2017/04/10 のログ
ご案内:「魔法具店『ビルスキルニル』」にトール・サンダーフェロウさんが現れました。
トール・サンダーフェロウ > 王都の片隅、メインストリートから外れた寂れた裏路地に看板を出す小さな魔法具店。
少し傾いた看板には『ビルスキルニル』の店号と共に『何でも承ります』の文字。
昼も過ぎ、小さな窓から差し込む陽の光に照らされた髪が黄金のように輝く。
黒いドレス姿の幼女は棚に並べられた商品を手に取り、白い布で丁寧に磨いていた。

ご案内:「魔法具店『ビルスキルニル』」にアッシェさんが現れました。
アッシェ > 魔法具という扱いをしている店が巷にあるらしい。
お勤めの間の休憩時間を利用して、巷の噂を頼りに探した結果、
メイン路地から外れた場所にある―常連もしくは伝手が無いと
探し出せないような場所にあるこの店が該当するのですが。

「…ここやろなぁ。」

店号が噂の通りならば 色々と取り揃えているという―
意を決して 扉を押してお邪魔をすることにしよう。

「やってはる?」 

トール・サンダーフェロウ > ドアに吊り下げた小さな鈴が軽やかな音を立てて来客を告げる。
振り返れば少女と呼ぶべき年頃の少女の姿、その第一印象は黒、であった。

「ああ、いらっしゃい。何かご入り用かね?」

白いボンネット帽の下、にこりと笑みを浮かべて商品を棚に戻し、布をスカートのポケットへと仕舞う。

「しかし、珍しいね。女の子の客とは。誰かの紹介かね?」

年の頃十ほど、しかし、どこか大人びた口調で話す幼女はカウンターの奥の幼女の背丈では足が浮く程度の大人用の椅子に腰掛ける。ここが定位置なのだろう。

アッシェ > ヒトの形を身に纏った見た目は黒づくめの少女、中身は…人の轍を超えている存在。
ドアを押し開き 中へと入ればきちんとそのドアを振り向いて閉めるというきっちりさを。
で、終わると彼女の方を改めて振り向くという―開けっ放しは出来ないようだ。

「…えっと、なぁ。むらむらしはるおくすり あるやろか?」

興奮剤とか淫欲高まったり滾ったりするそんなお薬を探している事を告げる。
何処となく はんなりというか訛った甘声で 小首をかしげて突っ立ったまま。

「うん? 珍しいやろか? 紹介…ちゅうか、せやな、噂を手繰り寄せただけんよ。」

店主 幼女らしいわ。いや、見た目と中身が違う事が多い知り合いが多すぎて、
見た目でどう見るとかは無い様に振舞い、「あるやろか?」と呟く様に囁く様なそんな声音。

トール・サンダーフェロウ > 「おやまあ、君もその手の物をお望みかい?」

黒の少女の口から出た言葉に思わず目を丸くする。
そういう品とは無縁のような可愛らしい少女が所望したのはある意味店で一番の売れ筋の物。

「まあ、あるにはあるが、君くらい可愛ければ少し迫れば相手がその気になるのではないかね?」

にっこりと笑顔を浮かべるとせっかく座った椅子から飛び降り、ゆっくりと少女のほうへと歩み寄る。

「なるほど。うちも有名になってきたものだね。少しうれしいよ。で、どの程度の効果が欲しいのかね?」

商品の棚へと視線を向けると細い指でいくつかの商品を指差し、そして、黒の少女を足元から頭の先まで観察するよう視線を巡らせる。

アッシェ > 「むらむら滾るものあったら うれしゅうなぁ。ほんまに 欲しい。」

見た目は少女です 中身は激しくアレな種族です。
無縁っていうか普段は草食獣の様に過ごしてて、こう滾りたい時や発散したい時に、
最近むらむらが発散出来なくなってきたこの頃。時には肉食獣になりたい、そんな欲求が此処最近…。

「や、うち…何か足りへんらしいわぁ…」

いやいや、とぱたぱたと右手を動かして、動かすのをやめると肩を落とすと同時に手も下す。
少し 項垂れてから 気づけば 店主が歩み寄ってきたが、此方はしゃがみはしない、少し見下ろす程度だし。

「…そやなぁ… 仕込む予定のおひとはヒトなんけど…ギリギリ三日間むらむらなのが欲しい なぁ」

何か観察されている気がする、何か内処を見透かされている気がしてもじもじ。
指さされた方をちらっと見た。商品はいくつもあるらしいが 正直どれも一緒に見えてきた。

トール・サンダーフェロウ > 「ああ、なるほど。君がむらむらしたいのか。なかなか助平爺のようなご注文だね。」

口元を緩めて上目遣いで見上げながら、失礼を承知で笑いからかう。
3日…で、きっちり抜けるとなるとかなり品は絞られる。幾つもの小瓶が並ぶ棚へと歩み寄ると妖しい紫色の液体が詰まった小瓶を手に取り、それを指で弄びながら少女へと向き直る。

「これは本来コップ一杯に一滴希釈して使うものなのだが、原液のまま使えば、枯れた爺でも三日三晩勃ちっぱなしになるという代物だ。ただ、少々高くてね、定価で2万ゴルドだ。」

希釈して使えば一ヶ月は持つ量だが、三日で2万となれば、かなりの贅沢と言えるだろう。
お勧めは出来ないと眉をハの字に笑みを作りつつ、その小瓶を少女の手に持たせる。

「他にも変態御用達の品がいくつかあるが見るかね?」

本来まっとうな魔法具店のはず……だが、扱っている品や店主が幼女であることから、どうしてもそういった筋の人間が常連になってしまうのだ。
そして、またそういった品が増える……悪循環である。

アッシェ > 「うちがかなりむらむら滾っちゅう。こう迸る位に。助平やろか。そやか」

中々熱うならんぇ、と本性は暑苦しいのに今の外見では中々熱くもならない。
揶揄われると不思議そうに見下ろすが 何かその所は鈍いようだ。
3日なのは、お勤めに支障があると速攻で危ないからだが、その事情は言わない。

「原液…全部飲みはったらどうなるんやろ?枯れた爺はヒトやろ?
 うちは ヒトやないから …2万ゴルド…げんなまはん がええ?」

お薦めできへんて言う時乍、手に握らせた小瓶の中身は紫色の液体。
何という妖しさ満載のお薬なんだろう…!滾るわぁ…。
ニヨニヨと怪しい笑みを一寸浮かべて 邪な思考がモヤモヤ…少し間がありニヨニヨをやめると、
お金は現ナマがいいか、如何かを聞く始末。聞いてどうするのか…。

「他て どないなもんあるん?」

噂はほんまなもんやったらしい。まっとうな魔法具屋さんなのに、
裏ではもう変態御用達 通好み 玄人が集う店らしい…!
では うちはもう そんな常連になってしまうんか?手遅れなのか。
一応 聞いておきたい 買うかはどうか別として。

トール・サンダーフェロウ > 「うむ、かなり顔が不謹慎なことになっておるよ。まあ、気持ちはわかるがね。儂も気持ちいいことは嫌いではないのでね。」

可愛らしい外見に似合わぬ怪しい笑みを浮かべる少女の顔を流し目で眺め、愉快そうに口元を歪める。

「現金のほうが嬉しいがね。まあ、別に分割でもそれなりの品でもよいよ。また来てくれるのであればね。」

白いボンネット帽から覗く金色の髪をふわふわと揺らしながら小道具が置かれた棚へと歩み寄るとその中のひとつ、親指大の筍のような形の石を手に取る。

「これは装着している間勃ちっぱなしになると言う魔石だ。もちろん女性が使うことも出来るが、その場合は豆が勃ちっぱなしになる。地味に魔力の波動を発しているものだから、それなりに気持ちもよい。ただ、波動は弱くてね、まあ、あれだ、達することは出来ないだろうな。ずっと焦らされている感覚を味わえるよ。これをしばらく挿れておけば身体が勝手に発情するだろうね。問題は、尻に挿れなきゃ効果がないってことだが。」

元々が男性用のモノ、女性には何かと不便を掛けてしまう。
指先で摘んだアメジスト色のそれ弄びながら、悪戯っぽい視線で少女を見上げる。

「何なら試してみるかい?」

短い舌を出して、石をその上へと載せ、唇でちゃぷっとしゃぶって見せた。

アッシェ > 「え、ややわぁ 大変やった。 秘密にしてくれるとありがたいわぁ?」

いかん 今は 少女の外見だった 不謹慎な態度は極力控えないといざとなった時に色々と立ち振る舞いが問題になる事も。
少し深呼吸をして落ち着こうとしたが 完全には無理だったようだ。
滾った気持ちは少し時がたとうとも滾ったままだったからだ。

「現金の方がえーか。…この袋の中に 2万ガルドあるから 支払っとこ。
 …いや、お薦めの品はまた今度にしはるぇ。今回はこれだけでえーん。
 ほな また 来ることにしはるぇ。」

魔石の説明を受けたが 当初の目的の品を購入する事に定めた。
そのあとややあって 何処からか取り出した布袋ぎっしりのガルドを彼女の前に置くと ほな、と
お店を後にしていく 少女の姿があったとか なかったとか―

ご案内:「魔法具店『ビルスキルニル』」からアッシェさんが去りました。
トール・サンダーフェロウ > 「はっはっは、もちろん守秘義務は守らせてもらうよ。」

可愛らしく秘密にして欲しいとねだる少女に満面の笑顔を向けておきながら、わざとらしい笑い声を上げて見せる。

「そうかね。では、また面白い物を仕入れておくことにしよう。金払いのいい上客は大好きだからね。」

たった三日の為に躊躇なく大金を置いていく少女を飛び切りの笑顔で可愛らしく手を振って見送る。

「いやはやしかし、あのような薬を使う相手がいるとは羨ましい限りだね。もっとも、儂には必要ないがね。」

カウンターの上の金貨が詰まった袋を重たげに持ち上げると奥の部屋に置いてある魔法式の金庫の中へと仕舞いながら、先程のどこか不器用な少女がどんな相手に恋しているのかと想像して愉しむのだった。

ご案内:「魔法具店『ビルスキルニル』」からトール・サンダーフェロウさんが去りました。