2016/07/16 のログ
■タマモ > なんだかんだで最後の一個を口に放り、食べ切った。
満足そうな笑みを浮かべたまま、残ったジュースを流し込む。
「ぷあー…うむ、なかなかに美味であったのじゃ。
また機会があれば頂いてやろう、ありがたく思うが良い」
食べさせて貰ってこれである。
さて、食べるものは食べた、ちらりと外を見る。
…まだまだ暑そうな気がしないでもない。
こうして涼の取れる場所に居ると、そんな場所に出たくなくなるものである。
ジュースもう一杯、まだこの場所に粘るつもりだ。
■タマモ > こうして、少女はジュースで時間を潰し続けた。
店主には、他の客達には、ずっと居座る少女がどう見えていただろうか?
…まぁ、どう思われていようと少女は気にしないのだが。
日も沈み涼しくなってから酒場を出る少女。
色々とこうして日を避ける場所を見付けておかないと、これからまだまだ厳しくなるだろう。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からタマモさんが去りました。
ご案内:「九頭竜の秘境温泉」にレイカさんが現れました。
■レイカ > 「……はぁ………。」
生き返る、そんな心地だった。
温かい湯に包まれ、じんわりと広がる痺れのようなもの。
わかっている、熱いお湯に浸って皮膚が痺れている。
だけど、その痺れがとても、とてもとても心地よくて、私は息を短く吐いた。
■レイカ > 九頭竜山脈の中腹付近にある温泉。
自然のそれが湧き出ている場所は、私のお気に入りの場所だった。
マグメールで生活しているときも、こうして時折、お店を休ませてもらって入浴に来たものだ。
「……気持ち、いい……。」
自然と声が漏れる。
乳白に彩られたお風呂は、体の真まで温めてくれる。
ご案内:「九頭竜の秘境温泉」にレモンさんが現れました。
■レモン > 人間たちが秘境と呼ぶにふさわしい、たどり着くのも一苦労な温泉も、薬草採集などで山の至る所を歩きまわる少年のような者にとっては憩いの場だ。
一日の疲れを癒やすのには絶好の場所。
そんな場所に導かれるように、後からやってきた者がもう一人。
フードを脱ぎ捨て、華奢な身体を曝け出し、さあ飛び込もう――と思った時に気づく、湯けむりの向こうの先客の姿。それも若い女性。
「…気付かれちゃうかな?」
小さく独り言をつぶやいて、足音立てぬよう気をつけながら彼女の近く、死角になるような岩陰から覗きを行おうと目論む。
もちろん戦い慣れしているような、あるいは気配に聡い者であれば容易に看破されてしまうような未熟さはあるけれど。
■レイカ > 惜しくらむは、ここは公共の場ではないために男女混浴だというところか。
仕切りのようなものもないし、心休まるような場所ではない可能性も、僅かにはあるかも知れない。
だけど、ここを覗くのは動物ばかり。
人間は時折やってくるけれども、別に覗かれて気にするような性格はしていない。
…まあ、さすがに手を出すならば容赦はしないけれども。
「………~♪」
ゆえに、私はいま―――戦士ではあるけれども、気配を周囲に撒き散らしたりはしていなかった。
湯煙が風に紛れて、レモンへ姿を晒すように―――私は火照った体を湯船の縁に座り込むことで、晒してしまっていた。
乱れた髪を整えながら、タオルを―――外してしまって。
完全に油断していた。
■レモン > 時折聞こえてくる、獣が草木を踏みしめたり、風に合わせて木々の枝が揺れる音に紛れることが出来たのも幸いだっただろう。
――温泉は誰にでも開かれている。
人間、エルフ、ミレー族、あるいは獣にも。覗き魔にも。
要は自衛するしかないのだろう、大自然の中に居るというのはそういうことだ。
――と、それっぽい理屈を並べてみても、覗きは覗き。
決して許されることではないと分かっているからこそ、少年もそれなりに慎重である。
どうやら気配を消すことに成功し、彼女には気付かれていないようだ。
油断しきった様子で湯船の縁の岩に座る女のシルエット。
さらにはタオルを外し、女性的なラインの全てが月明かりの元に曝け出され。
「…――っ。」
きゅん。心臓が高鳴るのに合わせ、全身に血がめぐり体温が高まるのを感じた。
特に下半身へと、だ。
けれど今はこの光景を目に焼き付けるべく、爛々と輝く金の瞳が視線を注ぐ。
けれど頭の中ではこんな時に役立つ魔術を構築し、声を出せない代わりに指で地面に魔法陣を描いていて…
■レイカ > あいにく、私の胸はそこまで大きいわけではない。
確かに膨らみはあるけれども、グラマラスというには程遠い。
まあ、そんな体でも私は比較対象がいなければ気にはしないし、親からもらった体だ。
―――一部、もう機能しない場所はあれど。
「………月も綺麗ですね。ふふっ…。」
梟の鳴き声がより一層、雰囲気を醸し出している。
体を冷ましながら、私は何度か髪を梳かしていた。
まさか、除かれているなんて露とも思っていない。
しかも、レモンからは真正面―――見るだけ見れる位置にいてしまっている。
だけど―――。
「――――――っ!?」
魔力が放出されれば、私は慌ててタオルを自分の体に巻く。
気配には気づかないけれど、魔力には感づける。
「誰ですかっ!隠れてないで出てきなさいっ!」
■レモン > 夜目の効く己なら、物陰から観察するには十分な月明かり。
存分に堪能させていただくとしよう。
スタイル抜群というわけではないけれど、自然と引き締まった身体つきは官能的で、髪を梳く仕草もまるで男を誘っているかのよう。
指先が小さく描く魔法陣は順調に円を描き、六芒星を描き、古代言語を配置し――と、基礎的ながら魔術の気配は隠しきれずにあふれていたのだろう。
声を出していないことで、今度はこちらが油断していたということか。
唐突に鋭い声が飛び、肩が跳ねてしまう。
けれど覗き魔にとって幸いだったのは、こちらへ向かうよりも自分の身体を隠すことを優先したことだ。
八割方完成していた魔法陣の上に急いで土をかぶせ、こういう時だけ学者さながら頭脳をフル回転させる――魔術に頼らず、自分への疑いを消し、このハプニングをモノにする方法を見つけ出さんと。
「――っ、」
目にしたのは、魔法陣を描くのに使っていた石ころ。
ちょうど先端が尖り、まるで矢尻のようになっているそれで、素早く――自らの太腿を、切りつけて。
もちろん傷はそこまで深くはない、タオルを巻いて押さえていれば収まるほどの出血量。
これを使って彼女を騙せるかどうか。
「……――ご、ごめんなさい…」
第一声はひどくか弱く、か細く。
「温泉に入ろうとしたら転んでケガしちゃって、それで傷の手当をしようと…いててててっ!」
大袈裟なくらいの痛がる演技。
タオル一枚持たず、全裸のままで先客の前に出て行くも…それでやっとだとばかり、うずくまってしまう。
「お姉さん…タオル持ってたら、貸して欲しいんだ。」
傷口を抑えるために、というのを、彼女の裸を見るための口実にせんと。
■レイカ > 魔力の色は青、それが出ているのは真正面の草むらだ。
その色が溢れていれば、私の目がそれを見逃すはずがない。
覗き、それとも別のなにかか――。
警戒し、其方の方向を睨みつけるものの―――そこから出てくるのは。
「………えっ?」
子供だった。しかも全裸の。
足からは血を流しながら、よたよたと歩いてくるその子供を驚き見やる。
随分いたそうにしているけれども―――怪我自体は大したことはないように見える。
だけど、子供がこんなに痛そうにしていると―――やっぱり私としては。
「大丈夫ですか?…あの、もう少しこっちに。」
私は、彼の目論見どおりタオルを取り裸を見せる。
そのタオルの端を噛み千切り、軽く伸ばしながら代わりの包帯にする。
傷は浅そうに見えるけれども、さすがに血が出ているのは見過ごせなかった。
傍らに省きもおいてある、問題はないと思っていた。
「慌てて入ろうとするからですよ…。まったく、気をつけてくださいね。」
私は笑みを浮かべていた。
完全に、彼の目論見どおりだろう。
■レモン > こういう人も居るということか、魔法陣による魔術も隠密行動において万能ではないということが分かった。
と、しょげかえっている表情も、彼女には痛みか、それとも彼女に怯えているようにしか見えないだろう。
一方自分の作戦は大成功。
もしこれで覗きを咎められたら諦めるしかなかったが、どうやら相手は優しい人――髪の合間から覗く尖り耳からしてエルフか――のようだ。
「ありがとう、お姉さん。温泉だからってはしゃぎ過ぎちゃった。」
と、子供らしさを全面に押し出す口調。
舌を小さく出してドジを反省するフリもあざとさ半分だったが、なんとか誤魔化せただろう。
となれば――岩陰から覗くよりもよっぽど近くで見える女性の裸。
それも自分の太腿に向けて屈み込み、包帯を巻いてくれる姿。
当然ながら下腹部は素直に反応し、皮被りの可愛らしい肉棒がむくむくと顔を上げ、つるりとした亀頭の先端が女性の顔に向けられるほど。
「あれ…どうしたのかな。ケガしてないのに、僕のここ…変な感じ。
ねえお姉さん…僕、どうしちゃったのかな?
病気かな…怖いよ、助けて…っ?」
と、優しそうなお姉さんに甘えてみようか。
彼女の様子なら多少は調子に乗っても怒られることはなさそうだし…寧ろ甘えさせてくれるかもしれない。
期待と不安を込めた金色の猫目。
気づけば己がミレー族だと示す猫耳も尻尾も、すっかり現れ出ていた。
特に尻尾など、発情した時に特有の毛の逆立ち、猫ではなく狸のように膨らんだそれをアピールするかのよう。
■レイカ > 私の場合、特殊な目を持っているというのが一番大きいだろう。
私の瞳は、魔力もそうだけれども種族を見破る前にも使っている。
勿論、感度で魔力を感じられることもあるのだけれども―――まあ、その辺はおいておくことにした。
「…まったく。」
私は苦笑いをしながら、少年の太股―――まるで鋭利な刃物で切りつけられたかのようなものだった。
だけど、刃物の傷じゃない。石のようなものにも見える。
だとしたら、転んだ際にきりつけてしまったというところだろう。
だからこそ、私は苦笑だけですんでいる。
もし、此れが何かに傷つけられたものならば、保護しただろうけども。
見える、その私の体はどちらかといえばスレンダーだろう。
すらりとした身体だけれども、まあバランスは悪くはない。
そして――その男性器の反応。
「え……ちょっ…?」
初心であるわけではないのだけれども、その助けてという声に私は少しだけ戸惑った。
経験はかなりしているけれども、まさか子供の此れを助けてといわれて差し出されるとは思わなかった。
だけど―――私は痴女ではないという事だけは言っておかなければ。
「ただの生理現象ですよ…。男の子は、女の裸を見ると興奮してそうなるんですよ。
ですから、病気とかではありませんよ。」
はい、終わりましたとタオルを巻きつけた手当てを完了させ、私は温泉にもどる。
勿論、体をタオルで隠しながら。
■レモン > 傷口をよく観察されていたら、自分でわざと切ったことがバレてしまっていたかもしれないけれど幸運にもそうはならなかった。
アドリブでこの場を切り抜けられただけでも満足とするべきか。
否――
「ちょ――ちょっと!」
せっかく良いところだったのに当然というべきか何というか、至極あっさりといなされてしまった。
このままでは今夜のラッキーハプニングが終わってしまう。
傷口が小さすぎたのか。バスタオルをすべて使うほどの怪我にすれば良かった。
そんな無茶苦茶な考えまで頭をよぎる始末。
それほどに女性の裸体への欲望には素直なのである。
けれど魔術はバレるし身体能力でもとても敵いそうにない。
じゃあどうするか。
考えて、考えて、考えて…
「じゃあせめて、隣に座らせて!
タオルで身体隠してていいから!
おちんちん気持よくしなくて良いから!」
無茶苦茶な言葉を投げながら。
せめて行きずりの女の人と温泉を入るというイベントだけでも楽しむことにした。
うん、隠されてれば隠されてるでエロスはあるし。
――と、半ば無理矢理気味に彼女の隣に陣取り、熱い湯に浸かったものの。
「い、いてててっ!」
今度は太腿につけた傷が沁みる沁みる。
顔を歪める様子はただの阿呆の子。
あまりの痛みに勃起も収まる。
■レイカ > こんな状態で、さすがに子供のその傷口をじっくり見る、なんてことはしなかった。
勿論もっと緊迫した状態だったら違ったかもしれないけれども。
「………?どうしたんですか?」
随分と焦ったような、私を呼び止めるこえが聞こえてくる。
傷口はもう手当したし、そんなに困ることもであっただろうかと少し首をかしげた。
まさか、自分の体をじっくりと見たいなどと思われているのは思わない。
後ろは隠し切れていないので、少しの間だけなら、私の後姿は堪能できるだろう。
鍛えているので、丸みを帯びたお尻は―まあ、恥ずかしいけれど少し自信でもあった。
勿論、じろじろ見立てて気持ちのいいものではなかったけれども。
「…………は?」
……拙かっただろう、その言葉は。
座るくらいならば別に私は何も言わなかった。
けれど、その後ろに続いたその言葉は、明らかに確信犯であったことは明白。
もしかして――という疑問すら浮かんでくるほどに。
まあ、勿論そのまま座るのは別に構わなかったので、好きにさせた。
そして、そのまま傷の染みに痛みを覚えるのも別に構わないけど―――私の目はちょっとじとっとしていた。
「……………キミ、もしかして…覗いてました?」
ストレートに、私は聴いてみた。
殺気の、ぼっけ症状といい誘うような言葉といい―――確信犯のような印象がある。
■レモン > ちくしょー、なんて、内心で毒づいていた。
魔術を使って悪戯しようなんて考えずに、ただ覗くだけにしておけば良かった。
それかもっと最初からフレンドリーに甘えていけば良かった。
何もかも大失敗だと思った。
そんな考えで頭が一杯だったものだから、既に自分が覗きを自白しているようなものだと気づくのにも遅れてしまった。
それも彼女に指摘されて、初めて気づくほど。
痛みに声を上げていたところだったけれど、追及する言葉にびくんと肩を上げ、ぎ、ぎ、ぎ、と首を傾げる…
「ま、まさか覗いてなんて…!
そりゃ、温泉に来て目の前にたまたま裸の綺麗なお姉さんが居たらこっそりおっぱいとかお尻とか見たくなっちゃうしこっそり悪戯したくなったりあわよくばエッチなことしたかったり甘えていけば膝に乗せてもらったりおっぱい触らせてもらえたりしたら良いなーとか思うけど!
けども!」
ぶんぶんと勢い良く振られる首と尻尾。
勢い良く飛んでいってしまいそうなほどに必死の否定。
今までのあらすじを全て説明するかの勢いで。
けれど、彼女の視線が、表情が、言い訳する間にも冷たく刺さってくるようで…とうとう俯き項垂れ、耳と尻尾を伏せさせた。
「ごめんなさい…あんまりにも綺麗な体だったので覗いてました。
おっぱいもお尻も大好きなんです。
謝ったから見せてください。」
謝罪になっていないような謝罪の言葉を述べ、ついでにしれっとおねだりしてみたりもする。
■レイカ > 内心の毒づきは別に気にすることもないし、気づくはずもない。
私は確かに戦士ではあったけど、超能力者ではないから彼が何を考えているのかはわからない。
だけど、彼のいいわけめいたその自白に、私は確信を得ていた。
この弧は確実に覗いていたと。
さっきの魔力、アレは傷を直そうとしていたものではなく―――まさか、という思いもある。
まあ、しかしこんな子供に覗きがどうとか、そういう風に咎めるつもりはなかった。
「……まったく…。さっきの魔力も、傷を治すためじゃありませんね…?」
私は別に、体を開くのにはなんとも思っていない。
抱かせてくれというならば、対価を支払えば勿論体を開くことだってある。
娼婦ではないけれども―――私に支払えるものがない場合の、所謂苦肉の策だ。
ゆえに、覗かれるくらいはなんとも思っていなかった。
だけど、触られるのには――羞恥心だってあるし、教育にもよろしくないという思いもある。
逸れに、これに味を占められても困る。
「…………怒りますよ?」
綺麗な体だとか、褒められると確かに嬉しい。
嬉しいけど―――最後の一言はあまりにも余計すぎるだろう。
私にお世辞は通用しないんだから。
「……じゃあ、君は何を私にくれるんですか?
私が知りたくなりそうな情報、なにか有益になりそうなもの。
それらを何か差し出すんでしたら……。」
その続きはあえて言わなかった。
触らせてあげてもいいし、場合によっては―――。
そんなニュアンスを含ませながら、私は温泉につかりなおした。