2017/04/28 のログ
ゼロ > そうなると。一気にやることが無くなった。
 まあ、最初の目的を終えているのだから、別になくなってもいいのだけれども。
 しかし、そうなると暇になるので、どうしたものかと考える。
 酒を飲んでも酔えないし、飲みに行く仲間もいない。
 ここだって、ちょっと間借りさせて貰っただけなので、ここのギルドの一員というわけでもない。

 とりあえず、此処から離れようかなあ。
 それとも、もう少し時間をここで潰そうかなぁ。
 仮面の下で思考する少年。
 そういえば、もう一個のあれの試し切りもしてなかったなと思い出して、刃のないつかだけのナイフを取り出す。

 どうやって、これを使うんだっけ、と使用方法を説明受けたときのことを思い出す。

ゼロ > 「たしかこうやって……」

 受けた説明。
 1・柄を握る。
 2・いのり、ささやき、えいしょう、ねんじる。
 3・出た刃でずばっと切り裂く。

 いのり、ささやき、えいしょう、ねんじる。
 これが何の意味があるのかわからないけれど、そうすれば、刃が出るらしい。
 ということで、何をささやいて何を詠唱すればいいんだろう。
 そのへん何も言ってなかった気がする。
 握ってみる。そして、首をかしげて、でろーでろーと念じてみる。

 刃は1mmも出てくる気配がありません。
 でも、買うときにはちゃんと主人も刃を出してたし。
 あれなにか本気でささやいたり、詠唱とかしないとダメ系ですか?
 柄を持ってブンブン振り回してみる。

ゼロ > マジックアイテムと言うのは、知識が必要らしい。
 最初買った武器の方は、今までの鎧や仮面には必要なかった。
 常時発動的な魔術のものであり、普通の道具として使うことができたから。
 今回は、明確な知識が必要とする道具のようだ。

 まずい、もう一度ちゃんと教えてもらったほうがよさそうだ。
 というか、あの店主は使えて当然という感じで話していたし、普通にできるものだと思っていた。
 しかし、ある程度は知識が必要の模様。
 魔力がいつも枯渇状態なので、そういう道具とかに縁がなかったのもあり、使い方がわからない状態で生きていた。

 ここでそれがこんなふうに牙をむくなんて。
 思わぬところの落とし穴に、ため息一つ吐いて、柄をしまう。

ゼロ > 「戻ろう。」

 柄が使えない(※ギャグではない)ので、もう、ここにいても仕方がない。
 一度戻って、使い方をちゃんと確認して、実践までにはちゃんと使えるようにしないといけないだろう。
 それが確認できただけでも大収穫だと思いなおすことにする。
 ふと見れば、もう誰もいない模様でもあるし、丁度いいやとうなづく。

 少年は、ガシャがしゃと、鎧の音を引き連れて去っていくのだった。

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