2017/11/06 のログ
ご案内:「王都マグ・メール/墓地」にシュティレさんが現れました。
■シュティレ > 夜も、開けてきまして、太陽が顔を出し始める頃。
私は一人で墓地を眺めていました。
死とは無縁の私ではありますが、ニンゲン達には等しく訪れる物であると聞いたことが有り、そして、その死んだニンゲンの肉体を埋めて隠すための場所がこの墓地であると知っています。
彼らは何を思い、こんな場所を作るのでしょうか……興味が沸いたので立ち寄ってみたのです。
「理由は分かりませんが……でも、この静寂はとても心地が良い。」
ええ、ええ、静かな場所は好きです。
こう言った、喧騒とは無縁な静寂の中に包まれていると、嬉しくなります。
ずらりと並んでいる石の塊……墓標を眺めながら、私は目を細めてしまいます。
ここは、どこかに似た雰囲気を心の中に覚えております。
それを思い出すための沈思黙考。
■シュティレ > 「………ああ、そうなのね。」
思い出すまでにしばらくの時間を費やしてしまいました。
どこに似ているかといえば、私の城の奥にある、私の寝室です。
仕方ないといえば、仕方ないのかもしれません、100年位は帰っていないのですから。
使命に準じていると言えばそれまでですが、私は私の地位に、城に執着を持っていないのでしょう。
あっても、なくても同じというものであれば、思い出せなくても仕方がないのでしょう。
今回の事の方が付いたら、久しぶりに城に戻るのもいいかもしれません。
思い出すことができて、さらに気分が良くなりました。
なので、この静謐を堪能させていただきましょうか。
徐々に日が昇り明るくなる墓地。
日陰ができて、先ほどと様変わりする景色を見せてくれるその場所を私は慈しむように眺めてしまいます。
ふと、この美しさを誰かと共有したい、と思う心も湧きますが。
知り合いも、友人もいない身としては、それは叶わぬものと苦い笑みがこぼれてしまいましょう。
■シュティレ > しばしの間、私は一人無言で立ち尽くしていました。
夜の闇では溶け込むこのドレスも昼の中では目立ち始めます。
喪服というものに似ている色合いなので、勘違いしてもらえるかもしれませんがそれはそれ。
あまり目立ってしまっても仕方がありませんので、私はそろそろお暇をしましょう。
まだ、朝が早いということもあり人の通りは多くありません。
ならば。
私は歩き始めます、この場所から離れて、どこか静かな場所でひと時の休息と行きましょう。
墓地にはなんの気配もなくなりました。
ご案内:「王都マグ・メール/墓地」からシュティレさんが去りました。