2017/04/27 のログ
ご案内:「訓練所」にゼロさんが現れました。
ゼロ > 先日、武器をいくつか見繕って買った。
 それから、その武器に慣れるための訓練を行っている。が、基本的には、軍人としての訓練や学習がほとんど。
 なので、自分がかった獲物を訓練するのは、自由時間となる。
 今日は公休をもらえている日なので、訓練所に来ての自主訓練である。
 全身鎧&仮面&ナイフの人物がギルドの訓練所の片隅で、打ち込み用の木人形相手に、がつどごばきと、殴っているさまが見えるだろう。

 周囲の視線とか、ヒソヒソ声とかには一切頓着することなく、ただただ、自分の世界に入り込んだように、木人形を殴る蹴る。
 獲物はナイフ系だから、素手の延長として使うことが出来るのが嬉しい。
 それに、素材は不明だがそれなりに重たく、パンチの威力を上げてくれるのもいい。
 しゃらんと、ナイフを閃かせ、頑丈さを売り木の人形の腕を叩き切る。
 ナイフの頑丈さと、少年の腕力に物を言わせた乱暴な一撃だが、それでもいい具合に切り取れた。
 そのあと、木の人形の懐に抉りこむように接近し、ボディにナックルガード付きのナイフの柄でボディブロー。
 鉄の鎧でも凹んでしまいそうな音がして、木の人形の腹部は粉砕された。

 片隅で起きている事象はもしかしたら結構怖いかも知れない。

ゼロ > 少年の持つナイフはナイフといっても、ナタに近い武器。
 刺すのではなく、切る目的のもので、さらに言えばガントレットの上からでも装備できる大きめのナックルガードが付いている。
 殴って切る為の武器と言える、使い方はソードに近い。
 近接戦闘を得意とする少年の選んだ武器である、ちょっと壊れかけている木人形を、もう一度立て直して、構える。
 ポーズはどちらかというと格闘家に寄っているが、格闘家程洗練されたものではない。
 格闘家から見れば、身体能力だけで無駄が多いと判る動き。
 素人なのである。

 武器を叩きつけるように、武器の重量、己の体重を乗せるように唐竹の一撃をお見舞いする。
 切れ味は並であるが、何十にも刻まれた守りの魔術で、刃自体も恐ろしい強度となっている。
 刃こぼれを気にすることなく、全力で打ち込めるのはとても素晴らしい。
 メキメキと音を立てて、木人形を縦に引き裂いた。
 武器の威力とか試し切りとしては、とても満足のいくものとなる。
 あとは、殴る蹴ると、どうやって連携させるべきだろうか。
 軍隊的な最低限の技術は今、習っているのを思い出しながら、ナイフの使い方を思い出すことにする。

ゼロ > 「うん。だったら訓練の時に実際にしたほうがいいか。」

 訓練課程で、教えてもらえるのだしその時に実践したほうがわかりやすいだろう。
 むしろ、ここで変な癖をつけてしまっても仕方がないと考え直した。
 正しい手順を、セオリーをしっかりと身につけて、そこから自己流に発展させるべき。
 正しいセオリーがなくていけるのは一部の天才のみだし、軍隊ではそういうのは必要がない。
 第七師団は例外だとも、教わってはいる。
 装備も相対する相手も全て特殊だからセオリーが通じないことが多い。
 けれども、まあ、最低限の兵士訓練の中にある技術はちゃんと修めておこうという考え。
 はふ、と軽く息を吐き出して、んーと大きく伸びをし。
 軽く体をほぐすように動かす。

 ふと気が付くと結構喧騒が引いていた。
 理由は人が少なくなったからで、時間を見ると結構夜も更けてきている。
 さてどうしたものか、と少年は首を傾ぐ