2015/11/13 のログ
ご案内:「フランネルのアトリエ」にフランネルさんが現れました。
フランネル > (ぱちん、ぱちん、と、時折たきぎの爆ぜる音をさせながら、暖炉の中で赤い炎が踊っていた。十分に暖まった部屋の中で、いつもの黒いワンピースを身にまとい、作業台の上に乗っていたものをようやく戸棚へ片付け終えると、うっすらと額ににじんだ汗をハンカチでぬぐって小さく息を着く。と、その吐息で、机の上に残っていた何かの粉が舞い上がり、炎を照り返してきらきらと光った。それを見て小さく首を傾げると、ふわりと亜麻色の髪を揺らして困ったような笑みを浮かべ)あら……これじゃ、お客様をお迎えするのにはお掃除が足りないですね。よく見たら、机も傷だらけですし (机と言うよりはもはや作業台と化していたそこ。ふう、と、もう一度ため息をつくと、窓からちらりと外を見る。森の外まで道の両端に並べておいた光精の灯りには、とりあえずまだ誰の影も見えない)でも、そういえばカレ、こんな夜に抜け出してこられるですかね? いいところのおぼっちゃまだと思うですけども。……まあ、ともかく道具使っちゃいましょうか。(一瞬、思案顔で呟いた後、宙を舞うはたきと雑巾を持った小さな人形、それに刃を持った小さな人形を解き放つと、それらがあっというまに部屋のほこりを払い、ふき取り、そして机の傷を消し去っていった。それを横目にランプとポットを用意すると、保冷庫の前にゆっくりとしゃがみこむ)
ご案内:「フランネルのアトリエ」にユーリエさんが現れました。
フランネル > うーん……。ちょっとこれはあんまりですかね (冷やして保存してあったミルクを注いだポットを持って立ち上がり、改めてテーブルを見渡して、いかにも実験器具然としたランプと三脚を目の前に、もう一度苦笑い)おサボりはダメですね。ちゃんとキッチンへいきましょ (ミルクポットを片手に向かうのは、小屋の奥のキッチン。備蓄しておいた火口の小枝をかまどに放り込むと、たちまちぱちぱちと赤い炎が燃え始める。その上にミルクポットを乗せてから、戸棚を探って)ええっと……あら、紅茶の葉がないですよ。うーん……しょうがないですね。それじゃ、取っておきを (錬金術で作られた密封瓶の中には、白い粉と黒い粉。ふたつの瓶を両手に持って取り出し、テーブルにそれらを並べようと応接室へ戻ると、そこにはまだ片付け忘れていたランプと三脚が並んでいた)あん、もう。単機能人形は気が利かないからがっかりしちゃうですね。
ユーリエ > ……変わったところにあるんだなあ。(森の中の、どこか異世界じみた風景の中を進んでいく。ふしぎな灯りが森の中に作られた道を照らしているから、迷うことはなさそうだ。供も着けずひとりでやってきて、小屋の前までたどり着けば、ドアのノッカーを掴み。とん、とん、とノック。そうして、出迎えを待ち……扉が開けば、ぱっと笑顔を見せた)こんばんは。昼はやることがあって……遅くなっちゃった。本当は、夕食も一緒に食べられるとよかったんだけど。(と、軽く肩をすくめて。くす、と笑みを向ければ、)でも、朝食は一緒に食べられるよ。
フランネル > あっ、はーい (ランプと三脚を抱えたところでノックの音がした。棚のほうをちらと見ても、そこにはもうスペースがない。少し考えて、ピンク色のハート型をしたキャンディのようなものが詰まった瓶とランプを入れ替え、握りこめるぐらいのサイズの筒と三脚を入れ替えると、小走りに入り口へ。そして、ゆっくりと木製の戸を押し開けると、可愛らしい――と、思ったのを彼が知ったらもしかしたらプライドを傷つけるかもしれないが――笑みを浮かべた少年と一緒に、ひやりとした夜気が隙間から流れ込んできた)こんばんはですよ、ユーリエくん。……ふふ、それは楽しみですね。さ、とりあえずお入りくださいです。寒かったでしょう? (言いながらもう少し扉を開き、彼を抱き寄せるように招き入れて、そのまま抱きしめて温めようと)んー……。
ユーリエ > んー……寒いって言ったら、温めてくれる?’(言いつつ。外套代わりのマントを外せば、ぱたん、と戸を閉めて彼女に向き合い。考えることは同じだったのか、そのまま両手を広げて腰の辺りに手を回し。温かさを感じればさらに腕に力を込めて)……ここ、フランネルのにおいがするね。ドキドキしちゃう。(耳元に囁きながら。頬もすり寄せつつ……離れるつもりはないらしく、そのまま話を始めようと)急だったかな? 僕が個人的に来たかっただけだから、そんなに構ってくれなくてもいいんだけど……。
フランネル > ふふ。私の匂い、もう覚えちゃったんです? やーらしい…… (同じぐらいの身長の彼と自分。正面から抱き合うと、ほとんど何もかもが同じ高さになる。彼がしたのと同じように、自分も囁きと吐息を彼の耳に甘く吹き込んでから、まだ服に冷たさの残る彼の背や肩を柔らかく温かい手でゆるゆると撫で、その髪を指で梳きながら)あん、そんなこと言わないでください。ユーリエくんが来てくれたのに、ほうっておいてお仕事なんてつまらないですよ。それに、勝手に触られると危ないものも、いーっぱいありますし…… (その台詞に割り込むようになり始めるのは、甲高い笛の音。あん、と、もう一度呟くと、名残惜しそうに体を離してから彼に椅子を勧め)ミルクが温まっちゃいました。取ってきますから、テーブルの上のは触らないでくださいね? そっちのは失敗惚れ薬で、そっちの筒は、確か試作のアルゴン収集機ですから (言ってから、小走りにかまどのあるほうへと)
ユーリエ > そう? でも、良い匂いだよ。ちょっと甘い、薬の匂い。(髪に触れる指の感触に、くすぐったそうに身を震わせて。そうして見つめ合い、さらに体を密着させようとしたところで……割り込むように聞こえてくる音。きょとんと瞬きしてから、相手の体が離れるのには、あっ、と小さく声を漏らして)……失敗って、何か副作用があるの?(そう言われれば……瓶の中身にすぐに興味を惹かれる。他人の思うとおりにならないタイプである。音を立てずに瓶の中のキャンディをひとつ摘んで眺めると、彼女が戻ってくる前にこっそり掌の中へ)
フランネル > ううん。ないですよ? 効能は申し分ないです。ただ、効き目がちょっと短く出来上がっちゃって、例えばお食事始めるときに飲ませたら、お食事終わる頃には効き目がなくなっちゃうですよ (恥ずかしげに笑いながら、持ってきたカップにポットの中身を少し注ぐと、白い湯気がふわりと立ち上った。密封瓶の中の黒い粉と白い粉をその上から入れると、広がる甘い香り)紅茶切らしちゃってるですからココアですけど、大丈夫ですよね? (言いながらカップの中身をスプーンで練ると、すぐに粘っこい音がし始める)
ユーリエ > そっか。……でも、ほれ薬なんか作るんだ。ねえ、それってフランネルが使うの?(楽しそうに問いかけつつ、小屋の中の独特の香りに混ざる甘い香り。ふんふん、と鼻をならして)うん、もちろん。……それ、ココア?(こっそり、あめ玉のようなほれ薬をポケットに隠しつつ。独特の触感に変わっていっているものを眺めて問いかける)
フランネル > 私が? (彼の問いに、きょとんと驚いたような表情を返すと、ココアを練っていた手が一瞬止まった。だが、すぐにくすくすと悪戯っぽく笑い始めながら、もう一度スプーンでカップの底に濃いこげ茶色の渦を描くのを再開し)ふふ。私がどういう人に使うのか気にしてくれたりするんです? ユーリエくん。でも、残念ですけどそれは依頼されて作ったものですよ。……せめてベッドまで保ってくれないと困る、って、すごく怒られて返されちゃいましたけど (言ってから、ふ、と、ひとつ息をついて手を止め困り笑い。そして、ポットのほうを手に取り、さらに温かいミルクを注いで)あら、おぼっちゃまは出来上がったところしかごらんになったことないです? それともメイドさんが大雑把で、お湯に注いで混ぜるだけなんでしょうか。ココアはちょっぴりのミルクかお湯でしっかり練ってからこうやってお湯とかミルクで伸ばすのが、味が深くなるんですよ? (混ぜながら少しずつミルクを注ぎ、出来上がったそれを彼のほうへ差し出す。そして、自分の分も同じように作ると、そこではたと気づいたように)あら。私ったらお茶菓子を出してないです。せっかくとっときのを買っておいたですのに。……ちょっと待ってて下さいですよ (言うと、席をたって奥のキッチンへ向かい、戸棚の中を覗き込み始める)えー……っと。
ユーリエ > ふーん……そっか。錬金術も、うまくいかないことがあるんだね。(話を聞きつつ。テーブルに両肘を突き、相手の手つきを眺めていたのだけど。む、と唇をとがらせ)「おぼっちゃま」って、イヤな言い方。初めて会ったみたい。(と、非難がましく視線を向けて。ミルクが注がれ、あつあつのココアができあがるのを待ちつつも、つん、と少し視線を外していたけど。……彼女が席を外すのを見れば、心の中の悪魔が囁いた。にや、と笑みを浮かべれば、彼女が自分用に用意したカップの中へ、そうっと手を伸ばし。先ほどくすねておいたキャンディ……のようなほれ薬……を、そのカップの中にぽと、と落として。何食わぬ顔で奥へ消えた相手の方へ、)……お菓子まで用意してくれたんだ。そんなに、機を使わなくてもいいのに。
フランネル > 錬金術に限らず、世の中で作り手でない方の手に渡るのは、普通は成功したものだけですからね。今回みたいにオーダーメイドで作ったりすると、また違う……あん、ごめんなさいです。だってユーリエくんったら、それココア? なんて聞くんですもの。(口では謝るものの、くすくすと笑いは零しながらそう答えたあと、お菓子を取りに席を立つ。そろそろ本気を出し始めた風と雪の精霊の合いの子の吐息が窓を揺らすのを聞きながら戸棚から今日買ってきておいたクッキーの袋を取り出し、さまざまな果物のジャムが乗ったそれを皿の上に並べて戻ってくると、もう一度席に着き)お客様にお茶だけ出してお茶請けなしなんて、寂しいじゃないです? それに、私も好きなんですもの。このクッキー (ふふ、と、小さく笑って言うと、ココアのカップを手に取り、ふうふうとそれを吹き始める。ふわり、ふわり、甘く香ばしい湯気を広げながら、上目遣いに彼を見て)ユーリエくんは、もし何でも錬金術で作れるんだったら、何か作ってみたいものってあるですか?
ユーリエ > ……今日、帰れそうにないね。もうちょっと着くのが遅かったら、大変だったかも。(ふたりきりの小屋の中。薄明かりの元で向き合い、自分もカップに手を伸ばす。冷えた指先を温めるようにしながら、運ばれてきたクッキーに手を伸ばす。色とりどりのジャムで飾られたそれを、はむ、と口に含み)……ん、おいしい。(眼を細めて笑みを向けながら。相手が惚れ薬を混ぜ込んだココアに口をつけるのに視線向けつつ、)僕が? んー……そうだなあ。(考える時のクセなのか。耳の後ろ辺りの髪を指に絡ませつつ、)……あ、あれは? ほら、昔話に出てくる、服が透けて見えるメガネ……なんて、できるの?(と。いたずらっぽく笑みを向けながら)
フランネル > ふふ。ユーリエくんが遊びに来てくれて本当によかったですよ。今夜は温かく過ごせそうですもの (お気に入りのクッキーを褒めてくれた彼に、にこりと笑顔を向けてそう言ってから、もう一度カップの中身を吹こうとしてふと動きを止め)……なんです? そんなにじいっと見て。こないだのこと、思い出しちゃったんですか? (また少しからかうような響きを声に混じらせ、ほんのりと艶を込めた視線を彼に向けてから、そっとカップに口をつける。こくりと一口飲んで、幸せそうな吐息を漏らしたあと、おかしげに笑って)まあ。ユーリエくんたらそんなの欲しいんです? そうですねえ、できないことはないですけど……みんな透けちゃいますよ? 老若男女を問わず。それにユーリエくんたら、見るだけでいいんです? (そんなことを談笑しながら、クッキーをつまみ、ココアを少しずつ楽しむ。そしてしばらくの後、ふとカップの中を覗き込むと、ふっ、と、小さく吹き出してからスプーンをカップに差し入れる。そしてすくい上げるのは、まだハート型を保っているピンク色の飴玉)こーら、ユーリエくんったら。私惚れさせてどうするつもりだったんです?
ユーリエ > もしかしたら、あしたの昼まで帰れないかも。(ふふ、と笑みを浮かべて見せつつ。2枚目、3枚目のクッキーにも手を伸ばして)ん? んー……思い出しちゃうよ。そりゃあ……アレだけだったんだもん。(と、相手の胸元眺めつつ。座ったままの腰をもじつかせる)だって、みんながどんな身体してるか、気にならない? みんな隠してるんだよ。もしかしたら、すごいものが服の下には隠れてるのかも。(言いつつ。相手がカップの中に隠れたキャンディを見つけてしまって。う……と喉を鳴らす。濃いココアには、どうやら溶けにくかったらしい)……だって。気になったし。……フランネルに僕のこと、好きになってほしかったし。(少しばつが悪そうに。視線外してから、流し目向けて)……怒った?
フランネル > ごめんなさいね。さっき言わなかったですけど、これ、もうひとつ欠点があって、飲み物にほとんど溶けないんですよ (言いながら、スプーンの上からその飴玉をつまみ上げてランプの明かりにかざすと、ココアの雫が指先から手の甲へと少しずつ滑り落ちていった。片目の前にそれを掲げたまま、視線を彼のほうに戻して笑い)こんなことしなくても、私、ユーリエくんのこと好きですのに。……ふふ、怒らないですよ。どっちかっていうとうれしいです。こんな……ことするぐらいには、私のこと好きでいてくれてるってことですもの (悪戯、と、言うとまた彼を傷つけそうだと思ったのか、その言葉は口には出さずに。そして、あーん、と、口を開け、代わりに目を閉じると、ぽいと指先につまんだそれを自分の口に放り込む)……ん、っ。ふ (こくん、と、喉がひとつ動いた。ふう、と、息を吐き出してから、目を閉じたままの顔を彼に向け)ほんのちょっとの間しか効かないですけど。……私のことそういう気持ちにさせちゃった責任は、とってくださいね? (期待と、艶と、そしていたずらっぽい響きの混じった声でそう言ってから、ぱちりと目を開く。たちまち、じんわりと瞳を潤ませ、頬を桜色に上気させて)あん、もう……。こんなに可愛い子に惚れ薬なんか使っちゃったら、止まらなくなっちゃいそうです……。
ユーリエ > わっ。(何を言われるのか、どこか気まずそうに見つめていたけど。相手の手がぱっと動いて自分の口の中に惚れ薬を放り込むのを見れば、驚きに声を上げ。きょと、と瞬きしながら顔を見つめてしまう)……う、うん。僕も、好きだよ。フランネル。すっごくきれいで、えっちだ。(相手の視線に熱っぽいモノが浮かぶのを感じれば、こくん、と喉を鳴らして。テーブルを挟んでいるのももどかしくて、立ち上がってしまえば。相手のすぐ隣まで)……僕も。ちょっとだけ、分けて。(そう言うと、相手の頬を掴む。そうして、一気に顔を寄せれば、あむ、と唇を重ね……そのまま、舌を潜らせて。口の中に残った甘いココアのにおいと、キャンディのようなほれ薬の破片を探るように、相手の口の中、舌がくちゅ、くちゅ、とかき乱すように……)
フランネル > んふ…… (自分は座ったまま、目の前に来てくれた彼を熱っぽく見つめてその細い首に両腕を絡ませる。そのまま抱き寄せると、薄いワンピース越しに彼の胸板の上で乳房がやわらかく潰れた)はい、どうぞですよ……。もう今なら、なんだってあげちゃえる気分です……(言いながらそっと目を閉じて唇を重ね、差し入れられた舌に自分からも舌を絡ませる。ココアとジャムの甘い残り香の中に、ほんの少し残る異質な甘み。頬を、上顎を彼の舌に探られるたび、甘く潤んだ吐息を鼻に抜けさせ、背筋を震わせて)ん……。んっ、んふ、ん……。ふぁ。は、あ……っ。やん、素敵ぃ……。ユーリエくん、キス、上手ですね……。うっとりしちゃうですよ…… (息継ぎのついでに、少し上ずった声で呟くようにそう告げると、もう一度、今度は逆向きに顔を傾けて唇を寄せる。さらりと揺れた亜麻色の髪からは、お菓子やココアとはまた違うほんのりと甘い香りを立ち上らせながら、黒いワンピースに包んだ柔らかい体をむにゅむにゅと押し付けて)んんー……っ。