2017/06/01 のログ
グロリア > 「いいねぇ、中々栄えてるじゃないか」

それに闇もちらほら見え隠れしている。
こんな表通りでも大っぴらに奴隷が使われているし、特別問題にもされていない。
影の部分を探せば闇は更に見えてくる事だろう。
これからの滞在、楽しめそうだなとわくわくしてくる。
見物だけではつまらないと、奴隷らしきミレー族の少年が店番している屋台にいくと話しかけてみた。

「やあ可愛いねキミ、この仕事は長いの?ああジュース一つお願いねチップは弾むよ」

それほど器量のよくない幼いミレー族の少年が相手でも、臆面もなく可愛いと言ってのける。
多少お世辞は入っているが嘘ではない。
子ども好きなのだ。
ぺたぺたとミレー族を触ったり撫でながら受け取ったジュースを飲んでいると、店主らしき人間から嫌そうに睨まれた。
今は揉め事を起こす気もないので大人しく引き上げる。
容器と一緒にチップを置くとその場を離れて少し移動。
次はどこを見ようかな。

ご案内:「王都マグメール 平民地区・大通り」にベルフェゴールさんが現れました。
ベルフェゴール > 『…………。』

(フードを目深にかぶった緑色のローブを微妙に引きずりながら。足元が見えないけど、微妙に上下運動しているから気づく人がいるかもしれないが。ちょっと浮いている少女がいる。)

『…………。』

(居場所はジェラート屋台の前。目は開いている。屋台をジィッと見つめる視線はどこか虚ろ気だ。)

グロリア > 「おやおや?……こんなところでどうされましたか?」

街の見物中ふと目に留まった一見少年のような、性別不詳なシルエット。
直接の交流がある訳ではないが、一応知っている顔だ。
知っているというか評判は多少は聞き及んでいる。
要約すれば見た目にそぐわぬ、強力な力を持った魔族だと。
何の意図でこんなところに現れたのかは知らないが、こうして遭遇してしまった以上無視する訳にはいくまい。
立場上最低限の礼は示しつつ、不自然にならないように話しかけるのは少々骨が折れる。

「何かお探しでしたら、お手伝いしましょうか?」

ベルフェゴール > 『…!!?――――――』

(声をかけられるとビクーッと肩を跳ねさせた。非常にゆっくりとした速度で周囲を見渡してから。)

『……寝てた……。』

(ポツリと零す独り言。声をかけられてから15秒後のことである。どうも目を開けたまま寝ていたらしい。)


『なんかちょっと寝てて気づいたら冬も春も終わってたし……やっぱセイン君に合わせて睡眠時間を日単位にしたのがたたって……。』

(ブツブツと独り言。寝るのは年単位に限るとかそういう事を呟いて。結局声をかけられてから40秒ほどたったあたりで)

『……ん?……呼んだ?……。』

(会話のテンポが滅茶苦茶遅い。それでも、自分に声をかけたらしい大きな体の女性を見上げてから首を傾げた)

グロリア > 余りにもテンポの遅い応答に脱力する。
放置したからといってどうにかなる相手ではないのでこのまま立ち去ってもいいのだが、相手の素性を知っている以上そういう訳にもいくまい。

「あー、ここで何かご用ですか?魔王さま……」

魔王さま、の部分は顔を近づけ声を潜めて発する。

ベルフェゴール > 『顔近い……照れる……。』

(まず気になったのはそこ。
顔を近づけて離されるとなんだか恥ずかしそうに頬を赤らめて少しだけ顔を引いた。)


『起きたから……動いて。
ジェラート屋さんを買うか、ジェラート職人を買うか迷って……途中で
ちょっと寝てた。……
君は、ボクの事知ってるの?』

(初対面だとは思うが、自分のことを知っているらしき相手に首を傾げる。
あとジェラートじゃなくて店か職人かどっちかを買おうか悩んでいたらしい)

グロリア > 「ええ、ご存知ですよですがこの話しはここでは」

こんなところでお互いの素性がばれては都合が悪い。
相手の方はどうか分からないが、少なくとも自分としては何も目的を遂行しないまま予定がご破産になるのは少々勘弁してほしいところ。
とりあえず態度から敵ではない事は伝わっただろうか。
いつまでも子ども相手にこんな口調では怪しまれるといけないので、慇懃な態度は一旦崩す事にする。

「そうだねえ、どっちかで迷ったら両方、なんてどうかな?」

聞き及んではいたが、色々とスケールの違う相手であった。

ベルフェゴール > 『……【分析~analysis~】……』

(ジィッと見上げた相手。どこか機械的な呟きと共に、目の奥で翡翠色の光が点いたり消えたり細かい点滅を高速で繰り返す)

『 【result of analysis】……君はニンゲン、だよね?
あぁ、でも……そうか、少し……混ざってるのか。魔の何かが。』

(そこまで細かい部分は分析はできない、けれど相手が人間だということだけはわかったようで。何となく、色んな部分から大まかな状況を推測し。)

『うん……でもまぁ…もうジェラートは良いかな……。』

(そう呟けば、ふわりと浮き上がり。大柄な女性の肩に、座ろうとしてみる。重さは殆ど感じないかもしれないけれど。座ろうと……したけど、支えがないと、布団みたいにぐでっと垂れ下がることになる。)

グロリア > どうやら事情はある程度理解してもらえたらしい。
秘密に関する話しはこのぐらいにしておこう。

「まあね。詳しい話しはここでは……。
うん?悩みが解決したのならいいんだけれど」

スローペースな上にどうやら気まぐれなようだ。
結局どっちももう買わないでいいらしい。
何故か肩に乗ろうとするので落ちないように腕を回す、見た目以上に軽く殆ど負担にならなかった。
もっとも見た目通りぐらいの体重でも大した負担ではないのだが。
しかし、これは一体なんのつもりなのだろうか?

「ボクは馬ではないのだけれどねえ。お姫様を乗せるのは悪い気はしないけど」

苦笑しながらもやりたいようにやらせる。
だがこの後どうするのだろうか。

ベルフェゴール > 『……大きいから乗りたくなった……。
うん、馬って言うか……牛だよね。』

(支えて貰ったので座れている。見下ろす視線は、相手の胸だ。
大きいなと。なにやら満足気に頷いて)

『魔王様と呼んだりお姫様と呼んだり……ベルフェゴール、だよ?
君は?……牛?』

(首を傾げつつ問う。乗ったことに大きな意味はないようで。特にそれ以上の動きはない。)

グロリア > 往来で魔王さまと呼ぶ訳にもいかない事情を察してはくれなかったようだ。
魔王本人からしたら些細な障害なのだろうが、こちらとしてはその話しは大っぴらにされると少々困る。
とりあえずここに留まる理由もないし、適当に歩きだす事に。

「牛よりは馬の方がマシだけど、どっちも違うね。
ボクは騎士、自由騎士のグロリアさ」

歩きながら肩に乗ったベルフェゴールに、少々演技がかった口調で自由騎士と名乗る。
まあそんな称号は持っていない、ただの自称なのだがそこまで細かく紹介することもないだろう。

ベルフェゴール > 『馬も牛も乗り物にはいまいちだけど美味しいよね……。』

(そもそも乗り物を必要としていない所がある少女はそんな呑気な事を言い。
けれど、人様を乗り物にしてちょっと楽しいのだった。)

『自由と騎士ってのは矛盾するような気がするけど。
まぁいいや。じゃあグーちゃん……。』

(雑なあだ名が付けられた。)

『さて……どうしよっかな……』

(自分自身も乗ってみたは良い物の。散歩も悪くないものの、どうしたものかと
、ここで割と大きく欠伸が零れる。うっすら涙目。)

グロリア > 「騎士の前で馬を愚弄するのは止めて頂きたい。
あれは我々にとって戦友のようなもの」

柔和だった表情を引き締めると、ついそんな言葉が口をついて出た。
とは言ったものの、価値観も倫理観も違う相手に言っても仕方ない事なのだが。
普通の人間よりは大分変容したものの、グロリアも基本はやはり人間なのでこの辺り生粋の魔族とはどうしても隔たりもあるというもの。

「というのはボクの信条みたいなものでね。
馬を食べた事ぐらいボクにだってあるけど、確かに味は悪くないね。
しかし、グーちゃんか……。まあそれでもいいさ」

厳しい表情はすぐに消え去り、元の自然体に戻る。
妙な呼び名の方は別に構わないようだ。

「予定がないなら少し付き合うかい?
ちょっと行ってみたいところがあってね、ふふふっ」

とはいえベルフェゴールは眠そうだ。
まあ散歩がてら良さげな娼館がないか下見に行くだけだし、肩に載せてゆりかご代わりになってても特に問題はないか。

ベルフェゴール > 『?……グローはしてないよ?褒めた。美味しいって……。』

(相手の表情の意味が解らず首を傾げる。褒めたというよりは感想を述べたといいう感じではあるけど。)

『職業がシンジョー……これまた如何に……。
ニンゲンはいつも面白いなぁ。』

(ぼんやりとはしているけれど。これでも一応相手の言葉の意味を考えているらしい。基本的には人懐こい生き物だったりするので。時間軸が全然違う生き物との対話は、鮮度で言えば化石と化しているような長命な生き物としては、いつも新鮮だ。)

『うん、そうしよう。……君の行きたいところに行くと良い……よ。』

(この辺まで言って、相手の頭を抱く様にして。寝た。放っておけばそのまま寝ているだろうし、支えている手を離せば風船のようにふわふわ漂って空に舞っていくだろう。後は、好きにしてくれればいいとばかりに。)

グロリア > いきなり正体を喧伝されるような事がなければ、負担らしい負担にもならない軽い荷物のようなもの。
最初は捉え所のない相手と思ったが、少々コツというか癖が分かれば意思疎通には問題はなさそうだが。
とりあえず見た目は好みな部類でかわいいし、人目さえなければ個人的にもっと親しくしたくは思う。
立場を考えると微妙なところではあるが。

「じゃあ好きにさせてもらうよ。ってもう寝てるのかい。お姫様を無下にはできないし、これは困ったね」

困ったとは口にしたものの、微笑を浮かべてそれほど困ってはいなさそうである。
別に放置したところでどうにかなる存在ではないのだから、このまま眠り続けるにしても適当なところで降ろしてしまえばいいだろう。
とりあえずは暫く寝顔を楽しみながら散策を続けるのであった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区・大通り」からグロリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区・大通り」からベルフェゴールさんが去りました。
ご案内:「訓練所」にゼロさんが現れました。
ゼロ > 王国軍の訓練所、夜になり人気がなくなったその場所、未だに灰色の影が動く。
 打ち込み台に向かい、両手にナイフを構えて仮面の少年は立つ。
 彼我の距離は役5mで、ナイフの間合いとしては、少しばかり遠い。
 じ、と隙を伺うように見つめる少年は浅く呼吸を繰り返し、その全身に力を溜めている。

 フ、と呼吸を一つ、同時に踏み込むと、金属で覆われているはずの体は、羽のように瞬間的にかかしの懐に潜り込んだ。

 教練で教わった事を体に刻み込むように、ナイフを振るう。
 ナイフの攻撃の基本は相手の体を浅くきり、痛みと出血で徐々に弱らせて行くものだ。
 一撃必殺を狙うものではない、故に、フェイントを交えながらの攻撃が基礎となる。

 首を狙うふりをして腕。
  腕を狙うふりをして、足
   足を狙うふりをして、首

 両手に持っているのだから、意識を誘導させて、本命を叩き込む。
 もしくは、フェイントを意識させて、両手で乱れ切る。
 そんな動きを思い描き、打ち込み台に刃を振るっていく。

ゼロ > 焦りがある。
 いつまで、見習い兵士なのだろうか。
 自分に才能が無いだけという話でもあるのだけれども。
 思考を忘れるように、鈍色の牙を振るい、打ち込む。
 普通の人が一撃入れる合間に、三回切り込む。
 これでも、強化された肉体だそのくらいは朝飯前である。
 金属音が響き渡る。誰もいないから文句もないだろう。
 昼間の人が多い時間帯なら、ほかの訓練の音に紛れるとは思うけれど。

 ナイフを振り、浅く掠めるように切り刻む。
 体が硬直しないように、右に左に振って、少年は打ち込み台に訓練用のナイフを打ち付けていく。

ゼロ > しばしの間、訓練用のナイフを打ち込み台に打ち付け続け、少年は動きを止める。

 大きく息を吐き出して、息を吸い込んで、深呼吸をする。
 疲労がたまった訳ではなく、とりあえずの行動の一セットを終えた……それだけであった。
 さて、と小さく呟いて、打ち込み台を見る。
 打ち込み台には人間の急所の場所が赤くまるで書き込まれており、その部分に的確にナイフを当てて行けていることを確認できた。

 それから、視線を時計の方に向ければ、今はもう夜遅いことがわかる。
 そんなにやっていたのか、と少年は軽く考えた。
 大きく伸びをして二三度軽く柔軟を行ってから、ナイフを保管庫へと戻していく。