2018/01/26 のログ
■アゲハ >
違う――……
自分の意図が伝わっていない。
だからそう言おうとしたのに――
「んひ、ぁ、くぅっ……」
喘ぎ声でかき消される。自分が出せると思っていなかったくらい甘い声……
静かに飲み込んだ指。きゅうきゅうっと締まるそれは幼いながらも名器であることを伺わせる。
しっとりと包む母性的な部分もあり、指を折り曲げればそこにたどり着く。
また角度を変えれば、ざらりとしたさわり心地があり。
蜜と同じく、飽きさせない……
「ま、まりーさ……ちが、うのぉ……ちがうぅ……いうこときかないのぉ……」
甘い声。まるで媚びているような。
清純だった蝶から溢れる……
■マリー >
「んー……」
つぷっ…と引き抜いた指
糸を引くように伝う蜜をぺろりと舐る
「『そうは言ってもカラダは正直』っていうセリフを言えばいいのかなぁ…?」
くすくすくす
マリーは楽しげに笑う
「じゃあ、どうしたいのか…どうしてほしいのか……
ちゃんと教えて、ね?」
■アゲハ > 「――…………」
どうしたいのかいわれても、自分でもわからない状況だ。
身体が思ったように動かない。
感情が落ち着かない……分からない分からないから――……
だから……
「落ち着かせてください。落ち着かせて――落ち着いて……」
……もう、体が火照っているから。
「――まりーさぁん……」
感情が追いつかないから。
「疼きを止めてください……」
■マリー >
「───はぁい♡」
そう答えるのがまるでわかっていたように笑顔でそう返事をする
するりと太腿の間へと割って入り
…目の前で、その花弁を左右へと柔らかに押し開く
ぢゅぷっ……♡
顔を近づけて…まだ指一本ほどで一杯の、小さなその"穴"へ舌を突き挿れる───
舐め、啜り、吸いつき……
たっぷりと味わうように、貪るように…
卑猥な水音がたっぷりと、浴室に響いてしまうように
■アゲハ >
「んぁっ!!?」
本当にこれで収まるのかわからないけれど――
けれどマリーを信じるしか無いから、されるがままに。
入り口は、舌を締めて。進めば、柔らかな触り心地が迎え入れ
蜜がさらにトプトプと、こぼれてくる。今度は、ワインのような芳醇な甘みと渋みだ――
「ほんとに。これでしずまるん、ですかぁ……っ、ひうっ……」
■マリー >
返事はない
熱っぽい表情のままに、アゲハの秘部を舐り解してゆく
粘性のある水音と共に舌が引き抜かれれば、次は再び指
そして唇の標的は、包皮を剥いたばかりのクリトリスへと向かう
さっきの感覚で確かめた、内側の弱い部分を指を折り曲げこりこりと刺激し、
同時にクリトリスを優しく甘噛する
「(これで鎮まるのかどうか……?)」
優しく、急速に少女を絶頂へと導きながら───
「(これで鎮まっても、鎮まらなくても…貴女は十分、スキモノの素質があるわ♡)」
鎮まらなければ…鎮まるまで何度でも何度でも何度でも、快楽の絶頂に導くのだ
■アゲハ >
「んぁ、ぁぁぁぁ……ぁ、まっで――っ」
明滅する意識。
くの字に身体が曲がり、覆いかぶさるような体勢に。
ヨダレが、口の端から堕ちて。
ぶわっと、鳥肌が立ち。翅がひらひらと揺れる。
汗から出る、蜜の香りが風呂場に立ち込めて。
むせるような甘い空間が――
「――っぐぅっ!!!」
ぷしゃーっと、あふれる潮。
そして……
「あ、ああ、あぁぁぁあぁ……まって、まってまってっっやあああああ……」
しょろろろっとこぼれ出る……
収まる、治まった――くたんっと、もう力が入らなくて
でも、お腹の奥は、疼いて――
「……なん、でぇ……?」
それが吸血のせいなんて。アゲハに気づけるわけはなくて
■マリー >
「…よーし、よし……♡」
あふれた潮も、たまらず漏らしたそれも
別段汚らしいなどと思うこともなくアゲハをきゅっと抱きしめて、頭を撫でる
まるで幼子をあやすように
「ふしぎ…?どうしてこうなっちゃったのか…。
じゃあ、もっともーっと…お互いのこと、知り合わないとね…?」
感じる
自分自身の身体の奥にも、じくじくとした甘い痺れを
飲んだ血のせいか、この甘い香りのせいか、両方なのか──
のぼせぬうちに、今一度身体を流して暖まれば、二人は浴室を後にする
お互いのことを更に深く知るための空間、
翌朝を迎える頃には柔らかく包まれるようなベッドの中で、
屋敷の使用人として来てくれるのか否か、を改めて問うのであった
■アゲハ >
――そして――……返答は……
「……か、かっこかりで……」
なんていう、まだ未知すぎる彼女の――
精一杯の譲歩だった
ご案内:「港湾都市ダイラス・ゲーゼルリングの屋敷」からマリーさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス・ゲーゼルリングの屋敷」からアゲハさんが去りました。
ご案内:「ステッパーズ遺跡」にクレイプニルスさんが現れました。
■クレイプニルス > 【お約束待機中です】
ご案内:「ステッパーズ遺跡」にイヌ/ネコさんが現れました。
■クレイプニルス > ステッパーズ遺跡。そこは、初心者冒険者用の遺跡ながら、内部が毎回変わる作りのため、
未だ完全に内部を調べきった者はいない…そんな遺跡だ。
その遺跡の前で、今回一緒の依頼を受けた二人のミレーを待つ、一人の眼帯の男がいた。
遺跡にある石に腰を下ろし、身の丈ほどもある大剣を、砥石で手入れしている男、
クレイプニルスは、太陽の角度を見て、およその時間を把握して…
ちなみに、時刻としては午前11時である。
「うーむ、もうそろそろか…っと」
そう言いながら、大剣を手入れする手を休め、干し肉をかじって、寂しい昼食……
二人が来るまで、その時間は続くだろう。
「しっかし、世の中は狭いね。あの日抱いた二人と、ここに潜ることになるなんてなぁ…」
そう呟きながら、固いパンをガジガジとかじる。
■イヌ/ネコ > 「ネコちゃんネコちゃん、早く早く!」
『わわわ、わかってるってにゃー!』
待ち合わせに遅刻しそう。そんな焦りが、二人のミレーメイドを全力疾走へと駆り立てていた。
ギルドからもらった案内を元に、走る走る。
そうして、待ち合わせ場所へとたどり着けば。
今回のパートナーである男性は、既に到着していたようで。
「お……お待たせ……」
『いたしました……にゃ……』
息も切れ切れ、身体をくの字に曲げながら挨拶する二人。
今回のパートナーは、二人も知っている。以前そういったことをしたことのある相手で。
「お久しぶりです、クレイプニルス様。本日はよろしくお願いいたします!」
『何せ、アタシら今回が初仕事だから。足引っ張らないように頑張るにゃ』
呼吸を整え、二人同時に一礼するメイド達。武器の類は持ってきているが。
防具に関しては、まったく装備していない。というか、メイド服のままだ。
■クレイプニルス > 遺跡を走る足音が聞こえる。どうやら、待っていたミレーの二人が来たようだ。
そっちをむけば……簡単に装備した、メイド二人。
「よぉ、イヌにネコ……って、なんだその装備は!?」
口をあんぐりと開け、二人の服装について言う。
とてもではないが、冒険をしに来た服装ではない。
まあ、見た目がメイド服なだけの、高度な魔術による装備かもしれないが、初心者二人がそんな装備を持っているわけが無いだろうと思って。
「おいおい、遺跡にはメイドがモンスターにご奉仕しに行くんじゃないんだぜ?
はぁ……とりあえず、メイド服で遺跡に潜るのは、自殺行為だから……うーん…」
悩む悩む。そして、何かを思い出す
「そうだ。イヌ、ネコ。そのメイド服が魔術装備じゃないなら、これやるよ」
そう言って、何かの鳥の羽…中々に煌びやかな色をしている…を、メイド服に差し込んで。
「この羽は、強力な結界を周囲に張る羽だ。これで、ゴブリン程度に殴られても痛くもないぜ。あと……」
そして、二人に手渡すのは魔方陣の書かれた紙。
「これは、俺を召喚する転移魔方陣だ。これで、俺と離れてる時に危なくなったら、俺を召喚しな」
そう言うだろう。そして……
「じゃあ、初心者冒険者二人に言っておくことがある。
危なくなたらすぐ逃げろ。命があってこそだ。
あと、進むときは、常に俺の後ろにいる事。
いざという時には、俺を盾にすること。わかったかい?」
そう言って、二人の準備が整えば、遺跡に踏み込むだろう……
■イヌ/ネコ > なんとかぎりぎり、待ち合わせに間に合い、相手に姿を見られれば。
メイド服、という様な姿に驚かれることになる。
まぁ、ムリも無い話だ。冒険に行くのに、メイド服など着てる方が可笑しいのだから。
「なんだ、と言われましても」
『メイドにとってメイド服は戦闘服』
きょとん、と。逆に、この人は何を慌てているんだろう、くらいの表情の二人だが。
相手の言葉を聞けば、あぁ、と納得したように頷く。
「あ、ありがとうございます。……一応、このメイド服。
対衝撃対斬撃耐性の特注メイド服らしいのですが。
この羽があれば、更に安心ですね」
イヌは羽の効力に驚きながら、メイド服の説明をしつつ。しかし、お礼を言うのは忘れない。
『ウチのご主人様、冒険行く時執事服にゃよ? その方が都合がいいから、って。
……てか、こんだけ凄いアイテムぽんぽんくれるなんて。
もしかして、クレイプニルス、凄腕だったりするにゃ?』
貰った紙をまじまじと見つつ、それを懐に仕舞うネコ。相手の姿を見るその視線には、僅かに尊敬の色が浮かんでいた。
「はい! わかりました! 回復と魔術支援、頑張ります!」
『あい、あい、さー、にゃっ。弓での援護は任せるにゃ!』
相手の忠告に、真剣な表情で答える二人。そうして、相手の言葉どおり。
後ろを付き従い、いよいよ初冒険。遺跡の中へと入っていくことになる……。
■クレイプニルス > イヌからメイド服の説明を受け、中々にすごいメイド服なのだなと驚愕しつつ。
ネコからの言葉には、苦笑しつつも、
「いやいや、俺はせいぜい、中堅どころだよ。ただ、まあ……良い仲間に恵まれていてね。
こういうアイテムも、初心者と遺跡に潜るって言ったら、その初心者ちゃんが心配だって、
皆が持たせてくれたのさ」
そう言うだろう。
さあ、イヌネコと、クレイプニルスの運命は……? [1d20→16=16]
■クレイプニルス > 16. しまった!ここは罠の巣窟だったらしい。両側の壁が押しつぶそうと迫り、天井が落ちてきて、落とし穴が開く。一難去ってまた一難、床から槍が突き出し向かいから弓矢が降り注いでくる。
機転を効かせて罠を解除するもよし、あるいは全力で避けてしまうのも手だろう。うまく生き延びて欲しい。
■クレイプニルス > 遺跡に踏み込んで、最初の部屋。そこに足を踏み入れた時、部屋の妙な構造にクレイプニルスの目が行く。
なんだか、壁と壁のつなぎ目に、妙な隙間が…?
「イヌ、ネコ。壁に気をつけろよ。なんだか、嫌な予感がする……」
そうは言っているが、進まねば次の部屋には進めない。床や壁に注意しつつ歩いていれば…
ガコン!
部屋の中央くらいに差し掛かったら、そう音を立て、両の壁がクレイプニルスたちをサンドイッチにしようと迫ってきた!
「しまった!やっぱ罠か……!」
そう舌打ち。だが、悪いことは連なるもので、床に落とし穴が、パカ、パカと開く。
だが、ピンチの時こそ、リーダーの自分は冷静に。そう考え、冷静に周囲を見渡す。すると、
天井の、不自然なシャンデリアに目が行く。
「そうだ、ネコ!シャンデリアを弓で射るんだ!あれが、解除スイッチだ!」
そうであることを祈りながらも、二人まで不安がらせてはいけないと、自信を持った声で言うだろう。
■イヌ/ネコ > 二人は、緊張しながら相手の後ろをゆっくりと歩く。
初めての冒険で、パートナーがいてくれたのはよかった。
でなければ、二人は緊張のあまり、大きなミスをしていたかもしれなかったから。
「……はい。気をつけます」
『……な~んか。イヤな空気にゃ?』
ミレー族だからなのか。あるいは、主人たる冒険者から聞いていた話が直感に結びついたのか。二人もまた、不穏な気配を感じてはいたが。
「あわ、わわわわわわわぁ!? つぶ、つぶ、つぶされるぅぅ!?」
『ってか、初手でデストラとか! この遺跡、結構キツいにゃ!?』
突然の罠に、慌てる二人だったが。相手からの指示に、ネコの表情が切り替わる。
すぅ、と顔から表情が消えると同時に、ネコは矢を番え、構える。
流れるような動作で弓を構える姿は、駆け出しの冒険者とは思えないほどに慣れた動きであった。
『……我が一矢は……必中也!!』
迷い無く放たれた矢は、見事、シャンデリアのど真ん中を打ち抜く。
もしも相手の予想が当たっていれば、これで罠も止まるだろうが。
ネコとイヌの緊張は、いまだ解けておらず。
■クレイプニルス > 地響きを立てて迫ってきていた壁。ランダムに開く落とし穴…それは、ネコの放った弓矢がシャンデリアを射抜けば、ぴたりと止まり……ゆっくりと、壁が元の位置に戻り、落とし穴もストップするだろう。
「………よし!ネコ、よくやった!」
そう言って、ネコの頭にポンと手を置くだろう。
「これで壁と落とし穴は解除だな……とっとと、移動してしまおう。別のトラップがあるかも……イヌ!」
その時だった。緊張した面持ちのイヌの足元に、不自然な魔方陣が現れて。
慌ててイヌを抱きよせれば、その魔方陣から、槍が飛び出てくるだろう。
「っち、まだトラップは続くか…!」
そして、天井にも魔方陣が現れ、中から弓矢が飛び、ネコに向かって飛ぶだろう。
そして、ギリギリのところで、剣を盾にしてネコを守って。
しかも、天井が、段々と迫ってきている気が……
「くっ……こんな部屋に長居は無用だ。走れ……!」
そう言って、床に出現する槍の魔方陣に気をつけつつ、近づく天井から降る弓矢は、
身の丈ほどもある大剣を屋根のようにして、次の部屋への扉へ向かうだろう…
■イヌ/ネコ > 一瞬の間、緊迫。しかし、見事その罠は止まる事になり。
『……っしゃあー!! どうだ見たかにゃ! ネコの弓の腕!』
罠の停止を確認し、ネコが叫ぶ。頭をなでられれば誇らしげにするが。
声はわずかにだが震えていた。やはり、緊張していたらしいが。
次の瞬間、イヌは抱き寄せられることになり。
「ひゃあああ!? あ、ありがとうごじゃいますクレイプニルス様ぁ!!」
あわや死亡、の危機を回避し、イヌは相手に抱きつき、泣き叫ぶが。
それでも、罠はとまらず、ネコは庇ってもらいつつ、体勢を立て直し。
『うおわおぉ!? こ、こっちはオッケーにゃ、クレイプニルス!』
軽やかに矢を回避しつつ、ネコが指示通り走る。イヌもまた、悲鳴を上げつつ全力でダッシュだ。
「こここ、こんなにいっつも危険なんですか、冒険者ってー!?」
罠に追い立てられつつ。何とか二人は相手の後ろを追って行く。
息も切れ切れ、だけど、なんとか……扉に手が届いた!
■クレイプニルス > さあ、次の部屋ん飛び込んだ、イヌネコとクレイプニルスの運命は……? [1d20→12=12]
■クレイプニルス > 12. 突然四方の壁から大量の水が降り注いできた。密閉された部屋の中、このままでは溺れてしまう。部屋の中にある解除スイッチに気づけたのならば水は引いていくだろう。
ただし気づけなかった場合は大量の水に飲まれて、別の部屋に流されてしまう……。
■イヌ/ネコ > ばだんっ、と。大きな音を立てて次の部屋に飛び込んだ三人。
目の前には、小さな四角の、ただの部屋。
突然罠が発動する様子もなく。イヌとネコは安堵するが。
「……っ。水の、匂い……?」
イヌの鼻が、その気配を察知した瞬間。背後のトビラが施錠され、一気に四方の壁から水が溢れ始める。
凄まじい勢いでたまっていく水。ぐるり、と見た限り、脱出するための道も無く。
『どどど、どーするにゃクレイプニルス!?』
またもや罠が発動し、慌てふためくネコ。相手の指示を仰ごうとするその表情は、焦りと恐怖に彩られていた。
イヌもまた部屋を見渡すが、経験不足のイヌには、どうしたらいいかがわからないままで。
■クレイプニルス > その部屋に足を踏み入れた瞬間、トラップから開放された安堵の表情を一瞬で
イヤーな物を見るような表情にして。そう、この部屋は自分の想像が間違って無かったら…
「ま、またこの部屋かよ……!」
そして、想像通り、部屋にたまっていく水……クレイプニルスはうんざりした表情ながらも、
冷静に周囲を見て。
「落ち着け…っていっても、無理だとは思うが、パニックにはなるな。大丈夫だ。俺がいるだろ」
そう自信をもった言葉で、二人がパニックになるのを防ごうとするだろう。
しかし、さて…どうしようか…そう考えていれば。イヌの持っている杖に目が行って。
「そうだ、イヌ。水を凍らす魔法は使えるか?多分、この水は、壁の奥の魔方陣から生成されている。その魔方陣を凍らせれば、水も止まる」
……ハズ。そう心の中でつけくわえながら、イヌの杖に手をやって…
「使えなくても大丈夫だ。杖を介して、俺に魔力を伝えてくれ。一緒に、冷気の魔法を使おう」
一人でも、アイスウォールなどの簡単な冷気魔法は使えるが、今回は初めての冒険ということで、
二人にも、活躍させようと、そう提案。
■イヌ/ネコ > 経験不足の二人と違い、相手は部屋を確認したのみで次の展開を予想しきっていた。
落ち着き、周囲を観察する相手。二人は黙り込み、その観察を邪魔しないように、とする。
『お、おうニャ。とはいえ、このままじゃ溺れちゃうにゃ!』
一度落ち着いたものの、不安は拭えないネコ。
だがしかし、相手の言葉を聞いたイヌは、深呼吸し頷く。
「はい。多分、簡単な魔法なら……。
……なるほど。これだけの量の水、自然に流れ込んできているはずはない……」
見事なる相手の観察眼と、的確な指示に、イヌは完全に落ち着きを取り戻す。
そのまま、杖に触れられ、相手のやさしい言葉を聞けば。
相手を見上げ、瞳に決意の光を宿らせる。
「……はい! ご教授、お願いいたします!」
そう声を上げ、イヌは体内から魔力を杖へ、そして、相手へと流し込む。
それは、冒険者になりたての者とは思えぬほどの魔力量であった。
すぐさま、魔法の発動に必要な魔力が溜まり。イヌは、相手に向かい小さく頷く。準備万端だ、という様に。
■クレイプニルス > 「よし、いい子だ……じゃあ、俺が合図したら、アイスウォールを唱えるんだ。」
イヌから流れ込んでくる、上質の魔力。それを杖から感じとりながら、アイスウォールの発動の仕方を説明する。
「アイスウォールは、簡単言えば、水を凍らすだけの魔法だ。だから、イメージしやすい…
水が氷る瞬間をイメージして……
よし、今!『アイスウォール!』」
そう、クレイプニルスは唱え、杖から四方の壁、その内部の水の魔方陣へと冷気が伝わり、
バキ、バキバキと音を立てて、魔方陣は氷付き、水も止まるだろう。
「……よし、イヌ。ナイスアシストだ」
そう言って、イヌの頭をポンと撫でるだろう。
そして、ガコンという音と共に、排水溝と思われる大きな穴ができ、水も抜ける。
そして、扉も開くが…
「さ、二人とも、少し危ない部屋ばっかりだったが…少し、深呼吸しよう。
大丈夫、俺がアシストする……遺跡とかの冒険で一番怖いのは、パニックだ
常に、心に余裕を持つ…それが、冒険者への第一歩だよ」
そう言いながら、二人が落ち付けば、次の部屋へ向かうだろう……
■イヌ/ネコ > 「……はい!」
相手の指示に返事するイヌ。そのまま、魔法の発動方法の説明を聞く。
未だにイヌは、巻物などの手引きが無ければ使えない魔術が多い。
アイスウォールもその一つだが。相手の言葉に集中し、氷が精製されるヴィジョンをイメージする。
「はい! 『アイスウォール』!!」
相手と同時に唱え、魔法を発動する。杖から冷気が生じるのが見え。
瞬く間に、水を産んでいた魔法陣が停止するのがわかった。
「……で、できた、できました!
ありがとうございます、クレイプニルス様!」
サポートとはいえ、一つの仕事を成し遂げた達成感に、イヌは笑顔で礼を言う。
撫でられる感触に、心地よさげに目を細め。
そうして、見事水も部屋から無くなれば。
『おぉ……さすが、クレイプニルス、慣れてるにゃ……。
……ウチのご主人と同じこと言うにゃ。流石は冒険者ニャ。
よーし、なんか自信付いてきたにゃー!』
相手のアドバイスに、うんうん、と頷くネコ。
そのまま、勢いに任せてドアを開けてしまうが。
さて、吉と出るか、凶と出るか……。
■クレイプニルス > さあ、勢いのまま扉を開けたが、イヌネコとクレイプニルスの運命は……? [1d20→20=20]
■クレイプニルス > 20. 広い部屋の中、あなたはワイバーンと対面してしまう!ワイバーンは背後にある宝箱を守っているためここを一歩も動かない。
真正面から立ち向かい正々堂々と宝箱を開くもよし、工夫をこらして宝箱だけ頂戴するもよし、あるいは逃げ出しても構わない。
宝箱の中身は開いたときに下記の表で1D6ダイスを振って決めること。
ワイバーンは飛行能力とファイアブレスを持ち、龍の鱗で炎の属性は効きづらい。倒せたのならばその鱗を剥ぎ取り、宝とともに持ち帰っても良い。
■イヌ/ネコ > 「……」
『……』
トビラを空けた瞬間。二人は、立ち尽くし、固まってしまう。
目の前にいるのは……飛龍。ワイバーンであった。
ホンモノを見るのは初めて。対峙したその姿。明らかな戦闘能力差。
二人の抱いた感情は……恐怖であった。
「……く、くれいぷにるすさま」
『……こ、これはムリにゃ。ムリムリにゃ……』
二人とも、先ほどまでの自信はどこへやら。いっきに萎れ、萎え。
完全にワイバーンの迫力に飲まれてしまっている。
無理もない話ではあるが……。このままでは、二人は戦力にならないどころか、完全に足手まといだろう。
■クレイプニルス > 目の前のワイバーンの迫力に飲み込まれている二人。まあ、無理もないことだが。
幸いなことに、ワイバーンは宝物を守ることに夢中で、クレイプニルス達には気が付いていない。
「まさか、初陣でワイバーンに会うなんてなぁ……ツいてるのかいないのか…」
そう呟きつつ、ふっと笑んで。
「大丈夫だ。ワイバーンと戦えなんて言わないさ。宝物は気になるが……引くのも、生き残るには必要だ.
さあ、次の部屋を探索したら、外に出ようか」
そう言って、抜き足差し足。気配を殺しながら、別の部屋につながる扉へと向かうだろう。
■イヌ/ネコ > 『ツイてねーにゃっ! ぜってーツイてねーにゃっ!』
相手の呟きに、小声で叫ぶネコ。
そんなネコにイヌは静かにするようにジェスチャーする。
慌てて声を殺す二人だが。相手が闘わないことを選択すれば。
安堵半分、拍子抜け半分、という様子を見せる。
だが、流石にワイバーンを倒せるかと言われれば、現状ではかなり厳しい、ということも自覚しているのだろう。
二人は相手の言葉に、小さく頷く。
『でも、ちょっと意外だったにゃ。クレイプニルスなら、闘え、っていうかと思ったけど』
「もしかして、私たち、お邪魔でしたか……?」
そう呟きながら。二人はなんとか足音を殺し、ドアの前まで移動した。
そのまま、音を立てないようにしてトビラに手をかけ……。
■クレイプニルス > 「そうか?俺って、そんなにスパルタっぽいか?」
ワイバーンと戦えと言われるかと思ったと言えば、そう言って。
「邪魔じゃないさ。まず、冒険者がやるべきなのは、冒険の空気に触れる事。
そして、自分の命を守る事……
その次に、仲間の命を守る事だ。
今回は。二人を冒険の空気に触れさせれば、俺としては十分仕事してる。
……まあ、何だか先生みたいでいい気分なのは否定しないけど……」
そう言いながらも、扉に手をかける。さあ、最後の部屋で待ち受ける、三人への運命は…? [1d20→11=11]
■クレイプニルス > 11. 床一面に麻痺毒を持つ毒蛇の群れが這い回っている。致死性は無い種類のものだが噛まれれば1時間程度は体が痺れて動けなくなる。
出口まで工夫して蛇を退けるか、避けたほうが無難だろう。
■イヌ/ネコ > 音を立てないように、ゆっくりとトビラを開ける三人。
そうして、次の部屋へと入り。扉を閉めたところでほぅ、と息を吐いた二人だったが。
「……ひっ!?」
今度は、目の前床一面に、蛇の群れがいた。なかなかに毒々しい色味をしていらっしゃるが。
『……あ~。こいつら、確か麻痺毒持ちの……』
記憶に覚えがあったのか。ネコはそう呟き、顔をしかめる。
『ただでさえヘビは気色悪いってのに。麻痺毒持ちなんて、やっかいだにゃ……。
クレイプニルス。こういう場合はどうするにゃ? 倒す? それとも、避けて通るにゃ?』
ワイバーンに比べれば可愛いもの、とでもいうか。ネコは多少落ち着いた様子で相手に尋ねるが。
その横で、イヌの顔は見事引き攣っていた。視線は空中をさ迷い、明らかに狼狽している。
「へ、ヘビっ……気持ち悪い……!」
特別ヘビが苦手、ということもないイヌではあるが。
群れを成して床にうじゃうじゃと入るのを見るのは流石に抵抗があるらしく。
顔は見る見るうちに青ざめていく。
■クレイプニルス > 「ああ、麻痺毒持ちの蛇だな。邪魔だが、どうってことない相手……って、イヌ、どうした」
顔を真っ青にして、狼狽した様子のイヌに、ヤレヤレと頭をかきつつも、ニヤリと、どう猛な笑みを浮かべて。
「あー、まあ。蛇がこんだけいりゃあ、女の子は気持ち悪がるわなぁ…だが…
なあ、イヌ。こっち向け。」
そう言えば、イヌの唇に、キスを落とす。触れ合うだけの、優しいキスを。
「落ち着いたか?冒険してると、もっと気持ち悪いのも見ることになる。慣れろとは言わないが…
ゆっくりでいいから、切り替える方法を勉強しよう。」
そう言うだろう。そして、ネコの質問には。
「ああ、遠距離からの攻撃……広範囲魔術ならなおいいが、そういうので一網打尽にできりゃいいな。
じゃ、二人には俺の戦闘は見せて無かったし、最後の部屋…俺に、任せてくれないか?」
そう言うと、一歩前に出て、魔導書を開き……
「『エクスプロード』」
そう、広範囲攻撃用の炎魔術を発動。蛇の軍団の中央に穴をあけ、さらに。
「『炎魔力・付与』……よし、燃えてきた!」
そう、大剣に炎術をかけ、炎をまとった大剣にして、思い切り、床に大剣を叩きつければ…
「炎爆風剣!」
そう叫ぶのは、ただカッコいいからだが……威力は本物で、炎の衝撃波が、蛇の塊を次々に、消し炭にしていって……
「ふぅ………こんなもんかな」
十数分後、部屋いっぱいの蛇は残らず炭と化しただろう……
■イヌ/ネコ > 生理的嫌悪感、という物もある。目の前でうねうねにょろにょろしてる蛇の群れ、というのを、好きだと言える人間はそうそういないだろう。
「は、はひっ。
っ!?」
名を呼ばれ、相手を見るように指示され、イヌはまるでオンボロの人形のように、ぎぎぎ、とゆっくり相手を見るが。
そこでキスをされれば、一気に思考に混乱が生じ、それまでのヘビへの嫌悪が隅へと追いやられることになる。
「……は、はい。ありがとうございます、クレイプニルス様」
『とかなんとか言っちゃって。本当はイヌちゃんにキスしたかっただけなんじゃないかにゃ?』
茫然自失状態から救ってもらい、イヌは頬を赤く染めながら礼を言うが。
ネコはそんな二人のやり取りをからかうように横から口を挟む。
『なるほど。そういう手札があれば、この程度の動物とかは排除でいいんだにゃ』
「あ、ぜ、ぜひ見たいです! 勉強させてください!」
相手の戦略・戦術の選択に唸るネコと、相手の戦い方を学ぼうとするイヌ。
まだまだ駆け出しとはいえ、冒険者としての基礎は、今回の冒険で出来ているようで。
「……す……凄い……」
『連続で魔法を詠唱して、息も切らさずに大剣も振るう……。
こりゃあ、やっぱり只者じゃないにゃ?』
魔法、属性付与、そして大剣術。まったく危なげなくヘビを処理した相手に、二人は小さくぱちぱちと拍手をする。
「すごいです、クレイプニルス様! 格好良かったです!」
『ん~。くやしいけど、確かに。ちょっとときめいちゃったにゃあ』
そのまま相手に駆け寄り、きらきらとした目で相手を見る二人。
瞳には、尊敬の色がバッチリ浮かんでいることだろう。
■クレイプニルス > 二人からの、尊敬のまなざしがこそばゆい。自分は、そこまですごい冒険者ではないと自負しているのだが。
「いやいや、そんなことはないよ。二人も、堅実に成長できれば、これくらいはできるようになるさ」
大剣を背に戻しながら。笑顔でそう言う。
そして、脱出用の魔方陣の書かれた紙を取り出し。
「さ、そろそろ戻ろうか。」
そう言って、二人が転移魔方陣に乗れば、自分も外に出るだろう。
そして、二人に水を差し出して…
「初めての探索で、緊張というか、疲れたろ。
そうだな……奢るから、ご飯にでも行こうか?
今回の冒険の反省会もかねて……な。」
そう言って、遺跡を後にする。
三人がこの後、ご飯を一緒に食べるだけで終わったのか……
それとも、冒険で火照った体を慰めるために、ベッドを共にしたのか…
それを知るのは、各々の得物だけだろう……
■イヌ/ネコ > 自分たちの主人もそうなのだが。目の前の相手も、謙遜することが多いように思う二人。
「……はい! 頑張ります! 頑張って成長します!」
『イヌちゃん。頑張るのはいいけど、アタシら本職はメイドよ?』
相手の言葉に、気合を入れなおすイヌだったが、そこにはネコがしっかりとツッコミを入れる。
そう、あくまでも本職はメイドなのである。冒険者は、あくまでも副業だ。
「はい。えっと、これに乗ればいいんですね?」
『……ん~。実に便利なモンだにゃあ』
相手の準備してくれた魔方陣に二人が乗れば、一瞬で転送は完了し。
差し出された水を、ゆっくり飲めば、微かに手が震えている二人であった。
「は、はい。すっごく疲れました。けど、勉強になりました」
『……にゃふ。奢り。それは素敵だにゃ。……反省会は……。
別の意味で素敵だにゃあ♪』
相手の提案に、笑顔になりながら乗る二人。しかし、ネコは反省会、という言葉に含み笑いを見せる。
……事実、食事の後何があったのか。それは三人だけが知ることであり。
ともあれ、今回の冒険は幕を下ろしたのであった……。
ご案内:「ステッパーズ遺跡」からクレイプニルスさんが去りました。
ご案内:「ステッパーズ遺跡」からイヌ/ネコさんが去りました。