2016/07/17 のログ
レモン > なんということか、全部バレてしまった。
(自称)天才魔術師、詰めの甘さを自覚する。
けれど彼女はまだ交渉の余地を残してくれているようだ。
それは覗きを見逃すだけでなく、差し出す対価によっては自分の欲望を満足出来そうな雰囲気さえ感じ取れる口調。
ここで自分のおちんちんを差し出す、なんてボケをかませるほど空気の読めないミレーではないので、まじめに考えることにした。

けれど自分は裸だし、そもそも相手が何を知りたいのか、必要としているのかも知らない。
けれどそれを直接聞いてしまっては面白く無いので、(自称)天才魔術師らしく推理して彼女の鼻を明かすことにした。

そんなわけでしばしの沈黙。
彼女に何かを問うわけでもなく、身体を見るでもなく、ただ温泉の気持ちよさに身を委ね、隣り合って幸せを享受しながら考えを巡らせているのだ。

――ふと、目にとまるのは地面に置かれた彼女の装備品。

「――魔術付与【エンチャント】。」

言葉に出したのは魔術の一種。
アイテムに対し魔術の力を付与し、何らかの属性や効果を引き出せるようにするというもの。

「好きな無属性アイテム一つに、四大元素の内一つ、好きな属性を付けてあげる。
けれど付けられるのは『器』だけ。具体的な効果や強さはお姉さんの意志次第。」

これでどう?と、人差し指を立てて提案する。
魔術の流れが読める彼女になら、少年の自信たっぷりな仕草がハッタリでないことは分かるだろう。
潜在能力の付与、とでも言うべきか…即効性はないが将来性のあるエンチャントである。

レイカ > まあ、さすがにちょっとエッチな目で見ているような言い訳をされてしまったらどうしようもなかった。
もし、此れでもう少しオブラートに包み、私が油断していたり薬で浮かされているようなことがあったら、あっさりと彼の欲望を受け止めていただろう。
勿論、差し出すものによっては私は体を触らせてもいいし、場合によっては受け入れることも視野に入れた。
身持ちが硬いのか柔らかいのか、時々自分でも分からなくなる。

―――あの人に言わせれば、もっと体を労われとか言われてしまいそうだ。

しばらくの沈黙が流れた。
このままゆっくりと温泉を楽しむ事に没頭してくれればいいのだけれども。
額に流れる汗をタオルで拭いながら、何を言い出すのか、何をするのか。
私はそれをしばらく眺めていた―――そんなときだった。

「…………?」

エンチャント―――?
何をするのかと思えば、私の弓にその魔力が流れていく。
ただ、攻撃やそういう系統ではない、何か―――付加させるような、バフ効果のある魔力だ。

なるほど、情報ではなく対価を支払おう、という事か。

「属性…ですか。」

―――私には馴染みの深いものだった。
いまはつけていないけれども、そのすぐ傍には愛用している耳飾も置いてある。
私は、軽く弓を手に取り―――耳飾をつけて精霊の声を聴いた。

「………なるほど。」

―――よく、聞こえる。今までにないくらいに。
此れなら、もしかしたら交霊術もいままでよりもっと上手く出来るかもしれない。
弓に付加された効果は『手放さない限り、精霊との調和がより上手くできる』という能力――というところか。

レモン > 彼女の得物は弓矢であった。
ならば火の属性付与で攻撃力を増加させてもいいし、身動きを軽くするための風の属性でも良い。
ただし己の付与術の一番の欠点は――自分自身、どんな効果が付与されたのか分からない、ということだ。
――けれど。弓を持ち何かを感じる彼女の表情を見れば、満足行く出来だった事が分かるというもの。

「これで分かってくれた?僕がただのエロガキじゃないってことが、さ。」

またも自慢気に猫耳と尻尾を立て、乳白色の湯の中、今度こそと身体を近づけていく。

「さ、今度はお姉さんの番。たっぷりと甘えさせて?
もちろん嫌々とかクールはだ、あ、め。それじゃ甘えたことにならないから。」

あくまで甘く優しくそれでいて積極的な姿勢を彼女には望み、働いた代償とばかりに自分の欲望を余すことなく打ち明ける。

「あ、あと僕のことはレモン君、って呼んで。好きなものは女の人のおっぱいとお尻とお膝。好きな体位は対面座位。」

つらつらと並べ立て、もう交渉は成立したとばかり、言葉の通りに彼女の膝に乗せてもらおうとする。
重い前髪に隠された瞳が無邪気に笑い、幼さを強調するかのように。

レイカ > 交霊術のもっとも厄介なところは、”著しく体力を損なう”という事。
以前この力を使った際、しばらくまともに動けなくなってしまい、そのまま病院で寝たきりだったことも。
だけど、彼―――レモン君の与えてくれた不可はかなり大きな助けになるのは間違いない。

火の属性を付加されていたら、森を愛するエルフを冒涜しているのかと怒った。
風の属性ならば、既にその上位である風の精霊との交信を使えるため鼻で笑った。
だけど、この付加は―――ちょっと苦笑する。

「……ええ、少し驚きました…。
ですが、覗きをしていたことは事実でしょ…?」

まあ、それも彼の年齢からしてみれば、興味が沸くのは仕方がないことだと割り切れた。
だけど―――だからといって積極的に着てもいい、という事にはならない。

近寄ってくるその体を受け止めることはすれど、後に続いた欲望の塊には、再び冷たい目を放つ。

「褒めてあげようかと思いましたが…辞めです、まったく。」

そもそも、交渉はまだ終わっているわけではないけれど―――確かに満足する結果だった。
仕方がない、という風にタオルを外し――彼を正面から抱きしめてあげる。
股間の肉棒を舌から優しく持ち上げるように、膝でこすってあげながら。

「レモン君ですか…私はカイレ、と。
………挿入はダメですが、口でなら…。」

対価としては、触らせた上でのフェラチオ…が限度。
これ以上を望むならば、更なる対価を支払わせるつもりだった。
偽名を使うのは、味を占められても困るから、という理由だった。

レモン > せっかく得意気になっていたところに正論を返されてしゅんと落ちる肩。
どうも自分は一言多かったりして損をしているらしい。
けれど良くも悪くも欲望に正直で、素直なのだ。
そしてそんな性格はそう簡単に変えられず…認めてもらうには、魔術の腕を見せるしかないのだろうとも考えていた。

そんなこんなでお互いに望むものを得たことになるのだろう。
彼女は力をコントロールする助けを。
少年は欲望を。

「おおっ…カイレ姉さんのおっぱい、柔らかいにゃあ…」

湯気のたつ温かな身体に包み込まれ、心の底から幸せそうな声を上げる。
あっという間に肉棒は再び勃起し、先端を彼女の膝や太腿に擦り付けるように無意識に動き。
けれど。

「こんなに頑張っても…入れちゃ、ダメ?
分かったよ、でもさっき言ったでしょ?対面座位が好きなの。
だからほら、こうやって太腿でこすって…で、囁いて欲しいな。
僕の耳に。優しい言葉を。」

肉欲もさることながら、何より優しくされることに飢えているかのような言葉。
幼いころに家族を失い、それなりに孤独を味わった身の上を彼女は知らないだろうが、種族と合わせある程度の背景を察することはあるかもしれない。
胸の中で上目遣いに見上げる瞳は潤み、蕩けきったまま。

しなやかな手指が彼女の背中に周り、肩甲骨のあたりを包み込むように。
鼻先はぎゅっと彼女の胸の谷間に埋め、女の匂いを堪能する。

「あぁ…柔らかくて…すごくいい匂い…する…舐めていい…?」

まるで子猫が甘えるような仕草そのもの。
熱い吐息を吐きかけながら、舌先が柔らかい肌を撫でていく。

レイカ > さすがに一言多いと、私だって小言を言ってしまう。
こういう子供は何人か相手にしてきただけに、どうしても保護者という感じで接してしまうのだ。
まあ、勿論ほんとに擦り寄って、夜な夜な悪戯してくる子にはきついお仕置きをすることもあるのだけれども。

ともあれ、一番ほしかった交霊術の補助を受けられるのだから、このくらいはしてあげてもいいだろう。
―――あの人が何を言うか分からないけど、対価を持ち合わせていなかったから、と言い訳しよう。

「あんまり…大きくはないんですけどね……。」

小ぶりだけど、形には少し自身があった。
もう少し大きければ、もっと彼が望むようなことにもなれたのだけれども、あいにく私の大きさはここで止まってしまっている。
まあ、それでも満足してくれているならば構わない。

「ダメです。…それ以上は我慢してください。」

だけど―――続いた言葉には、私は少しだけ心を動かされてしまった。
そういえば、どちらかというと甘えたいという欲求を前面に押し出してくるその仕草。
そうか、彼が求めているのは体ではなくて――。
私は、正面から抱きつき、胸元に擦り寄ってくる”子猫”を抱きしめながら、笑みを浮かべた。

「………いまだけ、ですからね?」

そっと、囁き彼の頭の上に、私は顔を乗せた。
もっと密着できるようにと抱きしめてあげながら、蕩けきった目頭に、キスを落とす。

「舐めて…ですか?…もう、仕方がないですね……。」

私は、それをあっさりと許可した。
鎖骨の辺りだろうか、そのあたりに感じる猫の舌触りに、後頭部を撫でながら受け入れた。
少しひりひりするけれど―――このくらいならば。

レモン > 「大きさだけじゃないってことだよ。
色とか…形とか…柔らかさとか…感度とか…ね?」

決してフォローめいたお世辞ではなく、十分に魅力的な美しさを描く稜線に魅了され、本心からの言葉だった。
満足どころか大満足。

挿入は我慢というけれど、どうやら自分の寂しさが彼女にも伝わってしまったようで。
真正面からしっかりと抱きしめ、包み込んでくれる存在に感じるぬくもり…
気持ちよさそうに目を閉じる。
キスの柔らかな感触に、目尻からこぼれ落ちる涙が一滴。
こんな風にしてくれる女性なんて今までに居なかったものだから。すん、と鼻を鳴らしてしまう。

「うん、今だけ…今夜だけ…だからカイレ姉さんも、今夜だけは…僕の姉さんになって。」

言葉と裏腹、舐める舌先の動きは少しずつ激しくなっていく。
最初は鎖骨のあたりをやわやわと舐めていたのが、許可を得られれば少しずつ降りていく。
それが乳房の白肌をなぞり、なだらかな丘を登りつめ…先端の膨らみ、乳輪をなぞるような動きに。
痛みと擽ったさがごちゃまぜになるような舌の突起を器用に滑らせながら、幸せそうに息を漏らす。

「…――はむっ。」

とうとう我慢できず、思い切り口を開け、その乳房にむしゃぶりついた。
乳首を甘噛する前歯。
喉を一度鳴らし、母乳を求める子猫のようにちゅうちゅうと吸い始める。

レイカ > 「…ませた事を言うものではありません」

こういうところは、少し可愛げが無いなとは思う。
まるでナンパ師のようなそんな口調に、私はただただ苦笑を浮かべるだけだった。

私の境遇も、少しに通っているものがあるからかもしれない。
親を失い、一人だった私を優しく抱きしめてくれた人がいたからこそ、彼の孤独も感じ取れたのかもしれない。
まあ、敬意はどうであれ甘えさせることを許可したのだから、したいようにさせてあげるべきだろう。
目じりからこぼれる涙、それをそっと片手で拭ってあげる。
ただ、優しくされたいだけならば―――私でよければ、姉として接してあげよう。

まあ、普通の姉弟ならばこんなことは拙しないのだろうけれども。

「ええ、いまだけです………んっ…。……んぅ、はぁ………。」

――――――意外と、上手だった。
最初は鎖骨辺りで収まっていた舌も、だんだん私の胸に下りていく。
ざらりとしたその下ざわり、猫特有の舌触りが乳房、そして乳輪まで下りていく。
だんだん、私の声も上ずったものが含まれ始めていた。
突起は既に、彼の舌に反応して痺れるような感触を残し始めている。
だけど――まだ流されるには程遠かった。

「え……ちょ…やんっ!」

―――と、思っていた。
母乳を求めるように吸い上げられるだけならまだしも、乳首を甘嚙みされてしまっては、どうしても私の女の部分は反応してしまう。
どうしよう…此れは想像以上に……彼に翻弄されてしまうかもしれない。

レモン > またやってしまった。

「…はあい。」

どうしても怒られてしまう。
ただ好かれたいだけなのに。そのために気の利いたことを言ったつもりだったのに。

けれど彼女はとても優しくて、怒った言葉にもトゲがない。
まるで本当の姉のよう――なんて、考えてしまう。
もしくは、本当に彼女が姉だったら――とも。

「…ふふ、もしかして…――感じてる?」

舌先での愛撫の合間に漏れ聞こえるのは甘い甘い声。
少年は知っていた。これは優しさではなく、女の本能からのものだということを。
そして子供とはいえ自分には生殖本能がある雄だということを示すように、思いださせるように、彼女の太腿に擦り付けるのは。
かぶっていた皮が剥け、まだまだつるりとしていながら硬く太く張り詰めた男根である。
もちろん挿入はダメと言われていたので、太腿に擦りつけるだけ、あるいは挟み込ませるような動きだけ、だけれども。
そのうちそれが透明な先走りを滴らせるようになる。
そのうちそれが彼女の最も敏感な場所をかすめるようになる。

知ってか知らずか、本能の赴くままに腰を前後させる。
すれば当然、口に咥えた乳首も揺れ、柔らかな乳が跳ねるように。

膝の上から落ちないように、あるいは彼女が逃げられないように、両手はしっかりと背中に抱きついたまま。
「んん…っ、カイレ姉さん…っ、まるで僕のおちんちん、カイレ姉さんに入ってるみたい、じゃない…?」

素股でも構わずに腰を振る動き。軽いけれどリズミカルに。
まるで本当に挿入しているかのように。
言葉を上げると同時に顔を上げ、顎元を差し出すように持ち上げた。

「ねえ、…キス、して?」

口を閉じて、唇を濡らして、また開く。唇の形はすぼめられ、女の唇を待つように。

「甘くてとろけておかしくなっちゃいそうな、そんな激しいキスがいい。」

ねだる間にも、彼女の体を揺らし秘所近くを擦り付ける肉棒の動きは激しさをまして――
昂ぶっていく。絶頂が近いのを感じてしまう。でも勿体無く感じてしまう。
どうしていいか分からずに、縋るようにもう一度女を見上げた。

レイカ > ―――私は、こう思う。ませた事を言わずとも、ちゃんと伝えられるものがあると。
対価をもらっているからとか、そういう事情もあるけれども―-。
私は、雨の中震える子猫を見捨てるほど薄情ではないつもりだ。

「……っ………。んんっ…くぅっ……。」

子供なのに、的確なとk路尾を攻めてくるあたりはさすがに男の子、というところか。
感じているのかと問われても、私は”はいそうです”と素直に答えはしない。
けれども、彼のその男根が私の太ももに擦られるたびにどうしようもなく心臓が跳ねてしまう。
そして、その挟まれている箇所から感じる熱い先走り液、彼の男の部分。
子供だけれども、しっかりと男を感じさせるその感触に、私の中の女はいやおうなく反応してしまう。

素股―――でとどめさせるべきだと、冷静な私は感じていた。
私にはあの人がいるし、レモン君にこのまま流されるのはどうしても出来ない。
だから、せめて―――せめて私が折れる前に、この子が満足できるように。
その思いで、私は敏感な部分に擦れる肉棒からの刺激を、声を抑えて耐えた。
だけど、そのたびにびくん、びくんと体が跳ねて、彼に私が感じていることをいやおうなく認識させる。
乳首もいつしか、硬く立ち上がってしまいより敏感に、彼の舌に翻弄されてしまっていた。

「…こ、此れなら……セーフ、ですから…んんっ…!」

――挿入されていないから。
彼の甘えを私は身体一杯受け止めながら、流されそうになる心を必死に押さえつけていた。
声を押さえつけるように、私は片手を口に当て、なんとか声を抑えるのに必死だった――。

「……ぇ…?」

ゆえに、一瞬レモン君が言っていることが理解できなかった。
甘く、蕩けるような激しいキスがほしい――-。
その意味を深く考えることなく、私は彼の唇に、そっと自分の唇を重ね…抱きしめるように、舌を絡めた。

レモン > 昂ぶれば昂ぶるほどに高まる熱。
小さな身体の体温も、リズミカルに擦り付ける下腹も、どんどん激しくなる吐息も全て――熱く、激しく。
もう己にも彼女を翻弄しようというような余裕はなく、ただ己の欲望に忠実に――
――否、まだ挿入に至っていないだけ冷静だといえよう。
ぬるぬるとした男根を押し付け、とうとう彼女を焦らすかのように割れ目の入り口に擦り付ける。
縦に体を動かせば、太いそれが彼女の秘所を刺激する。
肉の芽とも呼ばれる蕾の部分さえ無意識に探し当て、亀頭の先端と絡め合うような。

それでも彼女からの許可が出ないと挿入はしない。
ただ入り口をノックするだけだ。

――下の口をそうやって刺激し焦らしている合間にも、上の方の口はすんなりと受け入れてくれるようだ。
ひたりと一部の隙間もなく吸い付く柔らかい唇。
ざらつきの間にたっぷりと唾液を絡めた舌が彼女のそれと絡まり合う。
唾液を送り、唾液を飲む。
喉元を鳴らし、激しく貪り合う。
体のすべてを密着させ、互いの汗を、匂いを、吐息を感じあえる距離。

――けれど。

未だ、繋がっていない部分が一つだけ。

――我慢できない。

――彼女に心に決めた人がいようとも。

――例え心の底から嫌悪されようとも。

「ん…んうぅ…っ、 カイ、レぇ…」

漏らす声。すっかり準備が整った男根の先端が向かうのは、とうとう彼女の拒んできた割れ目のその中心。
ごくごく自然に、そうしないのがおかしいとでも言うように自然に、ゆったりとした動きと水音とともに、少しずつ禁じられた挿入を果たしていく――

レイカ > ―――受け入れられるものは、彼の甘えたいという本能だけのつもりだった。
だけど、徐々に大きくなっていくその欲望は―――さすがに、私も受け入れるわけにはいかなかった。
確かに、彼は受け入れてほしいのだとは思う。
甘えたい、誰かに抱かれたいというその思いはわからなくはない―――けれど。
だからこそ、越えてはいけない一線を、越えさせるわけには行かなかった。

私の入り口に―――その肉棒が宛がわれる。
だけど、その肉棒殻逃げるように、私は腰を動かした。
こすり付けるだけならばまだいい、だけど―――その入り口を焦らすように擦られては、さすがの私もきつい。

「んんぅ……っ!…こ、こら………ダメ、ですよ…。」

挿入しようかというほどに、腰がきつく突き上げられても私はその入り口から、肉棒を逃がす。
絶対に挿入させてはいけないと、私は笑みを浮かべ、肩を揺らしながら彼を諌める。

―――だめ、挿入までしたら、私は君を嫌ってしまう。
―――お願いだから、甘えるだけでいて。

―――キライタクナイノ。キミノコトガ、スキデイタイノ。

そう願うけれども―――彼は、最後の最後で一線を越えようとしてしまった。

「………ダメっ!」

心に決めた人がいるから?―――いや、違う。

彼に抱かれるわけには行かない理由がある。
その肉棒を―――受け入れるわけには行かない理由がある。
だから、私はその肉棒がだんだん、私の中にはいる―――その最中に、彼を突き飛ばす。
肩を揺らし、大きく息を吐きながら―――。

「……………。」

私は、突き飛ばした彼を……とても、とても悲しい目で見つめた。
そして、何も言わずに―――私は、荷物を引っつかみ、その場から逃げるように立ち去る。

甘えるだけならば、口付けだけで終わってくれたら―――。
耐え切れなかったレモン君を受け入れることが出来ない自分が、少しだけ歯がゆかった。

ご案内:「九頭竜の秘境温泉」からレモンさんが去りました。
ご案内:「九頭竜の秘境温泉」からレイカさんが去りました。