2017/08/09 のログ
■リス > 「あら、商売敵様でしたか。
お互い、色々と苦労しますね。」
軽く冗談をこぼして笑ってみせる。
彼女が商人ではないのはわかるし、彼女と自分では取り扱うものが違う。
喧嘩するわけでもないし、と彼女に対しては親愛の念で言葉を。
「余り人を疑ってみるのはよくありませんが。
念には念を、ということですね、よくわかります。」
自分の事だとしても、それが言外の事だとしても、自分で自分のことを悪い奴だと言う奴は悪でも筋は通すタイプ。
小悪党程、言わずに騙すものだ、そういう意味では信頼を置いて構わないだろう。
次回からちゃんと気をつけるわ、と軽く笑ってみせた。
「先ほどの、迷惑料と思っていただければ。
それに、私には実に成りました、情報も、金なりと考えてますので。」
七万で即決する相手に了解しましたと言葉を放って。
「では、売約とさせていただきます。
今、証書を作りますので、お待ちを。」
そう言って、取り出すのは一枚の羊皮紙。
悪魔との契約に使う魔法の書面、書いた文字は魔法的な拘束として扱われるだろう。
それなりの実力のある魔術師ならそれを無効化することも可能ではあるが、少女など、魔法の知識のないものなら、一切抵抗できなくなる。
基本的には、貴族にカネを貸す時に使う証書であって。
少女は今の護符を7万の10%引き、6万3000千Gで売約する事。
商品引換は当日お金と引き換えにて品物を渡すことを書面に記す。
「お引取りの日は、あらかじめ連絡いただければお待ちしますわ。
ですが、あまり長い時間放置されるようなら、破談とさせていただきますね?」
と、釘を一つ指しておこう。
よければ、良く書面を確認してくださいな、と羊皮紙を差し出そう。
■シェイア > 「ふふ、本当に。
例えば会話しているだけで相手を誘惑する魔術…などもありますしね。
えぇ、そういう事です。」
この少女は頭はいいようだ。
注意を、と言えばきちんとかみ砕いて受け入れるだろう。
その後どうするかはまた、それも少女の自由。
気を付ける、というだからそうするのだろうが、
「ふふ、本当に気にしなくてもよろしいですのに。
…それは…魔術的な証書というわけですか。
………えぇ、確かに。」
微笑を浮かべながら、相手が用意した証書に目を通す。
なるほどこういうものを用意してあるのであれば取引もしやすいだろう。
今回は別の手段として使われたようではあるが。
内容を確認し、こくりと頷く。
「えぇ、それで構いません。
それでは後日…という事で。」
そう言って、席を立つ。
取引は終わった。あとはお金を揃え、ここを訪れるだけだ。
す、と柔らかなソファから立ち上がる。
すると、ころり、と女性の荷物から小瓶がソファに転げ落ちた。
■リス > 「怖いですわ……でも、綺麗なお姉さまになら、誘惑されてもいいと思いますけど。
その、損に見合うだけの、いい思いができるなら。」
誘導、洗脳、それは、商人にとってはそれなりに身近である。
モノを売る時に相手に特だと思わせる、魔術でなくても日常的に行うものだから。
それを魔術的にされるとお手上げだとは思うが、その対策にこれなのね、と売り物を眺めた。
「では、確認のサインをお願いしますわ?」
同意したというサインをくださいな、と羽ペンと証書を差し出そう。
ニコニコと、笑うのは商人。
買ってくださいオーラ全開、逃がしませんとも。
「と、あら?なにか落ちましたわ。」
立ち上がる相手、ころりと転がる小瓶。
蓋を外さぬように気をつけながらそれを取り上げる。
じぃ、と眺めて相手に差し出そう。
「商売抜きでよければ、お誘いいただければ、お付き合いしますわ。
商売アリだと、ちょっとお覚悟必要かもしれませんけど。」
くす、と笑う少女。
ほんのりと頬を染め、舌なめずりしてみせるのは獲物を狙う獣のような瞳。
そう言いながら、開けちゃいますか?なんて冗談言いつつ差し出そう。
■シェイア > 「ふふ。お眼鏡に叶う方がいらっしゃるかしら。」
少女の言葉をやんわりと受け流すようにそう答えて見せた。
とは言えこの国で支店一つを任されている身であればそう珍しくもないかもしれない。
内心でそう考えつつ、サインを求められれば流麗な書体で名前を入れるだろう。
これで契約成立というわけだが…その少女の商人としての気迫にくすっと微笑んだ。
「…あぁ、それは試供品です。
香炉に使う精製油…調剤とは言え薬だけを売っているのではないですから…。
もし興味があれば差し上げますよ。」
どこか獲物を狙っているような少女の様子に、やんわりと微笑む。
蓋を開ければ、どこか官能的な、女性の魅力を引き出すような香りが楽しめるだろう。
「あら、ふふ。特定の方がいないのかしら。
…まぁ、それも含めて追々という事で…。」
■リス > 「手近には今目の前に一人いらっしゃいますわ。」
軽く笑って言葉を放ち、彼女に瓶を返すことにしよう。
名前を書いた書面を眺めれば、確かに、と頷いて重要書類を仕舞う為のファイルにしまい込む。
微笑む相手に、ふふ、ともう一度笑って返す。
「で、あれば、お返ししますわ。
流石に試供品とはいえ一品ものを売り物に出すことはできませんし。
ムード作る程度に、というのであればともかく。
口説くほうが好きですから。」
すい、と差し出して、返してしまおう。
今開けると大変なことになろうとも言える。
「目標は王族の後宮を目指してますから。
覚悟というのはその辺含まれちゃいますわ。」
まあ、お時間のあるときゆるりとと、少女は魔法の道具を仕舞う。
少女も立ち上がり、メイドを呼び、魔法の道具をしまうように指示した。
■シェイア > 「……あら。それは嬉しい事。」
少々意外ではあった。
ひょっとしたら狙われていたという事もあったかもしれない。
と考えつつ、書面や道具をしまい込む様子を立ち上がった状態で見つめている。
「個人的な贈答でも構いませんが…そう仰るのであれば。
…もしかして口説かれていたのかしら。」
冗談のように言いながら、事務室の戸口を目指す。
ついてくるであろう、少女に一度振り返ると、
「ふふ、夢が叶うといいですわね。」
そう言いながら髪を緩くかき上げると、りん、という音が鳴った。
心地よく響く音と共に、わずかな魔力を少女に忍ばせる。
香油の代わりに、魔女からの贈り物。
次に出会うときまでに、自分との淫らな夢を見てもらう事にする…。
焦らして欲求を高めてもらわないと、と魔女は内心で笑みを浮かべた。
「それでは…今日はこれで。良い買い物ができましたわ。」
■リス > 「流石に、真面目な商売中には、口説けませんわ。
口説きたいのは山々ですが。」
言外に、仕事中でなければ口説いていたと言わんばかりに言いながら、彼女にウインク一つ。
「いいえ、商売を抜きにしたムードのあるところでしっかり心までとろとろにしたいわ。」
彼女についていきながら返答をこぼして、店を出る前に一度立ち止まる。
「協力してくれると嬉しいわ。」
夢を叶えるために、いろいろ努力はするが協力者がいるといい。
実際に入ってくれるなども合わせてね、と。
そこで聞こえる鈴の音。
近くで飼い猫か何かがいるのかしら、と周囲を眺めるも誰もいなくて。
気のせいかしらね、と魔女の贈り物には、気がつかなくて。
「ありがとうございました。
従業員一同またのご来店をお待ちしております」
ぺこり、とお辞儀して彼女が去るのをお見送り。
また来てね、とほほ笑みを浮かべて。
ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」からシェイアさんが去りました。
■リス > お客様がいなくなるまでお見送りをして。
頭を上げて周囲を眺める。
「ふふ、良い商売ができたわ。
……本格的に魔法的なものも、需要を考えたほうがいいわね。」
さてと、まだまだ忙しくなるわね。
少女は大きく伸びをしてから、店に戻る事にする。
本日のことを日誌に記載して、色々と頑張らないといけない。
まだまだ経営は経験値が足りないのだから。
もっと頑張らないといけないわね。
少女はそんなふうに考えながら店の中に――――。
ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」からリスさんが去りました。