2016/05/10 のログ
ご案内:「貧民街の路地裏」にニーニヤさんが現れました。
■ニーニヤ > 休みの日にはよく出かける花屋からの帰り道。小さな花を携えて、寮への帰り道へを足早に、走る。
首元を隠すように古びたストールを巻いて走る少女は、一目見ればすぐに奴隷だとわかるだろう。ストールを巻いている理由は何か―。
首や顔に、見るに堪えない怪我でもあるのか、それとも単純に首輪を隠しているのか。何にせよ、土地勘はあるのだろう。路地から路地へ、また路地裏へと移動する姿は我が物顔で歩く野良ネコのようにも見える。
「はぁ…。早く帰らないと。首輪を忘れちゃったのは、まずかったよね…」
どうやら急いでいる理由もストールの理由も首輪らしい。今宵の彼女は、彼女の所有者を示し、彼女の身を守る首輪をうっかり付け忘れているのだ。
ご案内:「貧民街の路地裏」にマルティナさんが現れました。
■ニーニヤ > 「うーん…体が重い。昨日、大変だったからなあ」
娼館では珍しく、たくさんの客の相手をする羽目になったせいか疲れの色は隠せない様子。寝不足気味なのか、頭を抱えて歩みを緩める。
このまま横になってしまえばどれだけ気持ちがいいだろう。そんなことを考えてながら、座り込んで壁にもたれかかって小休憩。
買ってきた花を眺めながら、気分を紛らわせてみたり。
■マルティナ > 色々と想定外の出来事が多かったが売春で無事1,000ゴルド以上稼ぐことが出来た。
いつ達成できるか分からなかったが一日で済んだ事は素直に喜びたい。
残る課題は中出し十人というものだが、数日経った今も全く進展がない。
何度かナンパを試みたがそういう下心があると見透かされているのだろうか。
まともに話しもできずに逃げられる事が多くて大分へこんだ。
成果の出ないまま今日も家路へとつこうというところ、一人佇む少女の姿を目に留める。
服装に関しては人様の事をとやかく言えるようなものではないのだが、身なりからして貧困層辺りだろうか。
身分が高かったり後ろ盾のある相手だと迂闊に声をかけるのは危険だが、こういう手合いならばそういった心配は少ない。
そう考えて、とりあえず損はないだろうと結論づけ。
「どうもこんにちは。こんなところで誰かと待ち合わせですか?」
なるべく威圧感を与えないよう、きさくに声をかけてみた。
■ニーニヤ > まさか自分が声をかけられているなんてにわかには信じられずに、思わずキョロキョロと周囲を見渡して自分しかいないことを確認する。
こうすることが奴隷の義務だと言わんばかりに、伏し目がちで頭を下げて。
「こ、こんにちは。待ち合わせ、というわけではなくて、家に帰る途中なんです。あの、あなたは…?」
娼婦として働いていることもあるせいか、この手の格好を見たことがないわけでもないため格好見て訝しみ―は、しないが、お店で見た覚えはないため、同じお店の子ではないだろう。
この人も奴隷なのだろうか。でも、肌もきめ細やかできれいな髪だな、などとちらちらと見て。
■マルティナ > どうやら待ち合わせでもなく一人のようだ。
それならここで口説いて色々してしまっても問題ないだろう。
成功すればの話しではあるが。
「ああ、急に話しかけてすみません。こんなところで女の子が一人だと危ないなあと思いまして……」
とりあえず最初はあんまり露骨にいかず、親切な人を装う。
「私はマルティナ・ラーゲルフェルトといいます。一応冒険者なんですけど、あんまりそうは見えませんよね?」
控えめに言って冒険者どころか精々娼婦かいかがわしい部類のダンサーにしか見えないだろうという自覚はある。
■ニーニヤ > 一目瞭然で奴隷とわかる格好であるのに、自分の身を心配してくださるなんていったいどういう人だろう。少し、不思議に思って。
「いえ、私のような奴隷にそんな、謝罪だなんて。マルティナ様、ですね。申し遅れました、私はニーニヤと申します。冒険者…!」
冒険者、という言葉に目を輝かせる。身分をわきまえて質問や発言をするのは控えているものの、隠せない好奇心が目からにじみ出ている気がする。
まだ、相手の真意や身体については気が付いていないようで、警戒を解くという意味ではひとまず成功といっていいだろう。
■マルティナ > 自己紹介を済ませると既に警戒はされていないようだった。
どうも冒険者という部分に反応していた気がするが、どちらかといえば無害で親切な人アピールをして警戒を解くつもりだったのでちょっと複雑な心境。
ともかく第一印象は良好そうなので少し強気に出る。
「あら奴隷だったのですか……。身なりの割によく躾けられているようですね。お家というのはご主人様のところですか?」
奴隷に手を出すと主人の性格や立場によってはかなり厄介な事になる。
彼女の主人はどんなタイプなのだろうか。
世間ばなしをするように、さりげなく探りを入れてみた。
■ニーニヤ > 奴隷への偏見や、差別意識はないようだ。これはもしかしたら、いろいろな冒険談が聞けるかも知れない。そう思うと、少しでも目の前の女性と一緒に居て話がしたいと思うもののあくまで奴隷。こちらから誘うなんて滅相もない。
「私の主は、娼館などを営まれています。とても立派な方で、私を買ってくれた時も対等に接してくださいました。娼館には奴隷も平民もなく、私たちにとっては夢のような場所で…」
ついうっかり、自分が娼婦であることを漏らしてしまって相手の様子をうかがう。変な風に思われていないだろうか、あるいは、惹かれていないだろうか、などと心配になって。
■マルティナ > 娼婦と聞いてしばし思案。
お金を払って相手をしてもらっては条件の達成にならない。
娼婦相手にお金を払わず仕事以外で、という事になると権利やら何やらで主人と揉める事にもなりかねない。
聞いている感じではこの国では珍しい人格者の類のようだが、現状まだ迂闊な判断は出来ないなと一旦思考を保留。
「ご主人様の事を尊敬しているのですね。奴隷で娼婦だというのにこんなに慕われているなんてきっと素晴らしい人物なのでしょう」
とりあえず、相手からの印象は良好なままなようである。
暫くはこの調子で話しを続けてみよう。
■ニーニヤ > 「…?」
何やら思案している様子に小首をかしげて。何か変なことを言っただろうか。やっぱり、娼婦というのは抵抗があっただろうか。
もし冒険の話が聞けなかったらどうしよう、と不安げになる。
「はい、とても素晴らしい方です!マルティナ様は、冒険者ということですが…どのような冒険をなさっているのですか?」
こちらも我慢できなくなってか、恐る恐る尋ねてみる。不安そうに、おずおずと、それでもあふれ出る好奇心は隠せない。幼い瞳が熱心にそう語っていて。
■マルティナ > 考え込んでいたのが顔に出てしまっていたようだ。
訝しがられないようもっと気をつけなくてはいけない。
ちょうど答えやすい話題も来たので色々と答えてあげることに。
「そうですねえ。といっても冒険者になってまだ一年も活動していないのですが……」
ニーニヤの隣に腰を下ろし、嘘にならない程度に情けないところは伏せつつ過去の冒険を語り始める。
「初めは簡単そうな仕事、ちょっと遠方に護衛だったり野山の薬草とかを採取代行したりとかばかりでしたね。基本的に大きな危険はないんですけど、採取の帰り道でうっかり魔狼の群れに襲われてしまった事がありまして……」
■ニーニヤ > 「構いません!どんな話でもいいので聞きたいです…!」
隣に腰かけるのを見ると、心の中でガッツポーズをしつつ話に耳を傾ける。興味深そうに頷いたり、キラキラとしたまなざしを送ったり、表情に事欠かない。
「山菜取りなどですか?それなら私もできそうです!…だけど、狼は怖いですね。倒したんですか?」
しばらくまじめに話を聞いて、時間がたってしまう。
■マルティナ > 「ちょっとは戦えるか、せめて何か一芸でもないと冒険者は難しいと思いますよ。私これでも魔法が使えて、魔狼の群れもなんとかそれで撃退しましたし……」
あんまり熱心に聞いてくれるので当初の目的をすっかり忘れて冒険譚を語り続けていた。
都合の悪い部分は極力伏せながらではあるが嘘は言ってないしまあ許される範囲であろう。
今まであまりなかった経験なのでこういうのは新鮮で楽しい。
■ニーニヤ > 「魔法…?よろしければ見せていただいてもよろしいですか?」
すっかり話し込んで、マルティナの独特の雰囲気に打ち解けたのだろうか。現在の環境も手伝ってか奴隷としての卑屈さは鳴りを潜め、興味津々に話を聞いて笑顔も見せて。
「そういえば、マルティナ様はこんなところで何をなさっていたのですか?私、お時間を取らせてしまってはいませんか…?」
自分も急いではいたが、一人ではなくなったのでこちらの不安は解消されているものの、相手の都合が心配だ。
もし迷惑をかけてしまっていたら、申し訳が立たない。
■マルティナ > 「私も特に予定はありませんので気にしなくてもいいんですよ。魔法は、えーと人前でむやみに使うものでもないので今日はちょっと……」
調子に乗って魔法が使えることを喋ってしまったが、色々と事情があってあまり人前で使いたくないのでそこははぐらかしておく。
そういえばそもそもの目的を完全に忘れて話し込んでしまっていたが、どうしたものか。
一応好意的ではあるし少し押せばいけそうな気もするが……。
「ところで、ニーニヤさん。お家に帰る前にもう少し付き合ってみません?」
軽く誘惑して様子見をしてみよう。
冒険譚を聞かせていた時とは雰囲気を変えて、彼女の腕を取り軽く体を押し付ける。
■ニーニヤ > 「あはは、そうですよね。見世物じゃあないですよね。すみません、でも、ちょっと残念です…。」
口では残念といっているものの、もともと無理なお願いだと理解しているためかあまり残念ではなさそうだが…。
「…はい?何でしょう?私でよろしければ!」
冒険話が聞けた思わぬ収穫にすっかり上機嫌となっており、疑うことはすっかり忘れた様子。冒険者が集まる酒場にでも行くのだろうか。それとも、もっと人目のないところで魔法でも見せてくれるのだろうか。
「大丈夫、ですか?」
ふらついたと思ったのか、顔を覗き込んで顔色を確かめてみる。彼女が誘惑に気が付くには、もう少しかかるかもしれない。娼婦をやっているとはいえまだまだ新人、鈍いところは否めない。