2018/07/09 のログ
ご案内:「王都マグメール貧民街 裏通り掲示板前」にユエルさんが現れました。
■ユエル > (夜の帳が落ち、人々が宿屋や酒場に集い、通りに人が少なくなった頃、ひっそりと少女は家を抜け出し、この掲示板前へと向かった。先日、見つけた不名誉な張り紙を回収する為だ。 こつり、こつり、と静かな通りを少女の靴音が妙に高く響きながら、少女は目的の地へ足を踏み入れた。 ・・・予想通り、人目はない。
・・・まるで盗賊か何かの足取りのようであるが、あまり人に見られたくないのでそれは致し方ない、か。 掲示板前まで足を運べば、目的の張り紙に手を伸ばす。 少しばかり高い位置にあるようで、 ん~~っ、と背伸びをしながらも必死に手を伸ばし、ぴりっ・・・!と音を立てて張り紙を回収した。)
とれた・・・!
(そして、きょろきょろと辺りを見渡して誰にも見られていないことを確認すればほっと一息ついた。ぱん、ぱん、と軽く紙についていた埃を払って)
こういうの、困るんですけどね・・・。
(ふと張り紙に目を落とせばそれはひどく淫猥な張り紙であった。どこの誰が張り出したのか、人の店を娼館か何かのように紹介した挙げ句、写真まで載せられていた。一応、目線には黒い線が引かれていて誰なのか分かりづらいようにはされていたけれど・・・。そこには自分の、あられもない姿が掲載されていた。)
・・・いつの間に撮られたんでしょう。
(正直言うと、覚えがない。 ・・・いや、このシーン自体は覚えがある。覚えがあるけれど・・・写真を撮られた覚えはちっともなくて。余程こっそり撮ることに長けた人物の犯行に思える。もしくは、自分が鈍かっただけか。無論、これは廃棄するつもりであるのだけれど、何気なくその内容に目を滑らせてしまった。そこには、自分だけではなく、様々なこの貧民街に住む女性達のあられもない姿が撮影されていて。ひどく淫猥なコメントで飾り付けられていた。それだけに飽き足らず、撮影者は妙な技術でも持っているのか、撮影された被写体を魅力的に映し、つい目が引き寄せられるような写真が数多く掲載されていた。無論、自分もその肌を、肉体を、最大限にアピールするような魅力的な構図で撮影されていて、思わず目を吸い寄せられてしまって。 ――つい、ごくりと唾を飲んで ほんの僅か。 僅かであるのだけれどその淫猥な記事に目を吸い寄せられ、見入ってしまっていた。)
■ユエル > (この手の映像を記録し、出力する技術・・・。あまり詳しくはないけれど、そういう魔道具は最近取引されるようになっていると聞く。未だ高価なその代物は民衆の手に渡るコトはそうそうないため、少女もまだ触れたことはないけれど、ここまで。ここまで、魅力的に。蠱惑的に映すものか。どくん、どくん、と心臓を高鳴らせ、熱の籠もった吐息を吐き出し、その視線はその記事に掲載された自分や、他の女性達の魅惑的な、はしたない姿に目が吸い寄せられていた。 ・・・そして、数十秒後、ふと我に帰れば)
・・・っ、いけない。いけないわ・・・。
(ぶんぶん、と頭を振って自分の心に宿った情欲の炎を振り切ってすべてを忘れ、抑え込もうとしようか。 ・・・けれど、一度宿った想念はそう簡単には消えない。 こんな私でも、こんなに魅力的に。こんなに綺麗に撮ってくれるなら、また撮られてもいいかもしれない。そんな想念が少女の心に、こびりついた。)
・・・まぁ、これは後で捨てておきましょうね。
(そう自分に語りかけるけれど、それは叶うことはなく。きっと、どこか自分の店の奥の奥。秘密の場所にひっそりとしまわれていつまでも残ることだろう。 そして、写真、というものの知識が未だない少女は気づかない。いわゆる、この記事に使われた元の写真・・・それは未だ犯人の手の中にあって、いくらでも再利用・頒布が出来てしまう、ということに。ひとまず、張り出された張り紙を処分したことに満足し、これ以降再び張り出されたとしても、少女が気づくのははて、いつになることか。
まぁ、さて。それはともかくとしても、件の少女はその張り紙を胸に抱いたまま、掲示板の張り紙なんかをついでに見て回るだろう。依頼はともかくとしても、その手の噂話なんてものにはとんと疎いがために、せっかくだからここで情報を集めていこう、という腹づもりらしい。 ・・・時折、頬を染めて目をそらす、という動きを見せる辺り、ここに張り出されているものは表に出せないようなはしたない噂話や仕事の依頼、そんなものが多いようであるけれど。)
■ユエル > (そして、あらかた見終わったのなら、ほんの少し赤みを帯びた頬を抱え、自宅への帰路について)
ご案内:「王都マグメール貧民街 裏通り掲示板前」からユエルさんが去りました。