2016/12/23 のログ
ご案内:「オリアーブ島 ヤス湖」にタマモさんが現れました。
タマモ > 「まぁ…本当は先日に来るべきじゃったが…」

呟きと共に少女が現われたのは、過去、色々とあった場所にある湖だ。
何があったのか、細かく語るつもりはないし、語る相手もいない。
湖の畔にぽつんと立ち、そこからの光景を静かに眺めている。

あの日から、丸々一年だ。自分の無力さを痛感させられた、あの日から。
軽く吐息をつけば、懐から対となる扇子を取り出す。

「これが、せめて妾の出来る事じゃ。
あれからこのティルヒアの地を見る事はなかったが、どうなっておる事か…」

ゆらりと舞う。
この世界の者には知る事も無いだろう、死者を弔う舞い。
自分の知っている数少ないものの一つ。
誰も居ない静かな湖畔、ゆらりゆらりと舞い続ける。

タマモ > 正直、こんな行為は偽善だ。
そんな事は分かっている。
それでも、あの時の事を考えれば…そうであろうとも、やらねば気が済まない。

舞を続けながら、変わらぬ光景を眺めていく。
ある意味、こうして変化の無い場所があってくれるのは安心する反面、心痛む部分もある訳で。

日が少々傾く程の間、舞いは続けられた。
我ながら、よく終わりまで全部覚えていたものだと感心する。
…終わり、一息つけば、ゆっくりと扇子を閉じて袖へと仕舞いこむ。

「………さて、あの地を見たいのはやまやまじゃが…少々怖い部分もあるものじゃ。
素直に、大人しく戻るのが一番なんじゃろう」

ふむ、一つ頷く。
いつまでも思い詰めていたところで、何も変わらない。
ぐーっと軽く伸びをすれば、さて、どうするかと考え込み。

タマモ > ティルヒア都内に行くのは気が引ける。
だが、せっかく来たのだから、見れる場所は見てみたい。

「そういえば、あの場所はどうなっておるんじゃろうか…?」

ふと、頭に浮かぶ場所はそう多くはない。
名前は忘れたが採掘場のある山と、戦の場、後は…忘れもしない、あのティルヒア郊外の丘だ。

その辺りを見て回り、今回は戻るとしよう。
懐から折鶴を一つ取り出し、水辺へと浮かべる。
ゆらゆらと揺れる折鶴は、唯一つ変わっている畔のある場所へと向かっていくだろう。
それをしばらく眺めているも…気が付けば、少女の姿はその場から消えていた。

ご案内:「オリアーブ島 ヤス湖」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にリンさんが現れました。
リン > 「まったく年の瀬だからって妙に浮かれやがって……」

店の隅っこで姿勢を悪くして座り、リンはリュートを鳴らして弾き語りをしていた。
常の持ち物である提琴はケースにしまわれたまま沈黙している。
いつものように不景気そうに飲んだくれているのを見かねた顔なじみの店主が
リュートを貸し与えてくれたのである。

普段使わないだけに腕が錆びてはいるが、それでも提供するBGMとしては悪くない。
反面語りの内容はヤルダバオートの人の良さそうな神官から有り金をくすねただの
ハイゼラブールで帰りの馬車賃まで使い果たしただのどうしようもないものだった。