2018/05/27 のログ
ご案内:「とある山中にあるミレーの隠れ里」にヴェルムさんが現れました。
ヴェルム > 王国領内に位置するとある山中。
ちょうど昼ごろに差し掛かったあたりで天気も良く、場所のおかげか風もあって過ごしやすい陽気。
ピクニックにでもするのにちょうどいい日であっただろう。
ヴェルムたち第十三師団の面々は、その山中にあるミレーの隠れ里にいた。
正確に言えば、ミレーの隠れ里の「あった」場所だが。

「弁明のしようもないな…」

この里に来た目的は、ここを拠点としている星の聖猫派のミレー族を捕縛或いは討伐せよとの上層部直々の命令を受けたからだ。
それで部隊を引き連れてこんな山奥までやってきたと言うわけなのだが…。
それなりに小規模な集落であっただろう広場に立ち、周囲を眺めれば里の家屋はどれもこれも倒壊し、火がくすぶり、黒煙を立ち上らせていた。
倒壊した家屋の瓦礫に埋もれた幼い腕を見れば、騎士団が里を一方的に砲撃し破壊し尽くしたとしか思われない有様。
ただ、よく見ればどの建物も内側からの圧力によって倒壊していた。

ご案内:「とある山中にあるミレーの隠れ里」にしずくさんが現れました。
ヴェルム > 何が起こったかは明白。
数刻前、里に接近した我々は軍使を起て、星の聖猫派を引き渡せば里へ侵攻しない旨を伝えた、はずだった。
だが説得に当たった軍使は眉間を矢で打ち抜かれ、直後に森の中から弓矢による一斉射が始まった。
徹底抗戦を示した相手への師団の反応は早かった。
犠牲者も出たが星の聖猫派の戦士たちは十三師団の素早い応戦の前に全滅し、後は里に赴き残りの戦士を捕縛、証拠となるものを家宅捜索するだけだった。
だが、戦士たちが討ち取られて間もなく山中に響いた数回の爆音。
我々が里に駆けつけたときには、里の家屋全てが自爆を行い、瓦礫が散乱するのみとなっていたのだ。

正直、命令を受けたときには、テロリストの拠点ではなく普通のミレー族もいる村への攻撃など、いかにも十三師団らしい汚れ仕事だと思ったが、このような結果になるとは。
惨状に狼狽する部下たちだったが、生存者の救出と星の聖猫派に関する証拠の確保、そして遺体の回収を命令すると、それぞれ活動を開始し始めた。

「上層部としては満足だろうが…」

こちらとしては思い通りにいかず、士気も下がる結果となってしまった。
ただでさえ十三師団にはミレー族も多く在籍しているのだ。
もちろん部下たちには今回の命令について説明もしているし、行きたくない者は残っていいとまで言っている。
こうもシンプルに悪名が付くことになるとは思わなかったが。

しずく > (ぼろぼろとなっていた集落。ある一件の家だったもの上に突如魔方陣が現れる。ここへ来た部隊が気づかない方角の家である)

「ひ…?…ぁああああーーー!!!」

(女性の声である叫び声を出しながら大きな音を立てて家へ落下する。木材が派手に壊れる音が里の森に響き、軽く木材の下敷きとなってぐったりしている)

ヴェルム > 「…生存者…いや、侵入者か」

空中に浮かび上がる魔法陣、僅かな魔力の流れを感じ取ればそちらのほうを向き、そして悲鳴をあげて落ちていく…人影?
一応軍事活動中なので、軽く片手を挙げて指の動きで部下達に簡易的な指示を与えながら、その人物が落ちてきた場所へ。
まだ捜索していない家屋の場所とあれば…ばちあたりな場所へ落ちたものだ。

「おい、生きてるか?」

家の壁やら屋根やらの木材に埋もれている女性の姿を発見すれば、団員たちが彼女を瓦礫から引っ張り出していくだろう。
もちろん、軍事活動中のエリアにやってきた人物ということで、武装した部下も付けてもいる。

しずく > 「あぐぅ…」

(引っ張り出されるしずく。ボロボロになり、髪は乱れ、服も所々の破れている。出た瞬間には少々お化けの様な姿に見えるが、すぐに生を返した様に頭を上げて周りを見る)

「…あれ?こ、ここは…?…あ、ど、どうも…。」
(目の前に入ったヴェルムを見てはにやけ顔になり、えひひと犯しな笑い方をする)

ヴェルム > 「ああ、こんにちは。
我々は王国軍第十三師団、私は師団長のヴェルムだ。
さて、君はどこの誰でどこから来たのかな?」

女性、ぼろぼろで冴えない印象だがそんなに怪我をしている様子ではない。
だが表情はおかしな感じで頭でもぶつけたかと思ってしまう。
ともかく、まずはこの侵入者が何者か確かめる必要があるので、さっくり尋問へ。
彼女の目には、ティルヒアの鎧を纏った若い騎士、そして自身を取り囲む王国軍の兵士たちの姿が映るだろう。
当然、それで自分の状況というものをある程度つかめるだろうが。

「悪いけれど、死人が出てる場所なんだ、おふざけは無しで…ね」

彼女がどんな反応をしようとも、ヴェルムの態度が変わることは無さそう。
彼女が落ちてきた家屋はまだ捜索していなかったため、兵たちが瓦礫を除けていけば黒焦げの亡骸が発見される。
そんなところに落ちてしまったのだと認識させる。

しずく > 「え…あ…ど、どうも…。わ、私は…黒川…しずく。ただの魔術師で…家から…です…。」

(変わらないにやけ顔でえひえひっと変な笑い方をしながらも、もじもじと指先を合わせている。そして、今囲まれている状態を見ても、とにかく攻撃しなければ大丈夫と思い、焦りはない)


「えひ…し、死人…?あの…ご、ごめんなさい…。家で転生魔術してたら…失敗したみたいで…」

(周りを見て、どうもふざけていい空間ではないのがすぐにわかる。また試した魔術がこんな不運に会うとは思いもよらなかったのである)

ヴェルム > 「ふぅん……まぁ、危険な感じはしないね」

喋り方は独特だが、人付き合いが苦手ということではなさそうだ。
少なくとも兵士に囲まれて怖気づかないあたり、度胸があるのか無頓着なのかだろう。
指をくるくると動かせば、女性の周りにいる兵士が武器を降ろす。

「ずいぶん難易度の高い魔術をするんだな…まぁ、不運すぎるようだが。
とにかく、ここは王国軍が確保している場所だ、一般人は帰りなさい。
それと、ここで見たことは口外しないように」

それだけ高難易度の魔法ができるのなら、家に帰るくらい造作も無いだろうと。
一応ここで見たことは口外せぬよう申し付けてはみるが、どのみち王国軍の広報から国民に伝えられることになるだろうから意味はなさそうだ。

しずく > 「はい…そうします…。…というのも…ちょっと無理で…。わ、私の家…どこなのかわかりませんし。転送も…できないんです…えひひ…。」

(事実、彼女ができる魔術は人体変化のみ、転生も本通りにやったため、なにも無い状態だと失敗で帰ることも出来ず、自分の家もたまたま出来た結界により普通に帰ることができない)