2016/11/29 のログ
ご案内:「雑貨屋」にイルマさんが現れました。
■イルマ > 最近は店に篭りきりになっていたが、客足は止まることを知らない。
裏取引の割合は多いものの、平常に店は回っていた。
雑貨については他に良い店がある為か、大して収穫もないのだが…
「ふぅ………」
大きなため息をつく。
最後の客も今しがた帰路につき、店ももうそろ閉める時間だ。
凝った肩をほぐすようにぐるぐると回して、ふと後ろに視線が向いた。
カウンター内、テーブルに置かれた大きめの木箱。
誰の物やら、大量に運び込まれた盗品の品々を売りさばいたその総額がそこに入っている。
勿論足はつかぬように慎重を期したが、これをどうすべきかはかりかねて結局放置していた。
ご案内:「雑貨屋」にノアさんが現れました。
■ノア > ( あぁぁぁぁぁ 来ちゃった、まじで来ちゃった、どうしよ.. )
雑貨屋の外、真っ黒なローブに身を包みうろうろと右へ左へ落ち着きのない女が一人。窓か、扉の隙間か、ちらりと中の様子を覗けば当然、店内に店主の姿が見え..
( ココまで来たんだし..... よし。)
意を決して、ドアノブに手を掛ける。そっと開けたドアの隙間から顔を出しつつ、すぅ と息を吸い込み
「 .....ぁ.. あのっ、久しぶり !! 」
必要以上にデカい声になってしまった。
■イルマ > 扉に備え付けの小窓から、誰かが覗いていることなど露知らず。
さて閉店とカウンターを出かけたところで、店内に大きな声が響く。
「わぁっ!………え、…ノ、ノア?」
驚いて肩を竦め、慌ててドアに視線を向ける。
と、隙間から友人の顔が見えて、きょとんと瞳を瞬かせた。
「…な、何してんの? ほら、早く入って」
■ノア > ( あたし声デカっ、ダサっ.. )
緊張からおかしな再会を果たしてしまった事を後悔しつつ、招かれるまま入店。後ろ手に扉を閉めて店内を見渡せば、初めて来た時と変わらぬ暖かさに少し表情綻ばせ..
「 突然ごめん、あの..... 元気だった ? じゃなくて.. えっと、あれから... あれから大丈夫だった.. ? 何も、起きてない ? 」
何度かはぐらかしそうになるも、本題を切り出し不安げに眉を下げた。
■イルマ > 店内は常に暖かく過ごしやすいようにしている。店主の気分次第といっても過言ではないが。
ローブ頂戴、と片手を差し出し、受け取れば適当なところに引っ掛けて吊るしておこうとして。
「いいよ?いつでも来てって言ったじゃん。…うん、アタシは元気。ノアこそ大丈夫だった?」
不安げな表情に微笑んで一歩踏み出し、距離を詰める。
間近に友人の顔を覗き込んでみようとしつつ。
■ノア > 店内の暖かさだけじゃなく、ローブを受け取ろうとしてくれる貴女の自然な気遣いも、気さくな受け答えも、あの日と何も変わってはいなくて.. 覗き込まれた顔は、うっかり瞬きでもしたら涙が溢れそうな程。
「 .....そっ、か.. 良かった、ほんと 良かった.. 来たくても、来ちゃいけない気がして... 超緊張した ぁ.. 」
ほっ と安堵の吐息が漏れ、全身から力が抜けた。けれど.. 差し出されたローブの中は仕事着。"まだちょっと寒いから" なんて、適当な言い訳をしつつ着たままに。
「 あたしも大丈夫。何も起きてないし、てゆーか.. 自分でもよくわかんないんだけど... あれから色々あって、ちょっと混乱ってゆーか.. バタバタしてた、かな。」
■イルマ > ローブを着たままだというならあまり詮索はせず、差し出した片手を下ろす。
彼女を連れて店内、カウンターの中へと戻った。
「来ちゃいけないなんてそんな……むしろノアの顔が見れて嬉しいのにな」
バタバタ、という言葉に少し思うところはあった。
カウンター裏、机の上に置いてあったそれを持ってきて、彼女へと差し出す。以前、相手に売ってあげた硝子細工の髪飾りだ。
「……ひょっとして、これの関係かな?」
■ノア > とにかくまた貴女とこうして逢えたこと、互いの無事が確認できたこと、そして何より.. あの日と変わらず、笑顔で迎え入れてくれたことが嬉しくて。貴女の後ろを着いてゆく間にそっと、バレないよう涙を拭った。
こうして、カウンターの前で嬉しさを噛み締めていたが.. 硝子細工の髪飾りにぴくりと表情固まらせ。
「 .........ぇ.. コレ、何で... ? 」
貴女の言い方からして、同じ物を仕入れたとは考えづらい。まさしく其れは一点モノの細工、紛れもなく自分が選んで購入した品で..
「 なんで.. イルマ が..... 」
■イルマ > 後ろで涙を拭っていたことに気づかず……暑くなったらいつでも脱いで良いからね、なんて声もかけておく。
そして髪飾りに対する反応を見れば、笑いながら一度頷いた。
「少し前に運び込まれてきてね。……その中にコレがあったから、誰のものかわかったってわけ」
「ずいぶんと大量に運び込まれてきたから何事かと思ったけどさ…」
はい、と相手に髪飾りを差し出し、渡そうとする。
「返すね。……またお金は取らないから、安心していいよ?」