2017/06/04 のログ
ご案内:「富裕地区/商店街の高級ブティック」にグラスシエルさんが現れました。
ご案内:「富裕地区/商店街の高級ブティック」にグロリアさんが現れました。
グラスシエル > 富裕地区――その中の商店街にある高級ブティック
店主は物珍しそうに、客として入ってきたカップルを見ていた
一人は翼を背負った少年、もうひとりは大柄だが魅力的な体つきの美人
兄弟とは見えない、まあそういう客なのだろう、と幾つかの商品をおすすめして、店の裏へと消えていく

「俺はこの軍服でいいから、リアが好きなの買えばいいな」

懐の革袋を確認する。これでも天界では指折りの戦士である。金と宝石は潤沢だ。高級ブティックだろうと怖くなかった。

「で…ほんとに男装すんの?」

と、さっき言ってた言葉を思い出して

グロリア > 「そう言う事なら、お言葉に甘えようかな。
ボクはあんまり服選びが得意じゃないんで、当然エルにも手伝ってもらうからね?」

グロリアの中で男装は半ば決定事項になっていたらしい。
一応自分の服を買うぐらいの資金は持っているが、男の面子というものもあるだろうしここは素直に引いておこう。

「おや?男装以外がよかったのかな?
まあボクとしてはエルが選んでくれるなら何でも楽しみなんだけれど、とりあえず男装という線でいってみようじゃないか」

別に男装が気に入らなかったら試着した後他の物を試せばいい。
悩むよりも行動あるのみだ。
とはいえ、今はエルがどんな服を選ぶのかを待つのであるが。

グラスシエル > 「…俺は、あれだ。服は「これ」しか着たことねえから――」

自分の軍服をつまんで見せる。生まれつき戦天使として生まれた以上は、そんなものだ。だから服の良し悪しなんて分かるわけがない。
でも、リアの言葉がやけに嬉しい。だから、リアの言葉に軽く頷いて、服を見ようとして―――手が止まる。元々観察眼と勘はいいのだ、頭も普通よりは回る。
並べられてる服を全部無視して店主を呼ぶ

「おい、あの女性の体格じゃ、此処の服のテーラーは無理だな?オーダーするからこれとこれを合わせろ」

と、店主に命令する。店主は訝しげな表情を見せたが、少年が何か…まあ宝石なのだが、其れを渡すと表情を変え、高級ブティックの店主らしい顔つきで、リアのサイズを図り、採寸して合わせる。縫製はどうしてるのか不明だが、すぐにご用意出来ますとのこと。

リアにそうして差し出されたのは、将校的な軍服、そして胸元を空けたタキシード、燕尾服である

グロリア > 「そうなのかい?折角色々似合いそうなのに勿体無い……」

エルはああ言っていたが、自分の分が済んだら彼の分を買ってあげてもいいなどと思いながら、採寸を受けると後はオーダーが仕上がるのを待つ。
支払いに関しては本当に全く問題がなさそうで、面倒事がないのは良い事だ。

「うーん、随分格好良さそうなのが出てきたねえ。
調整は大変だったんじゃないかい?ボクはその、色々と大きいからね」

見るだけならある意味見慣れた紳士服。
それが見事に自分の体型に合わせて仕上がっているのは、何だか妙な感じだ。
流石にこの道のプロは凄い。
早速袖を通してみたいのだが、当然ながら男物の服は今まで着たことがない。

「済まないが、誰か着方を教えて、手伝ってくれないかな?」

誰か、と言いながらエルに視線を送る。
明らかに期待している目で。

グラスシエル > 「知らんよ、興味もない。」

先程までとは打って変わって、冷たい口調になる。差し出されたオーダーメイドを見て、ヒュゥと口笛を吹く

「富裕層のブティックとはいえ、魔術採寸までできるのか、王都は。人間の魔術も随分細かい事ができるんだな。」

縫製は魔術採寸、そしてサイズ合わせも、その豊満な胸も含めて完璧である。これなら宝石をもう一つ載せても良かったかもしれない。

「――手伝えって…ま、まあしょうがないよな」

意地悪な視線を送りながら言うリアにため息をついて、一つ一つ服を合わせていく。着方を教えるぐらいなら、その素肌を見なくても大丈夫だろうと思いながら
すると、店主がこちらへ、と二人を誘う。連れて行かれたのは上客用の広い一室まるごと試着室にしたような部屋。これならたしかに二人でも問題はない。

「…渡す宝石まちがったか?俺」

随分と気前のいいサービスに首を傾げながら、リアに背を向けて

「後はできるだろ、さっさと着てくれ。」

グロリア > 「どうして後ろを向くんだい?」

ついてきてくれたものの、早々に背を向けてしまい着替える姿を見ようとしないエルにそんな声をかける。

「せっかく女の子と二人きりなのに、着替えを見たくないぐらいボクには魅力がないのかな?」

着替えを見るように催促するのはまるで痴女のようだが、普通男の子ならこういうのは是非見たがるものではないのか。
それなのに見ようとしない事を責めるような、挑発するような、感情の読めない平板な口調で問いかけた。

グラスシエル > 「先ず第一に、無防備な女の裸をジロジロ見るほどエロオヤジじゃない。もう一つ、俺はお前の裸を見に此処にきたわけでもない」

少年は落ち着いた様子でそう答える。内心は結構ドキドキしてる。なんだこいつ恥じらいがないのか?ぐらいは混乱してる
でも其れを隠しながら後ろを向いたままで

「お前は十分魅力的だし、魅力的な服着たほうがそういうのはいいだろ――って今のナシ!ちょっとまて!」

と、あわてて言葉を取り繕おうと

グロリア > ……可愛い!
思わず衝動的に抱きつきたくなってしまったが、流石にこの格好でそんな事をしては警戒されるか最悪逃げられてしまうかもしれない。
今は自由を愛する身ではあるが自由のためには多少の我慢も必要である。

「ふふっ、いいさ何も聞かなかった事にしてあげるよ。
その代わり、一つ貸しにしておくからね?」

エルの飾りのない賛辞だが、あんまりからかわず胸に秘めて次の約束に繋げるのが得策だ。
これも多少の我慢の内である。

「とりあえず着替えてみるけれど、本当に分からないところがあったら頼らせて貰うよ」

今日のところは大分心を開いてくれた、という事で一応満足しておこう。
最初の刺々しい態度からかなり大きな前進、飛躍と言っても良い成果。
何だか最初は他の理由があって声をかけていた気がするが、今となってはどうでもいいことだ。
上機嫌で袖を通してみると、割りと簡単に身につけられたし採寸が正確だったのか想像以上に動きやすくてこれには軽く驚いた。

「中々いいと思うけれど、どうかな?」

着替え終わってエルに声をかける。
見た目はともかく機能的にはかなり気に入ったので、多少似合わなくても使いみちはありそうだ。

グラスシエル > 心臓がバックバクである。というか、少年には本当に下心がないのだ
正直女の身体に対して興味はない。別に同性愛者ではなく、よくわからないのだ、なのに、リアの直球はココロの柔らかいところにザクザクと突き刺さり、少年には理解不能の感覚を与える。
ええい、しっかりしろ!と頬を音が鳴らない程度に両手で叩く。そして、衣擦れの音だけを聞く。そちらのほうが、心臓の鼓動が高鳴ってる気がしなくもない。

そして――OKのサインがでたので、振り返って、硬直する。
最初に着ていたのはタキシード。まさに男装の麗人…なのだが、しっかりと胸元は強調された、まさに「男装用」のデザインに仕上がってる。
その姿を見て、ぽーっとしてしまった。心奪われるとはまさにこの事かと。
もしかしたら、経験の濃いニンゲンならわかるかもしれない。要はそういうことだ。少年の好みは、全裸ではなく―――

十秒ほど時間が空いただろうか。じっと、その姿に見惚れた後、真っ赤になって背を向けちゃう。

「い、いいんじゃないか?に、似合ってると思うぞ」

グロリア > 「それはよかった、安心したよ」

似合っていると言われた事は勿論そうだが、どちらかといえば彼の態度の事である。
すっかり柔らかく、というより緩くなっているように感じる。
何というか、感情が読みやすいというか隙が出来たというか、これは大分気を許してくれたと言うことか。
少し欲張りかもしれないが、ここで最後にもうひと押ししてみるとしよう。

「さて、それではお披露目も兼ねて参りましょうか」

試着室を出るために動く、ついでにエルに近づくとひょいと抱き上げていわゆるお姫様抱っこの体勢になる。
羽根がある分少々変形してはいるが。

グラスシエル > 「そ、その――でもその格好はちょっと刺激が」

自分で勧めておいて支離滅裂というか、これはもうさっきまでの少年とは別人にも思えるほど。 心臓はバクバクで、顔は真っ赤になって火が出そう。なんでこんなにぼーっとしちゃうのか分からない。

「参りましょう、ってどこに―――ひゃん!?」

ふわりと浮き上がった身体。抱きかかえれば、少年の体躯の細さがわかるだろうか。痩身、とはいえ虚弱ではなく、引き絞られた鋼鉄のワイヤのほうな体付きは、まさに戦士のものである。
悲鳴のような鳴き声は、もう甲高く女の子のよう。お姫様抱っこの体制になると抵抗しようともがくけど、タキシード姿の美女に見つめられると…少女のように、抵抗をやめる。それどころか、背の翼をしまい。(しまうというよりは消す、の方が近いか)抱かれやすい格好に

グロリア > 翼を隠せる事に感心するも、特に言及はせずに抱え直すのみ。
こちらとしても天使やら魔族とか、その辺りの事情を詮索されると面倒なのだ。
思わぬ収穫に浮かれてはいるが、一応そのぐらいの分別は残っていた。

「どこって、支払いも済んでいるんだし表に出るに決まっているじゃないか」

なるべく平静を装って答えたが、いちいちそんな可愛い反応をされるともう駄目だ。
こっちの理性が危うくなってしまう。
正直もう我慢なんかせずお持ち帰りしたいぐらいだ。
しかし天使を魅了して骨抜きにしてしまえばこちら側の利益にもなる。
そうなれば、一切気兼ねなく楽しむ事が出来るし完全に魅了するにはまだ時期尚早であろう。
もっとじっくりと、時間をかけて絡め取る必要がある。
とりあえず今日のところは、軽く外を連れ回しておしまいという辺りに留めておくか。

グラスシエル > ふんわりと、軽く、柔らかく抱きかかえられると、柔らかで豊満すぎる胸の感触がタキシードシャツ越しに、リアの甘い香りが鼻に、それぞれ理性を溶かしちゃう。そっか、このまま表に出る―――!?

「え、や、ちょっと待ってこんな格好で…」

吹っ飛んでいた理性のほんの少しのかけらがジタバタと暴れだし…しかしてそれすら、柔らかな体躯はその暴れすら受け止めてしまう。
そして、ニッコリと笑顔で見下されるとゾクリっとイケナイ快感に震え、残った理性も蕩けて…。きゅ、とお姫様だっこのまま、首に手を回してしまう。

グロリア > もう打算とか全部投げ出してお持ち帰りしたい、という欲望を何度も振り切って殊更密着するよう更に抱き直す。
首に手を回されると自然とキスしたくなってしまったが、今は我慢。
それはもっと良い舞台を整えてからがいい。

「嫌なら無理にとは言わないけれど、ボクとしてはもっと見せびらかしたい気持ちがあるんだ。
折角エルの選んでくれた服なんだしね」

こんな格好がお姫様抱っこだという事は分かっているが、あえてすっとぼけてタキシードを見せたいという意味にすり替える。

グラスシエル > 「う…あぅ、そういうことなら…しょうがないな、うん、しょうがない…」

そのしょうがないはまるで自分に言い聞かせてるかのよう。密着する身体、一瞬唇が触れそうになってビクンッと腕の中で飛び上がってしまう。柔らかなリアの感触にもうすっかり酔ったように、瞳を潤ませて…お姫様抱っこは受け入れてしまった様子。タキシード姿のリアは綺麗で凛々しくて…本当に似合ってると思う。
ある意味、運命の歯車が噛み合った瞬間なのかもしれない。ただし、その歯車は天使にとっては決して噛み合ってはいけない歯車だったのかもしれないが

グロリア > エルを抱きかかえたまま表に出ると、意気揚々と練り歩く。
特に目的地はない。
とりあえず平民地区の辺りに向かってみるかな程度のものだ。
道中ざわめきや視線を感じるのは心地よい刺激となる。
時折腕の中のエルに微笑みかけながら、にやけすぎないように気を張るのは少々苦労した。
やがて平民地区との境目辺りに来ると、ようやくそこでエルを降ろした。

「ありがとう、おかげで今日は楽しかったよ、とってもね」

そして跪くとエルの手の甲にキス。
一応元は騎士なので、こういう所作には慣れている。
もっとも、当時は専ら貴婦人相手だったが。

「ふふっ、それじゃあ、またね」

去り際、平民地区の宿の住所をメモした紙片をエルの手に握らせると、実にいい気分のまま宿に引き上げるのであった。

グラスシエル > タキシード姿の麗人がお姫様だっこで少年を連れ回す姿は、注目の的になった。視線に、少年は恥ずかしがり、腕に顔を埋めることもしばしば。
でも、降りないところを見るにもうすっかり虜になったらしい、今の状態では。
平民地区との境目、ふわりと降ろされる。ずっと抱かれてたせいか、理性が酔ったせいか、ふわふわして足元が定まらない。ふらふらっとたたらを踏んで、すっとその手を取られる。

「あ―――」

まるで王子様のように手の甲にキスをするリアに、いよいよ顔が真っ赤になってしまう。声も出ない。なんとか立ってるのがやっとで、リアが宿に引き返して見えなくなると、そのままぺたん、とその場に崩れ落ちる。

しばし、少年はその場に夢見心地でへたりこんだまま、時を過ごして

ご案内:「富裕地区/商店街の高級ブティック」からグロリアさんが去りました。
ご案内:「富裕地区/商店街の高級ブティック」からグラスシエルさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈付近 ユースレスファクトリー」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > 【待ち合わせ待機中です】
ご案内:「九頭龍山脈付近 ユースレスファクトリー」にベルフェゴールさんが現れました。
ベルフェゴール > (ユースレスファクトリーの自室、いつもの緑ローブ、ミニ丈のローブ、パンツタイプのローブなど、色んなタイプのローブと、各種ぬいぐるみの散らばったキングサイズのベッドの上。丸くなって寝ている少女は、緑のパジャマ姿。規則的な寝息以外は、部屋で他に物音はしない)
セイン=ディバン > 「……」

(久しぶりに。本当に久しぶりに妻との連絡が取れ。その妻からの贈り物であるところの指輪を使い、妻の部屋へと空間跳躍)

「……久しぶり。まい・すい~と・はに~」

(聞こえているか判らない。だけど。寝ている少女へと優しく声をかける男……いや、フタナリ少女。
何故だろう。あんなにも会いたかった愛する妻なのに。こうして会えば……罪悪感。後ろめたさからか。この場から逃げ出したくなる)

ベルフェゴール > 『……?………?……』

(珍しく起きた。というより、この部屋に予定外の侵入者が来るということが今世紀初なのだ。寝ぼけた顔で二度首を傾げて、謎のミレー族?の少女を見つめて)

『――【侵入者排除~Intruder exclusion~】――』

(この国の言葉でない発音で。ポツリと呟く。同時に、UFO型の魔導ゴーレム。メテオストライクが多数、部屋に召喚されて、マジックアームで少女を捕えんとする。本体はそのままゴロンと横になって目を瞑る)

セイン=ディバン > 「お、起きた?」

(目の前で、パチッ、と目を開いた妻。声をかけてみる。こんな姿だけど。気づいてくれるだろうか。
 そんな不安を形にしたかのように。聞きなれぬ言葉が耳に飛び込み。
 次の瞬間には妻の部下たるゴーレム様たちが大量に出現し)

「わーわーわー。そうだよねやっぱこうなるよね!?
 起きれ、我が妻!! 最愛のべるべる!! オレだって、オレ!!
 セイン!! セイン=ディバンくんですよー!? あ、これ、このゴーレム早い!! あぎゃあ!?」

(多分こうなるんだろうなぁ、と予想していた通りの最悪の結果が形となり。少女はぎゃあぎゃあ叫び、なんとか危機を回避しようとする。目の前で二度寝を決めようとする妻に気づいてもらおうと、恥も外聞も無くアピールするのだが。その間にも見事にメテオストライクに捕縛され、びりっ、びりびりっ、と電気を流されその威力に悲鳴を上げることになり)

ベルフェゴール > 『……セイン君?……』

(割と重要な人名に寝転がったまま目だけが開く。その開いた眼球が細かく不規則に光の点滅を始めた)

『――【分析~analysis~】――』

(数秒間、メテオストライクに捕らえられた少女を凝視した後に)

『……照合結果……性別が合わない……違う人だ……』

(どうにも分析の術式が、機械的で融通が利かないようだ。似た魔力の性質なのに、兄弟かもしれないとか。そういう融通も聞いてない。別人と回答されたらしい。しかし、敵意を感知しなかったので、電撃は病んでいるし、拘束も緩んでいるのでいつでも抜け出せる。けどまた寝ようとした。)

セイン=ディバン > 「……あぎゃぎゃぎゃぎゃっ!!」

(妻が目を開き、少女自身を見ている状況だが、電撃の攻めが止まず、悲鳴を上げ続ける少女。
 しかし、また妻が聞きなれない言葉を口にすれば電撃は止まり)

「げ、げほっ、がはっ……。き、キっつぃ……」

(少女自身気づいてはいないが。見事に全身を解析されている間、ようやっと電撃が止まり、息を整えることが出来るようになるも。
 あっさりと違う人だと断じられ、ショックだ、とばかりに口を大きく広げ)

「ちょちょちょちょ、せめてまともにお話聞いて!! 我が妻!!
 出会いはタナール砦!! オレからプロポーズした!!
 キミが他の男にイタズラされた映像を見せられて怒らなくて、それでケンカになった!!
 オレの家でタルキィ鳥のフライと、異国の『ライス』ってのをご馳走した!!
 な!? 本人、本人ですよ!! アナタの最愛の夫ー!!」

(少女必死のアピール。このまままた三度寝モードにでも入られれば、電撃びりびり地獄が待っているかもしれないのだ。必死にもなろうという物で)

ベルフェゴール > 『……ん、まぁ。……そこまで言うなら。どうぞくつろいで……。』

(自分は全力でくつろいだ格好で、自分より大きなクマのぬいぐるみを抱き寄せて寝転がったまま。セイン=ディバンとのやりとりの色々を言い当てられて、珍しく不機嫌そうに眉を潜めながらもそう告げた。拘束は完全に解除される。)

『……セイン君はそんなに可愛くないし男の子だよ?……オレオレ詐欺とかそういうのだったら……知覚を1000倍速にして一年牢獄に閉じ込めるよ?』

(なんか体感で千年監禁するぞと怖い事を言いつつ言い訳を聞く構え)

『正直に話すなら、いまのうち。』

(どうもまだ信じていない)

セイン=ディバン > 「……はぁ。変わらないな。キミは……。
 まぁ、そんな所が愛おしいんだけどね?」

(空中にぶらんぶら~ん、と捕らえられたまま。ぬいぐるみを抱く妻を見て苦笑する少女。そのままどうしたものかなぁ、と考えていたが。ぽいっ、と床に投げられ、見事にしゅたっ、と着地をする)

「……あぁ、うん。そこはこれから説明しますけど。
 ……ベルベルってさ。時折すげぇ魔王だよねぇ。恐ろしいったらない」

(電撃と拘束によって強張った身体を動かし、解しながら苦笑を強める少女。
 実際、このほんわか魔王様は敵に対してはいつも容赦が無い)

「……逆に聞くけど。どう言ったら信用してもらえるやら。
 王都のとある店で水着エッチとかしたりしたろ~?
 あと、魔族と人間の共存論について語ったり教えてもらったりしたじゃん~。
 ……ってか!! 魔王様なら魂の資質とかそういうとこ調べてよ!!」

(先ほどまで同様、過去の思い出を並べてみるが、どれも決定的名証拠の提出にはならないかもしれない。
 ならば、と逆に肉体の資質以外を調べてくれと頼み込んでみるが、基本めんどくさがりな魔王様はそれに応じてくれるだろうか?)

ベルフェゴール > 『人を喰らって記憶ごと擬態する魔物がたしか東の方に……。
いや、それでも魔力の性質までは……。』

(ぶつくさブツクサ、知識をひっくり返しているらしい。目は合わない。
いつになく働いている。転がってるけど)

『セイン君を語って僕を謀ろうというなら……1や100度の消滅で赦されると思わないで。』

(どうしたら信じてもらえるかというより、嘘だった場合を考えると、苛立っていた。この魔王。怒るのはとても珍しい。単に容赦ないだけで、怒るという事は殆どないはずだが。今は明らかに苛立っている)

『資質も性質も記憶もセイン君だけど……そもそも視認した結果が違う。その辺の説明が必要。』

セイン=ディバン > 「え、何それ怖っ!! そんなモンスターいるのかよ……。
 でも、それ、記憶は擬態できても、その先未知の行動は過去のパターンから推測することになるから、やっぱ一緒にいると違和感強いんじゃね?」

(妻の口にした魔物の性質に怯える少女。しかし、そこで思いついた推測をぽん、と口にする。
 元々は学のない存在だった少女だが、この妻と出会い、結婚して以来、学ぶということが楽しくなり、様々な知識を吸収している途中であり)

「……あはっ。嬉しいねぇ。そんだけ愛してもらえてるんだから」

(相手の言葉。その温度は今まで感じたことはない物で。珍しくも、鈍い少女にも判るほどの怒り。逆に言えば、それだけ大切に思ってもらえているのかな、などと見事に呑気な発想。
 下手すればこの場で死ぬかもしれないというのに。少女の表情には恐れはなかった)

「あいあい。説明させてもらいますよ~。
 ……ざっくり言いますと。浮気を重ねてたら通りすがりの魔王様に出会って。
 んで、逆レイプされた挙句、子供を勝手に孕まれて。それだけでは飽き足らず、身体をフタナリに作り変えられた上に発情と、自慰ではイケない呪いをかけられました。
 全ては私の不徳の致すところです。大変申し訳ありませんでした。
 ついでに、その私をこんなにしてくれた魔王様はリュウセン様って方です」

(いよいよ。少女が、ここ最近に見舞われた自業自得の説明の段階に入った。少女は東方の国における最大級の謝罪を表す、『土下座』という姿勢でもって淡々と説明する。
 ……後半は、震えた声であった。)

ベルフェゴール > 『いるの。なんだっけか……単語はわかるんだけど、発音がちょっと……』

(どうもその単語はわかっているのだけど異国独特のあれで発音がしづらいらしい)

『リュウセン……あぁ、あの……可愛い尻尾の……リューちゃんか。』

(魔王リュウセンのことは認知のようで。会ったのはいつだったか、何百年まえだったかという具合だけれど)

『その話が本当だったら……リューちゃんのお腹に、セイン君の子供が……』

(怠惰の魔王返上とでも言いたげな。ちょっと絶望的な顔。泣きそうな顔。それからたっぷり一分考えて。)

『……駄目だ……ちょっと人界と魔界どっちも滅ぼす……生きる気力なくなった。……ユースレスファクトリー……最大稼働……トランスフォームまで。後12時間……』

(絶望的な呟きと共に、部屋が地震のように揺れだす。というより、ファクトリーそのものが動いている。何か、始めようとした。)

セイン=ディバン > 「……やべぇ、興味湧いてきた。後で調べよう」

(学がない故に。学び、吸収することが、出来ることが楽しい。
 妻が教えてくれた、日々を生きることしか出来なかった少女にとっての新たな楽しみであった)

「リューちゃん、ね。そんな可愛らしい呼び名の相手じゃねぇよ、あれ」

(そういえば知り合いだった、みたいな事を言ってたか言ってなかったか。少女は記憶を辿る。何せファーストインプレッションとセカンドインプレッションの間には凄まじいギャップのある相手だ。記憶も即時風化しようというもので)

「……それどころか、産まれてきて今ウチに同居中なんだけどね。
 見た目は5歳前後。魔王様の血族成長早ぇ」

(くいっ、と土下座から顔を上げて更に情報追加。ココまで来たら隠し事はなしだ、とばかりに。
 しかして何事もバカ正直に話せばいいという物でもない、ということを少女は妻の泣きそうな表情でもって実感する訳だが)

「ちょ、ちょい待ち!! それはまずい、色々とまずい!!
 てかゴメン、ゴメンて!! 泣かないで落ち着いて!!
 機嫌取りじゃねぇけど!! 魔王様と人間の間に子供ができるなら、オレとベルベルの間にも子供できるわけだから作ろう子供!!
 是非とも!! 欲しい!! オレは、ベルフェゴール、キミとの子が欲しい!!
 いや、産まれた子に関しては責を負わなくてはいけないんだけどそれとはまた別の感情として!!
 あと、そのトランスフォームっての何超カッコイイっぽい後で教えて!!」

(イカン、このままでは何かは判らんが世界が崩壊する。それは避けねばならんと思い立ち。
 少女必死の説得。さっきまでとはまた違う必死さであった。
 とはいえ、その説得の中に本音がチラリ。実際、子供が出来ない、と思っていた魔王と人間の性交渉。件の魔王様曰く、極めて出来難いが、条件が整えば妊娠した訳だ。
 ならば、と。少女は最愛の妻へと懸命にアピール。子供、作ろうぜ、と。
 ついでになんかすっげぇ子供っぽいおねだりも混じってたり)

ベルフェゴール > 『…ぁ……回線の調子良い。残り6時間。
超絶破壊要塞、ユースレス・ZX(ゼクロス)……機動準備。』

(どうも回線の調子が良いみたいで起動までの時間が早まった。
一瞬呑気な顔になるけれど、次の言葉にぽろぽろと涙を零しだす。)

『ボクが最初じゃないならいらない。』

(キッパリと言い切る。怠惰の魔王が、怠惰でなくなる。それは、自身をそう表現した「概念」の歪み。存在そのものが、歪んできている証明だった。その表情は、憤怒と悲哀を漂わせて。)

『ヤダ、見た目可愛いけど。女の子のセイン君なんか……。
しかもボク以外の子の親になっちゃった君なんか。』

(転送術式、多数発動。セイン=ディバンを消し飛ばすべくの、魔導ゴーレムたちが。召喚寸前)

セイン=ディバン > 「ま、待って、待ってください!!」

(何が起きているかは判らない。まったく理解は出来ない。
 ただ、その何かが計算より順調にいってしまっているということは、言葉だけでも理解できた)

「……っ。
 ……あぁ、うん。そうだよね。うん。……ゴメン」

(いつも。のんびりしていて。本気になるのなんて、ほんの数回しか見たことのない、最愛の女性。そんな、そんな怠惰を象徴する存在の涙に。少女は言葉を飲み。
 ただ、自身の行為や言葉を恥じ、謝罪をするだけだった)

「……ん。まぁ、そうだよね。うん。実は、ここに来るときに覚悟はしてたんだ。
 流石に、浮気を容認してたとはいえ、こんだけのことをしたんだから。キミだって、我慢の限界はあるだろうな、って。
 ……いいよ、ベルフェ。キミに殺されるなら、まぁ。オレの人生の終着点としちゃ上出来かな、って思うし。
 ただまぁ、世界は、滅ぼさないで欲しいかな。色々ともったいないと思うし。そこまでやっちゃうのは、キミらしくないと思うから」

(妻の言葉。妻の表情。妻の感情。それら全てが、少女の心を切り刻んでいく。
 ことここに至り。少女はいよいよ自身の行ったことの重大さをようやっと実感した。
 そして、少女は目を閉じ。愛するものからの処断を受け入れるように背筋を伸ばし。
 ……本当は、死にたくなんてなかった。痛いのも嫌だし、まだまだ生きていたかった。
 それでも。この身を捧げれば。ほんの僅かでも妻の溜飲が下がるのなら。仕方ないかな、と。少女はそう考えた。
 ……そうすることで妻と会えなくなるのは嫌だな、とも。思うのだけど)

ベルフェゴール > 『浮気なんかしたいだけすればいい……。』

(ふわりと浮かび上がる。パジャマ姿の幼女だけれど。その圧は、もはや怠惰ではなく。)

『ただ……死んだから許されると思わないで?
君のせいで、君が原因で苦しむ全部を見ても、自害すら許さない。』

(そこまで、はっきりと魔王の雰囲気のいつもより低く響き渡る声で告げたあと。力なく、ベッドに落下する。両手で顔を覆って)

『そもそも、女の子になっちゃったら……どうやってスるのさ……。
ボクは、正直……
セイン君の顔も性格もどうしようもないゴミムシと思ってるけど。
アレだけは……あれだけは好きだったのに……。』

(怠惰の魔王は、慣れない憤怒はスタミナ切れして、愚痴の魔王になってきた。動揺したのか、分析にズレがある。とりあえず、先ほどから。「女の子になっちゃった。」そういっている)