2018/05/28 のログ
ヴェルム > 「はぁ…なら、王都に戻るまで面倒を見よう…。
言っておくけど、こっちの仕事が優先だから時間掛かるよ?」

彼女からすればそれでも構わないといったところか。
さすがに女性一人を徒歩で帰らせるのもよろしくない。
我々は現在、テロの証拠捜索、生存者捜索、遺体回収の任務を行っており、その後は遺体をこの地に埋め簡易的な墓をつくるつもりだ。
遺体を持ち帰っても野ざらしにされるだけだろうし、亡くなった者には罪はない。
このまま放置しても、野犬や盗賊に荒らされるだけだ。

「里の外にテントを張るから、その中で大人しくしていた方がいい。
我々の仲間と思われればテロの標的にされかねないからね」

人気の無い山中とはいえ、ミレー族に見られれば非常にまずい状況にいるのだ。
星の聖猫派に十三師団の関係者と思われれば、彼女にも危害が及ぶ可能性もある。
我々の作業が終わるまでの間、テントで大人しくしてもらえればいい。
帰還途中でどこかの商隊と合流し、そちら側に移れば狙われることはないだろう。

しずく > 「あ…はい…。どうせ…暇なので…えひひ…」

(この雰囲気、この感じでは自分の思い通りにはいけないと思い大人しくテントで待つことにする。正直、家族は魔術師でマゾとなった自分を見捨てたために、人の死等に関してはあまりどうこう言えないため、とにかく大人しくするだけである)

ヴェルム > 「食事と寝床は用意するよ、それじゃあ頼む」

同意を示した彼女に納得すれば、部下に指示を出してテントの用意を。
どの道捜索と墓の用意には1日では足りないだろうが。
ただ、一応彼女がどこかに行かないよう秘密裏に監視も付けておく。

翌日、恐らく里の長の家屋だったであろう瓦礫の下より、王国に対するテロの計画書が発見された。
亡骸は里の地へ埋葬し、木材を用いた十字架を立てて墓とした。
残念ながら生存者は見つからず、十三師団としては歯痒い結果。
とはいえ目下の命令を達成した師団は、しずくを連れて王都まで無事帰還することになる。
彼女についても、恐らく十三師団の関係者だと思われることなく、自宅へ帰ることができただろう。

ただ、十三師団が帰還した翌日、王国軍の広報より…
『王国軍第十三師団 星の聖猫派拠点を攻撃しこれを撃破! 捕らえられていた民間人も無事救出!』
という、事実と異なる号外が発布されたのだった。

ご案内:「とある山中にあるミレーの隠れ里」からヴェルムさんが去りました。
ご案内:「とある山中にあるミレーの隠れ里」からしずくさんが去りました。
ご案内:「ワルセイのアジト」にワルセイ・イダーヤさんが現れました。
ワルセイ・イダーヤ > 【お約束待機中です】
ご案内:「ワルセイのアジト」に紅月さんが現れました。
ワルセイ・イダーヤ > 夕日の沈む森で、紅月と互いの、互いへの愛を確認した後。二人が手を繋ぎむかった先は……
森奥の、ぼろ小屋だった。

「さて、コウゲツよ。俺の家に案内しよう……」

そう言えば、そのぼろ小屋の鍵穴に、古い鍵を差し込み。一回し……すると、扉の奥で、薄い光が…
そして、扉を開けば、そこはぼろ小屋などではなく、赤い壁に、赤いカーペット…赤メインの内装の貴族の屋敷が広がっていて……
そして、フロントにある階段。そこの壁には、長めのフワフワした黒髪と、赤い目をした少女の絵が飾られている。
部屋の中はほんのり暖かで、薬草のにおいが爽やかに香っている。

「ふふ、ここが俺のアジトだ。場所は遥か北の果てにあるのだが…この鍵があれば、どこでも繋がる
……この絵は、我が妹、ナピの元気だったころの絵だ……」

そう語るワルセイの目は、やはり悲し気で……
そんな時、奥の方から、モフルムが転がってきて……

『待ってー。マフマフー!』

そう言って、その後ろから、黒髪のふわふわ癖っ毛。笑顔が似合いそうな顔立ちの、絵とそっくりな少女……違うところと言えば、頭に、ミレーの証の猫耳が付いている所か…が走ってきて。

『もっふっふ~』

モフルムは、コウゲツの足元で止まり、スリスリと友情の頬擦り?をして…

『あ、おかえりなさいませ、お父様!』

娘は、ワルセイをお父様と呼び……そして、隣のコウゲツを見ると、不思議そうにして…

「うむ、ただいま。アルシャ」
『……?隣のお姉さまはどなたですか?』

と、聞くだろうか……

紅月 > それは、木こりの休憩小屋か、それとも猟師の隠れ家か…
…おそらく、掘っ立て小屋だとかボロ小屋と呼べる物で。
『家に案内しよう』
そう言われていただけに、首を傾げる。
…この小屋に転移陣かポータルでも隠してるのかしら。
不思議で不思議で仕方ない、といった表情がありありと浮かんでいるだろう。

「…成程、鍵の方か」

かちゃり、と鍵の開く音。
扉の向こう側の気配が、空気の流れが、匂いが変わる。

赤を基調としたラグや壁紙、大きな階段に、調度品も質の良さそうな物ばかり…正に貴族の屋敷、といった風である。
…正面の絵画が彼に何処と無く似ているのは、おそらく家系の誰かが描かれているからだろう。

見慣れない、西洋の、それもきっと高価な物ばかり…それでも何となく落ち着くのは、嗅ぎ慣れた薬草の薫りが何処からともなく漂うからだろうか。

…けれども、何というか……さっき(小屋)と今(屋敷)とで落差が激しすぎて目が追い付かないというか。
ポカーンと、してしまう。
そして男に絵画の紹介をされれば、目を細めて。

「この子が…ワールの妹さん。
可愛い子だねぇ…将来が楽しみだ」

ワルセイはこの世のあらゆる手段を探したのだろう…けれど、まだ希望はある。
ヒントは『私が何者であるか』だ。
…この世でダメなら、異界の知識。
そもそもこの国はまれびと、異界人がそれなりに訪れている国だ…異界から新たな病原菌の一つや二つ、持ち込まれても何らおかしくはない。

臨時とはいえ砦で癒師をしているし、実家でも回復役をやっていた…多少は、役立てるかもしれない。
この兄妹が笑い合う姿を、私は見てみたいのだ。
悲しげな男の隣…数歩前に歩み出て絵画を見詰める女の表情は、希望に満ちているだろう。

…もふっ。
シリアスを吹っ飛ばす癒しの肌触り。
見下ろせばリンゴの森以来の友人が頬擦りをしている…あー可愛い。

「久しぶりねぇ、もふちゃん!」

その場でしゃがみこんで、その毛皮の手触りを堪能する。
と、近付いてくる少女…は、これまた写真で見た猫耳の小さな天使さんではないか!

「若親子、眼福だなぁ…」

モフルムをひたすらもふり倒しながら呟いて…そして、少女と目が合う。

「こんにちは、私はコウゲツっていうの。
このもふちゃん…まふまふ?のお友だちなのよ?
貴女のお父様にも親切にして頂いたわ。
…宜しくね?」

と、軽く自己紹介をし…握手をしようと手を差し出してみようか。

ワルセイ・イダーヤ > ワルセイのアジトへ転移した後、ポカンとする相手。その相手にふっと笑みながら。

「ふふ、驚いたか?」

そう、悪戯が成功したかのように聞いて……
そして、妹の名を告げた時、相手の表情がちらりと見えたが……その表情に、希望の明るさを見つけ、ふっと笑み、悲しい表情を消そう。

「ああ、そうであろうな……ナピと、アルシャ……共に隣り合って笑んだた姿を、見たいものだ」

そんなことを言いつつ……そして現れた、モフルムと、愛娘。
手を出されれば、愛娘、アルシャはトテトテとコウゲツに近づくと……
そっと、小さい手を差し出し、握ろうか。だが、表情は不思議そうなのには変わりがない。

『お父様の、お知り合いなのですか?』

だが、マフマフの友達と聞けば、パァッと表情が明るくなり。

『マフマフのお友達?じゃあ、アルシャともお友達!
コウゲツお姉様。アルシャは、アルシャだよ!よろしくね』

そう、天真爛漫さを発揮し満面の笑顔で。
っしてモフルムを返してもらえれば、ぎゅっとモフルムを抱きしめて『マフマフ~』
とモフモフしようか。
だが、それに複雑そうな表情のワルセイ。愛おしさ8割、不安気2割と言ったところか。

「……じつはな、アルシャよ。大事な話があるのだが……」
『……?どうされました?お父様……?』

紅月 > 「そりゃあもう、驚きましたとも」
案の定というか、やはり目をしぱしぱさせながら答えようか。

「ふふっ…ナピとアルシャ、それに『私たち』でしょう?
…ちゃあんと加えてもらわなきゃ!」

とらぬ狸の皮算用とは言うが、夢見るだけならタダである。
夢さえ見られぬ世界なぞ糞喰らえ、希望を棄てたら何も残らぬのだ。
特に、私は彼の意味になると決めたのだから…不屈であらねばならぬ。
尤も、元より存外負けず嫌いな傾向がある私の事だ…気負う程ではないのだが。

さて、愛らしい猫耳少女は足音まで可愛いものらしい…あぁ、和む。
鬼一族は女子供が大好きです…ただしその意味は個々の個体によって違うから注意されたし。

「…っ!
うん、宜しくね、アルシャ!
そうだなー、アルシャの事はアルちゃんって呼ぼうかなー?」

ワルセイの娘さん…否、アルシャは随分とフレンドリーな子らしい。
これなら仲良くは、なれそうである。

ほくほくと和んで居れば、何とも微妙な表情の男…え、まさかもう言うの、と目をぱちくりさせてワルセイを数拍見詰める。

…お、お父様……紅もこ、心の準備がっ!
こんな愛らしい子に拒否られたら、紅は暫く立ち直れませぬ…!!

おそらくワルセイ以上に不安そうな表情で、しゃがみこんだまま父子をキョロキョロと眺めるのだろう。

ワルセイ・イダーヤ > 私達……そう言われれば、自分に苦笑し。

「ああ、そうだな。すまなかった。ナピ、アルシャ、コウゲツ……そして、俺だな」

そう言って笑みを深めようか…
そして、コウゲツを……恋人に。妻に、むかえると娘に伝えようとすれば。
目をぱちくりさせるコウゲツ。その表情にふっと笑んで。

「コウゲツよ……どちらにしろ、伝えるのだ。ならば、早いほうがいいだろう」

そう言って、アルシャと目線を合わし、向き合えば……
その目線の先には、先ほどまで天真爛漫に笑んでいた表情から、不安気に眉をひそめた表情になった娘……

『どうしたのですか?お父様……』
「アルシャよ……実はな、その……」

そして、少し間を置く……ワルセイとしても、初めての経験なのだ。不安で、スッと言い出せない…だが、意を決し。

「コウゲツを、恋人に……妻に、迎えようと思う。コウゲツは……そなたの友人ではなく、
母に……」

そこまで言えば、ポフン……と、モフルムが床に落ちて。
よく見なくても、アルシャはフルフルと、震えている…

「え……え……ッ?」
「アルシャ……?」

その震えと、表情は……恐怖だった。アルシャは、震えた声で言う。

「アルシャ……アルシャ、捨てられちゃうの……?」

出てきたのは、そんな言葉。その言葉に……ワルセイは、烈火のような表情に。

「何を言う!そなたを、捨てるなどありえぬ!」

アルシャは、その声にびくっとするが……涙をポロ…ポロ……と流し。

「だって、だって。アルシャ知ってるよ?お父様と、お母様がそろうと、赤ちゃんができるって……
アルシャ、拾い子だがら…おどうざまに赤ちゃんでぎだら。ずでられじゃうっで…!」

最後には、泣きながらの言葉に……ワルセイは、アルシャを抱きしめる。ぎゅっと、ぎゅっと……
そして、フワフワの髪を撫でながら……

「何を言う……そなたほど、愛おしい子はおらぬよ。そなたは、捨てられなどせぬ。
コウゲツは……そなたの、母になる。そなたには、父親と、母親ができるのだ……
そなた、お母様が欲しいと言っていたではないか。
大丈夫、そなたは、俺の娘だ……世界が滅びようと。何が起きようと…それは変わらぬよ」

そう言いながら、泣きじゃくる愛娘を抱きしめて……

紅月 > 「……、…そりゃあ、そうなんだけどさ…」

困った顔で頬を掻く。
これは親子の問題だ…まだ、親になっていない自分が口を出せる事ではない。

…しかし、だ。

案の定ショックだったのだろうアルシャの小さな体は震えていて…さもありなん、義理という事は拾い子なのだろう。
そういった場合、どうしても『再び捨てられる恐怖』は付いて回る。
己は捨てられるでなく拾う側であるが、よくホイホイと口減らしの子供なんかを『拾い者』して父に叱られていた経験から察するに…
ああぁ、やっぱり泣いちゃった。

父娘両者の話を聞いて、ふと思う…一度きちんとこの娘に教えてやった方がよいのでは、と。
『伝えるなら早い方が』と言ったのは、この男であるのだし。

「…アルちゃんアルちゃん、ちょ~っとコウゲツのお話、聞いてくれる?」

泣きじゃくる少女に語りかける。
…まぁ、真面目に聞こうが聞くまいが、耳に入れば知識にはなろう。
今はそれで充分…更に知りたくなれば自分から訊きに来るだろうさ。

「うんとね、コウゲツは『親子とは在り方』だと思うのです。
お父様はアルちゃんが好きで、アルちゃんはお父様が好きでしょ?
で、その『好き』は、友達への好きとは違う。
…なら、それでいいんじゃないかしら。
拾おうが、買おうが、拐おうが…互いが親子と思っているなら、それでいいんじゃないかしら」

それは、彼女の実家が人喰い鬼…それも、人柱だの生贄だのを極々普通にやり取りしていた家系だからこその価値観。
例えば彼女の母親は『拐かされた地精霊』であるし、それでも暑苦しいくらいお熱い関係であった。
私が今まで育てきった人間達も、姐さん姐さんと慕ってくれていた事を考えると…別に、血の縁だけが重要とも思えずに。

「ね、どうかな?」

アルシャが嫌がらなければ、彼女の髪と頬を優しく撫でながらふわりと微笑み、首を傾げて。

ワルセイ・イダーヤ > 『ひっ…っく……グジュ……ふぇ?』

コウゲツから言われた親子の価値観。その言葉を聞いて、なでられて……アルシャは……

『うん……うん!アルシャ、お父様が大好きなの!大好きで……大好きなの!』

そう答えて、父親を抱きしめて……むぎゅ。

『お父様、お父様の事、大好きだよ……』
「ああ、俺も……アルシャの事が、大好きだ……」
『なら……なら。お父様と、アルシャは。親子ですか?』
「ああ、当たり前だろう……?」
『うヴ~……おどうざま~!』

そう、泣きながら…うれし涙で、父の服を濡らそうか……
しばらく、すすり泣いた後……やっと落ち着いたのか、離れて……

『ありがとう。コウゲツお姉様!アルシャ、もう泣きません!』

そう、胸を張って、エッヘンといった雰囲気。だが、少しアッとした表情で……

『あ……違いました。コウゲツお姉様が、お父様の事を好きなら……
お父様も、コウゲツお姉様の事が好きなら……
コウゲツお姉様と、お父様は夫婦です!なら、コウゲツお姉様は……』

そして、パァ……っと笑んで。

『コウゲツお母様です!』

そう断言しようか……そして、父から離れると……ポフン。とコウゲツに抱き付き……

『アルシャは、コウゲツお母様のこと、お母様だと思います……
なら、お母様は、アルシャの事。娘だと思ってくれますか?』

と、コウゲツの服に顔をうずめ、少しくぐもった声で聞こうか……

紅月 > ほっと一息、である。
可愛らしい少女が哀しみに泣き濡れる姿なぞ、できれば見たくないものだ…まぁ泣き顔も愛らしくはあるのだが、それはそれ。

うんうん、麗しの父娘愛…やはり家族は仲良しが一番。
…紅は強い子だから貰い泣きなんてしません、えぇ、しておりませんとも。
ちょっぴり説明に熱が入って、暑くなって…額を、袖でぬぐっているだけに御座います。

そして胸を張るまだ幼い少女の自慢げな姿に、思わずクスクスと笑みを浮かべつつ。
けれど、改めて第三者視点から『好き合っている』と言われ、まだ何となく面映ゆくあっては…無邪気に笑う少女とは対照的に、ぽっと頬を染めコッソリ涙を拭った袖で口許を隠して。

しかし少女が父親から離れれば反射的に絨毯に両膝をつき、軽く両手を広げて迎えてやり…ぽん、ぽん、と背中を撫でてやる。

「えぇ、随分と愛らしい娘が出来た事。
…しかしまぁ、なんというか、女の子の遊びなんて久しくしてなかったからなぁー。
ふふっ、アルちゃん…これから紅に色々と教えて下さいましね?」

胸元に抱き付くアルシャの黒髪に頬擦りしながら、ニコニコと楽しげに言おうか。

ワルセイ・イダーヤ > 自身の黒髪に頬擦りされるアルシャ。その嬉し気な声に、アルシャも嬉し気に……

『うん!お母様に、色んな事教えてあげます!だから……
お母様も、アルシャにいろんなこと、教えてくださいね……ふぁ……』

そして、気が抜けたのか。ほっとしたのか……小さく、欠伸をして……どうやら、眠くなってきたようだ。
そして、ワルセイもコウゲツとアルシャの体を、大きく抱きしめ……

「ふふ、コウゲツよ…母と認められて、良かったな。
アルシャも、お母様ができたな……本当に、良かった。
俺にも、妻ができ……娘とも、絆を強められた……本当に、本当に、良かった」

そう言って、アルシャと、コウゲツの体を……ぎゅ…

『ふにゅぅ……私も……よかったですぅ……みゅ~』

そう言うアルシャは、けっこおうおねむのようで……

「ふふ、アルシャよ。もうそろそろ、ベッドに行こうか」

ワルセイが微笑ましそうにそう言うが、アルシャは首を振り……・

『みゅ~……お母様と一緒が良い……お母様と、お父様と一緒に寝るぅ……』

と、ほんのちょっぴり、わがままを言って。

「……やれやれ。コウゲツよ……一緒に、ベッドに行ってくれるか?
屋敷の案内は、明日でいいか」

そう言って、うと…うと…としたアルシャを連れ、寝室へ向かおうと……