2016/07/18 のログ
ご案内:「ドラゴンフィート 観光地区」にレイカさんが現れました。
■レイカ > 「…………はぁ。」
私は少しだけ、短いため息をつきながら集落の公園内で、お弁当を拡げていた。
内容はトマトとレタスのサンドイッチだが…喉を通る気配はまったくなかった。
九頭竜の秘湯で疲れを癒すはずだったのに…逆に少し疲れる結果になってしまった。
いや、気のせいなのかもしれないけれども、それでも―――やはり。
■レイカ > 理由はわかっている、先日の秘湯での一件だ。
甘えさせるだけのつもりだった、だけどそれ以上のことを要求された。
逸れに答えられなかった私は、多少なりとの罪悪感を感じてしまっていた。
(……覗き行為に、合意の上とはいえ…。)
体を赦しかけた、その罪悪感は確かにある。
だけど、それ以上に―――あの子供の甘えたいという行動に、答えてあげることが出来なかった。
その罪悪感が、ずしりと私の体にのしかかる…。
■レイカ > ―――気にしても仕方がないことだ。
私は自分にそう言い聞かせ、ようやくサンドイッチを一口かじった。
取れたてのトマトがとても美味しい。
育てていたそれがようやく収穫できたから、それをサンドイッチにしただけだけど。
「……次に会えたら、行動しだいでは許して上げましょうかね…。」
自嘲気味な言葉だけど、すこし気が晴れた。
彼はそんなに悪人ではないと思えたし、次にどういう言葉を投げかけてくるのか。
それしだいでは許してあげようと思うと、半ば開き直ったかのように、プレッシャーが消えた。
ご案内:「ドラゴンフィート 観光地区」にアシュレイさんが現れました。
■アシュレイ > 「では、そちらの品はきちんと店に届けて置いて下さい。 私はもうすこしこの辺りを見て回りますので。」
公園から少しばかり離れた位置より、女性と男性の声が聞こえてくる。
話しの内容から、女性の方が男性よりも目上の立場のようだ。
何かいいたげな男性の話を女性の方が強引に遮り、手を振って見送っていた。
「全く、皆心配性ね。 私は一人でも大丈夫なのに。」
男の後姿が見えなくなってから、腰に両手を当て子供っぽく口元を膨らませている娘。
頭の上の黒い猫耳と尻尾から、ミレー族であると簡単に推察できるだろう。
漸く一人になった娘は自由な時間を満喫すべく、公園へと足を踏み入れる。
■レイカ > 私はサンドイッチを片付け、その場から立ち上がった。
そういえば、今日はまだ見回りの仕事もちゃんとこなしていない。
いや、サボっていたというわけではない。
ただ単に、交代で私の担当ではなかったというだけだ。
いまはそう―――ちょっとしたお昼休憩、というヤツだ。
「さて…少し長くなってしまいましたね…。」
急いで戻らないと、と立ち上がった際だった。
一人、ミレー族が公園へとすれ違いで入ってきた。
頭に映えている黒い猫耳と尻尾。ミレー族であることは明らかだった。
まあ、この集落ならばさして珍しい光景でもないのだけれども。
別段、怪しいところがあるわけでもない。
武装の類もしているようには見えないし…気にするようなものでもないだろう。
立ち上がり、私は服についた砂や枯葉を払い落とした。
■アシュレイ > 公園に入ると、尖った耳の女性が食事を終え、公園から立ち去ろうとしていた。
娘は己に向けられている視線に気づくと、にっこりと笑みを浮かべ軽く会釈した。
このエリアでは自警団とでも言うべき組織があると聞いているが、その構成員だろうか。
娘は笑みを浮かべたまま、値踏みするような目で女性を眺めている。
どうやら、どこかへと向かう途中なのだろう。
いつまでもじろじろ見ているわけにもいかないので、そのまま公園を後にすることにした。
ご案内:「ドラゴンフィート 観光地区」からアシュレイさんが去りました。
■レイカ > 「………。」
私もまた、会釈を返して公園を立ち去った。
別段、何か用事があるわけでもなかったわけだし、彼女もおそらくそうなのだろう。
結局会釈をするだけで通り過ぎ、そして立ち去っていくのを見送った。
「さて……。」
太陽を見る。
いい頃合の時間だ、そろそろ後退の時間を告げるベルもなり始めることだろう。
私はそのまま、集落の奥地へと、足を進めた。
ご案内:「ドラゴンフィート 観光地区」からレイカさんが去りました。