2018/07/02 のログ
マリアージュ >  
「そうなのですの?
 でも苦しいのでしょう・・・?」

自分はその病気でなったことはないのですけれど、
ミルクを出した時は楽そうな表情をするのです。
お湯につかりまして、お湯をぱしゃっと足で蹴りまして遊ぶのですけれど。
お声を掛けられて、顔を振り返らせますと。

「――ユウヤ様も、お病気になっておられましたの?」

びっくりした表情です。
暫くその棒を見ておりまして、そして、そわっと腰が動いてしまうのです。
少し目尻がうっすら桜色になります。
そして、また身を湯船の縁から乗り出しますと、片手をつきまして。
もう片手を恐る恐る、というように手を伸ばして。
大きくなってます棒に指先を触れさせようとするのです。

「ミルク・・・出しましたら、小さくなりますでしょう?
 ときどき、棒も取れて完治もしますから」

と、気づかわし気な表情と声で、優しく言うのです。

ユウヤ >  
「いや…病気じゃな…え、取れる?取れたことあるんですか!?」

触れさせてはいけない、そう判断して即座に下がる。
自分のは見せた、あとは何とか説得できないかと考えようとしたが、男性器が取れるという意味不明の証言に思わず驚く。

「いや…これは病気じゃないんです…!生まれつき…最初からあるんですよ!
 それに…取ったら多分僕死んじゃいます」

相手の動きに合わせてじわじわと下がりつつ、何とか説得を試みる。
まさかまさか本当に取れるとは思っていないが、何かの魔法か何かで取れたら困る、将来困る。という理由で何とか死守しようとする。

マリアージュ >  
「もちろん、ありますわ。
 なくなりましたり、ころんと大きいまま取れましたり・・・」

当たり前のことのように言いまして、首を傾げさせるのです。
指を伸ばしましたが、後ろに下がられまして。
もっと伸ばしますと・・・もっと下がられまして。
お風呂の縁に乗せました手が限界でふるふるふるっ。

「そんな変なの、付いている方、おられませんわ・・・
 きゃんっ」

限界、と。
こけっ、上半身が洗い場に倒れてしまい、白いお尻だけ上がっている恰好。
固い床に転んで、ケガはないのですが、痛みに声が出なくて。
涙を浮かべ身もだえするのでした。

ユウヤ >  
「あるの…!?どんな魔法…」

思わず戦慄し、さらに下がる。
すると、無理に身を乗り出したせいで倒れてしまったのを見る。
そこで下がるのを止めて、しかし近づきもしない。

「あの…大丈夫ですか?マリアージュ隊長…」

マリアージュ >  
「普通に治療ですわ。
 でも、どうなったら取れたり無くなったりしますのか、
 よく判りませんの・・・」

転んだ痛みに涙目。
打った腕をもう片手で抑えまして。
苦鳴を少し上げましてから、顔をあげます。

「・・・痛いですの・・・」

くすん、と。
涙声なのです。

ユウヤ >  
「…そも治療って何…いや、もういいか」

そっとしゃがんでできるだけ目線を合わせる。
しかし、ここまでずれにずれまくった知識を修正するのは難しいだろう…。

…ならば、その知識を否定せずに、考え方を、上書きする。

「………ゆっくり、聞いてくださいね。
 確かに、僕にはあって、マリアージュ隊長にはありません。それは病気なのかもしれません。
 …でも、病気も悪いことばかりじゃないんですよ?」

伝わるだろうか、通じるだろうか。
それでも自分の不安を伝えるわけにはいかない。
しっかりと、相手の目を見つめる。

マリアージュ >  
のそのそ、湯船から足を動かしまして。
お風呂から出しますと、縁から落ちまして、膝をごんっ。
「~~~~っ」と膝を打った痛みに悶えまして、身体を丸めさせます。
とてもどんくさそうなのです。
ぐすんっ、と涙ぐみまして。

「――ユウヤ様?
 ご病気で苦しくても、悪いことばかりではありませんの・・・?」

涙が浮かび潤んだ、菫色の澄んだ瞳が、
寝転んだままユウヤ様を見上げるのです。

ユウヤ >  
「…例えば、生まれつきで足が動かない人が居るとする。
 でもその人は椅子に座る生活が多かったおかげで、座りやすい椅子の形を思いついた。
 例えば生まれつき、目が見えない人が居るとする。
 でもその人は目が見えない分音を頑張って聞いた。そうしたら、音で人の位置が分かる、どんな音も聞き逃さない、凄い能力を身に着けた」

ほとんど思い付き、苦しい屁理屈。
それでも、これ以上の勘違いで被害が広がるのは望ましくないだろう…。
そう考え、必死に言葉を紡ぐ。

「その二人は…無理にでもその病気を治そうと思うかな?」

マリアージュ >  
「――」

澄んだ瞳を向けたまま、静かにお話を聞きます。
静かにしていますと、精霊や妖精のように不思議な雰囲気なのですけれど。

「くすんっ・・・でも、足が治りますとお散歩できるようになりますしから、
 楽しくなりますし。。
 目が見えるようになりますと、音もたくさん聞こえまして、
 綺麗な花とかも見れるようになりますから。
 幸せな気分になれますわ・・・?」

こてり、と首を傾げさせます。
そして、気付くのです。

「あっ・・・お風呂の椅子に穴があいておりますの。
 その大きくなった棒を入れる為の穴でしたのね・・・!」

わたくし、また理解できました、と。
表情が明るくなってくるのです。

ユウヤ >  
「違う、その穴は全然関係ない、というか入れてどうするの…」

急ぎ追加で生じた勘違いに訂正を入れる。
そして、まだ納得できてない様子のマリアージュに、さらに言葉を紡いでいく。

「そりゃあ、その人たちも自然に治るなら治したいかもしれない。けれど、そういう人たちはムリには望まないと思うんだよ。
 全ての病気を治さないといけないわけじゃないと思う。病気のあるなしは、優劣じゃなくて個性だと思う。
 僕はずっとこの身体で15年生きてるし、今更これがなくなるのも考えられない。たまに大きくなっちゃって困ったり恥ずかしいこともあるけど、大したことじゃない、苦しくもない。
 歩くのに邪魔になったりもしないし、ちょっと下品だけど…少し長いものがあるおかげで、小便とかはしやすいし。
 …だから、無理にやらなくていいんだよ」

自分で聞いててもとても酷い理屈だが、それでも彼女のためになればと、そういう思いを込めて伝える。
…いつの間にか、ユウヤの男性器が力を失い、元の小さな状態に戻っているだろう。

マリアージュ >  
「――え?違いますの?
 でも、洗います時に、その棒を穴にいれましたら。
 落ち着いて身体を洗えますでしょう・・・?」

ちろっと、ユウヤ様のものを見るのです。

「でも。わたくし。
 そういう方ともご一緒に歩きたいと思いますもの・・・。

 ――15年も、棒が生えておられますの!?」

凄くびっくりします。
今まで聞いた中で、一番病歴が長いのです。

「――ユウヤ様。
 頑張れば、お胸も大きくなりますし、その棒もなくなりますわ・・・。
 ・・・あれ?」

と、周囲の精気でゆっくりと痛みが引いてくる身体ですが。
次見ますと・・・棒がかなり小さくなっているのです。
つい、まじまじとユウヤ様の股間を見てしまいます。

ユウヤ >  
「いや、みんな生まれつき…あ」

子どもの自分が長いわけがない…とそこで気づく。
もしかしてその人たちは後天的…所謂「生えてきた」人とか「生やした人」なのではないだろうか?
それならばと、口を開く。

「…もしかして、それは後から生えてきた人じゃないですか…?
 僕も噂でしか知らないですけど、後から生えてきたり、生やしたりする方法がある…らしいです。
その場合、消えたり取れたりすることもあるかもしれませんね…。魔法で無理やり生やしてたりすることもあるでしょうし。
 でも僕はずっとです。人の半分ぐらい…「男の人」は生まれた時から元々生えてるんですよ。それは病気ではないと思います」

…自分も何か勘違いをしている気もしなくはないが、もういっそこのまま勘違いを続けたまま押した方が早いだろうと判断する。
後天性のシステムは知らないが、元々生えてる病気じゃない人もいるということが伝われば恐らく大丈夫だろう…と、そう願いながら話す。

マリアージュ >  
寝ころんだまま首を傾げさせるのです。
うずくまっているのが、床が堅いですのでちょっとしんどいですので。
ころり。
仰向けになってユウヤ様を見上げます。

「――わたくし、棒は生えておりませんわ?」

ちらりと自分の股の間を見るのです。
後から生えてきた、というのに、こくり、と頷きます。

「そんな方法・・・呪いですの?
 この都、ちょっと変な感じですし・・・。
 ――お父様もお兄様も、そんな変なの、ありませんでしたわ?」

その股間の男性のものを意識したのが、王都に来てからだけなのであって。
きちんと父親にも兄にもあったのですけれど。

「でも、放っておいても小さくなったりしますのね・・・。
 わたくし、そうなったの、初めて見ましたわ。
 ユウヤ様、また大きくしてみて、それを小さくしてみてくださいましですの」

無邪気な笑顔。
はいっ、と両手を伸ばしまして。
立ち上がらせて、と甘えるのです。

ユウヤ >  
「…それは多分勘違いじゃないかなぁ?」

まさか父親が、ということは恐らくないだろう。
大方裸をほとんど見てないとか、そういうことだろうと想像する。

「そう…放っておいてもいいんです。
 …でも、自分で操作するのは難しいですね…。大きくするのはできるかもしれませんけど、恥ずかしいですし…小さくするのはもっと難しいというか…」

ちょっと言いよどみながら近づいて、彼女が立ち上がれるように両手を握る。
…途端に、何度か彼女に触れた時の感覚が襲ってくる。
しかし、既にふれることが条件というのは分かっていたので、手に魔力を集めて、何とか対抗しようと試みる。

マリアージュ >  
勘違い、と言われますと。
ぷくっと柔らかそうな頬が少し膨らみます。

「お父様とお兄様は、立派な騎士様ですものっ」

そうすねたような声をだすのですけれど。
はいっ、と手を握られまして。
んしょっと立ち上がります。
何かしている様子も、意識をしている様子もないのに。
ぐいぐいと流れこもうとする魔力。

「今度、どれぐらいで小さくなりますのか。
 見てみることにしますの・・・。
 ――ユウヤ様のその小さくします方法、判りましたら、
 大勢の方が助かるかもしれませんもの」

無事に立ち上がりまして、腰をかがめまして。
ユウヤ様の股間を見るのです。
そして上目遣いにユウヤ様の顔を見るのです。
打って少し赤くなっていたはずの肌も、白く傷ひとつない肌に戻っています。

ユウヤ >  
拗ねた声に対しては、軽く苦笑いをして誤魔化す。
まあそこまで言うのならば立派な騎士なのだろう…。騎士の定義を実は知らないのだが。

「小さくする方法はあるよ。…放っておくこと。
 他の人の裸を見たりして驚いたり、自分で触りすぎちゃったり、そういうことすると大きくなるけど、それと逆に何もしなかったら、自然と小さくなるから…。
 …だから、その、恥ずかしいから、あまり見ないで欲しいんだけど…」

病気と思い込み続けているのはもはや修正は難しいだろうかと、そこには触れないことにする。
そして、至近距離で見つめられ続ければ、興奮するなというのが無理な話だろう…。
彼女の目の前でまた少しずつ、性器が大きく、硬くなっていく。

マリアージュ >  
「・・・でも。それですと時間が掛かりまして。
 大きくなっております間は苦しいのではありませんの・・・?
 あ、ちょっと大きくなりましたかしら?」

ちょこんと指先で少しまた大きくなっている棒をつつこうとしかけます。
見ていたら恥ずかしいと言われますと。
素直に、身体をあげまして、ユウヤ様のお顔をにこにこと見あげてから、

「でしたら、後ろを向いておりますの」

と、その場で軽やかにくるり。
小さなお尻と白い背中を見せまして。
その腰の後ろで両手首をつかむような感じ。
でもすぐに、ちらりと後ろを見まして、下を見るのです。

「――もう小さくなりましたかしら? それとも大きくなりましたかしら?」

わくわく、と好奇心いっぱいの声で振り返るのです。

ユウヤ >  
突こうとする手を避け、そのまま相手が後ろを向いてほっと一息。
…する暇もなく、彼女の無防備な背中と腰回りが嫌でも視界に入り、やはり大きくなるのは止まらず。
そしてすぐにこちらへ向き直ってきたのを見てため息一つ。

「…もう一つ、見られると大きくなる。だから本当に苦しいのを止めさせたいなら見ないでそっとしておいてくれると嬉しいな…」

そう、どこか諦めを含むような口調で言う自分の棒は、また最初の時のように完全に勃ちきっている。

マリアージュ >  
小さく歌うようにハミング。
小さなお尻をゆっくりと横に、背中もゆらりと艶めかしく動かしながら。
そして体を傾けまして棒が小さくなっているかと振る帰りますと。
・・・随分と大きくなっているご様子。
不思議な表情で、ユウヤ様の顔を見上げます。

「わたくし、見ておりませんでしたわ。
 ――小さくしてみてくださいましですの。
 ・・・やっぱり苦しいのですの?」

見ていなかったと主張をして唇を尖らします。
ほら、こうしてましたもの、と背中を見せる格好に戻ってから、
また身体を傾けさせますと・・・また色々と見えてしまうのですけれど。

苦しいのかしら、と。
心配そうな声と、眉が下がった表情でユウヤ様を見るのでした。

ユウヤ >  
「いや…これが大きくなるのはもっと複雑で…はぁ」

無防備すぎる彼女をみて、説明を諦める。
そして悲しそうな彼女を見て、優しく頭を撫でようと手を伸ばす。

「…苦しくない。全然苦しくない。嘘じゃないよ。ちょっと二人で裸同士でいて、恥ずかしくて大きくなっちゃってるだけだから…」

そう自分で言うと、少し意識の外にあった彼女の裸体を改めて認識してしまい、思わず頬を赤らめる。

「…そろそろ僕も湯船に入ろうかな。寒くなってきたかも」

少しだけ、彼女の認識は変わった。
そう判断して、この場が何の場所であるかを思い出したかのように、湯船へと歩いていく。

マリアージュ >  
「そんなに難しいのですの・・・?」

心配そうなお顔ですが、さらりとした髪の頭を撫でられますと。
くすぐったそうな嬉しそうなはにかみ笑顔に戻ってしまいます。

「わたくし、頑張れって応援しかできませんのかしら・・・。
 あっ、わたくしもですのっ」

たててっ、また頼りなく転びそうな走り方。
急いでユウヤ様の後ろをついていくのです。

「100は数えないといけませんわ?」

そんなことを言いながら、えいっ、と声だけは勢いよく。
また、足先から順番に確かめるようにして湯船に入ろうとします。

「お風呂の中だと見えませんから、小さくなってますかしら?」

そんな無邪気に言いながら、付いてくるのです

ユウヤ >  
湯船に入り、ここまでの緊張を解くようにリラックスする。
ずっと湯船に入らず話を続けていたため、少し冷えてしまった身体にお湯が染みわたるようだ。

「どうだろうね…お風呂でリラックスしたら、小さくなってるかもね…」

そう呟きながら、大浴場特有の、大きな湯船に身を溶かすように、じっくりと浸かる。

マリアージュ >  
じゃばじゃばと湯船の中を近づいてきますと。
ユウヤ様のすぐそば、足の間に入り込もうとするのです。

「お風呂、気持ちいいですから。
 すぐに小さくなりますかしら?
 そうしましたら、今度からお風呂に入れて差し上げればいいのかしら?」

猫のように脚の間に入ろうとして、背中をもたせ掛けようとするのです。
暖かいお風呂、暖まる身体から花とミルクの香りがふんわり。

「マカロン、マカロン、美味しいマカロン。
 みんな仲良し、もふもふ大好き、あまあま大好き
 マカロン、マカロン、マカロン隊~♪」

身体を小さくゆすりながら、鈴音のような声を楽し気に、
即興で歌を唄うのです。

ユウヤ >  
「…ちょっと近いかな」

間に入ってくるのはやんわりと断り、彼女と隣り合わせになるように移動する。
質問に対しては少し困ったような、微笑むような顔をしながら首を捻る。正直自分自身も分かってない。

「…ところで、どうしてマカロン何ですか?」

少し気になっていた自分の隊の由来を、いい機会なので尋ねてみる。

マリアージュ >  
脚の間に入れてくださらないのに。
え~?と、ちょっと不満顔をするのです。
甘えたがりなのです。
横に並びますと、足が長い肢体。
立っている時とあまり変わらず見上げる事になるのですけれど。
小さな華奢な肩が時折こつん、とユウヤ様に当たります。

「ヴェルム様がお名前を付けてくださいましたのっ!。
 ヴェルム様もマカロンが大好きのですわね!。
 マカロン隊のたいちょーさんになって、
 隊員を捕まえてもいいですって言ってくださいましたのよ?」

動物だけでなく、本当に『人』を捕まえてくるなんて思われてなかったようですけれど。
捕まえた隊員さん一号がユウヤ様なのです。

ユウヤ >  
「捕獲されたのか、僕…。
 でも、ヴェルム師団長の命名ってのはちょっと意外かも…」

捕まえてきてもいいという意味が動物的な意味にしか聞こえず、ちょっと複雑。
てっきり彼女が付けた名前だと思っていたので素直に驚く。
彼女の肩が身体に触れると、少しよくわからない力が湧いてきそうになるが、できるだけ魔力をコントロールして、それを防ごうと試みている。

マリアージュ >  
「今日も・・・あっ、秘密ですの」

慌てて、両手でお口を押えます。
秘密は秘密なのです。ちらり、ちらりとユウヤ様を見るのです。

「隊員さんもたくさん捕まえまして、鶏さんを守りませんと・・・!。
 ヴェルム様も、マカロン隊に入りたいのかもしれませんわね・・・」

動物さんとも仲良しさんですし、と。
うんうん、と真面目に頷きます。
本人は、肌が触れるたびに魔力が流れていっていることにまるで気付かず。
そしてそんな魔力の消費など毛ほども影響がない魔力を内包しているのでした。

ユウヤ >  
「…?
 隊長は本当に動物が好きなんですね。僕も動物は好きですよ。
 師団長は…まあ、師団長の仕事あるから無理じゃないかなぁ…?」

秘密ならば、まあ聞いてはいけないだろうと判断してそれ以上は聞かない。
実は猫あたりは好きなので、ちょっと優しい笑みを浮かべる。
話ながら、そっと彼女から離れる。
魔力による対抗が想像以上に難しいようだ。何故かはわからないが…多分無意識なのだろうと判断する。

マリアージュ >  
「だって、森におりましたときですと。
 ずっと動物さんと遊んでおりましたもの・・・。
 街って、人が一杯おりまして、目が回りそうになりますわ?」

楽し気に体を揺らしますが、身体が暖まり火照ってきました。
師団長さんのお部屋に、もっと動物さんと遊びに行った方がいいですかしら?
と、そんなことを考えるのです。
師団長さんには迷惑なばかりなのです。

身体があったまってきて、頭が少しぼーっとしてきましたから。
少し離れられたのに気付きません。

「わたくし、もうそろそろ・・・」

と、お風呂をじゃぶじゃぶ。
立ちあがりまして、白いお尻を見せるようにしまして。
湯船から出ようとするのですけれど。
――くたりっ。
出ることが出来ず、湯船の縁にしがみつくようにしまして。
へたり込んでしまいます。

ユウヤ >  
「確かに…この国は人が多いですね。僕の旅してきたところはそんなに居ませんでしたね。
 その分、人と人とのつながりが大きかったような…?」

そんな感じで雑談をしていると、自分もそろそろ上がろうかと思い、彼女の後に出ようと考えていると、

「…っ、大丈夫ですか!?」

彼女の異変に気が付き、ざぶざぶとお湯をかき分け彼女に近づく。
そのまま先に湯船から出て、脇を抱えて持ち上げようと試みる。

マリアージュ >  
「――きゅぅ」

湯船にしがみつくようにしながら、目を回しています。
湯あたりです。
いつも入りますお風呂より熱かったのに、いつも通りに入ってしまいました。
白い肌をうっすらと赤く染めているのです。

とても軽い身体は、簡単に抱え上げることができます。
そんな状態なのに、勝手に流れる魔力なのですけれど。
本人は目を回しましてしまって、身動きもできないのでした。

ユウヤ >  
「…のぼせたのかな?とにかく…」

湯船から軽々と引き上げる。
華奢な身体ではあったがまさにこんなに軽いとは思わなかった。
そのまま、自分にも何か…魔力だろうか、そんな感じのものが流れてくるが、今回は利用させてもらうことにする。

彼女を一旦風呂場の床に寝かせる。
そのまま、額の上あたりに手をかざし、意識を集中させる。
魔力を手に集め、魔力を癒しの力に変え、彼女に流す。

―治癒魔法。今までの旅の中で、何度これに助けられたか分からない。
人に使って感謝され、謝礼で食いつないだこともあるし、自分自身に使って足のけがを治して安全な場所に避難した、なんてこともある。
ただの湯あたりならば自分の対処療法程度の魔法でもなんとかなるはずだが…と、少し祈りつつ、集中し続ける。

マリアージュ >  
白い肢体をくたりと、力なく。
ちょっと息を荒くするのですけれど。

風呂場の床に寝かせられますと、ふわっという気分。
治療魔法、その魔力を少し吸い、身体を癒す力も動くのです。
少しすれば、荒かった息も静まって、ゆっくりとした吐息となります。
それでも、目を開けることはありません。

――むにゃ
――ふわふわですの・・・

小さく呟くのは、そんな声。
すごく幸せそうな表情で・・・寝ているのでした。

ユウヤ >  
「………これは、起きないかな」

とりあえず状態は良くなったようなので、そのまま寝かせたまま。
大急ぎで脱衣所に向かい、バスタオルで最低限水分をふき取り、急いで服を着る。
そして、大浴場から出ると、女性の団員を見つけて助けを求め、彼女の介助をお願いした…。

…普通に混浴していたのでちょっと変な目で見られたのは、もう気にしないことにした

ご案内:「第十三師団拠点 大浴場」からユウヤさんが去りました。
ご案内:「第十三師団拠点 大浴場」からマリアージュさんが去りました。
ご案内:「森の中」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > 【待ち合わせ待機中です】
ご案内:「森の中」にワルセイ・イダーヤさんが現れました。
ワルセイ・イダーヤ > とある森の中、見た目は青年貴族だが実年齢は80代の老貴族、
ワルセイは炎天下の中薬草探しに精を出していた。

「ふむ、この薬草は質が良い。良く捜したな、エース」

そう言いながら、薬草を探し当てた蛇の内の一匹を撫でる。
ちなみに、この暑い中ワルセイは汗ひと筋もかいていない。それもそのはず、
自信で調合した『暑さをやわらげる薬』を飲んできているのだ。
そして、ワルセイの足元に蛇が二匹……

「ふむ、ベータ。近くに古びた小屋があるか……なら、そこから帰れるな。
そこを中心に薬草を集中して探そう。で、シータは……ふむふむ……近くに水辺か」

ベータとシータと呼ばれた蛇たちから、付近の情報を手に入れつつ、ワルセイは薬草を探すが……
薬が切れてきたようだ。少し暑さを感じ、一息入れようかと水辺へと向かう。
そして、近くの石に腰を据え、薬を飲む……
その後ろ、すべすべの赤い肌をした、巨大なクマがよだれを垂らし近づいているが、不自然なほど無警戒。
それもそのはず、森は、蛇たちのテリトリー。
樹の上では、使い魔の巨大な蛇が、その巨大なクマと言う餌を睨んでいて……

セイン=ディバン > 「……だぁぁ、あっちぃなぁ」

森の中、一人の男がそう呟く。ここ最近の暑さはかなりのものだ。
森の中は多少マシとはいえ、暑いのには変わりが無い。

「……一旦水を補給するとするか」

あまりの暑さにまいった男は、近くの水場で冷たい水を補給しようと。
記憶を頼りに水場へと向かうが、視界が開ければ……。

「……おいおい」

水辺近くに座る男性。その背後にいる巨大なクマ。
明らかにまずい状況だと気づいた男は、即座にリボルバーを抜き、クマへと発砲する。

「おいそこのアンタ! とっとと逃げろ……って。
 ワルセイさん……か?」

クマの足元に2発。弾丸が着弾し、クマは突然の敵襲に驚き、森の中へと逃げていった。
無益な殺生をせずに済んだ、と思い。男は男性に声をかけるが。
その男性は知り合いであり、思わず名前を呼んでしまった。
だがそこで、この姿で会ったことはあっただろうか、と思い直し。
男は武器をしまいながら自己紹介をした。

「えっと、どうも、お久しぶり。その……。
 オレは、セインです。あの、以前お会いした。バルの野郎の知り合いの」

信じてもらえるだろうか、と。不安に思いながら正直に名乗る男。

ワルセイ・イダーヤ > クマに関しては無警戒……と言うより、生きのいい餌だとでも思っていた蛇たちだったが、
銃声と共に、一人の男が乱入すれば、警戒心あらわに、ワルセイの周囲に蛇たちが集まってくる。
それこそ、小さい蛇から、子供の胴体ほどの太さのある大蛇まで。
だが、その蛇たちの内の一匹が、伝書蛇として、男のセインにあったことがあり、それをワルセイに説明。

「む?そなたは………?む、どうした、エース。ふむ、ふむ……」

蛇相手に話を聞く、とてもシュールな図だが、本人は大まじめ。そして、相手からの言葉を聞き、頷いて……

「うむ、なるほど。男の姿…と言うと変だな。元の姿のそなたに合うのは初めてか。久しいな。セインよ」

そう言って、こくんと頷けば、手を動かす。すると、蛇たちは警戒を解き、森の中へ戻っていく…

「ああ、覚えている……と言うと変かな?まあ、良いだろう……しかし、世間というのは狭いな……」

先日、この男のメイドを治療し、そしてしばらくして主人に会う……中々、世間というものは狭い。
と、ここで相手が汗をかいているのに気が付き……

「ふむ…このまま外で雑談。と言うのは暑いだろう。俺の屋敷に招待しようと思うのだが、どうだ?」

なんて、聞いてみて……

セイン=ディバン > 「うわあぁおっ!?」

自身の発砲にあわせ、男性の周りに大量のヘビが集まってくる。
そこで男は、この男性の執事もヘビを使い魔にしていたな、なんて思い出し。

「あぁ、いえ、本当にお久しぶりです。
 ……ははは、良くなついているというか。従順なんですね」

改めて相手に頭を下げつつ、森の中に戻る蛇についてコメントする。
使い魔を持たない自分にしてみれば、うらやましい話だ、と。
そのヘビたちの職務に忠実な所や、主人への忠誠を羨む。

「あはははは、確かにそれは。これもまた、縁、ですかね?」

男も、自分の雇うメイドがこの男性の世話になったことは知っている。
いつかは礼を言わねば、と思ってはいたが。こんなタイミングで出会えるとは。
これも運命かね、なんて内心笑いつつ。

「よろしいんですか? あぁいえ、ぜひとも。
 この暑さはたまったもんじゃあないですからね」

相手の提案に、男は何度も頷き。正直、この暑さが凌げるのならどこだって、くらいの勢いだ。
せっかくだ。お屋敷に行ったら礼も兼ねてお土産を転送呪文で取り出そう、なんて考えている。

ワルセイ・イダーヤ > 「ああ、久しぶりだ……バルジリスも、そなたとまた飲みたいのだが、中々捕まらないと言っていたぞ」

そんなことを言いつつ、セインに近づいていって。

「ああ、俺の大切な部下たちだ……ま、従順すぎて、たまに融通が利かぬのが玉に瑕だが」

そう言いながら、共に、森の中の小屋へと向かおう。
そして、これもまた縁と言われれば、ふっと笑い。

「ああ、全ては縁で繋がり、縁によって離れていく……それが楽しく、寂しくもあるな」

と言いながが、着いたのはぼろい森の小屋。

「ふ、まあ誰でも大歓迎というわけではないが、そなたは別だ。俺の大切な部下の、
こい……じゃ、今はないんだったな。数少ない友人だからな」

その扉に、古びた鍵を刺し込み、ガチャン。
そう、金属製でも無い扉から金属の音がなり、その扉を開ければ、セインにとっては
一度来たことがある、赤い屋敷につながっている…
内部は涼しく、薬草の心地よい香りが漂う。そして、客室に案内し。

「さ、今日はバルジリスは留守にしているから、蛇たちに冷えた薬草茶を淹れさせよう」

そして、指を鳴らせば、蛇が、まるで触手…と言うと変だが、
シュルと手慣れた様子でカップとビスケットのような茶菓子の乗った台を頭に乗せてきて……

「さ、一息つこうか……なに、バルジリスではないが、味は保証しよう」

そういって、椅子に付くよう促して……

セイン=ディバン > 「はっはっは。男と飲むより女と飲む方が楽しいんで」

友人がそんな事をいっていたと知れば、しれっと冗談めかしてそう言う男。

「ふふ、だからこそ信頼してる、でしょ?」

ヘビたちへの言葉が、実に優しげだったから。男はついついからかうように言ってしまう。

「むむむ。縁によって離れる、ですか。なるほど……。
 そういう表現も、あるか……」

小屋に入りながら、男は感慨深そうに頷いている。
縁が切れるからではなく、縁によって離れるとは。美しい表現だな、と思う。

「そりゃあ光栄です。……そうっすねぇ。
 今のオレはアイツの友人。アイツの恋人は……別にいる、でしょ?」

相手の言葉に苦笑しつつ答える男であったが。
目の前で扉の先の風景が、いつか見た風景へと繋がれば。
いよいよ驚くのも疲れた、とばかりに頭を掻く。
この男性は自分なんかでは敵わない程の超越者だな、と思いつつ。

「そうなんすか。……え、ヘビちゃんたちそんなことまで出来るんですか?」

友人はいないのか、と。少しだけ残念に思いつつ。相手の提案に驚く。
そのまま、本当にヘビがお菓子などを持ってくれば。ぱちぱち、と拍手し。

「早速、いただきます。……あー、ワルセイさん?
 あとでこのヘビちゃんを撫でても?」

椅子に座りながら尋ねる男。どうやら、器用なヘビにちょっと愛着が湧いたらしい。

ワルセイ・イダーヤ > 「ふふ、その気持ちは男としてわかるが、同性でしか話せぬ話もあるであろう……?」

なんて、相手からの言葉に返しつつ、信頼していると言われれば、こくん、と満足げに頷こうか。
そして、バルジリスの恋人は~との言葉には、ふっと笑んで。

「うむ……あ奴にとって、女とはただ嬲るだけの対象だったはずだ……
だから、ただの女ではダメだったのだろう。あ奴の、つがいになり、孤独を癒せるのはな…」

そんなことを言いつつ、客室へ。
そして、蛇たちの芸当に軽く拍手し、撫でてもいいかという相手には。ふっと笑みつつも。

「ああ、良いだろう。イータ。セイン殿の傍に行け」

そう言って、イータと呼ばれたカップを持ってきた蛇は、セインの傍によって……

「そういえば、先日そなたのメイドにあったが……中々に、愉快な二人であったな。
ネコとか言うほうは、中々に警戒心が強く、まさに猫であった。
イヌと言うほうは……まあ、良い娘だが、些か警戒心がたらぬ。
ネコの場合によっては刺々しいと感じるような性格を、イヌがやわらげ、
イヌの無警戒な優しさを、ネコが引き締める……良いコンビではないか。」

なんて、ふっと笑みつつ語っていると……トテトテ。そう可愛らしい足音と共に…

『お父様!お客様ですか?』

なんて、アルシャがやってくるだろう……
セインを見ると、チョン。とふわふわスカートを摘まみ、

『はじめま……して?オジサマ』

す、不思議そうながらもちゃんとご挨拶。

『えっと、どこかでお会いしましたか?なんだか、久しぶりに会うみたいな不思議な感覚です』

なんて、言おうか……

セイン=ディバン > 「あー、そりゃあまぁそうなんですけどね~」

やれやれ、冗談もお見通しか、と。相手の言葉に苦笑を強める男。
使い魔であるヘビとの信頼関係を感じつつ、相手の笑みを真っ直ぐに受け止める。
その男の表情は、真剣なものであった。

「……オレぁ今でも。アイツの恋人の……セレーナ? でしたか。
 ソイツを消滅させるべきだと思ってますよ。
 あまりにも不確定要素が多すぎる。今ならまだ世界の歪みとしちゃあ最小で消せますから。けどねぇ……。
 アイツ、その子に本気らしいっすからね」

やーれやれ、なんて言いつつも、複雑な表情の男。数少ない、というか。
本当に唯一くらいの男の友人の本気の恋だ。邪魔しようにもできないよなぁ、なんて考えている。

「おぉ……あ、案外硬い……」

近くに寄ってきた蛇をなでるが、想像よりも硬い感触にふおぉぉ、なんて呟きつつ。
案外この男、動物好きの気がある。

「あぁ、そう。そうでした。その件についてお礼を。
 あのクサレ未熟者共を救っていただき、ありがとうございます。
 ……はぁ、良いコンビ、ですかね。ならいいんですが。
 少しばかり、最近冒険者稼業に気を入れすぎているのが玉に瑕、でして」

改めて頭を下げる男。メイドたちに対して信頼や愛情もあるが。
まだまだ自分から見れば未熟だ、と。厳しい意見。
しかしそこで足音を聞けば。

「おぉっ! やぁアルシャちゃん! お久しぶりだ!
 オレだよ、バルの恋人を昔やってたセインだ。
 今はその女の部分は分離してどっかいったんだがね」

麗しい挨拶に男はにこにこと微笑み、転送呪文で、家の倉庫からプレゼントを取り出す。
おっきなふわふわのウサギの縫いぐるみ。良く冷えた氷菓子。子供向けとはいえしっかりとした勉強用の絵本などを差し出しつつ。

「相変わらず可愛いね、アルシャちゃん。どうだい?
 大きくなったらおじさんと結婚とかする気ない?」

親の目の前でこの発言である。命知らずにも程がある。

ワルセイ・イダーヤ > 話題が、バルジリスの恋人に向けば、中々に厳しい言葉……
まあ、元はこの男にかかっていた呪いなのだ。それくらい言う権利はあるだろう…

「うむ……呪いが受肉する…確かに、世界の歪みであろうな。
だが、世界というものは、脆そうで、中々に強靭なものだよ。
たった一つ、呪いが受肉し命と化したところで、未来へと続く世界の中では、ちっぽけな出来事だ。
百年、千年という時間の中で薄まっていく。歪みとは、そういうものだ…
ふふ、老人臭い話をしてしまったな。スマヌ」

何て謝罪しつつも、相手もまた、悩んでいることは分かって。
まあ、この男がどんな選択をしようと、それもまた、縁であり、運命というものだろう。
ワルセイにとっては、セインとバルジリスの二人…そして、バルジリスの子と、
セインが、敵対しないことを願うばかりで……

「ふふ、はてな。礼など言われるような事はしてはおらぬよ。
ただ、先日。ケガをした子猫と、それを心配する子犬を治療したが……
さぁて、な。」

あの二人には、言わないでくれと言われてはいるが、しっかりとばれているようだ。
まあ、約束は約束だし、ぼかしておこうかと……

『ふにゅ!ウサギさんのぬいぐるみ!』

ぬいぐるみ反応し、むぎゅーッと嬉しそうに抱きしめて、そして、美味しそうな氷菓、
勉強用の絵本を見れば、目を輝かせ……

『セインのオジサマ!素敵です』

なんて、単純な子猫は言って……
だが、結婚する気は~などと言われれば、少し困ったような表情。

『みゅ~……アルシャが…おっきくなったらかぁ……』

なんて、現実味が沸いていないような表情。

「ふ、アルシャには少し早い話だな……」

そう口を挟んだ父親。先ほどまでと同じ笑み。だが、目は絶対零度すら生ぬるいほどの極限の笑み。

「さ、アルシャ。ウサギさんのぬいぐるみを、部屋に置いてきなさい。俺は、このセイン殿に少し話がある……」
『……?はい、お父様!』

そして、アルシャが去れば……ふぅ、と息を吐く。

「さて、貴様は……アルシャの事。どこまで本気だ?あの娘は、まだ10にも満たぬのだぞ…」

アルシャの事となれば、先ほどまで親しく話していた男も貴様呼ばわり。心底親ばかである…

セイン=ディバン > 自身の発言に、相手もまた真剣な表情になる。
いかん、少し言い過ぎたか、と反省する男だが。

「……そうかもしれませんけどね。バルだって、もっと……。
 普通の女の子に惚れる惚れられるの幸せだってあったでしょうに。
 ……まぁ、本人が幸せなら。オレはこれ以上は口出しはしませんよ」

当初と違い、男もまた友人の幸せは願っているのだ。
ただ、不安なのは。呪いなんぞと結婚して、本当に幸せになれるのか、という点。
手出しはしないが、手助けするつもりもない。覚悟があるなら、自分たちでなんとかしろ、というスタンスである。

「まったく。アナタって人は……。
 わかりました。これ以上は無粋というものでしょう」

どこまでも大らかな人だ。そう思いつつ、男は言葉を重ねない。
相手が気にするな、と言っているのに。食い下がっては相手に恥をかかせる。
男は相手に頭を下げるに留めておいた。

「ははは、ウサギはお好きかい?」

相手が喜べば、少し老けたような笑顔を見せる男。
中年と言っていい歳の男にとって、この少女の純粋さはまぶしい。

「おぅ、もっと言ってもっと言って。
 って、あれ、あれれれれ?」

ステキ、なんていわれれば鼻高々。だが……。
目の前で凄みを見せる男性には、苦笑しつつ、ひらひら、とアルシャちゃんへと手を振り。

「うん? そりゃあまぁ、わりかし本気ですよ。
 あの子、大きくなったら国でも随一の美人になると思いますし。
 それにほら、今の内から悪い虫を寄せ付けぬために、オレという護衛を付けるってのはいいんじゃあないですか?」

相手の言葉にはのらくら、明言を避けるような言葉遣い。
しかし、すっ、と目を細めれば。

「……あの子が大人になって、オレに惚れてくれたら本気で口説いちゃいそうですね」

それはつまり。今は、唾つけているだけ、ということ。
子供が大人になるまでに、結婚の約束なんていくつ反故にするだろうか。
男自身、今の少女と本気で結婚しようなんて思っていない。
でも、大人になって靡いてくれたら、なんて思いはあるようで。

ワルセイ・イダーヤ > バルジリスの恋話。中々に根深い問題があるだろう……
だが、バルジリスにとっての幸せが、ただの「女」ではかなえられず、
セレーナと言う「雌」でなければならなかった……それは何故か。
など、バルジリスにも分らないだろ。だが……
セレーナを、どこまでも、どこまでも愛してしまっているあの蛇。
彼の未来は困難だらけだろうが、彼は今、どこまでも幸せなのだ……
それは、バルジリスと長く付き合っている、ワルセイでしかわからないような変化ににじみ出ているが……
まあ、わざわざ言うことも無いかと思って……
そして、アルシャの登場。素敵との言葉に鼻高々の相手。

『はい、もっと言います!とっても素敵です!セインのオジサマ』

何て言いつつ、去っていって……そして、絶対零度の目で見る父と、娘に着いた悪い虫…
と言うと言い方が悪いが、セインは向き合って……

「うむ、中々見る目があるな。アルシャはきっと、どこまでも美しく、優しく育つだろう……」

そう満足げに頷いた後。

「うむ、アルシャが……そなたを選ぶのなら、別にそなたを消すために蛇を嗾けはしない。
だが……ふぅむ……」

少し、悩むそぶりを見せ……ふっと苦笑。

「少し、話しが変わるが……そなたには、俺がなぜ、長く生きるか言ったかな?
……それは、妹のためだ。俺の愛しい、愛しい妹。彼女を、蘇らせる……その方法を、
探すために永く生きている。そして……だ。」

そして、そこで話しを一旦切り……

「アルシャを拾ったのは……妹と、魂の波長が似ていたからだ。産声を上げ、
扉の前に捨てられていたあの娘を拾い、育てようと思った理由…
それは、あの娘を、アルシャを実験台に、妹をよみがえらせれはしまいかと思ったからだ。」


そう、罪を告白する様に吐き出す。

「だが、あの娘が育っていくのを見て…そんな考えは、どこかに飛んでいった。
あの娘は、俺の……俺の、大事な娘なのだ。だから……あの娘の恋人に望むことは、
多くはないが、重いと思う。例えば……」

ふっと、疲れたような苦笑をして……

「いつか、起こるかもしれないことだが……年を重ねすぎ、狂ってしまい、
アルシャを実験台にしようとする俺を、殺せるか?とか……
妹を生き返らせるのをあきらめ、生きるのをあきらめ、滅びゆく俺を見て、
泣くであろうあの娘の、新しい「家族」になってくれるか?などな……」

そういうワルセイは、年相応の年老いたような表情だろうか……

「ふふ、バルジリスの友人だからこそ漏らしたのだ。あの娘や蛇には内緒だぞ……?
……そなたがアルシャに唾をつけるのは勝手だが、俺がアルシャの恋人に求める事は重いぞ?」

などと、苦笑しよう……

セイン=ディバン > 男同様、主人であるこの男性も、自分の従者の恋や愛について思うところがあるのだろう。
ならば、自分が口を挟む問題でもない、と。男は表情を柔らかいものにする。
この男性の周りの家族という存在。うらやましいとは思う。だが。
そこに自分如きが入っていいわけではないのだ、と。そう思っている。

「はっはっは、アルシャちゃんに言われると。
 おじさん嬉しいなぁ~」

のんき丸出しの声の男だが。少女が立ち去れば、きり、と表情を引き締める。
その辺はさすがに空気の読める男だ。

「見る目、っていうか。活発さ、利発さ、礼儀正しさ、物怖じのしなさ。
 淑女の基本は既にマスターしてるでしょ、あの子は」

相手の親ばかっぷりを無視し、そう評する男。世辞ではない。
本心から思っている。

「ははは、そりゃあ重畳。あ、そうだ。酒でも飲みますか?」

命の危機は去ったな、と笑いつつ。男は空間からワインを取り出すが。
相手の次の言葉を聞けば……何ともいえない表情になる。
ニヤニヤ笑いのようでもあり、真剣な表情の様でもある。

「直接はお伺いしてないですけど。えぇ、知ってますよ。
 お聞きしましたから。奥様から」

しかし、更なる言葉には、表情から笑みが消える。
何も言わず、勝手に細巻を吸う男。どう反応したものか、という様子。

「……今、家族として幸せなら。いいんじゃあないですか。
 少なくとも、親に売られそうになったからってひねくれた冒険者よりは……。
 今のアルシャちゃんは、間違いなく幸せだ」

それが誰のことかは言わず、男は天井を見上げる。
随分にシリアスな話だなぁ、と息を吐くが。
そんな相談をされるのは悪い気はしない。

「あー、そうっすねぇ。アンタを殺すのはお断りかな。紅月が無くでしょ?
 ただまぁ、紅月さんにも言いましたけどね。妹さんを助けるの。
 オレでよけりゃ手助けしますよ。ただし、お安くはねぇですけど」

ニヤリ、と笑いながら言う男。随分と買われたものだな、と。
内心恐縮の至りであるが。
なぜか男の表情はニヤニヤと笑ったままで、相手を見ていた。

ワルセイ・イダーヤ > 相手からの、娘への世辞抜きの評を聞けば、
ご満悦な表情になるのはどこまで行っても親ばかなのだろう…
そして、自分の罪を語り、アルシャの恋人へ求めることを語れば……出てきたのは、奥様と言う言葉。

「ぬ?まさかそなた、コウゲツと知り合いなのか?
……まあ、あ奴も冒険者をやってるから、不思議なことでもないか…」

などと、ややびっくりしたような表情で言うだろう。

「……ああ、あの娘は、幸せなのだろう……それは、俺にとっても嬉しいことだ」

そして、その後に続く言葉には、ふんわりと嬉しさのこもった声色で、こう返そう……
その後、妹を助ける手伝いとの言葉には、嬉しそうな表情ながらも……

「ふ……気持ちだけ受け取っておこう。これは……俺達、家族の問題だ。
そなたは気持ちの良い人間だが……やはり、妹の事は、家族の力で何とかしたいのだ」

そう、本心からの言葉をかけよう。そして、蛇がちょうどいいタイミングで、
上質なワインを持ってきて…

「おお、デルタ。良い選択のワインだな。さあ、飲もうか。セインよ」

そう言って、ワイングラスに注ごうか……すると、アルシャも戻ってきて……

『あ、セインのオジサマにお父様も!私も一緒にぶどうジュース飲みます!』

何て言えば、蛇がぶどうジュースのボトルを持ってきて、ワイングラスに…

「ふ、では、乾杯」

こうして、二人の主人と一人の娘は、楽しく話をするだろうか…?

セイン=ディバン > 「えぇまぁ。ちょっと情報提供を。
 ……一応、言っておきますけどね。奥様の貞操観についてはちょっと、躾けた方がいいかと」

相手からの言葉に、苦笑する男。聞き捨てなら無い言葉であろうから、男はすぐに言葉を続ける。

「情報提供の代金として、ちょっと……ですが。
 アナタの奥方と先に分かってたら抱きませんでしたよ。
 おまけにオレに好きとまで言うし。まぁ、ライクでしょうけどね。
 ラヴはアナタにだけ向いているのは間違いないでしょうが」

言い訳のような言葉の羅列だが、男は申し訳なさそうにしている。
とはいえ、肌を重ねたのは事実なのだが。

「……ま、幸せなのはいいことっす。って……。
 つれないなぁ。もう紅月さんから【代金】も頂いてるんで。
 仕事はきっちりさせてもらいますよ」

協力を拒まれれば、男は肩を竦める。
乗りかかった船だ。それに、他でもないこの男性への協力なら、どれだけの手間も惜しまぬつもりで。

「ありゃ、オレの出したのよりグンバツにランク上のワインだ。
 デルタちゃん、だっけか。ナイスチョイス」

ヘビにサムズアップして見せれば、丁度アルシャちゃんが戻ってくる。
男はアルシャちゃんの耳に口を近づけると……。

「アルシャちゃん、こっそりお酒飲んでみる? 美味しいよ~?」

などと悪魔の囁き。ただし、男性に聞こえるように言っている辺り。
本気ではないらしいが。そこで男はニヤニヤ笑いのまま、相手を見る。

「そういえば、紅月さんから聞きましたよ?
 ワルセイさん。真摯な見た目の割りに……情熱的で、激しいそうで」

失礼なことを尋ねつつ笑う男。夜は更けるが、男は語り明かすだろう。
得がたき友、あるいは仲間という存在。そのあり方に感謝しつつ。

ご案内:「森の中」からセイン=ディバンさんが去りました。
ご案内:「森の中」からワルセイ・イダーヤさんが去りました。