2018/06/16 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 貴族邸宅」にヒマリさんが現れました。
ヒマリ > 毎晩どこかしらでパーティーは開かれている。
それが腐敗した王侯貴族の生活である。
異国で育った少女もまた、家長として招かれることがあった。
ただし性格上、宴を楽しめたことはない。

(時間の無駄だ)

普段、異国の衣を好んで身に着けているのだが、こういう場面では王国式のドレスを着用する。
つまりはおめかししているわけだが、それも無駄だと思えるくらい壁の花であった。

並べられた料理はほとんど手つかず。
デザートの果実の山が放つ、むせかえる様な甘ったるい匂いが殊更少女の気分を悪くさせる。
少しでも退屈しのぎをと、他の招待客の顔や仕草を視線で観察し、時間を潰していた。

ヒマリ > 和やかに談笑している彼らにも本心があり、その全てを晒してはいないのだろう。
そう考えるだけでこの場が更に茶番だと感じたし、馬鹿げていると思う。
だが結局は自身も同じなのだ。
彼らの前で本音を口にしたことない。心から笑ったことも。

(そういうものだ。油断して瑕疵を見せてもつまらん)

己の体に流れる血の半分が、ミレー族と同じだと知れば彼らは己を蔑むのだろう。
少女の双眸は一瞬にして冷める。

そんな様子を知ってか知らずか、一人の男が話し掛けてきた。
明らかに年若い少女相手に、男はいかにも格下の存在に振る舞う態度であった。
しかし少女は一転し、にこやかに応対する。

それもこれも、茶番に溶け込むため。家を繁栄させるため。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区 貴族邸宅」からヒマリさんが去りました。