2017/12/04 のログ
エンジェル > そんな幼い笑顔に釣られるのは大概が変態だ。
にやついた笑顔で声を掛けてきた客に腕を絡ませ店の中へと消えていく。
そして、明け方、満足げな笑みを浮かべた変態客が店を後にする。
あてがわれた部屋の中、妊婦のように腹を膨らまされ尻穴に栓を捩じ込まれ、股を拡げた姿勢で縛り上げられた少女は前孔から白濁した精液を溢れさせながら悪態を吐く。

「クソッタレ、また明日来やがれってんだ。」

最低の変態には違いない。
しかし、カネ払いはいいのだ。
ならば、プロとして拒否する理由などどこにもない。
こうして少女の尊厳はカネに変えられる。
少女の体液でどろどろに汚れた大人の玩具が大量に転がる子供部屋で少女はやり遂げた笑みを浮かべ眠りに落ちるのだった。

ご案内:「平民街娼館通り」からエンジェルさんが去りました。
ご案内:「平民地区・大通り」にシャルレさんが現れました。
シャルレ > 夜遅くになってしまった。
森のほうまで遊びにいって、午後に暖かい場所で眠ってたら気づいたら、周囲は真っ暗の夜。

急いで王都まで戻ってきたけど、寒いのと眠いのと…。
頭を下げて白い猫が通りを歩く。
人の姿では危ないこと、夜は明るいとこを通ること…約束を守ってる。
猫で外で適当に寝ちゃうことも今まではあったけど、これも約束した、帰ってくること…。

だから頭を下げて、半分眠気のなか人の通りがなくなった大通り、猫の小さい影だけが街灯の中にあった。

シャルレ > 小さくもあくびをこぼす。
もう、近くの空家にでも忍び込んで寝てしまおうか…とも、立ち止まり周囲を様子見。

足が向きかけるものの、約束。約束…もう少し…と、
またトボトボ歩き始める。
遠くで酒場の賑やかな声も聞こえるけど、隊の人など見知った人はいなくて…。
仕方なく自力で隊舎へと戻っていった。

ご案内:「平民地区・大通り」からシャルレさんが去りました。
ご案内:「どこかの酒場」にバルジリスさんが現れました。
バルジリス > 【お約束待機中です】
ご案内:「どこかの酒場」にセイン=ディバンさんが現れました。
バルジリス > (王都内、そのどこかに位置する酒場。そこにバルジリスはいた。治安はよくも無ければ悪くもない、一般的な酒場である。そこで一人、グラスを傾けて、琥珀色の酒を飲んでいて…)
……ぷは…
(店内を見渡せば、カードゲームに興じる者、自分の様に酒を楽しむ者、酒をつまみに雑談に興じる者、女にちょっかいかける者……色々である)
……
(そして、グラス内の琥珀色の液体を口に含めば、思い浮かべるのは愛しい相手……おかしい、自分は、こんなキャラだっただろうか…?だが、彼女…まあ、彼でもあるのだが、その相手を想い飲む酒は格別である)
………おい、もう一杯。
(そういって、お代わりを頼みながら…その時、酒場の扉が開かれたのを、背中で感じ……ちらりと、そちらをむいて…)

セイン=ディバン > やや寒さ厳しい王都の大通り。そこを一人の男が歩いている。
仕事で暖まった懐。寒い夜。と、なれば。酒場で火酒か、お気に入りのモルトでも、という按配で。

「……ここでいいか」

あまりなじみの無い店だが。酒と飯の誘惑に耐え切れず、男は店を適当に決め、入店する。
なかなか繁盛しているようで、空いてる席は見当たらない。
これはどこか空くまで待たなくてはならないか。そう考えていれば。

「……おぉ?」

店の中、知り合いを発見した男はスタスタとそちらへ歩いていく。
ちょうど、自分のほうを相手が見てくれたタイミングだった。
なので、にこやかに笑顔を向け、手を上げる。

「よぉバル! 奇遇だなぁ! いやぁ、今度どこかで酒でも一緒に飲もうかって話をしてて。
 それでここで出会うとはなあ! あ、ウェイトレスさん。ライボーン・モルト。あと適当につまみを何個か」

気安く声をかけ、相手の席にお邪魔する男。ハイスピードでまくし立て、注文をし、懐から細巻きを取り出す。
……男は、失念している。自分が、相手の知っている自分とは姿形が変わってしまっている、ということを。

バルジリス > (気持ちよく、愛する相手を想いながら酒を楽しんでいたら……もしかしたら、想い人が来るのでは?などとメルヘンなこと思っていたら…どうやらオッサンだった様だ。)
はぁ…ま、そんな奇跡起こるわけねぇよな…って…は?
(実は想い人なのだが……部下の蛇からの伝え聞きでしか男性体の相手を知らぬバルジリスにとって、いきなり絡んできた男に対して思うのは……)
あぁ?誰だテメェ……?
(これだけである。気分良く酒を楽しんでいたのに、そこに見知らぬオッサンが割り込んできて…
不機嫌にならぬ雄がいるだろうか?しかも、相手は知り合い面でどんどん注文をしてきて…)
おい、俺ぁテメェみてぇなオッサンの知り合いはいねぇぜ…?
酒でそのツラ洗って、良い女のほういきゃいいだろうが。
なんでわざわざ俺に絡むんだ…
(そうコメカミに怒りの血管が浮き出るくらいには不機嫌に…だが)
しかも……いきなりバルって……なんでテメェ、俺の名前知ってんだっていうか……ん?
(そこで、足元から一匹のお供の蛇が、何か慌てた様子で紙を見せて……これは、手紙?
確かこれは、愛しい人に送った後の相手側からの返答……)
……バル……細巻き……酒好き………酒飲む約束
(バルと自分の名を呼ぶ相手……細巻きを吸うと言っていた…
酒がかなり好きで、一緒に飲んだこともある……)
お、おい、テメェ……ちょ、ちょっと、右手中指見せろや……!
(そういって、無理やり右手中指を見れば……指輪……)
………
(そして、百面相が始まる。まさかこいつが……?でも。いや、だが……まさか…!でも、しかし…
そうしばらく百面相をした後…)
お、おい。まさかテメェ……セイン?
(そう、愛しい相手の名を呟けば……もし肯定されれば、酒を一口のみ、相手の顔に吹きだすというギャグを行うだろうか…?)

セイン=ディバン > 少なくとも手紙は送ったし。その時に使い魔の蛇にも出会ってる。
というわけで、男は面識があると完全に思い込んでいるのである。

「おいおいおい、ご挨拶だな。誰だ、はねぇだろ」

相手の言葉をまじめに受け止めない。冗談か何かだと思っている男は、細巻をぷかぁ、とふかし。

「絡むって。どうしたんだ? バル。機嫌悪ぃのか?」

青筋浮かべてすごまれているのに。未だに相手の本気を理解していない男。
届いた酒をくぴっ、と飲み。間の抜けたことを言うが。
そこで足元で何かが動くのを見て、ちら、と確認。
蛇であった。手紙を持っている。……間。相手の百面相。
ここでようやく男も自分の姿を相手がまだ知らなかった、ということに気づき。

「ほい、指輪。あ、触るなよ? 大事な大事な妻からのプレゼントなんだからな?

 ……ほいご名答。ヤッホー、バル。元気してっか?」

届いたつまみの揚げ芋を齧りながら笑う男。その表情は、実に憎たらしい、嫌味なものであった。

「と、いうわけで。一緒に飲もうぜ。話したいこともあるしな?」

酒場のテーブルに執事服が二人。なんとも異様な光景だが。
男は気にせず、グラスを掲げ、乾杯、などと言う。

バルジリス > …………
(とりあえず……落ち付くために、酒を一口飲んで…)
…………ぶぐ!…っごほ!ごほ!
(肯定されれば、思わず相手に酒を噴出しそうになるも、気合で我慢し…むせる程度に収め)
て、テメェ……セイン!……の、男性体か…!
(最後の所は大声で言うことでもないため、小声になり……)
………っち!ああ、おかげさまでな。ついさっきまで最高の気分だったよ…!
(そう言いながらも、持ってこられた揚げ芋をかじり…ふぅと一息
相手のムカつく笑みには)
……その顔やめやがれ。テメェがセインじゃなきゃ、二度と笑えねぇ顔にしてやるところだぜ…?
(そう半本気で分脅しつつ…相手がグラスを掲げれば)
………ああ、俺も。一回今の状態のテメェと話したかったんだ。
………ああくそ!乾杯!
(そう半ばやけくそで乾杯して、少し度数高めの酒をぐいぃっと…)
……で?俺が部下の蛇共から聞いた話じゃ…ずいぶんと愉快な体になってるらしいじゃねぇか。再会を祝して、ハグしてキスでもするか?
(そう言いながら、不機嫌そうにつまみをかじり…)
…まあ、男のテメェと会えて……こうして酒飲むのは悪い気分じゃねぇが…今までこうやって、酒飲む相手もいなかったし…
(そう、ぼそぼそという言葉は、聞こえただろうか…?)
で、聞きたいことは山ほどあるが…何だ?話したいことって……?
(そう、話の続きを聞いて……)

セイン=ディバン > 「おいおい、大丈夫か?
 ま、予想の範疇のリアクション、ど~も、だな」

酒を飲んだ相手が、見事それを噴き出しそうになり、むせるのをみて男はケタケタと笑う。

「だーから、そう言ってるだろ?
 オメェ、冷静じゃねぇときは案外物分り悪ぃな?」

繰り返しの確認にやや呆れた顔になりながらも、男の声は実に楽しそう。
趣味が悪い、とはこのことである。

「おいおい、俺に会えたんだからもっと最高の気分だって?
 いやぁ、照れるぜ。あんまホメんなよ♪」

誰もそんなこと言ってないのに、一人で楽しそうに言う男。
おそらく相手の中の自分の印象はそりゃあまぁガラガラと音を立てて崩れることだろう。

「そう怖い顔すんなって、あい乾杯。
 そうそう、その話さね。ま、愉快っつーか、な。
 お生憎さま。俺ァ男とそういう関係になる趣味はねぇ」

相手の苦虫噛み潰したような様子を笑って見つつ、男もつまみを食す。
続く相手の言葉には、男もゆっくりと頷きつつ。

「そりゃ同感。俺も飲み友達、なんてのはいねぇからなぁ。
 で、だ。実際の所の俺の体のお話さ。
 ざっくり言うと。今俺の中には三人俺がいる。男の俺。女の俺。で、フタナリの俺、ってやつだ。
 記憶と経験、知識は共有してるが。三人は三人とも別人で、三人が三人とも同一人物。ここまでオッケーか?」

冒険者、かつ探索系の男には、相手の小声も聞こえていたようで。
感慨深そうに言いつつ、男は本題を話し始めた。

バルジリス > はっ!趣味のわりぃ野郎だぜ。ったく。
(楽しそうな相手には怒りよりも先に、呆れというか何というか…そんな感情が先に出てきてしまって)
あぁ?誰が好き好んで野郎と会って最高の気分になるってんだ。おれが最高の気分だったのは…その…
(最後の方はしりすぼみに。確かに、セインの事を想っての酒は美味く、最高の気分だった…だったが…!
あくまで、俺が好きなのは、セインのメスの部分であって、何が悲しくてオス100%のセインと会って喜ばねば……!と混乱中)
俺だって、野郎と抱き合ってキスなんて、よほど若い美少年じゃなきゃごめんだね。
(そうイライラと自分の性癖の一つを語ってしまったバルジリス。
そして、相手の説明を聞けば…)
……三人が三人別人格で、かつ、同一人物……なーるほどな。
(バルジリスも馬鹿ではない、ワルセイのアルシャへの英才教育に付き合っているのだ。
相手の状態については理解した……)
……ああ、オーケーだ。続けてくれや。
(そう先を聞きながら、酒を口に含む…

セイン=ディバン > 「そんな相手に惚れたお前の趣味も大概だな」

感情をぶつけてくる相手には、どこまでもからかいモードで対応する男。
別に怒らせたりしたいわけでもないのだが。どうにも、この相手は反応が面白い。

「ん? どうしたよ、言ってみろってバルちゃん♪」

相手の言葉を聞けば、その先は予想済みだぞ、とばかりに。
当然、相手は死んでもその先は口にしたくないだろう、と。わかった上だ。

「若い美少年ならいいのかよ……」

相手の性癖に呆れたような声を上げるが。考えれば、男もつい先日まで、男に犯されていたりしたので。
他人のことはいえないのではある。

「ん。あるいは、元の俺が三つに分割された、って考えてもいいかもな。
 俺ら三人でお互いを評すれば、その方がしっくりきたからな。
 俺は、男性的な側面。ま、あとは二人に言わせれば粗野になったらしい。
 フタナリの俺は……。お前さんに会った時に一番似てる。けど、更に淫乱になったな。
 で、問題はここだ。女の俺なんだが……」

男はそこで一度言葉を切り、まじめな表情で、相手を見る。

「これは、完全に新しい俺だ。女的な側面を持ち、まぁ……。
 冒険者になんて向いてなさそうな性格でな。
 ……バル。お前、フタナリの俺と、女の俺。どっちに会いたい?」

そして、唐突に。そんな質問を相手に投げかけた。

バルジリス > ……ッチ!俺がほれたのは…その……ああクソ!趣味が悪くて悪かったな!
(とてもではないが、「俺が惚れたのはお前のメスの部分だ」など、男に言えるか…!と思い、葛藤し…)
………
(先を促されても、ぜってー言わねぇ…という雰囲気を出しながら、不機嫌そうに酒をちびちび……そして、若い美少年なら~という言葉には)
あぁ?……別に何を抱くかは俺の勝手だろ?テメェが誰を抱くのかテメェの勝手なようによ。……それに……
(そこで、少し言葉を切り)
……それに、俺はショージキ、結構鬼畜なんだよ。だから…それを、テメェのメスにぶつけたくねぇ…だから、他で発散させるしか…ねぇだろ…って何言ってんだ俺は…!
(そう恥ずかしいったらないという表情で、頭を掻きむしり…
そして、続く言葉は少しずつかみ砕いて理解していって…最後の問いには)
……フタナリのテメェと、メスのテメェだとぉ?
(これは、半端な答えは出せねぇなと思い、少し考え…)
……セイン。この間も言ったがよ…俺ぁテメェのメスの部分に惚れた。
お前の弱い部分、優しい部分、壊れそうな部分……そういうの、守りてぇと思った。
それに…恥ずかしいけどよ。テメェの女性的だった部分…けっこう、俺の心の助けになってたんだぜ…?
だからよ……俺は。メスのセインに会いてぇ…
フタナリのテメェも好きだがよ……それは間違いねぇ。一番長く付き合ったんだからな。
でもよ…俺の知ってるセインの、弱い部分、優しい部分…女の部分が凝縮されてる存在……
俺の、守りてぇ部分が凝縮されてる存在に。俺は会いてぇ。
で……改めて……言いたい言葉が沢山あるんだ。
……オスのテメェには死んでも言わねぇぞ?
(そう最後以外は真面目に、まっすぐ目を見てサングラスごしに語り切って…)

セイン=ディバン > 「カッハッハッハッ。すまんすまん、からかいが過ぎたな」

本当に、予想通りのリアクションをしてくれるから。男は大声で笑う。
だが、さすがに相手が不機嫌そうにすれば、笑いながらだが謝罪をし。

「ま、そりゃそうだ。お前さんがどんな性癖だろうと、それを罵倒される謂れはねぇわな。
 ……あー。その。さっきも言ったとおり、知識と感覚と経験は共有してるんだからな?
 今のお前の言葉は、残りの二人にも聞こえてる、ってことは忘れんなよ?」

大胆な告白に、男は呆れたまま相手にアドバイスをする。
どうにも。この相手、口は悪いが、なかなかに純愛傾向なのではないだろうか。

「……ふむ。ふむふむ。なるほどな。
 ……判った。ただまぁ。お前さんは今までフタナリの俺しか知らなかったわけだ。
 だからまぁ……」

相手のまじめな言葉に、男は頷き、聞き届ける。そして、相手が最後まで語り終えたのを聞けば。男は短く言い。

「想像と違った、っていうなら。返品は今のうちだぜ?」

それだけつぶやくと。男は魔力を練り。瞬間、男の身体は一瞬光に包まれ……。
光が収まると。そこにいたのは、相手も見慣れた姿の女性。
だあ、決定的に違うのは。その少女は、黙り、うつむき。
ぷるぷる震えながら、ちみちみとみみっちく酒を飲んでいる。
明るく、挑発的で、奔放な姿はどこにもない、という点が。
決定的に違っていた。

バルジリス > …………いっそ殺せ!
(先ほどの性癖の告白がこの男のメスの部分に聞かれてたとわかれば、顔を真っ赤にしてそう言って……)
…………ああ。
(返品は今の内だぜ?と言われれば、短く返事を…そして…)
……おい、セイン……?
(そう、プルプルと震えながら酒を飲む、小動物化している相手に声をかければ…)
………お前、こーいう場に慣れてねぇっていうか…恥ずかしいのか…?
(そう肩に手を置き…相手の震えを感じ…)
それとも、怖いのか…?
(そう言えば……酒場のマスターに声をかけて)
おい、少し、友人の妹が酒場に酔っちまったみてぇだ。
確か、この酒場、宿もやってたろ?一晩借りるぜ?
(そう言って、宿の部屋の鍵を借り……)
さ、セイン。歩けるか…?難しけりゃ、俺の肩持て。
(そう言って、相手を部屋へと連れて行こうと。そして耳元で……)
安心しな。今のテメェを抱くほど、俺は盛ってねぇからよ…
心配せず…部屋に行こうぜ。そこで、ゆっくり話そうか。
(そう、口調は悪いが、声色は暖かく言って…)

セイン=ディバン > 「それが依頼なら叶えてやっけど?」

赤面まで晒す相手に、男はゲタゲタと腹を抱えながら笑い、言う。

そうして現れた、獣耳の少女は、相手の声に、ちらり、と。
上目遣いで、様子を伺うようにし。

「あ、あのっ……そのっ……。
 は、はじめ、まし、て……」

相手の質問に答えることもできず、まず挨拶をする少女。
肩に手を置かれれば、びくり、と身を震わせるが。
そのまま相手の言葉に従い。
ただ、やはり距離的には、今迄で一番遠い距離感。
決して相手の肩には触れず。うつむいたまま、相手の後ろを付いていこうとする。

「ひゃいぃっ!? あ、あの……。だ、抱く、って……。
 え……エッチな、こと、ですよね……」

抱く。そんな単語が聞こえれば、相手のほうをがばっ、と見て。
そこでようやく相手にも顔が見えるだろう。顔面真っ赤。
視線はぐるぐる泳ぎまくり。緊張と、恥ずかしさの入り混じった。
でも、相手の良く知る顔が、そこにはあり。

「お、お話、だけなら……。
 わ、私も、バルジリスさんと、お話したかった、です」

消え入りそうな声で、少女はそう言い、相手のエスコートに従っていく。

バルジリス > (肩に手を置いたときに、びくりと怯えられれば……さっと手を放し)
あぁ……そーいや、テメェは第三の人格だったなぁ。……初めまして。セイン。
一応、改めて自己紹介だ。……俺がバルジリスだ。
(そう自己紹介して…自分のみ知った相手に怯えられて、酷く悲し気な表情なのは気のせいではないかもしれない…)
……そんなに離れんじゃねぇよ。此処にゃ、他の野郎もいるんだ。逆に危ねぇ。
(そう言って、そして、抱くという言葉に、真っ赤になり、視線が泳ぐ様をみれば…)
っぷ…っくく。そーさ。テメェの二つ目の人格と、ヤッてたことだぜぇ?…覚えてないのか。
(そう、くすくすと笑い…少し、あれだけい愛し合ったのを覚えていない可能性には、悲し気に…)
……ああ、いっぱいお話ししような。それで、お互いの事、一杯知ろうぜ。
(そう言って、部屋に入れば……シングルの大きなベッド。どうやら、マスターが気をきかせてくれたらしい。)
っち!余計なお世話を…ほら、硬ぇが、ベッドに座りな。俺は床に座るからよ
(そう言えば埃っぽい床に座り…)
………で、テメェはどこまで覚えてんだ?俺が……テメェを抱いた事とか、お前に、愛の告白したこととか……覚えてるって言うと変だが…覚えてんのか?
(そう聞いて…もしかしたら、言葉に、万が一覚えていないと言われたら…?という、怯えのかすかな震えがわかるかも…)

セイン=ディバン > 「は、はい……。よろしく、お願い、いたします……」

名を名乗られれば、すさまじく深い一礼をし。
そうして、ちょこちょことまるで子犬のように、相手の後ろを付いていく。

「す、すみません……。
 その……お、覚えてはいます。いえ、知っている、というべきでしょうか……。
 ただその、私自身は……」

笑う相手の言葉に、少女はわたわたと手を振りながら説明をしようとするが。
そこで部屋にたどり着き。しかし、少女はベッドが一つということの意味を判らないらしく。
あぁ、酒場の宿は一人部屋がメインなんだなー、くらいにしか考えないまま、ベッドに座り。

「先ほど……男性の私が、話したとおりです。
 今までの記憶はありますし、その。はい。
 告白、していただけたこととか。え、えええ、えっち、なこととか。覚えて、ます」

相手の言葉に最初は説明口調だったものの、告白や、抱いた、ということを言われれば、赤面を強くし、手をもじもじ。足をぴょこぴょこ、と。忙しない様子。

バルジリス > (自分と、相手との間の行為を覚えている……いや、知っているという相手には、少しほっとしつつも……ある意味、絶望しているバルジリス……)
あぁ……
(顔を覆い、目を見開き……ふらりとして)
あぁ……少し、きっついな。ここまで……違うとよ。
(そう、相手は……自分への好意を、「知っている」のだ。決して、相手は……自分に、好意を寄せては……いないのだ…そう考えたバルジリスは……目の前が真っ暗になりかけ…)
………っへ、上等じゃねぇか。
(そう、気合でニヤリと笑い)
セイン……テメェが俺の事……好きだって「知っている」ならよ…まだ、希望はあるんだよな…!
(そう言えば、ゆっくりと…フラフラと気力だけで立ち上がり…)
セイン……テメェが、俺のこと好きだって知識を持てるならよ…!それを、知識じゃなく、感情にしてやろうじゃねぇか……!
(そう言うバルジリスの唇は青く…相当に無理をしているようで…)
セイン……!俺ぁ…お前との恋を、甘く見てた。
俺は、メスとしてのお前を…少ししか、見て無かった…!
メスとしてのお前は…こんなに弱くて……!恥ずかしがり屋で、怖がりだったんだな……!
すまねぇ…お前の男気取ってたくせによ…!お前の事、これっぽっちも理解してやれてなかった……!すまねぇ…!許してくれ……!
(そう言うと、サングラスの下から、ぽろぽろと涙が……)
だけど……お前も、いきなりこの世に生まれて…怖いよな……
安心しな。俺が……お前を守るからよ……!
テメェを愛してるって一度でも言った俺の決意だ…!
(そう言うと、セインの隣に座り……)
セイン……初めて会った俺にこう言われちゃ困ると思うがよ…愛してる……!本当に、愛してんだ……!
てめぇがだいずぎで、じがだねぇんだ!
(そう、泣きながら……相手を、包むように抱きしめて……)

セイン=ディバン > 「あ、あの……」

少女は、相手の様子に、声をかけようとする。だが、何と言っていいのかも判らず。
ただ、相手のことを見るので精一杯だ。

「え? あの、希望? えっと、その……。
 は、はいっ!? え、えとえと、お、落ち着いてください、バルジリスさん!?」

目の前で相手が笑い、何かを語ろうとしている。その様子は、ある種鬼気迫る、と言ってもいい様子で。
いったん落ち着かせようとする少女だったが、相手の気迫に押し負け、言葉を聞くことにする。

「……。…………。
 ……………………。

 あ、あの。その。私も、言いそびれてて。
 バルジリスさんに、ばっかり告白させてあれなんですけど」

一通りの言葉を受け止め。涙ながらに抱きしめられる少女。
腕を回されれば、一瞬震えたものの。少女は、自身を抱く相手の腕に、手を重ね。

非常に、申し訳なさそうな声で、語り始めた。

「あの。私の言葉が、足りませんでした。その。
 と、というかっ! あの人! あの男の私! あの人の言葉も足らないです!!
 その、落ち着いて聞いてくださいね!!
 私たち、基本根っこの部分で、共有しているものが。
 知識。経験。感覚。なんですけど。その、感覚っていうのは……感情、なんです。ですから……」

そこで少女はため息を吐く。どうやら男の自分へ本当に呆れているとか、怒っているらしい。

「私は、バルジリスさんのこと、好き、です。
 ただ……私は、アナタの知ってる私とは、明確に別人なんです。
 え、えっちなことは、恥ずかしいですし。そ、そういう夜伽の奉仕の仕方も、知識はあれど、多分、上手くできません……」

しおしお、と。見る見るうちに元気無くす少女。

「……だから、本当は怖かった。アナタに会うのが。
 会ったら、嫌われるんじゃないか、って。
 だって、私はその、両性具有の私とは、ぜんぜん違うんです。
 あんなに快活に。奔放に、男性と愛し合ったりなんてできないし。冒険者生活なんて、怖くてできないと思うし……。

 でも。アナタが好きな気持ちだけは。本物。
 生まれたばかりの私の。いっぱいの偽者の中の、本物なんです」

バルジリス > ………!
(感情を、共有している……!その言葉は、大荒れのバルジリスの心の中に、小さな灯をともした…)
………ああ、ああ!
(相手は……間違いなく、俺のことが……好きなのだ。それが、セインの言葉から伝わってきて…)
セイン……セイン……!
(そう相手の名を呼び、優しく…だが、力強く抱きしめ)
……大丈夫だ。テメェが無理する必要なんてねぇよ。
セックスだって、テメェが嫌がるならしねぇ。まぁ…俺もオスだしよ。テメェと交わりたいとは思うがな。
お前がもっと落ち付いて…俺に慣れて、この世界に慣れてきたらよ……
その時、俺と愛し合ってくれねぇか?
(そう優しく語りかけるように…頭を撫でながら…)
はは、確かに、テメェはフタナリのテメェと違って、快活さも奔放さも足りねぇな。
でもよ…テメェは、フタナリのテメェとは違うんだろ?
セイン……恥ずかしがり屋で、弱いテメェも……大好きだ。
女のセインも、フタナリのセインも………まあ、男のセインもよ。
俺は…三人とも、大好きだぜ。
(そう言えば……じっとサングラスごしに、愛しい人を見て……)
冒険者生活は、オスのテメェに任せりゃいい。
だれかと…その、愛し合う時は、フタナリのテメェに任せりゃいい。
メスとしての、お前は……俺の、心を守ってくれねぇか?
メスとして、雄の俺を…守ってくれ。
俺は代わりに……雄としてメスのテメェを、全力で守る。
セイン。愛してる……
(そう言って、そっと、唇を合わせようと…………その後どうなったか?
それを知っているのは、部屋にいる蛇だけだが……
少なくとも、プラトニックに過ごしたことだけは、間違いないだろう……)

セイン=ディバン > 「わ、わぁああぁあっ!?」

相手の表情がみるみる明るくなるのがわかる。少女が安堵のため息を吐くと同時に、抱きしめられ。
思わず、悲鳴が上がってしまう。

「あ、あの。……ありがとう、ございます。
 ……わかりました。その。
 その時は。私の初めて……もらってくださいね」

頭をなでられながら、優しい言葉をかけられれば。
少女は、俯きながらも、相手にそうお願いをする。

「……その。バルジリスさんは。
 気軽に、好き好き言いすぎだと思います……」

照れているのを誤魔化すように。そう言って、少女はぽこぽこと相手の腹部を殴るが。
突然、イラついたような表情になり。

「……あの。男の私が。『俺は別に好きじゃねぇけどな』って……。
 すいません。あの人、本当にダメな人なんです……」

おそらく、自分の愛した人をからかわれたから思わずイラついた表情になったのだろう。
その辺は、同一人物でも譲れないらしい。

「……ハイ。その、確約はしかねますけど。
 私は、アナタの心を守ります。
 ……その。バルジリスさん。愛してます」

少女なりの、懸命の誓い。この国、この街でどれだけ純潔を守っていられるかは判らない。
だが、その時まで、必死で守り抜こう、と誓い。

……近づく唇には、照れ、相手の顔を押し留めて。
自分の頬を指差して。

「……くっ、唇はまだ早いと思うので。
 ほ、ほっぺでお願いします……」

と。とことんウブなことを言ったんだとか……。