2016/09/16 のログ
ご案内:「森林の中」にレイカさんが現れました。
■レイカ > 「すぅ……―――――」
おおきく、大きく息を吸い込む。
自分という存在を自然界の中に溶け込ませ、心を空っぽに。
木々や、風の声を拾い上げ、それを耳飾に伝えるように意識をむけ、自然の中の小さな小さな声に耳を傾ける。
「――――はぁぁ………。」
そして、ゆっくりと息を吐き出していく。
自分という存在を、自然界のなかに投げ出し…私という存在を虚無にする。
切り株の上で、私は胡坐をかいて座り、眼を閉じて瞑想していた。
私の中にある異質な魔力――水の力を、完全に取り込むために、だ。
■レイカ > しかし、元々魔力を持たなかったためか、まるで水に油がうくように美味く取り込めない…。
精霊の力に変換すれば、上手く使えそうだけど…それすらも出来なかった。
ゆっくりと眼を開け、私は少しだけため息をついた。
「……やはり、水の近くに行かないと難しい…ですか。」
この近くにある元素は、土と風。
水の元素がないという事は、このあたりに水の精霊はいないという事。
最近の雨で、少しは期待したけれども…外れだったようだ。
ご案内:「森林の中」にレミスさんが現れました。
■レミス > 「っ!」
どこだどこだと探し始めて一時間
もう無理かもしれないので一旦帰ろうかと諦めていた
だが微かに、一瞬だけ魔力を感じた
「こっこだあぁぁ!!」
狙いを定め一直線にレイカの元へ
炎を纏い流星の様な姿でレイカの目の前までそれは飛来する
火の精霊は面白がるかもしれないが風や水の精霊は騒ぎだしそれを彼女に伝えるだろうか
■レイカ > 「…一度拠点に帰って荷造りですね……。
はぁ、あの子になんと説明しましょうか……。」
最近、ダイラスのほうへ修行にいくといってよく出かける弟。
帰ってくることが遅いうえに、話によれば随分といい師匠を見つけた見たいだ。
心配しないわけじゃないけれども、誰か信用のできる人がそばにいるなら…。
そう思い、切り株から降りて私はテントのほうへと向かおうとした。
「…………ん?」
にわかに、風の精霊が騒ぎ出す。
水の精霊は、ここにはいないために声は聞こえないけれども。
だが、私が感じた違和感はそこではなかった。
ここにいないはずの、火の精霊が楽しそうに笑っている声が聞こえた。
「……火?…このあたりで小火でもおこtt――」
言い終わる前に――それは飛来した。
木々を掻き分けて、真っ赤な炎が私の前に突進してくるその姿。
私はあっけにとられ……彼女の前で尻餅をついて倒れていた。
「………っ!?…っ……っっ!!??」
■レミス > 「ふぅぅ、えっと…」
地面に焼け跡を残し全力着陸は完了
きょろきょろと周りを見回す、まだ近くに要る筈
「っ!見つけた!」
赤い髪でエルフ
姉と母に聞いた限り間違いない
ずっと探していた目的の人物を見つけて笑顔が浮かぶ
「貴女レイカだよね?
私はレミス、宜しくね。あと戦って!」
キラキラとした目で尻餅をつくレイカを見つめる
制御なんて知らぬと漏れ出る魔力は純粋な火の魔力
小さな子供の様にはしゃぎながら腕を回している
■レイカ > 「は?え?……ええぇぇ!?」
一体なにがなんだかわからない。
いきなり目の前が爆発したかのように光ったと思ったら、その中から女の子が現れた。
いくら精神的にも強いという自信があるとはいえ、突拍子もないことがおきると驚くのは無理はないのだ。
私だって、超人とか変人じゃない。
「ちょ、ちょっと待ってください!…ええと、レミスさん、ですか。
いろいろと質問したいことがあるんで、とりあえず答えてください!」
名乗られた、よろしくといわれた―――そして、戦ってといわれた。
何故いきなりそういう流れになったのかはわからないけれど、私は今回、一切戦うための準備をしてきていない。
私服だし、弓も矢ももってきていない。
靴だって、戦うためのブーツではなく普通の靴だ。
とても、蹴りを繰り出せるほどの強度はない。
「ま、まず何故私の名前を知っているんですか…?
少なくとも…貴女とは初対面のはずですが……あれ?」
落ち着いてきた、ゆっくりと深呼吸して少しずつ落ち着いてきた。
そして、目の前の少女をじっくりと見てみると――あの子、水の魔力をくれた少女によく似ている。
髪の色と眼の色は違うけれども――確かに、よく似ている。
「あ、アリスさん………じゃあ、ありませんね?」
雰囲気がまったく違う…。
少なくとも、あの少女ではないことは間違いない。
もしや、妹のほうだろうか。
■レミス > 「む、心理戦って奴だね…私負けないよ♪」
言葉を交わしての心理戦を想像する
流石最強のエルフ、実際にぶつかる前から勝負は始まっていたのかとさらに熱は高まる
「あれ、でもレイカちゃん武器が…あ、魔法使うから要らないのかな?」
とそこでようやく戦うような格好でもなく
いたって普通の私服だと気づいた
首を傾げて考えても「武器など要らぬ!」と猛る姿を想像してしまう
「え?えーっとねぇ、レミスお姉ちゃんとカレママから聞いたの!
お姉ちゃんの魔力を受け取ってあのカレママに中々手強いって言わせるなんて…私びっくりしたよ」
カレリアの手強いは交渉や理性の面での話だが完全に勘違いしている
レミスについても自分より魔法が上手い姉の力を得たんだからそれはもう最強なんだと思った
そんな最強の姉の友達、そんなの一度会って派手に遊んでみたくなるのは仕方ない
「あ、アリスお姉ちゃんとは双子で私は妹のレミスだよ
初めましてとよろしくね♪」
■レイカ > 「し、心理戦!?」
何のことなのかさっぱりわからない…。
一体何が始まっているんだと困惑している私をよそに、まさか最強のエルフ、なんて思われているなんて思いもよらなかった。
…私は決して、最強だとかそんなことは談じてない。
「ほ、ほんとに待ってください!
わ、私は魔法の類はまったく使えなくて、普段は弓矢とかを使うんです。
それを今もって来ていないので、とても戦える状態じゃないんですってば!」
なんだかどんどん、この子の妄想がとんでもない方向にいっている気がする。
此れはこの誤解を解かないと…このあたり一体が焦土になってしまいそうな気がしてきた。
何しろこの子は、あの襲撃を迎撃したアリスの双子の妹。
彼女の魔力そのものも相当だったというのに…私なんかが勝てるはずがない。
勝負は、始まる前から既に決着している。
「……カレママ…カレリアさん…ですね……。」
手ごわいって一体、私のことをどういう風に伝えたんだろうか…。
少なくとも、彼女とは戦っているわけでもないし、少し話をしただけだ。
手強いと言われる様なことは一切なかったはずだが…レミスの笑顔がとても嬉しそうで。
だが、その笑顔が逆に私にとって、とてつもなく恐ろしいものに移る…。
純粋な子供の笑みほど、恐ろしいものはない。
「あ、はい………よ、よろしく…。」
どうやら間違いはないらしい…。
物静かでどこか臆病なアリスさんとは正反対の、天真爛漫な元気っこだとは思わなかった。
■レミス > 「そう、相手の行動を……何かするってママが言ってた!」
肝心な事はすっぽ抜けているが自身は満々
今も謎の動きで待機しながら行けと言われればすぐに飛び出しそう
「弓矢?エルフっぽいけど……そうなの?」
得意な武器がない=全力は出せない
そんなのは楽しくないのでやる気が霧散する
遊びと言えどルールはある、自分だけ有利な状態で遊ぶのは良くない
「そだよ、カレママが手強いって言うから凄く楽しみだった…」
カレリアが苦戦する姿を想像できなかったのでそれはもう楽しみにしていた
しかし今は戦えない、遊べない…ぷくっと頬が膨らむ
「むぅぅ…折角城からこっそり来たのに
誰にも見つからずって大変だったのになぁ…」
実際はこっそりどころかバレていたが全力でここまで飛んできたので追いつかれなかっただけで
隠密的な動きはレイカ自身にはまったくもってできていない
遊べないと分かると少し落ち込む、と言うより拗ねて地面にしゃがんで指でのの字を書き始めた
■レイカ > 「さ、先読み……ですね?」
心理戦、戦う際に相手の一歩先を予測し、それを阻害するように動く。
私がいつも、それを心がけていることなのでなんとなく察しは着いた。
もっとも――間違っている可能性を棄てきれないのだけれども。
確かに私は、間違いなくエルフだ。
けれども、生まれつきといっていいのだろうか…魔力というものに一切縁がなかった。
しかし、私には精霊と会話するという特殊技能が備わっている。
それを宿せば、魔力のようなものを生み出すことは…出来なくはない。
「………カレリアさんと…その、戦ったという記憶すらないんですけど…。」
どうやらこの子は非常に勘違いをしているようだ。
素直で元気、と言う第一印象を受けたレミスという少女。
しかし、どうやら本当に一直線で自分の我を押し通すような子ではなかったらしい。
そういえば…カレリアさんも、とても素直な子だと言っていたのを覚えている。
戦えないと知り、随分と落ち込んでしまった少女を見て、私は苦笑を隠しきれなかった。
「あはは……お疲れ様です。
今は遊ぶことは出来ませんが……というよりも、レミスさんと”遊ぶ”と、私が消し炭にされてしまいそうなので…。」
戦うのは全力で遠慮したいところだが…このように落ち込んでしまうと、ちょっと可哀想だ。
出来れば命の危険のない、別な遊びをしてあげたいのだが…。
「あ……じゃあ、レミスさんはアリスさんといつもどんなことをして遊んでるんですか?」
さすがに実の姉と毎回戦っているわけではあるまい…。
代わりとして、その遊び相手になることで許してもらおう。
■レミス > 「多分それ!」
びしっと指さし小さく拍手
細かい事を覚えるのは苦手なのでさらりと
そういう事を言えるレイカへの憧れポイントは溜まっていく
「……む?」
眉を寄せて目を瞑り集中
戦ってないのに…手強い?
その意味についてよく考えてみる
風を感じ日差しを感じ、大自然と一体になっていく
…何だか眠くなってきたので思考は中断した
「え~レイカちゃんだったら大丈夫だと思うよ?
だってエルフだし!」
エルフは魔法のエキスパート、人間でいう天才揃い
そんな子供向けの本みたいな先入観がこびり付いている
魔法が下手な自分が圧勝できるなんて思ってもいない
「お姉ちゃんと?
えっとねぇ、小っちゃく遊ぶ時は魔法の制御?の練習で遊んでるよ♪
後は一緒にお菓子食べたりゴロゴロしたり、お姉ちゃんが元気な時はいっぱい魔法ぶつけて遊ぶの!
それから…」
元気よく答えていく
どうにも魔法制御で姉に勝った事は殆どなく自慢の姉であり
綺麗で優しいと要所要所に姉自慢を挟んでくる
■レイカ > 「………なるほど…。」
カレリアさんの言うとおりだった。
本当にとても素直な子だ。
しかし、もし最初にアリスさんではなくこの子と会っていたらどうなっていただろう。
そんな一抹の不安と、最初に会ったのがアリスさんでよかったと安堵すら浮かぶ。
「あ、あの……あまり難しく考えなくていいと思いますよ…?
とりあえず、カレリアさんが私のことを手強いといった理由はわかりませんけど……。」
とりあえず、目の前の少女との戦闘、と言う私の中での最悪な事態は免れたようだ。
下級の魔族ならばいざ知らず、彼女もまたアプル・ポイズニー家という魔王の一族。
そんな魔族と真正面から、遊びの範疇とはいえ戦えば、私などひとたまりもないはず。
――にしても、私の中で魔族というものがどんどん覆っていく気がしてならない。
「エルフでも、魔法力の弱い人はいるんです。
まあ、めったに生まれるものではありませんけれども……特殊な例外はやはりいるんです。」
大丈夫だとか、そんなことは絶対にありえない。
そもそも、エルフだから大丈夫だというならば、あの襲撃であんな恐怖体験をしない。
たとえ制御が下手でも、巨大な魔力をぶつけられたらどんな人種でもひとたまりもないのだ。
「………ふふっ。」
彼女の、その遊びの内容を聞いているさなかに時折入る、アリスさんの話。
曰く、綺麗だとか優しいだとか、魔力の制御が上手いだとか…。
そんな話を聴いていると、目の前の少女が魔族だなんて、とても思えなくなってくる。
「レミスさんは、本当にお姉さんが大好きなんですね…。」
ちょっと微笑ましかった。