2016/05/27 のログ
ご案内:「ドラゴンフィート 深部」にレイカさんが現れました。
■レイカ > この装備を身に纏うのはずいぶんと久しぶりだった。
退役して、もう二度と鎧なんか身に纏う事はないと、私はずっとそう思い続けていた。
戦うことはない、二度とこの手を血で染めることはないと、そう思い続けていた。
だけど、私は今―――的をじっと見つめている。
弓を引き絞り、番えた矢を真っ直ぐに発射して、目標を射抜く。
弓から伝わる振動と、視線の先に見える的に突き刺さった矢を見ながら、私はゆっくり息を吐いた。
「……………。」
騎士団を退役してからずっと、弓矢なんか触ったことはなかった。
昔はそこにあるのが当たり前で、私の手足のように扱えたのに―――今では引き絞るのも大変だ。
重くしすぎた…つもりはないのに。私も随分と鈍ってしまったみたいだ。
■レイカ > 私は一度、構えを解いて何度か弦を軽く引っ張り、そして弾いてみる。
ビィィィン…という、張った弦が気持ちのいい振動音を出す。
…調整はうまくいっているように見えるけれども、どうも重い。
私の力が落ちているのか、それともやっぱり調整がうまくいっていないのか。
だけど、これ以上軽くしてしまうと弓の力が弱くなってしまう。
此れでもかなり弱くしているのに、これ以上弱くしてしまったら矢が飛ばなくなってしまう。
「…………鍛えなおさないと…。」
これから、私はこのドラゴンフィートの防衛をしていかなければならない。
先日、逃がしてしまったあいつが所属している軍がやってくるかもしれない。
そうなったら…逃がしてしまった私の責任だ。
ご案内:「ドラゴンフィート 深部」にクライブさんが現れました。
■クライブ > 「ここがドラゴンフィートの奥か。警備はそれなりなんだがな…」
昨夜に知人と共に訪れた集落。
この深部以外を案内され一夜を明かし翌日には警備の目を潜りあっさりと潜り込む。
見つかれば不審がられると思ったが冒険者に見えなくもない姿はあまり人の目を引き付けることなく堂々とさえして歩く。
何か所か建物や訓練をしている場所を観察して回り別の場所へと向かう途中に弓の練習をしている光景を見れば近寄っていく。
「よぅ、せいが出るな。調子はどうだ?」
あくまで仲間を気遣う様な態度で気軽な言葉でエルフの娘に声をかけていく。
■レイカ > 「………。」
久しぶりに自作した、弓の調子は悪くはない。
ミレー族の隠れ里から少しだけ分けてもらった、よく撓る木材を使い、弦にはすこしだけ細工をした強い糸を遣っている。
魔力を持ち合わせていない私に、魔法銃は扱えなかったのもあるけど…やっぱり、私には弓がしっくり来る。
新しい”相棒”をもう一度構え、腰の矢筒から一本矢を取り出すと、その弓に番えた。
「……………。」
引き絞る最中、居住区に続く道から一人の男が、此方へと近寄ってくる。
随分となれなれしい態度のように見えるけれども―――、私は一瞥だけしてぎりぎりまで弓矢を引き絞った。
このドラゴンフィートで見かけない顔だけれども、まだ全てを回りきっていない私は、組織の人間かと思い込む。
パシュンッ―――という、軽い音と共に放った矢が真っ直ぐ、的へと飛んでいく。
距離はおよそ100メートル。この距離が、私の持っている弓の限界射程だった。
■クライブ > 一瞥だけし弓を射る事にと戻る娘の姿に入ってしまえば警戒が緩いのか組織の人間と思われているのかの区別がつかないが騒がれる訳でもないので特別に警戒などはせずに放たれた矢が突き刺さる的へと目を向ける。
「この距離で狙えるのは大したもんだな。流石はエルフって訳か?」
自分ならこの半分でも無理だなと娘から的への距離を見て呟き。
更にと近づいていく。
「もしよけりゃあの距離で当ててくコツみたいなもんを教えて貰えねぇか?」
銃でなら狙えなくもない距離だろうが弓でそれを出来る腕前を見れば情報の一つとして聞いておくかと考えそんな事を問いかける。
もしこの射程で射れるのが娘だけなのか他の人間も出来るのか知っておくために。
■レイカ > 「…………。昔に比べれば、此れでも随分衰えました。」
昔なら、此れよりももう少し遠い的でも狙えたし、弓ももっと強い弓を使うこともできた。
だけど、今では私の限界はこの距離とこの弓。…鍛えなおせば、もしかしたらもっと強い弓を使うこともできるだろうけど。
私は構えを解いて、あたら馬手その男に向き直る。
―――やはり、私が知っている中ではこの男は見たことはない。
あいつの仲間、というわけではなさそうだし―――警戒はしておかないとだめだろう。
決して緩いとか、そういう意味ではない。あの一発は、威嚇の意味も込めた。
あの距離を狙えるから、この距離ならば確実に当てられる、という意味で。
「コツ……ですか。そうですね…風と話をすることが出来ればできるようになるかもしれませんね。」
私は、あえてわかりにくいように説明した。
風と話をすれば、出来るようになるのではないか…と。
■クライブ > 「昔ねぇ。それだけの腕で衰えたっていうなら元は軍人か傭兵辺りか?」
この距離で当てれ、それを衰えたとうのであれば嘗てはそれ以上を維持できるほど射れていた。
ならば王国の兵か傭兵だろうと見当をつけるがどちらとも感じれない事に確信を持てずに向き直った娘を上から下と見る。
他の場所で見た訓練生の仲間かと思えば近くで見れば他とは違う何かを感じ一瞬だけ瞳に警戒が走る。
もし自分の正体がばれた場合、この間合いなら何か起こされる前に切り捨てる自信はあるが他との連携を取られればまずどうにもならないと感じ取る。
「風と話ね。流石にそう言うのは出来そうにねぇな。他なら判らなくもねぇんだが……こう、もう少し俺でも出来そうなアドバイスはねぇか?」
それなりに魔法は使えるがそれと風と話は繋がらないだろうと考え。
もっと簡単な説明で頼むと頭を下げる。
密偵中とはいえ己を高みにあげられる技能を得れるなら迷わずに
■レイカ > 「………貴方には関係のない話です。」
軍人か、それとも傭兵かと聞かれても、私は答えるつもりは毛頭なかった。
彼には関係のない話しだし、私が元騎士団所属だという話は、この場所では一人しか知らない。
それ以外に教えるつもりはないし、ましてや初対面。教える道理はない。
彼の力量は計り知れない。
ここまでやってくるためには、検問を通らねばならなかったと思うが、衛兵がそれを許したという事は、おそらく組織の人間だと思う。
背中にあるバスタードソードを見ると、彼の職業は前衛職だという事が伺えた。
「……………。」
以前のあいつのように、彼はただ純粋に力を求めているようにも見える。
だけど、逸れにどこか熱意のようなものは感じられず、敵対している様子がないなら―――教えてもいいだろう。
「……視線を真っ直ぐ、鏃と的を線で結ぶことを意識すればある程度は。」
後は、高さや風の読み具合というところだ。
私に弓矢を教えてくれたお兄さんには、そう教えられた。
”的と鏃を真っ直ぐ線で結べ。”と。
■クライブ > 「あー、そりゃ確かにそうだな。その辺がつい気になっちまうんだよ。気を悪くしたなら謝るぜ。この通りだ」
確かに初対面で聞く事でもなったと娘の態度で今更に気が付けば悪かったと謝罪を口にする。
慣れない仕事に急ぎ過ぎたと内心で反省しながらに。
「どうかしたか?いきなり斬りかかったり食って掛かる心算はねえよ。」
視線が背中の剣にと向けば何もしないというように軽く両手を上げて見せて。
「視線を真っ直ぐに鏃と的を線でか…。引く強さは大体でいいのか?」
手持ちに弓も矢もある訳ではなく、手に持っているように無手で構えればこんな感じかと手に矢を持つイメージをして引く仕草をする。
確かにこれならば真っ直ぐに飛びそうだと的とと手元を何度も見返して。
■レイカ > 「…いえ。」
謝るほどのことではない。誰だって、相手の過去は気になるものだ。
特に、今までなにをしてきたのか分からないような相手ならばなおさら。
彼に誤られても、私はさして気にしてはいなかった。
「……いきなり切りかかってくるようでしたら、私は容赦なく貴方の首を折るでしょう。
タダで殺されてあげるほど、私も甘くはないので…。」
そう、たとえいきなり斬りかかられても、ある程度ならば立ち回れる。
弓矢を背中に戻し、私はじっと彼を”視”据える。
「…距離感を信じてあげればいいだけの話しなので……。貴方の感で」
引く強さは、大体でいい。
相手との距離、そして移動しているならばその移動した後を予測して、矢を放つ。
百発百中というわけではないだろうけれど、ある程度ならばそれで命中率は上がるはずだ。
後は…そう。熟練度だけ。
「…ところで、貴女は何者ですか?組織の人間ならば……見回りを班長に頼んでおいたはずなのですが。」
先日の魔族軍の襲撃。
そのことから、ドラゴンフィートの警備を少しあげてもらうように頼んでおいたはず。
もし、彼が組織の人間ならば、そのことは耳に届いているはずだが……。
■クライブ > 「気を悪くてねぇみたいで安心したわ。今度機会があれば一杯奢るぜ」
怒る所か気にもしていない様子に安堵の表情を浮かべ、機会がればと飲みにと誘う。
「仕事なら兎も角だ。理由もねぇのにそんな事しねえよ。快楽殺人者じゃねぇしな。
その腕で首をか?そりゃおっかねぇな。敵対したくないもんだぜ」
その言葉は本当かはったりかは判らないが、やらないから勘弁というように手を揺らす。
じっと見据えられる視線におかしな所でもあったかと構えを取りなおそうとして
「距離感を信じるか。確かにその通りだな、しかし俺の感でか…」
剣の間合いでの戦いが得意だけに近接間合いでの距離把握は得意とするがそれ以上は若干苦手。
だか娘のお陰で当てる理屈は判っただけに後は勘を得る方法をどうするかと。
「俺が何者かか。俺がその見回りとは思わねぇのか?」
その問いかけにつられるように見回りに見えないかと逆に問い返す。
昨日に魔族に着いた人が来たと聞いてはいたがそれよりも街の話を聞くことを優先した事をやや悔やみながらどう切り抜けるかと考えだして。
■レイカ > 「……お酒は結構です。飲めないので。」
むしろ飲んだら毎回記憶が無くなるほどなので、きっと私は弱いのだ。
そんなことになったら、きっと彼に言いようにされてしまう。男は皆狼だ。
…一応、そういう行為に抵抗はないけど、恥じらいを捨てたつもりはない。
「……それなら安心ですね。私も、人を手にかけることは極力避けたいので。
…腕ではありません。足で、です。」
私は、腕っ節は確かに弱いだろう。彼なら一ひねりであっさりとへし折れてしまいそうなくらいに。
だけど、脚力に関しては男の人に引けを取るつもりはない。
ほかの女の人と大して変わらないとは思うけれど、脚力には自身があった。
「……勘は培うものです。慣れればそれこそ、この位置よりももっと遠い位置にある的を射抜くことも可能です。」
昔の私はそれができた。…だけど、戦うことをやめていた今の私には、到底無理な話だった。
見据えた彼のオーラの色は…”白”だった。つまり、彼は人間という事だ。
だけど、あいつのように魔族側の人間と言う可能性も否定できない。それ以外の勢力という可能性も。
「……組織の紋章がない服装をしているので」
見回りという思考は、残念ながらなかった。
ここの組織の紋章、それがないことから、彼は部外者だということは察した。
だからこそ警戒はしている。彼がどういう人間か解らないから。
■クライブ > 「飲めねぇなら仕方ねぇか。無理して飲んでも楽しめねぇしな」
理由を聞き断られれば仕方ないかとあっさりと引き。
酒は楽しく飲むが信条なだけに無理強いなどはせずに。
そういえばエルフとはないなとふと考えるが所見ではなと首を振り。
「ならお互いに物騒な話はよそうぜ。それが商売と言っちゃそれまでだが仕事外で殺す趣味はねぇしな。
へぇ…足でか。そうは見えねぇけどな」
パッと見れば知り合いや街中で見る女たちと同じような足に見えるが折れるという言葉につい出来るものかと見てしまう。
「そりゃ重々わかってるよ。けどな…間合いが違うからな。慣れるまで流石にかかりそうだよな」
魔法銃の射程よりも遠い的を見れば流石にはっきりとは距離感もつかめず。
この距離感を把握している娘を思わずに見てしまう。
「なるほどな…そりゃ盲点だったわ。他の奴らにも言っといてくれ。
ちゃんとその紋章の有無を確かめろってな。堂々としてりゃ通れるのは笊だってな。
後言っとくが魔族の関係者じゃねぇ事は保証するぜ」
どうやら関係者ではないとばれはしたが直ぐに誰かを呼ぶという事をされなければこれと言った行動は見せずに肩を竦める。
「で、外部者と分かった訳だがどうする気だ?」
■レイカ > …マスターにも同じことを言われた。無理して飲んでも楽しくないから、お前は飲むなと。
無理強いしてこないという事は、この人はちゃんとお酒を呑む心得をしているという事。
「お酒はダメですが……食事くらいならば。」
ならば、食事くらいは一緒に行ってもいい。
勿論、連れて行ってくれるというならばという話だ。
表情はあまり変わらないし、口数も少ない私といって楽しいかどうかは、さておき。
視られている足。別に視られて困るものではない。
上半身はプレートで防御しているけれど、足はミニスカートで割りと露出している。
…下半身を束縛されるのがどうしても苦手なので、普段着ならスリット、訓練ならミニスカート。
基本的に、足は自由にさせている。まあ、視られて減るものではないけれど。
「才能と努力しだいだと、私は思いますが……。」
まあ、彼のように剣を振り回す間合いと、私のように弓を扱う間合いはまったく違うだろう。
私だって、最初から当てられたわけではないが。
「……貴方が、組織や居住区にいる人たちに危害を加える存在ならば、この場で蹴り斃します。
ですが……そうではないバあい、私は別に貴方をどうこうするつもりはありません。
ただ……ここにいる目的だけははっきりさせてください。」
彼が、ここにいるミレー族に仇名す存在ならば、私は容赦しない。
たとえ魔族側の人間でなくても、この楽園を穢す存在ならば許しはしない。
だけど、そうでないならば私は特に何かをするつもりはない。
■クライブ > 「飯か。それでも十分だぜ。ただここはまだ来てそんなに立ってねぇからな。お勧めの店は任せる事になるぜ?」
まだ先日に来た所であまり詳しくはないために店の選択は任せる事になってしまうと告げるが、付き合って貰えるなら奢るぐらいは全く構わないと。
露出している足を見ていれば男として当然の欲望が沸き立つがここでちょっかいを出すのは愚策と我慢をし。
昨夜に女を買っておいてよかったと息を吐き視線を娘の顔にと戻す。
「そりゃ極めれるならいくらでも時間と努力は費やすぜ」
仕事さえあればその機会は存分にあるだけに仕事運さえ良ければ間合いの把握はそれほどに時間はかからないだろう。
「今はそのつもりはねえよ。もしかすりゃ組織には不利益になるかもしれねぇがな。なら俺は蹴り倒される前にあんたを存分に楽しみたいもんだな。おい……そりゃここに所属してるなら問題しかねぇだろ?普通は最低でも捕まえるもんだろ?目的か……入るなって言われたから興味を持った。これでいいか?」
勿論この集落の内情偵察という仕事を受けれはいるが、数日の観察でミレー族が建前こそ奴隷だが差別なく生きているこの場所に興味を持ったのは事実。
もしかすれば不利益になるかもと言った上で興味もあったと、一部本音を隠して告げる。
■レイカ > 「……あいにく、私もここに通うようになって日が浅いので…。適当な店になりますが。」
もしくは、ここの組織の人にお勧めのお店がどこか、聴いてみるのもいいだろう。
ここの食事はあいにくほとんど食べたことがない。いつも自前で持ってくるので、少し興味はあった。
もしかしたら、マスターの味に少しアクセントを付けられるかもしれないから、と。
「……愉しまれるのは勝手ですが、私は安い女ではありませんよ。逸れに、きっと貴方を満足させられるほどの体もしていないので。
……所属していないから、私は貴方を積極的に捉えることが出来ないのです。…いっていませんでしたが、私も組織の人間ではありません」
貴方と同じく、と私も自分の身元を明かすことにした。
この男の人は、おそらくその不利益になる事柄をどこかから頼まれたのだろう。
だけど―――その不利益も、既に起こそうと思ったなら起こしているはず。
だからこそ、今はと前置きしたのだろう。ただ……そのときになったら、容赦はしない。
「私は……レイカ。マグメールの貧民街に住んでいます。
チェーンブレイカーには、ゲストという扱いで関与しています……。」
■クライブ > 「なんだ、そうかのか?ならここが美味いって聞いた店でも構わねぇか?」
これはじり合いに聞いた店がいいかと、ここに所属して居ると言っていただけに間違いはないだろうと。
事実進められた宿は安くてよく休めただけに。
「安くないなら尚更だな。ま、無理矢理って程女に今は飢えてねぇからやらねぇよ。満足するしねぇは身体は関係ねぇだろ。お互いに楽しめるかだしな。……ある意味認められてるか勝手に入ってるのかの違いがあるだけのお仲間かよ…」
余程飢えてでもいなければ無理矢理にスル気にもならず。
そして身元を聞けば警戒する必要はなかったと息を吐き。
ここはよほどに慎重に粗を探さねば依頼主が求める情報は出ないと確信する。
何よりこういう差別のない営みを見るのは嫌いではなく半ば仕事も投げてやろうかと考えるぐらいに。
「レイカね。俺はクライブだ。
ま、流れの傭兵だな。一応仕事で来てる訳だ」
ゲストと聞けば本当に色々な奴を採用している組織に驚きを見せる。
■レイカ > 「…ええ、構いません。」
美味しいご飯は嫌いじゃない。今までマスターが作ってくれたもの以外、ほとんど口にしなかったこともあって舌は肥えているつもりだ。
でも、ここの人たちが作ったものならばきっと外れはないだろう。少し愉しみだ。
「……だとしたら、なおさら私はオススメできません。きっと楽しくないでしょうから。
………そういうことですね。もっとも、私は自分の意思でここに通っている身ですが。」
然し、気になる。仕事できているという話だが……何の仕事だろうか。
誰にも話さないという条件で効きたいものだが、きっと彼は話さないだろう。
傭兵とは、依頼主の話は絶対無言が信条だ。以前何度も眼にしたことがあるだけに、そこは解っている。
「お仕事…ですか。ここに不利益が被るかもしれないといっていましたね?」
……だとしたら、依頼主はここにあまりいい感情を持っていない人物か。
騎士団の第九師団副団長の私有地である以上、下手なことは出来ないとは思うが…詳しい話を聴きたい。
「お仕事の内容は…ミレー族の”選定”ですか?」
少しストレートだけど、私はそのように尋ねた。
■クライブ > 「よし、なら決まりだな。懐に余裕がある時に声かけさせてもらうぜ」
女を買ったおかげで財布の中が涼しく、今奢ると大したものが奢れないだけに早めに金を用意する手段を考え。
「そうか?俺は結構いけると思うんだが…。
自分の意思で通ってるゲストならほとんど所属と言っても問題ねぇだろ?」
違うか?と問いかける様に見返し。
少し言い過ぎたかとしまったという表情を浮かべる。
依頼内容を知られたとしても依頼人にまでは繋がるような情報はないのだがこれ以上は信頼に関わると気を引き締めて。
「まぁな。誰にでもどこにでも敵は居るって事だよ。ただ魔族共の仕事じゃねぇとだけは言い切るぜ」
恐らくはここを作った本人ならば心当たりはあるだろうが流石に依頼を受けた身では誰かまでの特的は出来ないのだが。
「あ?なんだ知りたいのか。教えてやりてぇが言える筈ねぇだろうが……こっちも仕事なんだぜ。選定?そんな事する意味あるのか?」
余程な条件でもあれば別だが流石に答えるつもりはなく
受けた仕事とは全く違う事を尋ねられ、逆に何を選定するのかと聞き返してしまう。