2016/11/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にルキアさんが現れました。
ルキア > 「はぁっ…はぁっ…」

暗く細い路地裏の道を駆け抜けるのは、エルフの少女。長い髪が少女の通り過ぎた一瞬蒼銀の軌跡を描いて。
必死に走り、右に左にと通りを駆け抜けていく。
森の中を駆けるその足は、整地された王都の道の上ではよろ早く、入り組んだ細い道でもそのスピードは保たれている。
背後から、野太い複数の男の声が響くが、次第にその声も引き離して。
その衣服には乱れがみられ、瞳には涙が浮かび。

「はっ…はぁ…はー……」

どれほど走ったことだろうか、背後に声が聞こえなくなり人の気配がしなくなった所でようやく少女は足を止め、壁に背を預けるように物陰に身を隠す。
乱れた服をぎゅっと握り締めて、恐怖に体を震わせる。
以前、この国の貴族の男性より受けた公開陵辱。
その時に貴族の言った言葉を、エルフの特徴的な容姿を覚えていた男たちに襲われ、寸でのところで逃げ出して、ようやくここまで逃げ切ってきた。
心臓がばくばくと早鐘を打つのは、走ったせいだけではない。
魔力や男性に近づけば、否応なく発情してしまう体。
けれど、だからといって誰にでも体を開くほど少女の心は堕ちきれない。
体と心の食い違いが、苦しい。
ずず、っと壁にあずけた背を滑らせるとその場に蹲り。