2018/06/30 のログ
ご案内:「第十三師団拠点」にヴェルムさんが現れました。
ヴェルム > 【待ち合わせです】
ご案内:「第十三師団拠点」にマリアージュさんが現れました。
マリアージュ > 【とてとてなのです!】
ご案内:「第十三師団拠点」にユウヤさんが現れました。
ユウヤ > 【到着です】
ヴェルム > 第十三師団拠点…王都から離れた地にある放棄された貴族の屋敷を改装して作られた軍事拠点。
屋敷は本部として改装され、その本部を中心に無駄に広大な土地を有効活用して寄宿舎や修練場などの施設が揃っている。

「そろそろ来るかな」

そんな本部の執務室の椅子に座っている師団長ヴェルム。
元々貴族の屋敷とは言え、無駄な調度品などはとことん整理しており、初めて訪れる者はその無骨で厳粛な雰囲気に緊張してしまうとかなんとか。
今回はとある任務を遂行するため隊長に指名したマリアージュが、なんと新しい「人間の」仲間を捕まえてきたと言うのだ。
つまりこれは、新しい団員候補に行う採用面接みたいなもの。
マリアージュがその新人にどんな感じの説明をしたのか想像すらできないので、話が違うとか言われたらどうしようなんて思ったりもしていた。

マリアージュ >  
「まだ、ユウヤ様は来ておりませんかしら?」

こんこんっと扉をたたきまして、顔を覗かせますマリアージュ。
そして急いで準備なのです。
今日はオトナっぽく、紅茶にします。
葉にお湯の温度、そして蒸らしもきちんと。
その分、ケーキは甘いキャロットムースを使ったタルト。
一口ずつ食べれるサイズです。

と、音もたてずにエプロンの裾を軽やかに揺らしてカップとお皿を並べるのはメイドも顔負けです。
慌てなければこれぐらいはできるのです。
ただ、マリアージュと一緒に来たのが・・・運ぶのを手伝っていた雌山羊に、
足の短い茶色い犬、麦わら帽子を被った兎に、意識高い系の黒猫、尻尾の大きな栗鼠、白い小鳥と
順番にふわふわクッションに持ってきて座る様子は普通ではないですが。

そして、最後に堂々と来る、最大級の七面鳥ぐらいまで大きくなった、
目付きの悪い、王者のオーラを纏う雄鶏さん。
鶏がヴェルム様を見上げるのです。

ユウヤ >  
「大きい…」

王都から離れ、やってきたのは貴族の元屋敷と思われる建物。
…なるほど、第十三師団はここを拠点にしているのか。
外套のフードを外し、一番大きな建物の前に居る、見張りらしき人物に声を掛ける。
その人物に身分を明かし、案内してもらい、執務室の前まで案内してもらう。
そして、自分で執務室の扉をノックする。

「…失礼します」

ヴェルム > 「やぁマリアージュ……今日は大所帯だね…」

第一印象は大事だ、だから執務室の椅子にふんぞり返るでもなく、すまし顔で座っているだけでなんとなく格式高い感じになっていた。
それがまぁ、崩された。

紅茶や美味しそうなタルトを持って来てくれたのは良い、実に気が利いてるし、落ち着いていればヘマをしないところも安心する。
ただ、彼女の後からぞろぞろ入ってきた動物たちには、さすがのヴェルムも苦笑いせざる終えない。

「…お元気そうで、鶏閣下…」

もうすっかりこんな光景も慣れたものだけど、まさかほぼ全員連れて来るとは思わなかった。
さすがに馬までは入っては来なくて安心したが。
どれも本来は師団の家畜や食料、番犬から入り込んだ野良猫だったものたちなのだが、今はもう師団の一員…だと思う…。
貫禄のある鶏に見上げられれば、とりあえず軽い挨拶を。
と、ようやく新人が到着したらしい。

「あ、ああ…入っていいよ」

まぁこうなってはしょうがないので、飼育小屋みたいな感じになった執務室に新人を招きいれよう。

マリアージュ >  
「あっ、ヴェルム様!。
 だって、きちんとご紹介しませんといけませんでしょう?
 もふもふ感の違いで、だめとか嫌ですもの」

と、朗らかな笑顔なのです。
鶏さんはヴェルム様の言葉に『うむ』とばかり寡黙に頷きますと、翼をばさりっ。
書類棚の天板に乗り、皆を睥睨する尊大さ。

「そうですの。
 せっかくですからお名前をあげましたら、すくすく大きくなりましたの」

と、普通の事の様に言いますけれど、ノックの音にちょっと慌てまして。
自分の分の椅子に急いで脚を揃えて背筋よく座ります。
栗鼠がちょろちょろっと着まして膝の上に乗りますと、差し出されたもの。
付け髭と・・・眼鏡。
そういえば、先ほど。口うるさい会計係の方が「眼鏡がない」と言っていた気もしますが。

「ありがとうございますの」

とリスにお礼を言いまして、鼻の下に付け髭をぺたり。
そして少し大きすぎる眼鏡をかけてみます。

「えと、あ、ああ・・・入ってよろしくてよ?」

と、ヴェルム様のまねをしてみます。
顔にかかった前髪を、片手で後ろにふさっと流します。

ユウヤ >  
中からの返事を聞くと、丁寧に扉を開き、入る。
静かに扉を閉めると、数歩前に出て立ち止まる。
キチンとした作法などは知らないが、大きく間違ってはいないだろう…

「初めまして、旅人のユウヤです。今日はよろしくお願いしま…す」

真面目に挨拶しようとしたが、後ろに並んでいるお菓子などが目に入り、思わず一瞬言いよどむ。
単なる面接だと思っていたが、お茶会というのは本当だったらしい。

ヴェルム > 「…まぁいいけど、あんまり散らかさないようにね。
あとその付け髭と眼鏡は……その眼鏡どっかで見たな…」

掃除が大変だから…と心の中で思いながら、書類棚の上に飛んだ鶏の子羽が舞い散るのを眺めていた。
とりあえずまずは来客が着たので応対しようとするも、眼鏡に付け髭を着用し始める自由なマリアージュに、ヴェルムは振り回されっぱなし。
甘すぎるんだろうか…。

「ようこそ、王国軍第十三師団へ。
私が師団長のヴェルム・アーキネクトだ。
まぁ緊張せず気楽にしてくれ」

マリアージュの言っていた新人は、小柄な少年だった。
だが見た目で判断はしない、少なくとも礼節は弁えている様子だ。
とりあえずまずは彼を招き入れ、応対する形で座らせよう。
紅茶の香りが漂う執務室は、変装したマリアージュに動物までいるちょっとしたカオスな空間だったかもしれない。

マリアージュ >  
「今日はわたくし、騎士様でたいちょーさんで、出来るオトナですの」

目を瞑って、ふふんっと自信満々です、
どんな仲間が入るのか、動物たちの厳しい?目がユウヤ様に向くのです。
小鳥だけ、ちちっ、と。
少し羽を膨らませて再会の挨拶です。

「よく来てくださいましたの、ユウヤさ・・・あぁぁあ・・・」

立って出迎えの挨拶をしようとして立ち上がり顔を向けましたら、目の前がくらり。
よろよろ、と膝をつきます。
目の前がゆがんで見えるのです。
ダイナーの攻撃!?、と一瞬思ってしまうのですけれど。
――度入りの眼鏡のせいです。
動物さんたちは、そんなマリアージュがよろめく姿も、いつもの事だとばかりに動じることもなく、
ユウヤ様がどういう人種なのか確認しようと真面目な目を向けています。
ただ、出来るオトナに見せたいという要望を叶えようと準備してきた栗鼠さんが、
申し訳なさそうに、マリアージュから眼鏡を外すのでした。

そんな役立たずなマリアージュの横で、ユウヤ様は座られるでしょうか。

ユウヤ >  
「…はい、失礼します」

後ろで羽根が舞ったり、めまいがしているケイン隊長と、中々カオスな状況が目に入り、一瞬反応が遅れる。
が、少し想定していたので、そのまま案内された椅子に座る。
…報酬を期待して来たが、果たしてその判断が正しかったのか、若干過去の自分を疑いながら。

ヴェルム > 「わかってるよ、マリアージュは出来る大人だから、少し待っていられるよな。
僕は彼と話をするから」

とりあえず動物たちは、後輩?がどんな人物なのか見定めようとしているらしく、じっと大人しくしてくれている。
マリアージュも眼鏡のせいでふらふらだが、上手いこと言えば大人しくしていてくれるかな。
彼女の淹れてくれた紅茶を一口飲んで、ユウヤの方へ視線を向ける。

「マリ…ケイン隊長から聞いているが、十三師団のマカロン隊に入りたいってことでいいんだな?
彼女がどんな説明をしてるのか少々不安なんだが…とりあえず条件が合えば入団を許可しようと思っている」

普段はマリアージュと呼んでいるが、対外的にはケイン呼びのほうがいいだろうか。
まずはお互いの認識にズレが無いかどうかを、入念に確認する。
マカロン隊の任務、十三師団についてなどなど、当然入団の契約の話にもなる。
人手不足な面もあってか、入団そのものについては師団長側は前向きなようだ。

マリアージュ >  
ユウヤ様のその動きに、動物たちは小さく頷きます。
大きな鶏も上から頷いています。
気にせず動ける、できる人種だ、と。

眼鏡を外してもらいまして、顔をふるふる。
瞬きをしまして、澄んだ瞳をきょろきょろさせましてから。

「・・・治りましたわ」

そしてゆっくりと立ち上がり、ワンピースの裾を直しましてから。
軽く握った手で口元を隠しまして、小さく咳をこほんっ。
静かに、椅子に座りなおします。
少し俯き、頬をうっすら桜色にそめておりますけれど。
ごめんね、と肩に上った栗鼠が頭をなでなでとしてくれます。

かつん、と窓がなります。
窓の外には、鷹や小鳥が並び中を覗いているのです。

にんじんも、おいしいですわ~

と、声に出さずに、ユウヤ様に口だけ動かして伝えようと頑張るのです。

ユウヤ >  
「はい。…といっても、一時的に所属、という形が望ましいです。
 ケインさんには『砦が完成するまで』の期間に『相応の報酬』を支払ってくれるなら、という条件で入隊するとお話ししました」

王宮の庭ではなしていたことを思い出しながら、冷静に、淡々と言葉を述べていく。
…ヴェルム師団長の目を見て話しているため、外からの口パクには気づいていない様子だった。
飲み物等には手を付けずに、そのまま話だけに集中している。

ヴェルム > 動物たちも大人しく、マリアージュもタルトに夢中なようで、これでようやく冷静に話を詰められる。
と、窓が鳴ったと思えば別の鳥たちが覗き込んでいるではないか。
長引くと執務室が動物園になりそうだ…。

「なるほど、期間団員でもこちらは構わないよ。
相応の報酬か…きちんと給金は出るからそこは安心してくれていい。
それと衣食住も師団が提供するよ。
それ以外に望むものがあるなら言ってくれ」

給与は王国軍一般内勤兵士となんら変わらないが、衣食住を師団側が提供するというのは珍しいシステムかもしれない。
傭兵や冒険者が十三師団に多いのも、お金が溜まりやすいというのがあるだろう。

マリアージュ >  
・・・人の子は手が器用だから物つくりにいいのかしら?
・・・畑にも人の道具が使えると便利です。
・・・警備にも人がいる方がいい。
・・・いや、人ということは物を手に入れることができるのろ思うのです。クルミ、欲しいです。
・・・いや、まて。好奇心でいらないことをする人種かもしれん。
・・・人の子は、光る物が好きらしいよ!

と、動物たちは耳や尻尾、羽で会話を静かにしているのですが。

「・・・わたくしだって、お手伝いもお使いもできますわ?」

はむはむ、と小動物のようにタルトを頂き、
美味しそうに頬を片手で押さえて幸せそうな表情をしますけれど。
動物さんたちの会話に唇を尖らして、小さな声で言うのです。
タイミング合わせたように、動物たちの顔が逸らされます。

ヴェルム様はお紅茶だけ、ユウヤ様はどちらにも手をつけない様子に。
そわそわ、そわそわ。
兎さんが収穫した甘く美味しい人参で作りましたタルトも食べてみてほしいと。
ヴェルム様とユウヤ様の手元が気になりまして、
椅子に座りながら体を傾けさせるのです。
黒猫がクッションから動き、我慢しなさい、
めっ、とばかり肉球で脚をてしてしされてしまいます。

ユウヤ >  
「…衣食住も、ですか?
 …いえ、他の条件は特にありません。十分です。
 条件以外で訊きたいことといえば…そうですね、
 予定している砦の規模の確認がしたいですね。」

予想以上の条件に思わず驚く。
野菜と動物もふもふだけというのは何だったのだろうか。
どう聞いても地雷案件と見せかけて、実は好待遇と来た。
思わず先ほど疑った過去の自分に平謝りしたいと思うほどだった。

ヴェルム > なにか視線を感じる……兎だ!
たぶんこの甘そうなタルトを食えと訴えているのだろう。
色合いからして恐らくキャロットタルト…美味しそうだが、まだなんかタイミングが悪い気がする…。
一応食べるつもりであることを示すように、タルトの乗った皿を手元に近づけたのだった。

「ああ、拠点内での業務なのにお金を使わせるのはおかしいだろう?
作業服も支給するし、寄宿舎に部屋も用意する…宿舎には食堂や風呂もあるから自由に使ってくれて構わないよ。
砦…まぁ彼女はそう言っているが…具体的には庭園作りというのが正しいか…。
私の認識だと拠点の裏手を使ったそこそこの規模だと思っているが…ケイン隊長?」

人手不足、つまり物や金はそれなりに余っているということだ、皮肉にも。
寄宿舎もどんどん増築しているため部屋は余っている。
師団の性に関する風紀については、後できちんと説明しよう。
砦と表現した彼の言葉に苦笑いを浮かべれば、庭園ぽい感じになると訂正してみよう。
規模についてはざっくりとした「絵日記」を見せられただけでヴェルムも実はよく把握してなかったりしたので、その説明をマリアージュ隊長に求めたのでした。

マリアージュ >  
大きな鶏さん、古強者のオーラを纏ったまま。
書類棚の上に居座り目を瞑り、うっつら、うっつら。

脚をてしてしされまして、背筋が伸びた令嬢のお座りに戻りまして。
タルトのお皿をヴェルム様が食べるように引き寄せた様子に、
マリアージュと兎がほっとするのです。
ソーサーを取りまして、カップをくぴり。
澄ました顔で、深窓の令嬢然とした様子に戻ります。
――付け髭は付いたままですが。
口の中をリセットしまして、またタルトをフォークではむっ。
甘くておいしくて、またほっぺを軽く押さえて幸せそうな笑顔になってしまいます。

一度名前を呼ばれましても、タルトを味わっておりまして気付かず。
そして二度目ではっと顔をあげまして。
口元をもくもくと急いで動かしまして、こくりと喉を動かします。

「こーんなに、大きいですわ?
 ねぇ?」

とフォークを置きまして、両手を広げて一杯を表現するのですが。
大抵の場所が両手を広げて表現するのですけれど。
何故か、動物たちはまた顔を反らしますので、
首を少し傾げさせてしまいます。

ユウヤ >  
「…ケイン隊長?」

ヴェルム師団長に話を振られても気づいていないケイン隊長に自分からも声をかける。
自由な雰囲気に、何となくため息をつく。
そして、自分が硬くなりすぎなのが馬鹿らしく思えたのだろうか、机の上の紅茶を口にする。

ヴェルム > 「…まぁ、あれだ…
好きな間だけ居てくれてかまわないよ」

マリアージュに砦(庭園)の規模を尋ねてみれば、なんとも曖昧な表現。
恐らくはマリアージュや動物たちのニュアンス次第で規模はさらに拡張されたり、追加工程が発生したりするのだろう。
とりあえず、規模は不透明ということで、具体的な期間は定めずユウヤの望む間だけ働かせることにしようと。

マリアージュ >  
ぴょこんっ、椅子から飛び上がるように立ち上がります。
ハシタナイ、と猫にまた肉球で叩かれますけれど。

「ユウヤ様、マカロン隊にようこそですのっ!。
 あとで、皆様をご紹介しますわね?」

そのまま、わぁい、と。
常通り人懐っこく。はぐっ、と抱き着こうと。
ぱたぱたっと座ったユウヤ様の背中に向かってくるのでした。

ユウヤ >  
「………なるほど、一応、自分はあまり同じところに長居はしないようにしているんですけど…」

ざっくりとした職場に思わず、あきれそうになる。
一応、旅の理由も言った方がいいかと思い、一瞬言いかけるが、すぐにやめて少し目をそらす。
…大した理由でもない、言うまででもない。そう自分に言い聞かせて。