2016/07/13 のログ
ご案内:「ドラゴンフィート 訓練場」にレイカさんが現れました。
レイカ > 「……………っ。」

しっかりと足を踏みしめながら、引いた白線の内側。
私は、足に地面を根を生やした感覚を大事にしながら、ゆっくりと弓を引いていく。
足に―――痛みはない。
しっかりと足を踏みしめても、もはや痺れすらも感じなかった。

だから、私はいまリハビリの真っ最中だ。
先日、体術のリハビリもしてみたけれども、なんら問題は感じられない。

私は、薄く笑みを浮かべながら番えている矢を手放し、発射した。

レイカ > 少しだけ弧を描きながら、矢は真っ直ぐ的を射抜く。
距離にしておよそ120メートル―――いままで持っていた弓よりも遠い距離だ。

「………いい感じ。」

撓る木の感触と、心地いい弦の振動音。
そして、遅れて聞こえるコォン―――という小気味よい音。
私はその音を聴きながら、少しだけ息を履いた。

重いとは感じなかった。
だけど、決して軽くはない。
それが逆に、私にとっては一番ちょうどいい感触―――。

レイカ > アレから、少しだけ筋力を鍛え上げることが出来たらしい。
いままで、弓の射程はおおよそ100メートルが限界だった。
でも、いまはそれよりも20メートル遠い位置まで届く。
この誤差は、自分で言うのもなんだけど―――そこそこ大きい。

「…………でも、」

百発百中というわけには行かないか…。
当然だ、そんな腕があるなら私は今頃有名人にでもなっている。
的を外している弓は、少なく見ても7本はあるだろう。
その中で、的を射ている弓は僅か3本だけ…。

鈍った?そんなはずはない。此れが普通だ。

レイカ > もう一本、私は腰に下げてある筒から矢を取り出す。
――――いや。

「…………久しぶりに使ってみようかな…。」

私は、2本の矢を弓に番えた。
すぅ―――と大きく息を吸い込みゆっくりと引いていく。

(……二本と思うな、一本と思え。
全ては基本と同じ、一本を打つ感触……。
集中して……ただ的確に討つ。)

「――――ツイン、ストライク…!」

二本同時に、私は矢を放った。
真っ直ぐ、そして螺旋を描くように弓は真っ直ぐと飛び、そして―――ぶつかってはじけた。

「………ぶつかりましたか…。」

失敗だ。矢同士がぶつかってあらぬ方向へと飛んでいく。
やっぱり、この技はまだ使うには、技術が追いついていないらしい。

レイカ > 昔は使えたし、なにより一番得意だった技。
それが使えないのはちょっと寂しいけれど…またいつか使えるはず。
私は、笑みすら浮かべていた。

少し残っていた、懐かしい感触に。

「さて、もう少し頑張りましょうか…。あの人に怒られない程度に。」

私は再び、次の矢を構えていた。

ご案内:「ドラゴンフィート 訓練場」からレイカさんが去りました。