2016/05/20 のログ
■タマモ > 「ふむ…まぁ、何を知ろうと勝手じゃが、程ほどにのぅ?」
こういった手の者の結末は、深く知り過ぎて、というものが多い。
色々と知りたい事もある、多分、それをこの男は知っている事だろう。
そんな存在を失うのは、まだ勿体無い。
「本来は精神の中でのみの存在じゃ、しかし、不思議な事でのぅ?
妾が継承していた時は、このような事はなかった。
さて、一体何が原因となっているのやら…それは妾も知りたいところじゃな。
それを知る事が出来たならば…妾が自由になれる事じゃろう」
次の問いには、はっきりとした答えは自分でさえも出せない。
なにせ、なぜこうして出れるようになったのか分からないのだから。
これはこれで困ったものだ、そんな感じで肩を竦めた。
「さて、妾ばかり問われるのは不公平じゃ、お主にも答えて貰おうか。
妾は今、魔法とやらに興味を持っておる。もちろん、お主も使えるのじゃろう?
使えそうなものを、いくつか妾に教えるのじゃ」
知りたい事は教えてやっている。
ならば、こちらも知りたい事を教えられるべきだ。
それを伝えれば、出来れば手短にな、と付け足しておく。
多分、長い時間は居られず、あの子に戻ってしまうだろうから。
喰らえば一番手っ取り早いのだが、出来ないのだから仕方ない。
■エドガー > 「おや、心配してくれているのかね?
気持ちは有難く受け取っておくよ、玉藻前君。」
少女の口から出てきた言葉に僅かに驚いたような表情になった男は、
少女の真意はどうであれ気持ちを受け取ると、直ぐに緩く笑みを浮かべて言葉を返した。
「…ふむ、何かのショックで君が表に出られるようになったと考えるのが自然かもしれないね。
元より、君は別の場所から来たようだから、その辺りも関係しているのかもしれない。
私も気になるところだね…まぁ、協力できることも少ないだろうがねぇ」
確か、少女は此処とか異なる文化の土地からやってきていたはず。
此処へやって来た時のことが関係しているかもしれないと男は予想を口にする。
だが、流石に予想の範疇を出ないと男も肩を竦めて。
「………ほぅ、魔法にねぇ?
良いだろう。君だけ答えさせて、私が答えないのは確かに公平じゃあない。
とはいえ、これは私の十八番でもあり…単純に難しい。それでも良いなら、使えそうなのを教えよう。」
男は少女からの要求に応じて、その直ぐ傍まで近付く。
少女へ男が教え始めるのは、重力魔法の初歩である対象の重力を軽減する魔法と増幅させる魔法、そして重力の向きを変える。
一応は現教師ということもあり、可能な限り分かりやすく少女へ教えていく。
「………以上だ。君はまだ教わったばかりだから、まだ大したことはできないだろうが…
使いこなせれば、宙を自由に移動する程度は出来るようになるさ。」
■タマモ > 「自惚れるでない、妾とて思うところがあるものでな?
…まぁ、それならそれで良いじゃろう」
自分の言葉に予想外の反応を見せる男。
受け取り方の違いがあれど、そう受け取られるのは少々癪だとぴしゃりと言い放つ。
が、そこまでいちいち拘る必要もないか…そう思えば、良しとしておく。
「あるとしたら、そんなところじゃろう。
災い転じて福と成す、妾としては喜ばしい事じゃがな。
しかし…思うように出来ないのは面倒じゃ」
正直、自分も原因はそんなところだろうとは思っていた。
こうして、他人から改めて言われると、よりそう思えるもので。
とはいえ、やはり予想は予想であり、真実とは限らない。
「構わん、基礎はつい先ほど知った、応用を利かせるだけじゃ」
どうやら求めるものは与えられるらしい。
己の言葉の通り、基礎基本はすでに出来上がっている。
ただ体で覚える普段の少女と違い、今の少女は知識と経験を得て覚えるタイプだ。
教えも良いとなれば、その吸収力はかなり高いものだろう。
教えが終わった後、小石の一つでも手に取り、指で弾く。
その小石は重力による下降もなく、壁に当たってから地面に落ちる。
「ふむ、これはなんとも便利なものじゃ。
浮遊に至るか、楽しみな事じゃな…礼は言っておくとしよう」
こんな感じじゃろう?壁に当たり落ちた小石を視線で示す。
思いの外に上手くいったか、満足気だった。
■エドガー > 「まぁ、そうだろうがね。生憎、私は読心術は使えないんだ。
都合のいい言葉は素直に受け取るだけさ。」
調子に乗るなと言いたげな少女の言葉に対して、男は緩く笑みを浮かべたままで答える。
男の口から出るのは、大したことのない屁理屈のような言葉だったが。
「まぁ、真相がどうであれだ。その状況が良い方へ向かうと良いがね。
玉藻前君にとっても…無論、タマモ君にとってもだ」
言わば、異常な状態でもある少女の状態。
それがこれからどのように変化をしていくのかに男は興味があった。
腕組をしながら少女へと言葉をかける。
「………ははは、飲み込みが早いね。
学院ならば優等生と言われる部類だろうさ。」
想像よりも早く要領を掴んだらしい少女にまた拍手を贈る。
一言を付け足しながら、地面へ転がった石へと視線をむける。
■タマモ > 「残念ながら、あれは妾も使えぬが…まぁ、何事も良い方向に考えるのも悪くはないか」
そればかりでも、どうかとは思うが。そこまでは言わなかった。
「さてはて、妾とあの子、どちらにとっても良い方向とはどういった事じゃろうな?」
人に近い少女と、妖に近い自分、それはよく分かっている。
見えぬ接点に、くすくすと楽しげに笑った。
「ふふ…どんな事だろうと、知る事というのは楽しい事じゃ。
それが、その学院とやらでどう受け取られるかは分からぬがな?
さて…そろそろ、妾はここを離れるとしよう。
色々と進展もあった、満足もしたからのぅ」
そう、それが禁じられた事だろうと、何だろうとだ。
少し長居をしてしまったか。
そう感じれば、戻るとしようか、と入り口の方へと歩んでいく。
■エドガー > 「そういうものさ。何事も悪く考えるよりは、良く考えた方が気が楽になるからね。」
何か言いたげにも見えた少女に男はその通りと言葉を口にする。
「さぁ?それはその時になってみないと分からないさ。
ふふ…だからこそ、私も興味があるというものさ。」
楽しげに笑う少女に男も笑う。
その時、何がどうなるのか…男は大いに興味を持っていると口にして。
「そうとも。知らないことを知ることは、何よりも素晴らしいことだよ。
まぁ…知らない方が良い事もある、と言われてしまうかもしれないがね。
…おや、それかね?それは残念だ。」
入口の方へと向かっていく少女に対し、ちょっとした出来心が生まれる。
以前にも探り当てた、九本の尻尾の内の弱点の一本。それを手で触れようと手を伸ばしてみる。
■タマモ > さて、後はここを出て…それからどうするか。
また沈んでいくタイミングなんてものは、はっきりと分からない。
とりあえず、まずは…これを洗わないと拙いだろう。
そう思いながら、赤黒く染まった着物をちらりと見て…
「………止めた方が良いじゃろう。
二度目は、いくらあの子の見知った者とはいえ…加減はせぬぞ?」
近付くだけならば良しとする。
が、気安く触れる事まで見逃すような今の少女ではない。
後ろを向いたまま、警告とばかりに声をかけた。
その声は、先ほどまでのものと違い何の感情も込められていない。
素直に引っ込めるならば、そのまま立ち去ろう。
そうしないならば…まぁ、語られる事はないが、何かあるに違いない。
■エドガー > 「………後ろに目でも付いているのかな?玉藻前君には。」
尻尾の内の一本に指先が僅かに触れたところでかかる警告。
それを聞いた男は、ぴた、と手を止めた。渋いような苦笑するような表情になった後に
男にしては珍しく素直に手を引っ込めた。
「流石に、自殺願望は無いからね。大人しく止めるとしようか。
玉藻前君がどういう風に啼くのか…それも興味があったのだがね。」
引っ込めた手を軽く振りながら、そのまま男は少女を見送る。
その後で、男もその場を後にするのだった。
ご案内:「九頭龍山脈 ダンジョン内」からタマモさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 ダンジョン内」からエドガーさんが去りました。