさん、待ってください、待って…っ」
再び身を捩り、逃れようと
■フォーコ > 「ええ、よくある光景です。
それと城内でもそうですが外の世界は今は弱肉強食です。
故にこういうこともよくあることです。」
己の認識との違いに驚いている様子の彼女を抱き寄せる。
今度は身をよじろうとしても私は解き放つことはしなかった。
「嫌なら貴女も自ら動くべきだ。
私を平手打ちにするか、離せと命じて下さればいい。
それが無ければこれ幸いと続きを楽しませてもらいますが。」
小柄な体は体重も軽く、簡単に引き寄せることができた。
私は彼女を抱き寄せると、ドレスに包まれた小ぶりの胸元を触れようと手を伸ばす。
彼女がはっきりと拒絶してくるならすぐに手を離すが、そうしなければこのまま触れることだろう。
■イヴリール >
「……っ」
今度は、逃してくれなかった
嫌なら、自ら一歩踏み出し言葉を出せと
彼女はそう言っているのだ──
「──あッ」
しっとりとしたドレスの上から小ぶりの胸に触れられ思わず上擦った声が漏れる
そしてそれが、きっかけになった
「…や、やめて、やめてください。離して──っ」
はっきりとした拒絶の意思を後押ししたのは、
恐らくは未体験のものからくる、恐怖だろうか
曲がりなりにも女王という立場、不義の子として忌まれ、近づく者もそうはいない
故に極度のスキンシップが、少女にその言葉を発する引鉄となったのかもしれない
■フォーコ > 「失礼いたしました。」
離せと言われた私はすぐさま彼女から手を離し、2歩程度引き下がった。
手には胸の感触が生々しく残っている。
「今日はこれで失礼いたします。
ですがこれからのことを踏まえてよく考えてみて下さい。
私は強力な味方になりますよ。」
最後にもう一度深く頭を下げる。
そろそろ公務の時間であった。
私は踵を返すとこの場を後にする。
ご案内:「王都マグメール 王城・回廊」からフォーコさんが去りました。
■イヴリール >
「………」
背を向け、その場を後にするフォーコ
その背中を見ながら…へなへなと壁に向かってしなだれてしまう
「び、びっくり、した…」
まだ、心臓が跳ね上がっている
…胸を触られた、ということはこんなに心臓の音が高鳴っているのは、きっとバレている
強力な味方になる…彼女は、そう言い残した
「……味方…こんな私にも…味方がいる……?」
頭の中がぐるぐるしっぱなしだ
彼女の言葉をすべて鵜呑みにしても良いのかわからない──
■イヴリール >
じっと、自分自身の手を見る
否定の言葉をはっきりと相手にぶつけたのは、もしかしたら初めてかもしれない
それが恐怖に起因するものだったとしても……
「…はっきりと、口にしないと……ダメなこともある、のかな…でも……」
臆病な少女にはそれは少しだけハードルが高い
今のような、考える間も与えられないような…そんな状況以外で、果たしてできるのか、どうか……
■イヴリール >
彼女の言う言葉は、今までの自分の居場所とは距離が凄く広くて、遠くて
まるで物語の英雄と会話しているような、そんな気持ちになった
どこまで彼女が本気として言葉を向けていたのかは、わからないけれど
「………」
くるりと自分の部屋に向けて、踵を返す
──それでも一つ心の中に確実に残ったことがあった
彼女の言葉の幾つかにもし疑いをもつとしても、その基盤となっている部分が変わることは、恐らくないのだろうから
「このお城に、私のこと…ちゃんとした王女って思ってくれてる人がいた……」
ぼそり、とそう呟く
「………」
部屋に向けて踏み出す、少しだけ、今までより強い足取りで
ご案内:「王都マグメール 王城・回廊」からイヴリールさんが去りました。
ご案内:「王都 貧民地区・廃屋街」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > 遺跡より戻って数日。
相変わらず目的のものは見つからず。
そもそも、そんな物があるかどうかすら不確かで、可能性にかけているだけなのでしかたのないことだが。
それにしたって無名遺跡のもっと奥に行けるようにならなければならない。
闇市がひらかれるあたりまであるき続け、ちらちらと売り物を眺めつつ深くため息。
依頼ももっとこなして金を貯めなければならないし、冒険者として…戦士としての実力もあげていかなければならない。
「やることおおいな…」
ぽつりとつぶやきつつ人通りもそこそこな市をぶらぶらと。
面倒事や厄介事、いろいろなものを背負い込むのは自業自得ではあるが
それにしたって自分はまだ未熟だ。
■ブレイド > それよりも腹が減った。
見上げれば太陽は真上に昇り、昼飯時と言ったところ。
今日はいい依頼も特になかったし、とりあえず食事と行きたいが…。
暑さと疲労で、あまり重たいものを口にする気力はなかった。
体を作るなら肉を食うのが手っ取り早いだろうが…
「きぶんじゃねぇな」
そういえば、前に野菜も食べなさいって叱られたっけ。
野菜も嫌いじゃないが、多量に摂取したいというわけでもない。
なにかスカッとする物を少しでいいのだ。
食事を終えたら、少し背負った面倒ごとの解決のために…適当な廃屋でも見つけるとしよう。
遺跡から持ち帰ったアレの生活スペースも確保しなければならないし…。